Side:レーシャ


一回戦を、何とかギリギリで突破して、明日の2回戦では、いよいよミウラとの直接対決……其れまでに出来る事は全てやっておかないとね。
正直な事言うなら、1回戦で開眼した風の拳――タイプ∞は、マダマダ完成には程遠い感じだけど、中一日程度の時間で、完成させる事は無理だ
から、此れはもう実戦の中で、鍛えて行くしかないわ。

ま、だからこそ、少しでも地力を上げるべく、砂浜でのロードワークは欠かしてない訳なんだけどさ。



「あ、レーシャさん!
 お早うございます!!今日もロードワークですか?……精が出ますね♪」

「っはよ~。
 まぁ、其れはお互いさまでしょミウラ?――次の試合には、ベストコンディションで臨みたいから、その為にはロードワークみたいな物は欠かせない
 でしょ?」

「ふふ、アインスさんもそう言ってました――だけど、いよいよ明日なんですよね……」



そうね……いよいよ、明日、私とミウラはインターミドル本戦って言う大舞台で、拳を交わす……奇跡のスーパールーキー同士の直接対決に相応し
い、最高のバトルをしようじゃない!


どんな結果が出るのかは、今からじゃ分からないけど、自分の持てる力の全てを出して、悔いの無いような戦いにしないとだから、負けないよ!!



「其れは僕もです……最高の試合にしましょう!!!」

「応ともさ!年間ベストバウトに選ばれる程の、試合をしてやろうじゃない!!――次の試合、勝つのは私だ!!」

「負けません!!」



さてと、次の二回戦でのミウラとの直接対決は、最高最強の試合になるのは間違いないでしょうね……私もミウラも相当に昂ってるからね!!
スーパールーキー同士の直接対決は、話題性から行っても、抜群って言う所だからね♪――だからこそ、何が何でも勝ちたい所だわ!!!

試合前だって言うのに、闘志が燃え上がって来たみたいね♪











遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow87
『最高のライバル対決を前に…』











「ただいま~~~!」

「おかえり~~~♪
 朝ごはんが出来るまでには、も少し時間が有るから、先にシャワー浴びて、ロードワークで掻いた汗を流して来や~~~~。」

「うぃ~っす、了解っす。」

ロードワークから戻って来れば、既にお母さんが朝食の準備をしてて、お父さんは食卓で新聞を広げて、世間で何が起きてるのかをサーチ中で、遊
陽とシュタームは、安定の『ジャンク・ベビーシッター』こと『ジャンク・バーサーカー(またの名をナマハゲ)』が、世話してる――何気ない日常だわ。

尤も、此れだけの事が幸福なのは間違いないし、これ以上何かを求めるって言うのは贅沢ってモンだわ……其れこそ、罰が当たっちゃうかもだよ。


で、今日の朝ごはんは……御飯の炊ける良い匂いと、これまた良い匂いを漂わせてるお味噌汁、そしてグリルで焼かれてるのは鯖の一夜干しね!
お母さんが大得意としてる和食のメニュー……其れが分かっただけでお腹がすいて来るよ~~~。

と、先ずはシャワーで汗を流してからだね……朝の団欒は、其れからだよね♪



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「「「いただきます。」」」

「「たーきまーす!!」」



でもって、シャワーを浴びた後は、お待ちかねの朝食タイム!!純和風のメニューは、ロードワークで消耗した身体には、何とも有り難いわ~~!
鯖の一夜干しは言うに及ばず、お母さんお手製のきゅうりとなすの糠漬けは、これまた御飯によく合うから、箸が止まらない!!コメが足りないわ!

「おかわり!!」

「はいはい、ごはんも沢山炊いたから、沢山食べてな♪」

「押忍!!」

食は、武闘家にとっての基本だから、キッチリとらないとだからね。



「其れだけ元気が有るなら、大丈夫そうだなレーシャは。
 明日の二回戦は、ライバルであるミウラとの直接対決になるから、多少緊張してるのかとも思ったが、如何やら要らない心配だったみたいだな?」

「まぁ、緊張はしてるけど、ミウラとはもともと本戦で戦う約束してたから、其れが予想以上に早かったって言うだけの事だから、不必要な緊張はして
 ないって所だよお父さん♪」

「そうか……肉体面だけでなく、精神面でも、お前は既に最高の状態になっているんだな……明日の試合、頑張れよ?
 直接会場に赴く事は出来ないが、管理局のロビーに設置された、大型のパブリックビューを見ながら応援をさせてもらうさ……其れで良いだろ?」

