其れは遊星に掛かってきた1本の電話から始まった。
 この時は誰も予想していなかっただろう、此の電話が悲劇への引き金に…


 「何やねん此の語り?」


 …サーセン、冗談です。
 まぁ遊星に電話が掛かってきているのは事実、相手は『リリカル5龍学園』の理事長のレクス・ゴドウィンね。

 「あぁ、分った。…大丈夫だ。」

 なにやら頼まれていた様子。

 「長官(ゴドウィンの渾名)何やて?」

 「2週間だが、はやて達のクラスで教師をやってくれと頼まれた。」

 「…はい?」

 何か、起きそうだね〜…










 『臨時教師は天下無双』










 さて、何で遊星が臨時で教師をやることになったのかと言うと、此の前のルドガーの避難訓練(キリ番参照、別窓)が原因に他ならない。
 遊星その他の活躍で死人こそ出なかったが、多少の怪我人は流石に出ていたのだ。
 で、其の中にははやて達のクラスの担任の教師&小等部4年担当の教師が数名…
 矢張りと言うか何と言うか、科目別教師で無事だったのは理科担当のゾーン位なものだ。
 担任教師のダウンははやて達のクラスのみで本来ならば他の教師が代理を勤めればいいのだが

 『遊星の方が生徒も喜ぶでしょう。高等部3年で成績トップの彼ならば問題ないでしょう。と言うか彼の方がダウンした教師より頭良いですから。』

 とゴドウィンの鶴の一声で決定。
 結果、担任退院までの2週間、遊星は教師をすることになった。


 「と、まぁこんなわけで今日から私等のクラスは2週間だけ遊星が先生やて。」

 「遊星が、」
 「2週間とは言え、」
 「私達の、」
 「先生…?」

 上からフェイト、アリシア、なのは、龍可である。

「「「「や、やった〜〜〜〜〜!!」」」」
 「せやろ!嬉しいよなぁ!あの遊星が先生とか喜ばずに居られるかっちゅーねん!」

 「遊星が先生だって!」
 「そ、そうと知っていればお洒落してきたのに!」
「か、髪の毛おかしくない?寝癖たってないよね!?」
「この世に神はいた!」
「最高にハイって奴だ!」

 ジャック認定の『遊星の嫁』を中心にクラスの女子の心は一つになった。
 …若干おかしなセリフが混じっていたが…

 「HRを始めるぞ。皆、席に着いてくれ。」

 カオスになりかけた教室に不動先生登場……何時もの紺のジャケットではなく白衣を羽織った状態で!

 「「「「「「「「「「!!!」」」」」」」」」」

 「ほうほう、此れもえぇなぁ…」
 「わぁ、先生って感じなの!」
 「「白衣も格好良い…」」
 「うん、遊星は何着ても似合うわ♪」

 意外な遊星の服装に嫁’Sは喜び、その他は驚いた。

 「高等部3年の不動遊星だ。皆の担任が全治2週間の怪我を負った為に、ゴドウィンに頼まれて其の期間此のクラスを受け持つ事になった。
  色々至らない部分は有るだろうが、2週間の間よろしく頼む。」

 「「「「「「「寧ろ此方こそよろしくお願いします!!」」」」」」」

 女子の心は(以下略)

 「元気の良いクラスだな。」

 そして此処で『遊星スマイル』炸裂!

