Side:レーシャ


「「「「「「「「「「それじゃあ、お世話になりました!!」」」」」」」」」



楽しい時間はあっという間に過ぎるって言うけど、正にその通りだね。気が付いたら、ルーフェンでの武道ツアーは、最終日を終えて、後はミッドに帰
るだけになってたからね。

元々そんなに長い日程じゃなかったんだけど……このルーフェンでは、色んな事を学んだ気がするわ。
私の新たな可能性、ヴィヴィの中に眠る潜在能力――何よりも、私にとっては、予想外だった新たなカード『蒼龍』を得た事が、とっても大きいわね。

私の可能性も、蒼龍も、生かすも殺すも私次第だから、其処は頑張って行かないとだけどね。



「うん、気をつけて帰るんだよ?
 ま、時間が有ったらいつでもおいで?その時は、また歓迎するからさ。」



ありがとうございますリンナさん!機会が有れば、また来ますね!

ともあれ、色んな発見と出会いが有ったルーフェンとも、一旦お別れ――ミッドに戻って、また新しい日々の始まり!!此れは此れで楽しみだわ!!
私とミウラは、インターミドルの予選決勝も控えてるから、其れだけで燃えて来るわ!!

でもまぁ、一時バイバイだねルーフェン。
今よりも強くなったら、また来るから、その時まで待っててよ。――必ず、もう一度此処に来るからさ。












遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow83
『帰還。そして新たなる日々。』











でもって、ミッドに戻って来た訳なんだけど……このままストレートに家に帰っても多分誰も居ないよね?
土日休日なら兎も角、平日の日中なら、お父さんもお母さんも管理局にいる筈だし、遊陽とシュタームだって局内の託児所にいる筈だから、家に帰る
よりも、管理局に行くのが賢い選択だよねこれ。

と言う訳で、私は管理局に行くから、ヴィヴィ達とは此処でお別れだね。つっても、週明けの月曜日にはまた顔付き合わせる事になるんだけどさ。



「まあ、そうだね……なら、此処で解散かな?」

「だろうな――てか、普通に流れ解散で良いだろ此れ。特別引率が居る訳でもないし、観光バスで移動してた訳でもないんだからな。」



流石はヴィヴィと稼津斗師匠、良く分かってらっしゃる。

っと、其れよりも解散する前に……

「ミウラ!予選決勝戦も負けないでよ?
 私も貴女も本戦には駒を進めてるけど、決勝戦の結果が、本戦のトーナメントに影響して来るんだからね?」

「言われるまでもないですよレーシャさん……この勢いの儘、決勝戦だって突破しちゃいます!!――だから、本戦で戦いましょう、レーシャさん!」



OK!ミウラも同じ事を思ってくれてたみたいね……だったら、尚の事漲ってくるわ!!
先ずは、予選のトップ通過は当然として、本戦でのミウラとの戦いが俄然楽しみになって来た!何処で当たるか分からないけど、絶対負けないわ!



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と言う訳で、やってきました管理局本局。
受付で手続き済ませて、託児所に居る遊陽とシュタームを引き取ったんだけど、お母さんは現在会議中で会う事は出来ないみたい……だから、先ず
はお父さんと会っておこうかと思って、技術開発室に来たんだけど……



「X座標の出力が大きすぎるな……此れだとY座標の出力が抑圧されて、Z座標が本来の出力を出せていない……マリー、X座標の出力を75%に
 落として、Y座標の出力を90%に上げ、Z座標の出力は現状の維持をしてくれ。」

「了解!!!」

「……よし、これで3つの出力が大分安定して来たな。
 後は夫々が90%の出力を出した状態で、安定稼働できるようになればクリアだ………尤も、其れが一番難しい事なんだが、やり甲斐もあるさ。」



なんかの開発してたけど、何だかサッパリ分かりませんでした!!
何らかのエネルギー機関なんだろうけど、座標が如何の、出力が如何の言われても、マッタク持って全然分かりません!てか、分かるかぁ!!!!



