Side:レーシャ


アインとコロナの激闘は、互いに死力を出し尽くした上でアインが勝利をもぎ取ったか……流石は覇王流の正統後継者って言うところだね、見事だよ。
だけど、あの激闘は、会場の人達の心を掴んだのは間違いないだろうね。

んで、次の試合なんだけど……



「最大分身、16分身!!!」

「小賢しいですわ……纏めて、散りなさい!!!!」



――キィィィン………ドンガラガッシャ~~~~~~~~~~~~~ン!!!!


「あぐ……んな、嘘だろ……」
シャンテ:LP13500→120


「此れで……お終いですわ!!」


――メキィィィィィィィィィ!!!


「ヘブシ!?」
シャンテ:LP120→0


調子ぶっこいてたシャンテに対して、雷帝ことヴィクトーリアお嬢様が、フィールド全部を包み込む雷で、トリックスターシスターの動きを完全封殺!!
そしてトドメは、地面との強烈な強制キス……お嬢様、思った以上に強いわ~~~。

何か、雷撃で会場の機器にも異常が出たし、観客にも衝撃の余波が飛んで来たみたいだよ?私達は稼津斗師匠が護ってくれたので無事だけどね。


「ちにゃ~~~~~ん………」


其れは其れとして、シャンテは序盤の勢いは何処へやらの消し炭状態……冗談抜きで、死ななくて良かったねシャンテ?
ヴィクトーリアお嬢様は、貴女のファイトスタイルに大層ご立腹みたいだったから、寧ろエミュレート超えてのダメージにならなくて良かったって感じだよ。


まぁ、善戦はしてもトップファイターの壁は厚いってのが浮き彫りになった試合だったわね。

さてと、次はヴィヴィとミウラの試合……こっちの方が、私的には注目しちゃうわね♪










遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow38
『ハードヒットとカウンターの激突』











Side:ヴィヴィオ


よし、私の第3回戦……相手はミウラさんだけど、友達とは言え、戦いになったら手加減はしないよ――私は勝って先に進むから!!!

まぁ、其れはミウラさんもそう思って居るだろうからね。つまりは、意志の強い方が勝つ事になりそうだね此れは?


「ヴィヴィ、調子は如何?」

「バッチリだよレーシャ!身体もメンタルも、コンディションは抜群!
 今の私だったら、稼津斗師匠とスパーリングしても、5分は持ち堪えられるかも知れないよ?」

「稼津斗師匠に5分て、其れは凄いわ。
 試合前に緊張してないかなって思って来てみたけど、ヴィヴィはバッチリ大丈夫みたいね?」


勿論大丈夫ですって!
ん?私はって事は、若しかしてミウラさんの方にも行って来たのレーシャ?


「行って来たよ~?ヴィータさんはちょっと苦い顔してたけどね。まぁ、対戦相手の同門が来たから当然なんだけどさ……
 で、思った通りちょっぴり緊張してたから、その緊張を解いて来たわ。緊張して力が出せないとか論外だしね。
 ――だから、今のミウラはマジで強いよ?私と戦う為に、全力で勝ちに来るだろうから。」


其れは其れは……寧ろ上等です!
本気のミウラさんを倒して、私は上に行く!!ミウラさんには悪いけど、レーシャとの約束を果たすのは来年に持ち越して貰う事にするよ!!


「ヴィヴィも言うねぇ?此れは試合が楽しみになって来たよ!
 そろそろ時間だから、私は観客席に戻るね?ミウラにも言った事だけど、頑張ってねヴィヴィ?どっちの事も応援してるからさ♪」


どっちも…レーシャらしいなぁ。だけど、試合前に此れだけの事して貰ったら、一層頑張らないとだね!!
ぶつけるんだ、ミウラさんに今の私の持てる力の全てを!!ママも本気でぶつからないと、相手に失礼だって言ってたし、ママ直伝の全力全壊!!



よし!高町ヴィヴィオ、行きます!!!








