Side:アインス
浄化の儀式で仲間を取り戻す事が出来た訳だが、趙雲と幸村を取り戻す事が出来たのは大きいな。
いや、趙雲と幸村だけでなく、三成と周倉も可成りの実力者だし、ヴィヴィオはまだまだ経験が足りていないが、逆に子供特有の勢
いで皆を引っ張っていく力があるしね。――最初に此の5人を取り戻せたのは、ある意味で幸運だったかも知れんな。
「まさか操られてしまうとは……迷惑をかけてしまったなアインス殿。
今度は私が貴女を助ける番だ。私の力で良ければ、遠慮なく使ってくれ。」
「操られて仲間に槍を向けてしまうとは……全てはこの身の未熟故、此れからの働きで助けて頂いた礼を致しましょう。」
で、趙雲と幸村は律儀と言うか何と言うか……いや、ヴィヴィオや周倉達だって夜見の支配から解き放った事に対しての礼は言っ
てくれたが、この二人は義理堅いと言うか生真面目と言うか……仲間を助けるのは当然の事だから気にしなくてもいいのだがな。
だが、そう言う事ならば頼りにさせて貰うよ趙雲、幸村――取り戻さねばならない仲間は多いし、碑の欠片も集めなくてはならない
からね。
と言う事で、先ずは助け出した5人を如何言う風に分けるかだな。
討鬼伝×リリカルなのは~鬼討つ夜天~ 任務115
『浄化~取り戻す意思~』
取り戻した英雄は5人……さて、如何分けるのが良いか――志貴、碑の欠片を見つけた場所に出て来た相手はどんな奴だった?
「殆どが魔物だったが、時折英雄達の幻影も現れた――尤も、幻影は本物の英雄達には遠く及ばないので私でも倒す事は出来た
がな。」
「魔物と幻影か……」
となると、操られた仲間と戦う事になる刹那チームの方に戦力を集めた方が良いな?
取り戻した5人の戦闘力だと趙雲=幸村≧周倉≧三成=ヴィヴィオ(大人モード)と言った感じだから、刹那チームに趙雲と幸村を
入れて、志貴チームに周倉と三成と言うのがベターか。
ヴィヴィオは……
「…………」(じ~~~~)
「分かっている、刹那チームにだろう?……そんなに趙雲の事が好きか?」
「うん!だって、ママの旦那さんになって貰う心算だし♪」
なんだその無謀な野望は……と普通なら言う所なのだが、血は繋がっていないとは言え、なのはの娘だと其の一念を通してしまう
かも知れないのを否定できないのが恐ろしいな。
まぁ、頑張ってくれ。
さてと、チーム分けも出来たし行こうか?
刹那チームは仲間達の奪還に、志貴チームは碑の欠片の回収にな。
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で、やって来たのは大正浪漫な風情の場所……此れは大正時代の東京か?
「此れは、俺か有馬の記憶が再現されてるのかな?うん、中々よく再現されてるみたいだね。」
「此処はお前の世界が再現されているのかダリウス……で、此処に操られた仲間が居るんだな刹那?」
「あぁ、間違いない。操られた英雄さんは此処に集まっている。皆を浄化する好機だ。
悪いが……儀式を成功させるため、力を貸してくれ。」
あぁ、勿論だ!!
だが敵の数が多いな……此処で浄化なんかしたら敵の餌食になってしまうね?先ずは、安全な場所に移動しなくてはだな。
「そうだな。
アインス、あの門番らしき奴を倒せば道が開けるんじゃないか?加えて、アイツが守っている先を私達の拠点に出来ると思う。」
「良い所に気付いてくれたな桜花……ならば早速門番をぶっ倒す!!」
「ならば、先陣は我等にお任せを!趙雲殿!」
「幸村殿、承知した!!」
で、桜花が発見した門番を倒す為に、先ずは趙雲と幸村が先陣を切って敵兵を蹴散らし、門番が見えた所で私と桜花とヴィヴィオ
の一撃が炸裂して門番をKOだ。
門番も、夜見に操られていた環軍の兵なので、峰打ちで済ませたがな。
「アインスさん達も凄いけど、趙雲さんも凄いです。
強くて優しくて……お兄ちゃんって、こう言う感じなのかな?」
……如何やらソフィーもまた趙雲にらしいな。
桜花から聞いた話だが、ソフィーは桜花の事も『姉』と慕っているらしいし――趙雲が兄で、桜花が姉……何だ此の兄妹強過ぎる。
まぁ、取り敢えず拠点の確保が出来た訳だが……
「夜見様の邪魔はさせません!」
「夜見様に仇なすモノ……少し、頭冷やそうか?」
「ママ!!」
「なのは殿……!」
此処で操られた英雄が登場したか。
しかも、ほのかは兎も角なのはだとは……此れは気を抜ける相手ではないね。――まぁ、操られている状態では普段のなのはの
半分程度なのだろうが、其れでも並の魔導師よりは上だろうから私が相手をせねば危険か。
「アインス殿、私も力を貸そう。」
「ママを助けるなら、私だって!!」
「趙雲、ヴィヴィオ……あぁ、頼む。」
私と趙雲とヴィヴィオでなのはに対処する事になり、残りはほのかにだ。
「3人程度で、私に勝つ心算なのかな?」
「あぁ、勿論だ――寧ろ今のお前の相手ならば、私1人でも充分かも知れないけどね。」
「ママ、目を覚まして!!」
「なのは殿、自分を保たれよ!!」
そして、なのはとの戦闘が始まった訳だが……半分程度の力であるにもかかわらず、矢張り強いななのはは。
私と趙雲の連続攻撃に対処するだけでなく、ヴィヴィオの格闘にも対応しているからね……と言うか、明らかにこの間の趙雲達と
は異なるぞ?
