Side:レーシャ


決勝の2つの椅子のうちの1つは私が取ったから、残る1つをコロナとイナミのどっちが取るかって言う所ね此れは。
まぁ、どっちが決勝に上がって来たとしても、最高に楽しいデュエルが出来るんじゃないかとは思うけど、心情的にはやっぱりコロナに勝ち上がって来て
欲しいって言うのが本音だわ。

親友と決勝戦を戦いたいって言うのもあるし、T&Hのショップデュエリスト同士が決勝戦を戦うって言うのは、T&Hにとっても良い宣伝になると思うからさ。



「だが、望む結果になるとは言い切れんだろう?
 並の相手ならばコロナが勝つだろうが、イナミの実力は並のデュエリストのレベルではない……俺はデュエリストではないが、格闘家の勘からアイツが
 ドレだけの力を持っているのか位は分かる。
 どっちが勝つにしろ、簡単な戦いにはならない……そうだろうレーシャ?」

「稼津斗師匠……うん、そうなると思う。」

コロナのゴーレムは圧倒的なパワーを誇る攻撃型のデッキだけど、イナミの『パラサイト』は攻撃を受け流した上で相手に寄生して力を得る部分があるか
ら、どっちが上かとは言い切れないからね。
正直言って、このデュエルはどっちが勝つのかなんて、予想も立てられないよ。

其れこそ勝負は時の運的な部分も関わって来るだろうからね。

何れにしてもコロナとイナミのデュエル……目を離す事は出来ない――此の試合の勝者が、決勝での相手になるんだから余計にね。












遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow109
『準決勝第2試合。ゴーレムvs寄生者』











Side:コロナ


始まった準決勝。
私のマシンは、耐久性と馬力を犠牲にしてスピードと操作性を最高レベルに設定してあるから、ファーストコーナーを奪取するのは難しくないから――先
攻は貰いますよ、イナミさん?



――グン



「強引に、インを取って来たか……大した度胸だぜ。
 だが、其れ位じゃないと面白くないからなぁ?……最高のデュエルをしようぜ、コロナ!!」

「はい、勿論です!!」


「「デュエル!!」」


コロナ:LP4000   SC0
イナミ:LP4000   SC0




私は『ゴーレム・ソルジャー』を攻撃表示で召喚します。



ゴーレム・ソルジャー:ATK2000



そして、カードを1枚セットしてターンエンド。
ゴーレム・ソルジャーは、私のフィールド上に『ゴーレム』以外のモンスターが存在すると、攻撃できなくなるデメリットモンスターだけど、私のデッキならデ
メリットなしのレベル4で攻撃力2000のモンスターになる訳だから頼りになるね。
決して高くはないけど、攻撃力2000はレベル5クラスだから、序盤だったら充分牽制としても役に立つから。



「俺のターン」


コロナ:SC0→1
イナミ:SC0→1



「俺は『寄生生物ミストラル』を召喚。」
寄生生物ミストラル:ATK0


「ミストラルの召喚に成功した時、相手フィールド上の表側表示モンスターを選択して、このカードを装備させる。
 このカードを装備したモンスターは攻撃出来ず、装備モンスターのコントローラーはスタンバイフェイズ毎に400ポイントのダメージを受ける……寄生生
 物の中には、宿主を蝕む奴もいるって事だな。」

「そんな効果が……!」

「其の伏せカードか、或は手札に効果ダメージ無効のカードがなきゃ、400ダメージは確定って事だな?カードを1枚セットしてターンエンド。」



確かにそうかも知れませんけど、甘いです!エンドフェイズにトラップ発動『砂塵の大竜巻』
このカードの効果で、フィールド上の魔法・罠カードを1枚破壊します。私が破壊するのは、装備カードとなっている『寄生生物ミストラル』!!
これで、次のターンのダメージは受けません。そして、砂塵の大竜巻の効果で、手札のカードを1枚伏せます。



「ダメージ無効じゃなかったが、良いカードを伏せていた訳だ……そうでなくちゃ、デュエルってのは面白くないけどな。
 だが、パワー押しのゴーレムで、知らぬ間に内に入り込む寄生者を倒す事が出来るかな?」

「さぁ、其れは何とも言えませんけど、前にクロウさんがこんな事を言ってたのを聞いた事があるんです。
 『出来るかどうかは大した問題じゃない。大事なのはやるかやらないかだ』って。――だから、出来るかどうかじゃなく、私のゴーレムで寄生者を倒す!
 私のターン!!」


コロナ:SC1→2
イナミ:SC1→2



私は手札から、スピードスペル『Sp-エンジェル・バトン』を発動。
スピードカウンターが2個以上ある時、デッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる……よし、良いカードを引いた。此れなら捨てるべきカー
ドは『ダイヤモンド・ゴーレム』だね。

そして、『ゴーレム・クリエイター』を攻撃表示で召喚!


