Side:なのは


フェレット君の言う通りにしてみたら、如何やら上手く行ったみたいだね?
私の足元には、桜色の魔法陣が展開されていて、その上に私が立ってるって感じなの――うん、端的に言うなら、今の私は宙に浮いてる。飛んでるのと同じなんだ。



『Welcome new user.(初めまして、新たな使用者さん。)』

「え?は、はい、初めまして!!」

『Your magic levelqualifles you to use me.May I select the optimum configuration.for the barrier jacket ando the devaice?
 (貴女の魔法資質を確認しました。デバイス・防護服共に最適な形状を自動選択しますが、宜しいですか?)』




えっと、良く分からないからお任せします!



『All right.(了解。)』



――カッ!!!




此れは……此れが私の防護服とデバイスの形!!
白を基調としたフレアスカートの防護服と、金色の杖型のデバイス……凄く不思議だけど、でも不思議な以上に凄く身体に、手に馴染む感じがするよ。其れこそ、元々
此のデバイスは、私の物だったんじゃないのかって、錯覚するほどに。

でも、此れで私も戦える!
って言うか、フェレット君の言う通りだとすると、あの化け物は私じゃないと封印できないって言う事だから、だったら全力全壊で行くだけなの!!

力を貸して『レイジングハート』!!



『All right.My new Master.(了解しました。新たなマスター。)』



ふぅ……高町なのは、行きます!!












リリカルなのは×東亰ザナドゥ  不屈の心と魂の焔 BLAZE8
『爆誕~魔法少女リリカルなのは~』











お待たせしました志緒さん、皆さん!!高町なのは、此れより戦線に加わります!!



「待ってたぜ?
 まぁ、お前なら巧くやると思ってたが、予想通りに巧くやりやがったな?――その白い服と金の杖、中々似合ってるじゃねぇか?」

「正に『魔法少女キタ』だね?」

「おや?似たような事を、アタシが覚醒した時も言ってなかったっけかユウ君は?」



にゃはは……何とか巧く出来ました。でも、私が戦えるようになって漸くスタートラインですから、本番は此処からです!!何とかして封印しないとですからね――!



『ヴォバァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

「うぜぇな……記念すべきなのはの初陣を前にフライングしてんじゃねぇ、この雑魚が!!!」



――バガァァァァァァァァァァァァァン!!



『ヴィオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!』


「ち……叩き潰す事は出来ても、決定打にゃならねぇみてぇだな、やっぱり。」



だから封印が必要なんだろうけど、具体的には如何すればいいの?



『How much do you know about magic?(魔法についての知識は?)』

「マッタク持って、全然ありません!」

だから、何を如何すればいいのかも分からないの。
幸いにして、志緒さん達があの黒い化け物を抑えてくれてるけど、出来るだけ早くアレを封印するに越した事は無い筈なの。現状で、一番ベストな方法って何かな?



『To seal,either get closer andinvoke the sealing magic,or use morepowerful magic.(封印する為には、接近による封印魔法の発動か、大威力魔法が必要です。)』

「えっと、つまりどうすれば良いの?」

『Imagine you're about to strike.(貴女の思い描く『強力な一撃』をイメージしてください。)』



強力な一撃って、そんな事急に言われても!!
其れに、咄嗟にイメージできる強力な一撃ってお兄ちゃんやお姉ちゃんの剣術だけど、アレは私に使える物じゃないし、同じ理由で志緒さんの攻撃でも駄目……私に
一番合ってる強烈な一撃なんて、そんなの簡単にはイメージできないよぉ!



「だったら、現実の世界での『強烈な一撃』じゃなくて、アニメとか漫画の世界での『強烈な一撃』だったら使える物が有るんじゃないの?
 今のなのはは、誰が如何見ても『魔法少女』その物だから、いっその事それ系のアニメから主人公の必殺技パクっちゃっても良いんじゃない?」

「いや、幾ら何でもぶっちゃけすぎだろ祐騎。」

「其れです!!祐騎さん、ナイスです!!」

「って、其れで良いのかなのはちゃん!!」



バッチリ問題ないです洸さん!
おかげで良い感じにイメージが纏まりそうですから……そうだよ、現実の物でダメなら、アニメや漫画からヒントを得ればいいだけの事なの!!

