ファントムを退け、其の残骸を回収して帰宅した遊哉を出迎えたのは…
「取りあえず何でこんなに遅くなったのか聞きましょうか?」
怒りの形相の般若様…もとい霧恵であった…
遊戯王デュエルモンスターズ New Generation Duel24
『集結した仲間』
「久しぶりに出やがったな『説教魔人ハンニャー・霧恵』!」
「誰が説教魔人か!!」
説教魔人ハンニャー・霧恵:ATK4000000
「取りあえず神の1000倍の攻撃力を抑えてくれ、ちゃんと話すから。てか来客?」
取りあえず話題をそらす。
霧恵の背後に破壊神とか恐怖の根源とか幻魔皇が見えた気がするが気のせいだと思うことにしておこう。
「そ、アンタと遊星を訪ねてきたの。アメリカでの知り合いだって。」
「アメリカの?誰じゃ?」
遊哉の疑問に答えるように其の来客が姿を見せる。
「ハイ、久しぶりね遊哉。」
「シェリー・ルブラン!」
更に…
「よう、満足してるか?」
「現れたな!『満足戦士・サティスファクション』!!」
「其の呼び方には満足できねぇぜ!!」
なんだかなぁ…
「冗談だ。元気そうじゃねぇか京介!」
そう、来客とは遊哉と遊星がアメリカ時代に交流のあった2人、シェリー・ルブランと鬼柳京介。
アメリカ時代には此の4人で『チーム・サティスファクション』を結成し無敗のデュエルチームとして他を圧倒していた。
遊哉と遊星の帰国に伴いチームは解散となったが電話などでの連絡は取り合っていたのだ。
「で、如何したの?暫くはアメリカに居るって言ってたじゃんよ?遊星は聞いたのか?」
「いや聞いてない。と言うよりお前が帰ってきてたらと言うことでな。」
「あ、そうだったの…」
流石に遅くなったのがばつが悪いのか何時もと比べれば勢いが弱い。
「目的の1つは遊哉、彼方が『闘いの王国』で優勝したって聞いたからよ。そしてもう1つの目的は此れ。」
シェーリーがポケットから取り出したもの、其れは…
「「「「WRG1の開催告知!!」」」」
遊哉、遊星、霧恵、アキが声をそろえる…見事なシンクロです。
「そう言うこった。メンバーはリザーバーを含めて7人まで。人数は合ってるだろ?」
「ま、確かにな。」
要するにライディングデュエルの世界大会、其れの参加のお誘い。
チーム戦ゆえそのメンバー集めと言った所だろうが…
「で、何でこんなに遅くなったの?」(怒)
怒りの霧恵は黙っちゃいなかった(汗)
「まぁ、そのアレだ。端的に言うと…」
其の怒りのオーラに若干押されながらも言う。
『端的に』って辺りにさっさと説教を終了させたい意図が丸分かりである。
「ファントムに襲われました!!」
「「「「「え!?」」」」」
シェリーと鬼柳を加えたメンバーは当然驚く。
巷を騒がせてるファントムに襲われたと言うのだから無理も無いのだが…そんなことはお構い無しに遊哉は続ける。
「遅くなっちまったからレーン使って帰ったほうが早いと思ったら行き成り現れてデュエルしろって。
で、機皇帝とか言う男児永遠のロマンがたっぷりの合体巨大ロボ使ってきやがってよ。
シンクロモンスター吸収の効果持っててなんか攻撃力6000オーバーで調子こいてたからアグニ/バスター召喚して攻撃力9000で沈めたけどな。
てかシンクロキラーとか抜かしてたけど少なくとも遊星なら楽勝じゃね?機皇帝はレベル1だったからターボ・ウォリアーでメタれるし。
そんでだ、どうも巷で噂になってたのってロボットみたいで其の残骸が表に有るんだけど如何しようか?