ゴーレム・クリエイター:ATK1500



ゴーレム・クリエイターの効果発動。
このカードの召喚に成功した時、自分の墓地からレベル4以下の『ゴーレム』モンスター1体を選択し、効果を無効にして守備表示で特殊召喚します。
私が墓地から蘇らせるのは、『ダイヤモンド・ゴーレム』


ダイヤモンド・ゴーレム:DEF2600



「一気にモンスターが3体……しかも全てがレベル4て言う事は――成程、そう言う事か。」

「はい、そう言う事です♪
 ゴーレム・ソルジャー、ゴーレム・クリエイター、ダイヤモンド・ゴーレムの3体のレベル4モンスターでオーバーレイ!オーバーレイネットワークを構築!
 集いし命が混ざり合い、今此処に新たな命となる。此れが私のゴーレムクリエイション!エクシーズ召喚『スチール・ゴーレム コロッサス』!!」

『トゥアァァァァァアァァ!』
スチール・ゴーレム コロッサス:ATK2300   ORU3




コロッサスは、1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除く事で異なる効果を発動出来ます。
1つ目は、自身の攻撃力を500ポイントアップさせる効果。
2つ目は、デッキからカードを1枚ドローする効果。
そして3つ目は、手札または墓地から『ゴーレム』を特殊召喚する効果。

私は3つ目の効果を使い、墓地の『ゴーレム・ソルジャー』を特殊召喚します!


ゴーレム・ソルジャー:ATK2000
スチール・ゴーレム コロッサス:ORU3→2



「攻撃力2000オーバーが2体か……」

「貴方を守るモンスターは居ませんから、2体のゴーレムの攻撃が決まれば私の勝ちです!
 行きます!スチール・ゴーレム コロッサスで、プレイヤーにダイレクトアタック!!『ハイパー・アトミック・タックル』!!」

「ところがそうは行かないぜ。カウンタートラップ『攻撃の高速回避』
 相手モンスター1体の攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了し、俺のスピードカウンターを1つ増やす。」
イナミ:SC2→3



……流石に、そう簡単には勝たせてくれませんか。
しかも攻撃を回避した上でスピードカウンターを増やしてくるとは……イナミさんは、可成りライディングデュエルに精通してるのかも知れない。そうじゃな
かったら、こう言うカードをデッキに組み込んだりはしないだろうからね。
私は、此れでターンエンドです。



「俺のターン!」


コロナ:SC2→3
イナミ:SC3→4




「俺は手札から、スピードスペル『Sp-パラサイト・リチュアル』を発動。
 俺のスピードカウンターが4個以上ある時、デッキ、手札、フィールドから儀式召喚するモンスターのレベル以上になるようにモンスターをリリースし『寄
 生』儀式モンスターを特殊召喚する。
 俺はデッキから、レベル4の『寄生生物ジュラル』と『寄生生物ブラックオイル』をリリースし、モンスターを儀式召喚!
 来い『寄生者-エクシーズのクレア』!!」


『キシャァァァァァァァ!!!』
寄生者-エクシーズのクレア:ATK0




来た、儀式召喚の『寄生者』!!名前からして、その効果はエクシーズに対して発動するもの……!!



「その通りだ。
 エクシーズのクレアは、1ターンに1度、相手フィールド上の儀式モンスターに寄生してそのコントロールを得る。お前のコロッサスは頂くぜ!!」


スチール・ゴーレム コロッサス:CNTコロナ→イナミ


コロッサスが奪われた……やっぱりその効果は強烈だね寄生者は。



「奪ったコロッサスの効果を発動し、俺はデッキからカードを1枚ドローする。」
スチール・ゴーレム コロッサス:ORU2→1


「そしてバトルだ!スチール・ゴーレム コロッサスで、ゴーレム・ソルジャーに攻撃!『ハイパー・アトミックタックル』!!」



――ズガァァァァァァァァァァァン!!!