だったら私がイメージするのは、世界一有名な『山吹色の胴着を着た最強戦士の必殺技』!!
全てを薙ぎ払う、一撃必殺にして最強の、純粋なエネルギーによる超高威力の直射砲撃!!此れなら、運動音痴の私にだって出来るだろうからね!!

「私の魔力って、遠くに攻撃として飛ばす事って出来るの?」

『If that's what you desire.(貴女が其れを望むなら。)』



だったら、其れで決めるの!!
志緒さん、明日香さん、私の攻撃の準備が出来るまで、もう少しだけ時間を稼いでください!!



「応!たたみ掛ける!!おぉぉらぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!クリムゾン……レイド!!

「一気に行くわ!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………クリミナルブランド!!



――ドゴガバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!



「……流石だね、柊先輩。」

「流石は志緒先輩、杜宮学園最強不良の名は伊達じゃないわね?」



おかげで私も準備できました!この一撃で、終わらせるの!!



――ドクン…!



『That's right.focus your internal spiritual heat through your arms.(そうです。胸の奥の熱い塊を両腕に集めて。)』



胸の奥の熱い塊……私の魂の奥底にある譲れないモノを形に――この一撃に、私のBLAZE魂を込める!!そして、アレを封印するの!!!


『All right.Mode change Cannon Mode.Shoot in buster mode!(了解。カノンモードに移行。直射砲形態で発射します!)
 Immediate fire when target is locked.(ロックオンの瞬間にトリガーを。)』



――ピン…!




ロックオン完了……行くよ、此れが私の全力全壊!!!


――キィィィィィン……


「行けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」



――ドッガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!



『ヴィアァァァァァァァァァァァ!!』


――ジュゥゥゥ………カラン



「す、凄い!一撃で封印するなんて!!」

「大したモンだぜ……やるじゃねえかなのは?
 その小さな体で、アレだけの力を秘めてたとは、正直に驚きだがな――んで、コイツがジュエルシードってやつでいいのか、フェレット?」

「あ、はい。レイジングハートで触れてみて?」



えっと、こうかな?
って、触れた瞬間に消えちゃった?若しかして、レイジングハートに取り込まれたって言う事なのかな?



『That's right.The jewel seed who sealed up was stocked in me.(その通りです。封印されたジュエルシードは、私の中に格納されました。)』

「そっか……なら良かった……はふぅ。」

安心したら、腰が抜けちゃったの。



「なんだ、終わったら気が抜けちまったか?」

「情けないけど、そうみたいです志緒さん……」

「まぁ、こんだけの事態だから気を張ってたのは確かだろうし、行き成りの実戦だったんだ、終わって気が抜けるのは仕方ねぇ事だ――立てるか?」



ん?ん~~~~~~!!!……にゃはは、駄目みたいです……



「ならしゃーねぇな。家に着くまでは、此れで我慢しろや。」

「はい!?///」

ししし、志緒さん!?此れは若しかしなくても『お姫様抱っこ』!?す、少し恥ずかしいけど、女の子にとって此れは憧れの物だから、存分に堪能しないと損な筈なの!
此れも頑張ったご褒美なのかな♪

だとしたら、頑張った甲斐は有ったよね♪――でも其れとは別に、ちゃんと封印をする事が出来て、本当に良かったの。








――――――








Side:志緒


さてと、高町家に戻って来て、事の次第を説明中なんだが……大体の予想取りに桃子さんは速攻で受け入れてくれたな。
フェレット――ユーノの奴は『魔法の事は余りばらさない方が良い』とか言ってたが、関わっちまった以上は、ドレだけ隠しても何れはボロが出てばれちまうから、だっ
たら、最初から包み隠さずに伝えた方が得策だと思って、話したんだが、結果は予想通りだぜ。

桃子さんが受け入れてくれたのを皮切りに、士郎さんと恭也さん、そして美由希もOKだったからな。

だが、ジュエルシードとの戦いは楽なモンじゃねぇだろうな?
さっきの一件で、俺達がソウルデヴァイスを起動出来たって言う事は、ジュエルシードの暴走体は、異界化に匹敵するだけの力を持ってるって言う事は間違いねぇな。