まぁロボットって時点で未だ出てくるだろうけど最大攻撃力21万オーバーの俺達の敵じゃあないだろ。
それ以前に、悪役の癖に合体巨大ロボ使う奴なんざ滅殺・抹殺・瞬獄殺よ!!!」
「…絶好調だな緋渡。」
「テンション上がってますんで。」
「相変わらずの…」
「毒舌八丁ね。」
呆れるしかない。
いや、呆れるだけ無駄だろう緋渡遊哉とはこう言う男だ。
「そう言うわけで俺が遅くなったのは全てファントムの戯けのせいで俺は何も悪くない。そう言うことで無罪放免プリーズ。」
「開き直らないで下さいマスター…」
エアトスも中々どうして大変らしい。
「分った…もう良いあたしの負けで…」
霧恵も諦めた。
「…アメリカ時代と性格ちがくないかしら?」
「アキ、緋渡は基本あんな感じだ。…それでシェリー、鬼柳只メンバーの誘いに来たって訳じゃあ無いだろう?」
遊星が話の方向を変える…流石。
「まぁな。遊星と遊哉に関してははなっからチームに誘うつもりだった。そっちの嬢ちゃん2人もだけどな。」
「けれど霧恵とアキの実力を私達は知らない。あなた達も私と鬼柳の実力は知らないでしょう。」
此の問いに霧恵とアキは顔を見合わせ頷く。
「つまりはそう言うこと?」
シェリーの意図を理解し、確認の意味を込めて霧恵は問う。
其れに僅かに笑いシェリーも答える。
「そう、つまりは貴女達の力が知りたいの。チームを組むに値するかどうかをね。」
「言ってくれるじゃない?あんた達こそあたしとアキが組むに値するか見せてもらおうかしら。」
瞬間火花。
霧恵&アキとシェリー&鬼柳の間には猛烈な火花が散っているのが感じ取れる。
「展開的に俺達の出番無さそうだな遊星よ。」
「みたいだ。」
「寝るか…遅いし。」
「そうだな。」
「「「「寝るな!!」」」」
鋭い突っ込みが入った。
如何言う訳か遊哉と一緒だとナチュラルにぼけるのだ遊星は。
「だが、これからデュエルするのか?」
「明日の朝で良いんじゃね?てかファントムと1戦交えて疲れた。ぶっちゃけ超眠い。ベッドに入った3秒後に寝る自信がある!」
「要らん事で威張るな!!」
「でも確かに遊哉の言う通りね。ここまで遅くなった原因が言うのがアレだけど。」
「さらっと痛いとこ突くな十六夜。流石は黒薔薇の魔女…」
「其の二つ名は今は関係ないと思うんだが…?」
突込みとも呟きとも付かない遊星の一言でこの日はお開きとなり、
翌日。
場所は童実野中央スタジアム。
一般に開放されているライディングデュエル用のサーキットが有る施設で其処を使ってのタッグライディング。
戦うのは勿論、霧恵・アキ組vs鬼柳・シェリー組。
遊哉と遊星は観客席で観戦。
ついでに言うと、美咲、響、氷雨の3人娘とレンも同席。
「何で居るんだオメェ?」
「美咲っちからメールを貰ったのさ!ふっふっふ君達がチームを組む事になったら辰美財閥は全力で支援するつもりで居るからね!」
「良いのか?」
「構わないよ。次期頭首の身だけど既にアタシが実権握ってる状態だからね〜!」
「ま、チーム結成が出来るかどうかは此のデュエルに掛かってんだけどな。」
遊哉の視線の先、サーキットでは既に4人がスタンバイ。
シグナルの点灯を待っている状態だ。
「さて、どうなると思う遊星?」
「完全に互角…削り合いだろう。」
「ま、そうだろうな。」
そしていよいよデュエル始まる。
「「「「フィールド魔法『スピードワールド2』セットオン!」」」」
「「「「デュエルモードオン」」」」
フィールド魔法が発動し、サーキットはスピードが支配する空間へと成り代わる。
シグナルは未だ赤。
其れは徐々に降下し…シグナルグリーンを告げた。
「「「「ライディング・デュエル、アクセラレーション!!」」」」
霧恵&アキ:LP4000
鬼柳&シェリーLP4000
開始されたタッグライディング。
果たして如何なる結末がまって居るのか…?
To Be Continued… 