「きゃあ!!」
コロナ:LP4000→3700


「っと、此れだけじゃないぜ?
 ミストラルに寄生されたモンスターが、相手モンスターを戦闘で破壊した場合、相手に500ポイントのダメージを与える!!喰らっときな!!」


コロナ:LP3700→3200


バーンダメージまで備えてるなんて……攻撃力4000のエクシーズを吸収したらとんでもない事になるかもね……だけど、私はここでは負けないから!
リバースカードオープン、トラップカード『受け継がれるゴーレム研究』
私のフィールド上の『ゴーレム』が相手によって破壊された場合に、ライフを1000ポイント払って発動!デッキか手札から『ゴーレム』1体を選択して特殊
召喚する!!
私はライフを1000ポイント払って、デッキから『プラチナ・ゴーレム』を特殊召喚します!


プラチナ・ゴーレム:ATK2100
コロナ:LP3200→2200




「命を削ってまで、新たなゴーレムだと?……いいねぇ、そう言うのは嫌いじゃないぜ。
 次のターンで、お前がドレだけやってくれるか見せてもらうとしようじゃないかコロナ?俺は此れでターンエンドだ。」

「その期待には応えます!私のターン!」


コロナ:SC3→4
イナミ:SC4→5




私は、チューナーモンスター『シルバー・ゴーレム』を召喚!



シルバー・ゴーレム:ATK1200



そして、レベル5のプラチナ・ゴーレムに、レベル3のシルバー・ゴーレムをチューニング!
錬成されし魂が、今此処に宿りて己が運命を切り開く!此れが私のゴーレムクリエイション!シンクロ召喚、『メタル・ゴーレム イサカル』!!



『グオォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!』
メタル・ゴーレム イサカル:ATK2800



シルバー・ゴーレムをシンクロ素材にした『ゴーレム』シンクロモンスターの攻撃力は400ポイントアップします!よって、イサカルの攻撃力は3200!!



メタル・ゴーレム イサカル:ATK2800→3200



「攻撃力3200……青眼の白龍をも凌駕する攻撃力を叩きだして来たか……それでこそ、俺の相手として相応しいがな?
 遠慮は要らないぞコロナ!お前の全身全霊を、俺にぶつけてこい!用意周到な寄生者を、ゴーレムのパワーで押し潰して見せろ!!!」



言われずともその心算です!!
メタル・ゴーレム イサカルで、スチール・ゴーレム コロッサスに攻撃!!『サンダー・ゴウ・シャワー』!!!



――ズドドドドドドドドドドドドガバァァァァァァァァァァン!!!



「ぐ……コイツは結構効いたぜ、コロナ?良い一撃だ。」
イナミ:LP4000→3100



そうですか?レーシャと比べれば、マダマダだと思いますけど――でも、それなりに効いたみたいだから、私の力も捨てた物じゃないかもしれないね。
だけど、本番は此処から……私のデュエリストレベルを最大まで引き上げて、貴方と戦いますイナミさん!!

何よりも、私のゴーレムクリエイションは、マダマダこんな物じゃありませんから!!



「そいつは……なんとも楽しみだぜ!!」

「勝負は此処からですよ、イナミさん!!」

必ず勝ち取って見せる……レーシャが待ってる決勝戦への切符を!!――何が立ち塞がろうとも、絶対にね!!










 To Be Continued… 








*登場カード補足




寄生者-エクシーズのクレア
レベル8    水属性
水族・儀式/効果
「寄生者の呼び声」により降臨。1ターンに1度相手フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターにこのカードを装備カード扱いで装備し、そのコントロールを得る。
このカードを装備したモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、相手に500ポイントのダメージを与える。
ATK0    DEF0



寄生生物ミストラル
レベル4    水属性
水族・効果
このカードの召喚に成功した時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターに、このカードを装備魔法扱いで装備する。
装備モンスターは攻撃出来ず、装備モンスターのコントローラーは、自分のターンのスタンバイフェイズ毎に400ポイントのダメージ受ける。
ATK0    DEF0



Sp-パラサイト・リチュアル
スピードスペル
自分のスピードカウンターが4個以上ある時に発動できる。
レベルの合計が儀式召喚するモンスターと同じになるように、自分のフィールド・手札・デッキからモンスターをリリースし「寄生者」儀式モンスター1体を
儀式召喚する。



受け継がれるゴーレム研究
通常罠
自分フィールド上の「ゴーレム」モンスターが相手によって破壊された場合に発動できる。
ライフを1000ポイント払い、デッキから「ゴーレム」モンスター1体を選択して、自分フィールド上に特殊召喚する。



攻撃の高速回避
カウンター罠
相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。 その攻撃を無効にする。
その後、バトルフェイズを終了し、自分のスピードカウンターを1つ増やす。