「異論無しやで遊星――愛娘の2回戦を見逃す事は出来へんからな♪」



そんなモン設置してたの!?……てか若しかしなくても……



「少なくとも、私の所属しとる部署の子達と、技術開発部の人達は、全員観戦しとるよ~~~。試合開始までに、割り当ての業務切上げてな~~。」

「レーシャは、皆に人気があるからな。」

「予想してなかった新事実発覚だよ!!」

ま、応援してくれる人が多いって言うのは、其れだけやる気にも繋がるから、良いんだけどね。
でも、そうなると教導隊の人達や、武装隊の人達の中には、ミウラのファンの人達も居るって事だよね?ミウラってば、夜天の守護騎士に鍛えられ
てる訳だから。



「せやな~~~。確かにミウラのファンも多いな~~。やから、明日の試合、パブリックビューの前は局員でごった返しそうやで~~~。」

「混乱が起きないように、警備の方に連絡を入れておいた方が良いかも知れないな。」

「……其れ、微妙にシャレになってないよお父さん……」

「まぁ、その辺は何とかするとしてや――レーシャは明日の試合、秘策みたいなモンはあるんか?」



へ?秘策って……無いよそんなモノ。
ミウラの徹底してた高められたパワーとタフネスの前には、下手に策を弄するよりも、何時もの自分のスタイル貫いて、真正面からやり合うのが得策
だと思うから。

多分、ミウラも同じ様に思ってるんじゃないかと思うんだ♪



「ほうほう……成程な~~?
 せやけど、ミウラはウチの子達が鍛え上げた秘蔵っ子や、経験面は兎も角として、純粋な実力だけやったら可成り高いレベルに居るんと違う?」

「お言葉ですがお母さん、ミウラの師匠は確かに歴戦の騎士達だけど、私の師匠は其れすら軽く凌駕する、チート無限のバグキャラですが何か?」

「……そう言えばアイツのカード、遂に属性とモンスターレベルまでバグ表示されてしまうようになったな………」

「……言われてみれば、そうやったね……このカードはもう、禁止カードやなくて、指定ロストロギアにして局預かりにした方がえぇんやろか……



つまりそう言う事なので、策が無くとも心配ご無用ですって!
何よりも、ミウラとは純粋にスピードとパワーの勝負をしたいから、明日の試合は真正面からぶつかる以外の選択肢は元より存在してないから!



「まぁ、そやなぁ……其処まで言うなら、小細工無しで思い切りやってくるとえぇわ♪」

「勝ちたいと思うのは当然だが、それ以上に明日の試合は楽しんで来い。
 格闘もデュエルも、最高のライバルと戦う時、先にある勝利を望みつつも、互いにその戦いを楽しむ事が大前提になっているからな。」

「うん、分かってるって!!」

ま、明日の試合までにタイプ∞の精度を、可能な限り上げておきたいとは思うけどね。








――――――








Side:ミウラ


いよいよ、いよいよ明日はレーシャさんとの直接対決……緊張――よりも、寧ろ楽しみで仕方ない感じがする。……こんな感覚は、初めてかも。
ヴィヴィオさんとの戦いの前も、確かに緊張とワクワクが一緒になってたけど、今は、あの時よりも緊張は小さくて、逆にワクワクって言うか、期待感
みたいな物の方が、ずっと大きい。



「それが、最高のライバルと戦える事に対する歓喜なのかもしれないね。」

「アインスさん!」

「ふふ、シャドーを始めてそろそろ1時間だ、休憩を入れても良い頃だろう?
 アイスハチミツレモンティーを持って来たから、一息つかないかい?練習は大事だけれど、オーバーワークは禁物だからね。」



はい、そうします。


――ごくごくごく!!!



「はぁ~~~~!!美味しいです、このハチミツレモンティー!
 お茶の濃さも絶妙ですし、レモンとハチミツの配分もばっちりです!疲れた体に染み渡りますよ~~~~♪」

「ふふふ、お褒めに預かり光栄かな。」



はい、本当にありがとうございます!
……其れで、アインスさん、僕が今感じてる物が、最高のライバルと戦える事に対する歓喜って如何言う事ですか?勿論レーシャさんは、目下僕に
とっての一番のライバルですけど、ヴィヴィオさんだって其れは変わりませんよ?



「かも知れないけれど、少なくともヴィヴィオと戦う時は、君はヴィヴィオの事をライバルとしては意識していなかっただろう?
 あくまで同年代の格闘仲間位の認識で、ライバルと認識したのは試合の後からだっただろう?
 けれどもレーシャの場合は、予選の試合を見て行く中で、試合前から己のライバルとして認識した――まぁ、其れはレーシャも同じだろうけれどね。
 戦ってからライバル認識したのと、戦う前からライバル認識していたのでは、自分の気持ちと言うのもかなり大きく違うと言うモノさ。」

「戦う前から、レーシャさんをライバルと認識してたからこそのこの気持ち……言われてみれば、確かにそうかも知れません。」

ヴィヴィオさんの時は、戦う事を楽しみにしていたけど、此れから先のライバルになるって思ったのは、戦った後だった。
だけど、レーシャさんの場合は、戦う前からライバルとして認識してた……僕も、レーシャさんも互いに……だから、こんなにワクワクして来るんだ。
だったら尚の事、明日の試合は最高のコンディションで挑まないとです!!



