Side:レーシャ


さぁてっと、今日のショップデュエルも大入り満席って感じだね?――此れは、お客さんの期待に応えないとだよ!
今日の相手は『自称ストリートデュエル999勝』のデュエリストだけど、お父さん曰く『大層な戦績を自称する奴は大概の場合は二流以下』との事。

其れを踏まえると、今回の相手には期待できないって思うところだけど、中には『本物』も居るだろうから油断は禁物だね――負ける気は無いけどさ。


『先攻は、挑戦者から!果たしてどんな戦術を見せてくれるのか!』

『そしてT&Hが誇る、最強のショップデュエリストであるレーシャは其れに対して如何戦うのか!!
 これは、初っ端から期待大ですねMCさん!!熱いデュエルを期待しましょう!!』

『勿論だアリシア!私達が望むのは、何よりも熱いデュエルだ~~~~~~~~!!!!』



ノリノリだなぁ、MCさんもアリシアさんも。


「ククク………行くぜ、俺のターン!!」

「ま、何にしても、先ずは目の前のデュエルに集中だわね。」

「何ぶつぶつ言ってやがる!!お前には俺の1000勝目の相手になって貰うぜ!!手札より儀式魔法『仮面凶獣の儀式』を発動!
 俺のフィールドか手札から、レベル合計が10以上になるようにモンスターをリリースし、『仮面凶獣 マスクド・グラディエーター』を儀式召喚!」

『グゴアァァァァァァァァァァアア!!!』
仮面凶獣 マスクド・グラディエーター:ATK3500



初手からレベル10の攻撃力3500の超大型儀式モンスターとは、吹くだけの実力はあるみたいだけど……なんだろう、全然怖くない。
って言うか、この程度じゃお父さんの本気展開の足元にも及ばないんじゃないかな?――1ターンで、究極系を揃えるからねお父さんは。


「カードを1枚セットしてターンエンド。」

「私のターン!!」

其れじゃあ味わってもらおうかな?……最強の魂を継ぐ者の織りなす本物のデュエルって言うモノを!魂が燃え滾る、熱いデュエルって言うモノを!












遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow25
『本物のデュエルを魅せましょう』











Side:ハリー


生デュエルは初だけど、此れはちょっとレーシャが不利じゃねぇか?
先攻ターンは攻撃できないって言っても、行き成り攻撃力3500を出されたらボードアドバンテージは持ってかれたって言って過言じゃねぇだろ?


「確かにそうかも知れませんけど……レーシャはその程度じゃ怯えません!!」

「むしろ、この状況を楽しんでるのかもしれない……」


はぁ!?この状況を楽しんでるってマジか!?
普通に考えたら、攻撃力3500に蹂躙されて終わりだぜ?――だけど、レーシャは其れを超えるってのか?なら尚の事楽しみじゃねぇか!!


「相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合、手札の『ジャンク・フォアード』は特殊召喚できる!」
ジャンク・フォアード:DEF1500


「続いて魔法カード『調律』を発動!
 デッキから『シンクロン』と名の付くチューナー1体を選択して手札に加え、その後デッキをシャッフルしてデッキトップのカード1枚を墓地に送る!
 私はこのカードで『ジャンク・シンクロン』を手札に加え、其の後でデッキをシャッフルし、デッキトップのカード1枚を墓地に送るわ。
 で、チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を攻撃表示で召喚!」
ジャンク・シンクロン:ATK1300


「ジャンク・シンクロンの効果発動!召喚に成功した時、自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を選択して特殊召喚できる!
 私がこの効果で呼び戻すのは、『調律』の効果で墓地に落ちた『チューニング・サポーター』!!」
チューニング・サポーター:DEF300


あれ?ギャラクシーとか、フォトンじゃねーのか?
雑誌とかで見た限りだと『レーシャ・Y・不動のモンスター達』って紹介されてたのは、ギャラクシーとかフォトンだったと思うんだけどよ?


「レーシャのデッキは『フォトンジャンク』なんです。
 如何してもレーシャのエースがアレで、派手さもあるんでそっちに目が行きがちなんですけど、ジャンクモンスターも凄いんですよ?」

「そうなのか?……んで、ヴィヴィは何をそんなに震えてんだ?」

「ジャンクロンを含むレベル合計7……や、奴が来る……!」


奴って……何をそんなに怖がってんだか…


「レベル1のチューニング・サポーターとレベル3のジャンク・フォアードに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!
 集いし憤怒が、鬼神の力を戦士に宿す。未来へ続く道となれ!シンクロ召喚、叫べ『ジャンク・バーサーカー』!!!」

『ワリィゴハ……イネェェガァァァァァァァァァァァァァァァッァァァァァァァァァァァァァ!!!!』
ジャンク・バーサーカー:ATK2700




「やっぱり来たーーーーーーーー!!」

「アレが苦手なのか?……まぁ、見た目はちっとばかし怖いかもだけど、其処まで怖がるほどのもんか?」

「昔、追い回された事が有ったみたいで……」


あぁ、それじゃあしょうがねぇな。
だけど、速攻でレベル7のモンスターを呼び出したのは見事だが、攻撃力は相手の方が上だぜ?一体如何する心算なんだ?