で、既にミウラさんはリングインしてたみたいだね?うん、凄いやる気を感じるよ。


私は大人モードで、ミウラさんは通常モードだから、リーチは私の方が有利だけれど、真剣勝負の場に於いてリーチが云々言うのは、愚の骨頂!!
ここまで来たら、リーチの差など些細な問題に過ぎないからね!!


『さ~~て、次なる試合は、期待の新人同士のぶつかり合いと言っても過言ではない組み合わせだーーー!!!
 ミカヤ・シェベルを倒した抜剣を武器に勝ち上がって来た、スーパーハードヒッターのミウラ・リナルディと、高速のラッシュとジャストタイミングでのカ
 ウンターを武器に勝ち上がって来たカウンターファイターの高町ヴィヴィオ!!
 互いにファイトスタイルは正反対だが、其れだけにこの試合は見応え十分だ~~~!!
 抜剣はまたしても対戦相手を切り崩すのか!?はたまた、その抜剣さえも見切った最強のカウンターが炸裂するのか!?
 正当格闘を得意とする、スーパールーキー同士のガチンコのぶつかり合いは、試合前から興奮が冷めやらないぞーーーーーーーーーー!!!!』



アハハ……盛り上げてくれますねぇMCさん?あんなに叫んで、喉痛くならないのかな?まぁ、プロだから、その辺は考えてるんだろうけどね。


さてと……宜しくお願いしますミウラさん!悔いの無いようにやりましょう!!


「はい!悔いの残らないように全力で!!宜しくお願いしますね、ヴィヴィオさん!!」



――コツン



試合前の挨拶として、互いに拳を合わせて……うん、気合は充実!!



『試合前の挨拶も終わり、両者ニュートラルコーナーに!
 さぁ、準備は良いか観客諸君!!この試合もまた、一秒も目の離せないバトルになる事は間違いないぞーーーー!!
 Go for Break!!ミウラ・リナルディvs高町ヴィヴィオ、ファイトォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!』




ヴィヴィオ:LP15000
ミウラ:LP15000




さてと……行きますよミウラさん!!








――――――








Side:レーシャ


いよいよ始まったね……どんな試合になるのか、凄く楽しみだよ!!


「ふぃ~~~、如何やら間に合ったみたいやね?」

「「まにあった~~~♪」」

「アインハルトの試合は終わってしまったみたいだがな。」

「でも、ヴィヴィオの試合には間に合ったし、レーシャちゃんの試合は此れからだから、ギリギリOKじゃないかな遊星さん?」

「仕事を、頑張って早く終わらせた甲斐があったね。」


って、お父さんとお母さん、遊陽とシュターム、其れになのはさんとフェイトさん!?
如何したのお母さん?お仕事は?


「今日のノルマを超高速で終わらせて、早めに上がらせて貰ったんや。娘の試合は、やっぱりライブで見たいからなぁ?」

「間に合ったみたいでよかったよ。」


その為に態々……でも、見に来てくれた事は嬉しいよ♪お母さんとお父さん、其れに遊陽とシュタームが見てくれてるなら、私に負けは絶対無いよ!
まぁ、其れは其れだけど、丁度今ヴィヴィの試合が始まった所なんだ。この一戦は見応えあると思うよ?


「あの子がミウラちゃんか……八神家道場の子だけど、ヴィヴィオが何処までやれるか楽しみだね。」

「ヴィヴィオは強いけど、ミウラもシグナム達が相当鍛えとるから半端な強さやないで?……確かにこの一戦は見モノやな!」


でしょ?
……だけど、試合開始のゴングが鳴ったのに、ヴィヴィもミウラも構えたまま動かない……如何したんだろう?