「ん?……レーシャ、もうルーフェンから帰って来てたのか!」

「そして、さも当然のように普通に反応するお父さんが、ある意味で凄いと思った私はきっと悪くないよね。」

ただいまお父さん、無事帰ってきました!遊陽とシュタームも託児所から引き取って来たよ。
……にしても、一体何を作ってたの今回は?なんかのエネルギー機関だって言うのは、何となく分かるんだけど、其れが如何言うモノなのか、何に
使うのかとかは、全然分からなかったんだけど……



「此れか?此れは、今度局内に新しく設置されるトレーニングルーム用のエネルギー機関さ。
 此れまでのトレーニングルームは、1人で使用する場合にはドローンを相手にする事しか出来なかったが、新しいトレーニングルームでは、ソリッド
 ヴィジョンで局内の魔導師を再現しての疑似対人戦を可能にしようと思ってな。
 そのソリッドヴィジョンの安定稼働と、再現した魔導師の強さで発生する衝撃の調整の為のエネルギー機関を作っていたのさ……未完成だがな。」



其れはまた凄いモノを開発しています事で……てか、そうなると疑似的とは言え誰でもお母さんやなのはさんと模擬戦が出来るように成る訳か?
此れが完成したら、局の魔導師の人達の実力が底上げされるのは、間違いなさそうだわ。



「そうだな。
 さて、レーシャも帰って来た事だし、今日は此処までにしようかマリー?元々、ソロソロ遊陽とシュタームを迎えに行こうと思っていたからな。」

「そうですね~~~。今日はXYZの夫々の出力を、安定させる事が出来るようになったって言う所で一区切りにしておきましょう。
 やり過ぎと詰め込み過ぎは良くないですし、何よりも、レーシャちゃんを待たせちゃいけませんからね~~~♪お疲れ様でした、チーフ!」

「あぁ、また明日な。」



って、もう良いのお父さん?私なら大丈夫だから、作業続けても大丈夫だよ?
遊陽とシュタームなら、バーサーカーが面倒見てくれるだろうし、其れに未だお母さんの方の会議だって終わってないと思うんだけど……



「元々今日は、3つの出力を安定させる事が出来ればいいと思ってたから問題ないさ。
 其れにはやての会議の方も……この時間だと、はやてが『特務二佐』の地位を最大利用しての鶴の一声で強制終了させる筈………」




「あーーーーもうごちゃごちゃ言わんと、此れが最大の妥協案や言うとんのが分からんのかい!!!
 確かに陸の方からしたら、少しばかり不満があるんは分からんでもないけど、陸と海双方のバランスを考えたら此れが、一番やろうが!
 てか、海の方もギリギリまで譲歩したんやからこれで納得せんかい!これ以上文句あるんやったら、私が直々に相手になったるわぁ!
 異論はあるか!?ないな?ほな本日は此処まで!!以上、解散!!!」





……強制終了したみたいだね、お父さん。
てか、会議室と此処って結構距離離れてる筈だけど、にも拘らずこれだけハッキリと聞こえるって、お母さんの声はドレだけ通るものなのやら…(汗)



「良く通る割に、決して大きな声じゃないのだから驚きだな。」



だよね~~。
でも、会議が終わったって言う事は……



「お疲れさん~~~~!会議終わったから、帰ろか遊星~~~って、なんや、もうルーフェンから戻って来とったんかレーシャ!!」

「うん、ついさっきだけどね。ただいまお母さん♪」

「おかえり~~~~!!ん~~~~~~~、久しぶりの愛娘~~~♪」



やっぱり此処に来たねお母さん……って、ちょっと!ハグは兎も角、抱っこは恥ずかしいからダメ!!私よりも遊陽とシュタームを抱っこしてあげて!



「え~~~~?久々なんやから、此れ位はえぇやん♪其れにや、此れも親子の大事なスキンシップやで~~~?」

「もっともらしい事言わないでよ!!
 やめないと、大人モードになって、逆にお母さんの事だっこするよ!?其れでも良いの!?」

「あ、其れもおもろいかも知れへんなぁ?
 自分と同じ姿になった娘にお姫様抱っこされるって言うのも、ある意味で貴重な体験やし、折角やからやってもろてもえぇかも知れへんね此れ。」



……渾身のカウンターも通じないとは、やっぱりお母さんには敵わないわ此れ。
まぁ、部屋から出る時には下ろしてよ?流石に人に見られるのは、恥ずかしいから。其れ位は分かってくれるでしょ?



「分かっとるって……改めておかえりやレーシャ。
 ルーフェン旅行で得る物は随分と有ったみたいやな?……ルーフェンに行く前と比べると、何て言うか一皮剥けた感じやな?格闘家としてもデュエ
 リストとしてもな。」

「はやても感じたか?……確かにレーシャは成長しただろうな。
 其れにこの感じは……ルーフェンで、新しいカードでも手に入れたのか?レーシャのデッキから、此れまでとは違う力を感じるぞ?」



まぁ、ルーフェンでは色々ありましたので、成長しない方がオカシイと思うよ?其れを分かるお父さんとお母さんは流石だと思うけどね。
何よりもお父さん、私のデッキに新たなカードが有るのを見抜くとは、流石です。まぁ、家に帰ったら、私の新しい仲間はお披露目する心算だよ。