「チューニング・サポーターの効果で1枚ドローし、ジャンク・バーサーカーの効果発動!
 墓地のジャンクモンスターを除外し、除外したモンスターの攻撃力だけ相手モンスターの攻撃力をダウンさせる。
 私は墓地のジャンク・シンクロンを除外し、マスクド・グラディエーターの攻撃力を1300ポイントダウンさせる!『パワー・クラック』!!」

『ナマハゲミテッカラナァ!!』(クワッ)


仮面凶獣 マスクド・グラディエーター:ATK3500→2200


「攻撃力が…!!」

「これで攻撃力はバーサーカーが上回ったわ。
 バトル!ジャンク・バーサーカーで、仮面凶獣 マスクド・グラディエーターに攻撃!『バーサーク・ブレイク』!!」

『イネガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』


――バガァァァァァアァン!!



挑戦者:LP4000→3500
「どわぁぁぁあ!!
 だが、マスクド・グラディエーターが破壊された時、デッキか手札から『仮面呪術師カースド・ギュラ』『メルキド四面獣』を1体ずつ特殊召喚する!」
仮面呪術師カースド・ギュラ:ATK1500
メルキド四面獣:ATK1400



モンスター効果を使ってか!
でも、相手もモンスター効果でモンスターを揃えてきやがった……如何なるんだろうな、このデュエル――楽しみだぜ!








――――――








Side:レーシャ


行き成りの大型展開に、其れがやられても途切れない展開力は先ず先ずってところかな?
私はカードを2枚セットしてターンエンド。


「俺のターン!現れろ『シャイン・アビス』!」
女邪神ヌヴィア:ATK1600


「俺はカースド・ギュラ、メルキド四面獣、シャイン・アビスのレベル4モンスター3体をオーバーレイ!オーバーレイネットワークを構築!
 地獄の底より現れし仮面の狂戦士よ、今こそ全てを吹き飛ばせ!エクシーズ召喚『仮面獣王 マスクド・バーサーカー』!!」
仮面獣王 マスクド・バーサーカー:ATK3000


ここで攻撃力3000か……ランク4以下のエクシーズとしては最強レベルのモンスターを呼んで来たじゃない!
けど、大して私が驚かないのは、私の中での『大人のデュエリスト』の基準がお父さんだからなんだろうなぁ~~……


「マスクド・バーサーカーの効果発動!
 1ターンに1度、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除きこのカードの効果1つを発動する!
 俺がこのターン発動するのは『相手フィールド上のモンスター1体を破壊する』効果!この効果でジャンク・バーサーカーを破壊するぜ!!」
仮面獣王 マスクド・バーサーカー:ORU3→2


で、破壊効果持ちと来たか。く……ジャンク・バーサーカー…!!
此れは攻撃を喰らったら大ダメージ確定だけど、


「バトルだ!マスクド・バーサーカーでダイレクトアタック!!」

「其れは通さない!トラップ発動『ガード・ブロック』!戦闘ダメージを0にしてデッキからカードを1枚ドローする!」

「ち……カードを1枚セットしてターンエンド。」


私のターン!
私のフィールドにモンスターが存在しない時、手札の『フォトン・スラッシャー』は特殊召喚できる。
さらに『フォトン・クラッシャー』を通常召喚!


フォトン・スラッシャー:ATK2100
フォトン・クラッシャー:ATK2000



そして、私のフィールド上にフォトンと名の付くモンスターが2体以上いる場合、手札のチューナーモンスター『フォトン・キャスター』を特殊召喚できる!


フォトン・キャスター:ATK700


「でもって、リバースカードオープン!トラップカード『ロスト・スター・ディセント』
 このカードの効果で、墓地のジャンク・バーサーカーを効果を無効にし、レベルを1つ下げ、守備力を0にして守備表示で特殊召喚する!!」

『イネガァァァァァ………』
ジャンク・バーサーカー:DEF1800→0   Lv7→6



思いっきり能力制限受けたせいか元気ないわね?
けど、バーサーカーには私のデッキのエースに魂を継いで貰うわ!