 「「「「「「「「!!!!!!」」」」」」」」

 で、嫁’S以外の女子は鼻血を噴出し机に突っ伏した。

 「!だ、大丈夫か!?」

 「気にせんでえぇよ遊星。きっとすぐに復活するやろうから。」
 「はやて、だが…」
 「大丈夫、授業始めればきっと皆復活するの。」
 「…そうなのか?」

 流石に気になったが、はやて達が大丈夫と言うならば、と遊星は授業の準備に取り掛かった。
 で、授業を始めると本当に全員が復活したのだった。







 と、初日こそ多少ハプニングが有ったが大きな問題は無かった。
 だが、就任3日目に火種はやってきた。


 「HRを始めるから皆席に着いてくれ。」

 いつも通りHRを始める遊星だが、教室に入ってくる前に誰かに話しかけていたのだ。

 「さて、今日は大事な知らせがある。此のクラスに転校生が来た。其れも3人もだ。」

 普通転校生はバラけさせるモノだが、何故か3人とも全て此のクラスに。
 全員が其れを不思議に思う。

 「皆入ってきてくれ。」

 だが、其の疑問は入ってきた3人を見て吹き飛んだ。
 転校生3人は見た目がなのは、フェイト、はやてにそっくりだったのだ。
 なのはにそっくりな1人は髪形が違うが、他の2人は髪型まで一緒で違うのは髪と目の色くらいだ。

 「それじゃあ自己紹介をしてくれるか?」

 「ふん、お前の頼みならば仕方ない。我が名はディアーチェ、良く覚えておけ。」

 はやて似の少女の実に不遜かつ尊大な態度での自己紹介にクラス中が呑まれた。

 「僕はレヴィ、どんなことでも君達に負ける気は無いから。そう、僕最強!!」

 フェイト似の少女の自己紹介もまた個性的で、

 「シュテルです、ヨロシク…」

 なのは似の少女は極めて事務的に済ませた。
 クラス全員が思った…『こいつ等濃い』と。

 だが、遊星は勿論そんなもの気にしない、気にしないったら気にしない。

 「皆の新しい仲間だ、仲良くな。席だが、ディアーチェははやての、レヴィはフェイトの、シュテルはなのはの隣にそれぞれ座ってくれ。」

 クラスの空気を見事スルーし、座席を指定。

 「それじゃ1時間目の授業を始める。彼女達の質問なんかは休み時間にしてくれ。」

 で、極めて普通に授業を開始した。









 ――1時間目・休み時間



 1時間目の授業が終わり、次の授業までの僅かな休み時間、当然転校生の周りには人が集まってくる。
 転校生への質問タイムはお約束といえる。
 其の中心は、なのは、テスタロッサ姉妹、はやて、アリサ、すずか、龍可である。

 勿論、行き成り質問喰らわす等と言う事はしていない。
 ちゃんと自分の名は名乗っている。

 「でさ、幾つか質問して良い?」

 「はぁ、構いませんが…」

 先頭切って質問するアリサにシュテルは問題ない旨を伝えるが、ちらりとディアーチェとレヴィの方を見る

 「質問?ふん、本来ならば王たる我が貴様等の様な塵芥に答えてやる義理など無いが特別に答えてやろう。さぁさっさと申せ!」
 「え、僕から何聞きたいの?いや〜やっぱ僕って凄いから聞きたいこと有るよね〜!」


 「…あの2人は見ての通り、若干性格と人格が破綻しているので質問には私が答えましょう。
  幸いと言うか彼女達とは幼稚園からの付き合いですから、ある程度のことは知っていますし……此れを『腐れ縁』と言うのでしょうか…」

 溜息一発。
 其れで全員が察した『シュテルは苦労人である』と…

 「何や苦労しとるみたいやね…」
 「もう慣れました。まぁ、『諦めの境地』と言うものかもしれませんが…」
 「シュテルちゃん……出来る事が有ったら言ってね?」
 「感謝しますなのは、はやて。必要な時にはそうしましょう。さて、では先ずは何を聞きたいですか?」

 此れを皮切りに矢継ぎ早に質問が殺到する。(其の殆どはアリサからだが…)
 僅かな時間であったが、転校生3人のことは大体分る事が出来た。

 因みに質問の最中も自己完結的に暴走していたディアーチェとレヴィは2時間目開始直前にシュテルの手で物理的に黙らされたのだった。







 ――2時間目・算数


 物理的に沈黙させられたディアーチェとレヴィは遊星が教室に来るギリギリのところで復活したため特に問題は無かった。


 「それじゃあ問1をなのは、問2をシュテル、問3をレヴィ、問4をフェイト、夫々前に出てきて解いてみてくれ。」

 授業は進み、只今遊星が黒板に問題を書き、其れを指名されたなのは達が解いている。
 書かれた問題は『桁の多い掛け算or割り算』、だがそれほど難しいものではない。
 其の証拠に理数系では無類の強さを誇るなのは、其のなのはに負けず劣らずなフェイトは既に問題を解いている。
 シュテルもまた此の2人に負けないくらいの速さで問題を解いたのだが…