「その意気や良しだ。
 で、明日の試合に対する秘策みたいな物はあるのかい?ヴィータもザフィーラも、君から特に相談みたいな物は無かったと言っていたが……」

「秘策なんて有りません。
 レーシャさんのスピードと、アレだけのスピードを維持できるスタミナを相手に、策を弄するのは『下手な考え休むに似たり』でしかありません。」

明日の試合は、小細工無しの真っ向勝負。
レーシャさんのスピードとスタミナが僕のタフネスを超えるのか、其れともレーシャさんの猛攻の隙を突いた僕の豪打がレーシャさんを捉えるのかっ
て言う、純粋なパワー&タフネスvsスピード&スタミナの勝負ですから!!



「成程ね……だが、あの子の師匠は、チート無限のバグキャラだから、其処だけは忘れないようにね。」

「あはは……肝に銘じておきます……」

だけど、僕の師匠だって、歴戦の騎士の皆さんなんですから遅れは取りません!!――明日の試合は、全力で挑むだけですから!!!



「全力全壊か……まぁ、己の力を出し切っておいで?くれぐれも、悔いの無いようにね?」

「押忍!」

明日は最高の試合をしましょう、レーシャさん!!








――――――








Side:レーシャ


と言う訳で翌日!分かり易く言うなら、インターミドル本戦の2回戦で私とミウラの直接対決の日!
会場は、今日も今日とて超満員札止め状態で、既にバーニングソウルもビックリするくらいの、凄い熱気に包まれてるわ――まぁ、只今番長の試合
の真最中だから、其れも致し方ないかも知れないけどね?



「調子こいてんじゃねぇぞオラァ!!」



――ギュルン!!

――ドン!バン!!ガン!!ドン!!バキ!!メキ!!バゴォォォォォォォォォ!!!



「大人しく寝てろ!!!」


――バッキーーーーーーーー!!!


対戦相手:LP4000→0
クラッシュエミュレート:色々と沢山




うっわ~~……最終ラウンドで、判定勝ちを狙いに来た相手を鎖で拘束して、連続で地面に叩き付けて、トドメに渾身の左ストレートをブチかまして
KOして見せるとは、何とも見事な喧嘩殺法でした番長。

でもって、番長の試合が終わったって事は、次はいよいよ私とミウラの番よね。
此の試合の勝者が、3回戦に駒を進めて、そして番長と戦う事が出来る――絶対に負ける事は出来ないわ、此の試合!!!



『イィヤッホーーーーー!!番長こと、ハリー・トライベッカが見上げた喧嘩根性で、見事2回戦も突破――!流石の実力だ!!
 だが、次なる試合は、今の一戦を凌駕するかも知れないぞ~~~!!!
 今年のインターミドルの予選から現れた、超新星!スーパールーキーと名高いレーシャ・Y・不動と、ミウラ・リナルディの直接対決!!!
 しかもこの試合の勝者が、次の3回戦で、番長と戦う事になると言うのだから、此の試合は一瞬たりとも目をはなす事は出来ないぞーーーー!』



今日もまた、盛大に煽るねMCさん?でも、其れが逆に良い感じ!
私とミウラの試合が盛り上がらないなんて、そんなのは満足出来ないからね!!――だから、最高の試合にしようね、ミウラ?



「はい!勿論です!!全力で行きますよ、レーシャさん!!」

「OK!私も初っ端から、エンジン全開で行かせて貰うわ!!」




『此れはーーー!試合開始前から、すでに両者の気合も闘気も充実しまくっているようだ!だとしたら、此れは凄い試合になりそうだーーーー!!
 スーパールーキー同士の戦いを制し、アルティメットルーキーとなって三回戦に進むのは、果たしてどちらの武道家なのかーーーー!?
 注目の、スーパールーキー対決、レーシャ・Y・不動vsミウラ・リナルディ……試合開始ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!』



「雷が、お前を呼んでるぜ……!」

「なら燃え尽きると良いですよ……潔くね。」

「……行くぜ!!」



レーシャ:LP30000
ミウラ:LP30000




そして試合開始!!


究極のスピードと、究極のパワーのぶつかり合いのこの戦い……必ず制して見せるわ!!――だから、勝たせて貰うわよミウラ!!!!



さぁ、最高のライバル対決を始めようじゃない!!絶対に、負けないからね!!!











 To Be Continued… 








*登場カード補足