「ルーフェンの土産話もぎょーさんありそうやな?こら楽しみで仕方ないわ。
 ほな、晩御飯の材料を買って帰ろか?
 ルーフェンから帰って来たって事で、今日はレーシャの食べたい物を作ったるで?リクエストは何かあるかなぁ?」



え?私のリクエストで良いの?
だったら……ハンバーグが良いなぁ。中にチーズを入れて、特製のデミグラスソースをタップリかけて、付け合わせにニンジンのグラッセとポテトを添
えた、お母さん特製のハンバーグが。



「ハンバーグか……了解や。
 ほな、先ずはお肉屋さんで合い挽き肉を買ってこか?ハンバーグは、牛挽きだけよりも、豚も混じった合い挽きで作った方が断然美味しいしな♪」



あは、楽しみ♪

何にしても、ヤッパリ此の空気は落ち着くな~~~~?何て言うか、ミッドに帰って来たって言う気がするわ。

ま、予選の決勝戦とか、インターミドルとかの本戦も有るから、気は抜けないんだけど、だからこそ、ゆっくりできる時にはしておかないとだよね。


何にしても、今日の晩御飯の席では、話しても話し切れない程の事が有るかも。
話しても、話し足りない位の事がルーフェンではあったんだもん。……その全てを、お父さんとお母さんには知って欲しいから、覚悟はしておいてね?



「あぁ、聞かせてくれ、ルーフェンで何があったのかを。」

「実を言うと、土産話も楽しみだったんよ♪」



うん!聞いてね、私の話を!ルーフェンでどんな事が有ったのかを!!








――――――








Side:ノーヴェ


つ~訳で、久々の我が家だ~~~!
ルーフェンの施設も悪くなかったが、ヤッパリ我が家以上に落ち着ける場所ってのは、中々無いモンだよな~~~……あぁ、リラックスできるぜ~。



「その分だと、ルーフェンに居た間は、ガキ共のコーチとして、大分気を張ってたみてぇだなノーヴェ?」

「其れほどでもねぇんだけど、やっぱり知らない土地で彼是やると、自分でも思ってた以上に力を使っちまうみたいだぜ兄貴。充実してたけどさ。」

「なら良かったじゃねぇか?
 それに、お前にとっても今回のルーフェン旅行は得る物があったんだろ?」



まぁな……得る物が有ったて言うよりは、指導者としての道を歩む道が決まったってとこかな?
アタシは戦闘機人だから、どんな大会にも出る事が出来ねぇ……だから自分の力を公の場で試す事は出来ない。だけど、あのチビ達ならアタシの意
思を継いでくれると思ってからな。

そんな訳で、ジム運営の方も本格的に考えて行かないとって所だよ兄貴。



「そうかそうか!ソイツは良かったじゃねぇか!
 此れなら、俺も頑張った甲斐があったってモンだぜ!!」

「へ?頑張ったって、何してたんだ兄貴?」

「お前が、ジム運営するってのは聞いてたから、仕事がてらジムに使えそうなビルの空き部屋とか、空き家を不動産屋に当たってたんだよ。
 そしたら何件か使えそうな物件を見つけてよ?何処を使うかは、お前に任せるが、一応の候補として考えといてくれや。」



マジかよ兄貴!!コイツは、感謝してもしきれねぇよ!!場所が決まれば、後の事も決めやすいしさ!!マジでサンキューだぜ兄貴!!


「ま、可愛い妹の夢の為だからな。其れを実現するためなら、一肌でも二肌でも脱いでやるっての!!其れが、兄貴としての務めだろうしな。
 ……と、そう言えば、近く管理局で戦技披露会があるんだが……如何にも面白い話が持ち上がってるみたいだぜ?」

「面白い話?」

「航空共同体第5班のチーフとサブチーフ……なのはとヴィータの愛娘と愛弟子の試合を披露会でやらないかって事になってるみたいだぜ?」

「!!!!」

其れはつまり、披露会の舞台で、ヴィヴィオとミウラの試合が組まれるって事だよな?
恐らく、ヴィヴィオにもミウラにもこの情報は伝わってるだろうから……2人とも参加意欲は充分だろうが、コイツは凄い試合になりそうだぜ!!

まぁ、実現するかどうかはミウラの今後のインターミドルを何処まで勝ち抜けるかにかかってるけどよ。


取り敢えず今は、インターミドルだな。
次の決勝でも、レーシャは絶対に勝つだろうから、場合によっては1回戦シード域に選出されるかも知れねぇ……コイツは、ワクワクして来たぜ!!

インターミドルに戦技披露会……何とも楽しみになって来たぜ!!













 To Be Continued… 








*登場カード補足