「アレは、ミウラが攻めあぐねているな……」

「稼津斗師匠?如何言う事?」

「ヴィヴィオはカウンターファイターだが、お前ほどではないにしろ高速のラッシュも出来る。
 今までの試合、ヴィヴィオは先ず高速ラッシュで流れを自分の方に引き寄せた上で、振りの大きな技を使って相手の反撃を誘い、其処にカウンターを
 決めると言う、自ら攻めながらもカウンターを決める事の出来る戦い方をして来たんだが、今回は完全に後の先のスタイルを取っているんだ。
 恐らくミウラ――引いては八神家の連中も、ヴィヴィオの『攻めるカウンター』を想定してミウラに指導をして来たんだろうが、其れが裏目に出たのさ。
 こうして、完璧なまでのカウンタースタイルを取られると如何にも攻めにくいのがハードヒッターだからな。
 更に言うなら、ヴィヴィオのあの構え――僅かに相手に背を向けるようにして顔は相手を見ているあの構えが、また厄介なんだ。
 一件隙だらけで、攻め放題にも見えるが、不用意に飛び込んだら腰の辺りで構えてる右拳での最強のカウンターが繰り出される訳だからな。」


成程ね……あ、だけどミウラが動いた!!一足飛びからの強烈な蹴撃!!!しかも速い!!
どうせ攻めないと思って、仕掛けたのかな?――だけど、あの蹴撃は、多分ヴィヴィには見えてると思うよ?



「てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」



――バキィィィィィィィィィィ!!!



「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっぁぁぁぁぁ!」
ミウラ:LP15000→8000


うん、ジャストタイミングで、ヴィヴィの踏み込みアッパーでのカウンターが炸裂したね……一撃でライフを半分にするとは恐るべし。
ライフはまだ残ってるけど、下手したらこのカウンターで10カウントノックアウトになりかねない――幾らミウラがタフだとは言ってもね……


「……其れは如何かな?」

「お父さん?」

「ミウラは、簡単に負ける心算は無いみたいだぞ?」


え?えぇぇぇえっぇえぇえぇぇ!?
ダウンカウントが開始される前に立ち上がるって、あのカウンターを喰らって其れは、ドンだけタフなのよミウラってば!!!


「いや、此処はヴィヴィオのカウンターが綺麗に決まった事が原因だな。
 あまりにもジャストタイミングで放ったために、ミウラの精神を綺麗に切ったが、綺麗すぎて再生の時間が逆に短かった――戻し切りの理屈だよ。
 綺麗に鋭利に斬り裂かれた物体は、断面の細胞が死んでないから再びくっつく事が出来る……ミウラの精神は正にこの状態な訳だ。
 だが、それでもカウンターのダメージは消せないし、ふらつきなんかはあるだろうから、状況的にはヴィヴィオが優位に立ったって所だな。」


綺麗に決まり過ぎたからこその回復の速さ……そんな事が有るんだね。
だけど、ダメージは消せないから状況はヴィヴィが有利――でも、ミウラの抜剣は、一撃で状況を覆す破壊力を秘めてるから、勝負は分からないか…


ヴィヴィもミウラもどっちも頑張れ!!悔いの無いように、全力でね!!








――――――








Side:ヴィヴィオ


完璧なタイミングでカウンターを決めたのに、ダウンカウントが開始される前に復帰してくるとは、ミウラさんのタフさは私の予想以上だったみたいだね。
とは言え、ライフを半分ほど削った訳だから、今は私の方が有利なのは間違いない。

でも、ミウラさんの抜剣は、ライフ満タンから削りきるだけの破壊力があるから、其れには注意しないとだね。


「い、今のは効きましたヴィヴィオさん……正直、一瞬完全に意識が飛びました……強烈なカウンター、堪能させて貰いました!!
 ですが、2度目は決めさせません!!この試合、勝たせて貰いますよ!!」


その言葉、其のままお返ししますよミウラさん!この試合、勝利は譲りません!!!


ううん、勝利とはもぎ取るモノ!!!――勝たせて貰いますよミウラさん!!!私の持てる力を出し切った全力全壊でね!!













 To Be Continued… 








*登場カード補足