あまり考えたくは無いが、なのははより強く夜見の支配を受けているのかも知れん――他の英雄以上になのはを重視して、只操る
だけではなく、略100%に近い性能を引き出すように操っているのかもな。
となれば何とも脅威だが……悪いが、お前の仲間は速攻でやられたぞ?
「ふぇぇん、強過ぎです。」
「スマナイ、これも儀式を成功させる為なんだ……少し眠っていてくれ。」
まぁ、たった一人で複数の英雄に挑んだらそうなるのは目に見えているがね。
さて、まだ戦うか?私は構わんが――
「……なら、ここは一端退かせて貰うよ。
無理に戦えば良いってモノじゃないしね――だけど、次に会ったその時は、私の全力全壊を叩き込んであげるから楽しみにして
おいてね……」
「待ってママ!!」
ヴィヴィオ、今は放っておけ……如何やらなのはに掛けられた暗示を解くのは並大抵の事じゃないから、最悪の場合は暗示そのも
のを破壊する一撃を考えておくべきかもしれない。
取り敢えずほのかは撃破出来た様だから、確保した拠点に寝かせておくとして、儀式を行うための場所も確保せねばなんだが、敵
の数が増えて来たから、急がないとだな。
取り敢えず雑魚散らしだ……合わせろヴィヴィオ!
「了解ですアインスさん!!」
「喰らえ……ダブルディバインバスター!!!」
「全力全壊!!」
――ドッガァァァァァァァァァァァァァァン!!
――Double Divine Buster!KO!!
一撃必殺のディバインバスターをダブルで放てば、有象無象を一掃する事は難しい事ではない――敵兵に交じっていた魔物共を
一緒に退治出来たのは嬉しい誤算だったね。
あとは拠点の確保だが……
「此処で通せんぼか。倒して先に進もう!!」
「無論だ。と言うか、英雄でもない門番如きは……えい。」
「ひでぶ!?」
この間もやったがデコピン一発で何とかなるからね。
だが門番よりも厄介な奴が居るようだぞ?……直虎に有馬――又しても操られた英雄達か。……仲間からの妨害を受けるなど洒
落にもならないが、邪魔をするというのならば少し眠って貰うぞ!!
「いや、大丈夫だアインスさん!準備は整ったから、今から英雄さん達を浄化する!!」
「ふ、狙ったようなタイミングだな刹那。」
次の瞬間、刹那の神器から光が溢れ、夜見に操られていた者達は正気を取り戻したのだが……この場を離脱してしまったなのは
だけは、浄化できなかったか。
夜見め、なのはの力を見極めて最後の最後まで手元に置いておく心算らしいな。
だが、取り敢えずなのは以外の英雄を夜見から解放出来た事を良しとしないとだね。
新たに取り戻した英雄は、ほのか、有馬、直虎の3人――夜見の戦力を3人削って、此方の戦力は3人増加した訳だしな。
さて、碑の欠片の探索の方はどうなっただろうか?
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聖域に戻って来て、目を覚ました有馬達からは礼を言われたが、当然の事をしたまでだってな。
時に志貴、碑の欠片は見つかったか?
「あぁ、見つかった。
この欠片には『もって兵らを清め、聖なる力を与えん。』と有る。恐らくは、最初に見つけた欠片の続きがこの部分なのだろう。」
「だな。
其れじゃあ、今まで集めた欠片を合わせて行くと……『偉大なる王、泉を創り大地を祝福せし時、悪しき魔物・夜見、闇より出で大
地を喰らう。
王、清らかな泉の力にて大地を蘇らさんとするも、夜見、其の力をも喰らい、世に滅びを齎さんとす。
王、邪悪なる夜見を泉の底へ封じんとす。故に神器をもって兵らを清め、聖なる力を与えん。
夜見、祝福を受けし兵らの剣によって打ち破られ。王、三つの神器によって夜見を泉の底に沈めん』となるな?
つまり、儀式を行い、神器と泉の力を私を含めた英雄に与えれば良いという事か?」
「かも知れないな。
そうすれば夜見に傷を負わす事が出来るのだろう。」
「其れで弱った所を神器で封印するか……となると環の奪還が必須だが、其れで本当に巧く行くのか?」
さてな。
しかも欠片を組み合わせてみた限り、碑文は此れで完成と言う訳でもないみたいだから、まだ先があるだろうしね。
「ふむ、その通りだアインス殿。
私の月光玉が新たな碑の欠片の場所を3カ所ほど示しているのだ――それ等も回収せねばなるまい。」
「矢張り、碑の欠片はまだあるのだね。」
ならば其れも回収せねばだ。
夜見を倒すにしろ封じるにしろ、黎明の碑の全てが解析されない限りは、真実は分からないだろうからな――仲間の奪還と共に、
碑の欠片を集め、碑文を完成させねばだ。
To Be Continued… 
おまけ:本日の浴場
と言う訳で温泉だが……如何やら、男性の時間帯に来てしまったようだ。――まぁ、確認なんてしないのだけど。
「あ、アインス殿!?
こ、これは御無礼を!直ぐに出て行きます故、ごゆっくり!!」
「いや、私が間違ったんだから慌てなくても良いぞ?と言うか、一緒に如何だ幸村?」
「いえ、滅相もございません!
何よりも、鍛錬を共にするのならば兎も角、こう言うのは困ります!」
そうなのか?……意外と初心だな幸村は。
此れは、元の世界で案外からかわれているのかも知れんな……何処の世界にも、生真面目な奴をからかって楽しむ奴はいるモノ
だからな。
……其れを踏まえると――なんだ、色々と頑張ってくれ将。
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