「さてと、此れで全ての準備が整った、行くわよ!先ずは、フォトン・クラッシャーとフォトン・スラッシャー、2体のレベル4モンスターをオーバーレイ!
 煌めく光が集う時、銀河の剣士が目を覚ます。未来へ続く道となれ!エクシーズ召喚、斬り裂け『輝光子パラディオス』!!」

『ハァァァァァァァァァァァァァ!!』
輝光子パラディオス:ATK2000  ORU:2



「流石はT&H最強のショップデュエリストにして、デュエルチャンピオンの娘だけあるな。
 だが、ソイツだけじゃ俺を倒す事は出来ねぇぞ?」

「慌てないで……って言うか、此れで終わると思ってるのかな?
 私のフィールドには、まだレベル6になったジャンク・バーサーカーと、レベル2のチューナーであるフォトン・キャスターが居るんだよ?」

「更にレベル8のシンクロ………って、まさか!!」


そのまさかですってね!
私はレベル6になったジャンク・バーサーカーに、レベル2のフォトン・キャスターをチューニング!
銀河に散らばりし力の欠片が集う時、一筋の閃光が闇を切り裂く!未来へ続く道となれ、シンクロ召喚!空を駆け抜けろ銀河眼の閃光龍


『ゴォォォォォォォォォォォォォ………!!』
銀河眼の閃光龍:ATK3000



「銀河眼の閃光龍!!
 だが、攻撃力はマスクド・バーサーカーと互角!そいつで相討ちを狙っても――「輝光子パラディオスの効果発動!」――なに!?」


輝光子パラディオスは、オーバーレイユニットを2つ取り除く事で、相手モンスター1体の攻撃力を0にし効果を無効にする。
この効果により、仮面獣王 マスクド・バーサーカーの攻撃力は0になり効果も無効になる!!


「なんだとぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
仮面獣王 マスクド・バーサーカー:ATK3000→0(効果無効)


このターンで終わらせる!
行くよ!輝光子パラディオスで、仮面獣王 マスクド・バーサーカーに攻撃!!斬り裂け『フォトン・ディバイディング』!!


――ズバァァァァァァァァアァァァ!!


挑戦者:LP3500→1500

「むおわぁぁぁぁあぁぁ!!だ、だがオーバーレイユニットを持ったマスクド・バーサーカーが破壊された時、俺はカードを1枚ドロー出来る!
 更にトラップ発動『エクシーズ・リボーン』!コイツで墓地の『仮面獣王 マスクド・バーサーカー』を呼び戻すぜ!」

『グオォォォォォォオォォォォォォォ……!』
仮面獣王 マスクド・バーサーカー:ATK3000   ORU0→1


「攻撃力は互角……さて、如何する?」

「その程度で、私のエースの進撃を止められると思ったら大間違いだよ!手札から速攻魔法『コズミック・フォース』を発動!
 自分フィールド上の『ギャラクシー』と名の付くモンスター1体と、相手フィールド上のモンスター1体を選択!
 選択した相手モンスターの攻撃力を半分にし、その数値を選択した私の『ギャラクシー』の攻撃力に加える!!
 この効果でマスクド・バーサーカーの攻撃力は半分になり、その数値1500ポイントが銀河眼の閃光龍の攻撃力に上乗せされるわ!!」

『ゴアァァァァァァァァア……!』
銀河眼の閃光龍:ATK3000→4500



「そ、そんな馬鹿なぁぁあぁぁぁ!!」
仮面獣王 マスクド・バーサーカー:ATK3000→1500


言ったでしょ?このターンで終わりにするって!
ラストバトル!銀河眼の閃光龍で、仮面獣王 マスクド・バーサーカーに攻撃!閃光で全てを吹き飛ばせ『滅びのシャイニング・ストリィィィィム』!!


――ギュィィィィィン……ドガバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!


「ぐが……こ、この俺がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
挑戦者:LP1500→0




『決まった~~~~!!
 圧倒的なパワーを有する挑戦者に屈する事なく、レーシャ・Y・不動の見事なパーフェクト勝利だ~~~~~!』

『T&Hが誇る、只今最強のショップデュエリストであるレーシャを倒すデュエリストは現れるのか!!
 さぁ、腕に自身のあるデュエリストよ、是非とも我がT&Hの凄腕ショップデュエリストに挑戦して頂戴!君達の挑戦を待ってるわよ~~~!!』




相変わらず煽るなぁ……インターミドルに向けての練習もあるから、あんまりショップデュエルを入れられるとキツイんですけどねぇ?
まぁ、何時も何時も私が指名される訳じゃないし、私が居ない時もある訳だし、煽った結果T&Hが更に賑やかになるのは悪い事じゃないと思うしね。



「うおぉぉぉぉぉぉ!スゲー、ノーダメージのパーフェクト勝利!
 