最大の問題は、そんな危険物が、なんだって此処にあるのかって事だ。



「それは、僕のせいなんです。
 僕は故郷で、遺跡発掘を仕事にしていて………古い遺跡の中でアレを発見して、管理局に依頼して保護して貰おうと思ったんだけど、僕が手配した次元船が途中
 で事故にあったみたいで……21個のジュエルシードは、この世界に散らばってしまった……回収できたのは、今日のを合わせて僅かに2つ……」



つまり、最低でも19個のジュエルシードってのが、この海鳴には存在してるって事だな?そして、お前の目的は、その封印だと……そう言う事だろ、ユーノ?



「はい……」

「だったら俺達も手を貸すぜ!
 封印はなのはにしか出来ねぇが、暴走体との切った張ったなら其れなりに力になれるだろうからな。」

「って言うか、なのはちゃんだけじゃなくて、俺達もどっぷりと関わっちまったから、今更無関係で居る事なんて出来ないぜ!!良いだろ、ユーノ!?」

「そ、其れは確かに有り難いけど、でもなのは以外の皆さんは、リンカーコアを有してるとは言え、なのはと違ってリンカーコアの覚醒には至って居ないんですよ!?
 リンカーコアの覚醒がない状態で、アレに挑むなんて無茶を通り越して無謀です!!」



其れが如何した?
こちとら、無茶で無謀な案件を、何度も超えて来たんだ――今更そんな事で怖気づく事はねぇ!!

そして逆に問うぜ?リンカーコアってのは、如何すれば覚醒状態になるんだ?――知ってるんだろお前は?



「リンカーコアの覚醒している魔導師から、非覚醒者に魔力を流し込んであげれば、其れでリンカーコアは覚醒する筈です――あくまでも一説に過ぎないけれどね。」

「其れでも上等だぜ!
 早い話が、なのはから魔力を送って貰えば、俺達のリンカーコアってのも活性化するって事なんだろ?其れによるデメリットはねぇんだ、寧ろやってくれだぜ!!」

言っとくが、お前が何を言っても俺達が折れる事はねぇからな?
性格は夫々バラバラだが、俺を含めてドイツもコイツも『困ってる奴を放っておく事が出来ない』って言う性質らしいからな…悪いが、トコトンまで関わらせて貰うぜ?

誰からでも良いから、リンカーコアを活性化して貰おうじゃねぇか!



「じゃあ、志緒さんから行きますね♪」

「俺からか、なのは?」

「さっきの戦いを見てたら、X.R.C最強は如何見たって志緒さんですから、此処は最強から覚醒させるのが最上だと思うのです!」

「……違いねぇな――なら、頼むぜなのは。」

「はい!」



――キョゴォォォォォォォォォォ……



コイツは……俺の拳を握ったなのはから、途轍もなく強い力が俺の中に流れ込んでくるのが分かる。
そして、その力に呼応するように、俺の中に有る何かが急速に熱を帯びて来るのも…これが、コイツがリンカーコアの活性化ってやつなのか!?…良い感じだぜ!

其れに、リンカーコアの活性化と同時に、分かった事も有るぜ――恐らくは、

「吠えろ、ヴォーパルウェポン!」



――ジャキィィィィィン!!



「!?異界でもないのに、ソウルデヴァイスを顕現した!?」

「若しかしてと思ったが、正解だったみたいだな?
 リンカーコアが活性化した状態なら、異界や異界化の影響下じゃなくても、ソウルデヴァイスを己の意思で起動できるみたいだぜ?……コイツは大きなメリットだ。」

特殊な環境を必要としなくとも、己の武器を使う事が出来る訳だからな。
そんな訳で、お前等のリンカーコアも活性化させんぞ!!異論は認めねぇからな?――まぁ、異論が有ったとしても、そんなモンは状況的に無視するけどな。








――てなわけで、X.R.Cの面子のリンカーコアを活性化中だから、少し待っとけや。








でもって約5分後、無事にX.R.C全員のリンカーコアを活性化するに至ったぜ。
流石に、この場で全員がソウルデヴァイスを顕現した時には、桃子さんでも驚いてたが、即座に『あらあら、此れは凄いわねぇ』と受け入れるとは、見事だ桃子さん。



ともあれ、此れから俺達は其のジュエルシードとやらを集めなきゃならねぇんだろ?
そいつが、この海鳴の何処に落ちたかは分かってるのかユーノ?