初の生デュエル観戦で、こんなにスゲーデュエルを見れるとは俺は運が良いぜ!!良いデュエルだったぜレーシャ!!」

「へ?あ、貴女は!
 若しかしなくても『砲撃番長』ことハリー・トライベッカ選手ですか!?も、若しかして今のデュエル見てたんですか!?」

「勿論だぁぁ!!俺はこう見えても、見る専だがデュエルファンで、特に……アンタの大ファンなんだレーシャ!良ければサインくれねーか!?」


はぁぁぁぁぁ!?
ちょ、インターミドルのトップ選手が私のファンて滅茶苦茶驚きなんだけど!?それに、サインなんて……


「サインくらいいいんじゃない?私達も番長からサイン貰ってるし♪」

「勿論レーシャの分もね?」


リオ、コロナ、其れにヴィヴィも――成程、此処に来る途中にハリーさんに偶然会ったってところか。
でもまぁ、サインを断る理由もないし、私だけが貰っておいてしないってのもアレだしね――にしても、可愛いサインですこと番長……可愛いもの好き?

「えっと、サインは良いんですけど、何か書くものあります?」

「ノートで良いか?」


OKです。それじゃあ、サラサラサラッと、此れで良いですか?


「おぉ!サンキュー……って、此れは来たーーーーー!!
 サインだけじゃなくて、ウィンクしてるハネクリボーのイラストまで……こ、コイツは一生物のお宝だぜ……」

「んな、大袈裟な……まぁ、実を言うと、私もハリーさんのファンですので、この直筆サインは一生物なんですけどね?」

「俺のファンとは嬉しいねぇ?」


去年のインターミドル見て、ドレだけ傷付いても諦めずに立ち向かって、最終的に勝利をもぎ取る姿が何ともカッコ良くて!
お母さんも『えぇ喧嘩根性しとるわ~~~』って感心してましたからね?今年のインターミドルには私も参加しますから、もし本戦で当たったその時は…


「おうよ、手加減なしで思いっきり楽しい『喧嘩(試合)』をしようぜ?
 いざやるとなったら、ファンとかそんなのは関係ねーからな?覚悟しとけよ?」

「勿論です!一度戦いとなれば私情は不要、例え平時の友でも戦う以上は本気で倒しに行くべし――此れ師匠の教えですので!」

「上等だ!」


ショップデュエルだけかと思ったら、思わぬ有名人と知りあっちゃったね此れは。
だけど、インターミドルのトップ選手との邂逅なんて、俄然やる気出て来たよ!――インターミドルの出場が益々楽しみになって来たわ!














 To Be Continued… 








*登場カード補足





仮面獣王 マスクド・バーサーカー
ランク4    闇属性
悪魔族・エクシーズ/効果
「仮面呪術師カースド・ギュラ」または「メルキド四面獣」を含むレベル4モンスター×3
オーバーレイユニットを持ったこのカードが破壊された時、デッキからカードを1枚ドローする。
自分のターンに1度、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、以下の効果のうち1つを発動できる。
●相手フィールド上のモンスター1体を破壊する。
●手札を全て捨て、新たにデッキからカードを5枚ドローする。
●相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。
●相手の墓地のカードを5枚まで選択してゲームから除外する。
ATK3000    DEF3000



仮面凶獣 マスクド・グラディエーター
レベル10    闇属性
悪魔族・儀式/効果
「仮面凶獣」により降臨。相手モンスターを戦闘で破壊した場合、続けてもう1度だけ攻撃する事が出来る。
このカードが破壊された時、デッキか手札から「仮面呪術師カースド・ギュラ」と「メルキド四面獣」を1体ずつ特殊召喚できる。
ATK3500    DEF3000



仮面凶獣の儀式
儀式魔法
「仮面凶獣 マスクド・グラディエーター」の降臨に必要。
自分の手札かフィールドからレベル合計が10以上になるようにモンスターをリリースしなくてはならない。
自分フィールド上にカードが存在しない場合、墓地のこのカードを除外して発動する。
デッキから「仮面」と名の付くモンスター1体を選択し、召喚条件を無視して特殊召喚する。



コズミック・フォース
速攻魔法
自分フィールド上の「ギャラクシー」と名の付くモンスターと、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。
エンドフェイズまで、選択した相手モンスターの攻撃力を半分にし、その数値分だけ選択した「ギャラクシー」と名の付くモンスターの攻撃力をアップする。