「分からない……あまりにも広範囲に散らばってしまったから、今回の事みたいに、ジュエルシードが発動しないと其れを感知する事は出来ないんだ。
 加えて、ジュエルシードは現地生物を取り込んで暴走する事も有る……故に、極めて危険な物なんだ。」

「となると、ジュエルシードの反応をキャッチしたその瞬間に現場に向かわないとだよね!!」

「流石に全員って言う訳には行かないだろうから、時と次第によっては、なのはちゃん以外で手の空いている人がサポートで入るのが上策でしょうね。」



ソイツが上策だろうな。良い案だぜ、柊。
ジュエルシードを封印できるのはなのはだけだから、中核はなのはに任せちまう事になるが、サポートは絶対に必要だからな?その基本方針で行こうじゃねえか。


となると、ユーノが何処で過ごすか何だが……



「ほえ?私の部屋じゃ駄目なんですか?」

「ん~~~……其れについてはちょっと反対かな?ユーノ君て、男の子だよねぇ?」

「でも、フェレットですよ?」



確かにそうなんだが、最大の問題は、そのフェレットの姿がユーノの『本当の姿』なのかって言う事だ。
疑いたくはねぇが、姿形を変えて襲って来るグリードってのは少なくなかったからな――尤もユーノが凶暴じゃないのは分かるが、正直に言った方が良いと思うぜ?



「ぼ、僕は本当は『人間』の男の子です!
 今は、魔量消費を最小限にするためにフェレットの姿で居るんです!!――だから、なのはと一緒の部屋って言うのはダメだと思います!」



矢張り人間だったか。
だが、此の土壇場で己の正体を明かしたのは、大したモンだぜユーノ。

しかし、そうなるとユーノをなのはの部屋に泊まらせる事は出来ねぇから、俺の部屋で預からせて貰うぜ?――構わねぇかなのは、ユーノ?



「志緒さんがそう言うなら、異論はなしです。」

「そっちの方が、僕としても精神が楽です……割と冗談抜きで本気で。」



なら良いじゃねぇか。
中々に長い付き合いになりそうだから、改めて宜しく頼むぜユーノ?



「はい、宜しくお願いします!」




――んでもって、この後で、新たな仲間が出来たって言う事で、ちょっとした宴会が始まっちまったのはご愛敬って所なんだろうな?…俺も存分に楽しんだからな。

だが、ジュエルシード……如何やら、其れなりに長い付き合いになりそうだぜ。








――――――








Side:???


此処にジュエルシードが……お母さんが必要としてる物があるんだよねあるふ?



「恐らくね……今は反応を感じられないけど、此処にジュエルシードがあるのは間違いないと思うよフェイト。
 だけど、それら全てが一筋縄で行かない相手だって言うのは火を見るよりも明らかだろう?――それでもやるのかいフェイト?……アイツの為に!!」

「あるふの言う事は分かるけど、其れでも、あの人は僕のお母さんだから……だからやるよ。」

そして僕は飛ぶんだ、お母さんを助けて、リニスを取り戻して、僕とあるふとお母さんとリニスの4人で、この大空を!!
それに、全てのジュエルシードを集めたら、お母さんだってきっと昔のお母さんに戻ってくれる……だから、僕は頑張る!!



「其れがフェイトの意思なら、アタシは其れに従うよ……」

「うん、ありがとうあるふ。」

ジュエルシードは、全てこの僕が、フェイト・テスタロッサが手に入れる!!その障害となるものは、何であろうと叩きのめす!!



だけど、この時の僕は全く持って予想すらしてなかった――このジュエルシードの件で出会った一人の魔導師が、僕の生涯の友になるなんて言う事にはね……













 To Be Continued…