 「ヴ〜〜〜〜…」

 レヴィは全く出来ず黒板の前でうなっていた。
 因みに問題は『96÷32』(答えは3)でそれほど難しくはないはずだが…

 「レヴィ、難しく考える事はない。」

 「う”〜〜〜ぼ、僕には難しいよ〜。」

 レヴィの頭から煙が上がっているのは多分見間違いではない。

 「レヴィは算数苦手なの?」
 「いえ、頭を使う事は全般苦手ですね。少なくとも私はあの子がテストで40点以上を取った所は見たことがありません。」

 何気にシュテルは容赦ない。

 「例えば96個の飴玉があったとする。其れを32人の人間で分けると1人何個になるかを考えてみれば良い。」
 「それなら半分は僕が貰っちゃうよ?」

 丁寧に教えてみるが効果なし。
 其れを見てフェイトとアリシアは頭を抱えてしまった。
 まぁ自分と同じ見た目の者が此処までアレなら仕方ないだろう。

 「フェイト、アリシア…心中察しますよ…」
 「フェイトちゃん、アリシアちゃん落ち込まないで…」
 「似とっても真っ赤な他人や…気にしたらあかん…」

 「ありがとう、なのは、はやて、シュテル。」
 「でも、アレは如何なんでも酷い…」

 そんな中でも

 「相変わらず彼奴は頭が悪いな。それでは我の補佐は勤まらんぞ!」

 ディアーチェは偉そうだった…が次に問題を当てられ撃沈はしなかったものの大いに苦戦していた。







 ――3時間目・体育


 本日の体育はバスケットボール。
 体育館を4つのコートに分け、夫々で3on3。
 さて、先程の算数の時間とは打って変わって元気なのはレヴィとディアーチェの2人だ。
 チームは別ながら其の活躍は凄いものがある。

 「強くて、凄くて格好良い!そう、やっぱり僕最強!」
 「我が前に敵は無し!!」

 まぁそのセリフには突っ込み所が満載ではあるが…

 「レヴィちゃんはもしかして典型的な『体育会系』なん?」
 「先ず間違いありませんね。言うならば私は頭脳と運動神経の割合が7:3、ディアーチェが4:6、レヴィは…0:10と言うところでしょうか?」
 
 シュテルのチームは出番が未だなのでコート外で待機中。
 同様に出番がまだのはやてとお喋り中。

 「それにしても、なのははあまり運動が得意ではないのですね。私も人の事は言えませんが。」

 視線の先には試合中のなのは。
 チームを組んでいるのはフェイトと龍亞なのだが、なのはは殆どと言うか全く活躍無し!
 良いとこボールを拾ってパス出すくらいだ。

 「いや、まぁ確かになのはちゃんはあんまし運動神経よう無いけど、なんちゅうんかな…得手不得手が激しいねん。」
 「と言いいますと?」
 「勉強もなんやけどな?理数系は得意やけど文系は言うなれば赤点ライン。
  運動も団体競技や長時間動く種目は苦手やけど、1回全力出して終わる短距離走やボール投げなら成績は悪ない。」
 「成程…言うなれば『特化型』であると。」
 「せやね。」

 「時に…小学生の3on3で100点ゲームと言うのは有り得るのでしょうか…?」
 「いや、無いやろ普通…」(汗)

 普通にありえないことをやっていたレヴィが居た。







 ――4時間目・国語


 初めに言ってこう、なのは、フェイト、レヴィの3人は早くもダウンしていた。
 只今3人は『波線が引かれた部分を漢字にしなさい』と言う問題を前に出てやっているのだが…


 「にゃ〜出てこないの〜〜!」
 「えっと人偏?行人偏だったけ?アレ?アレ?」
 「こんな漢字なんて分らないよ〜〜!!」

 文系底辺のなのはとフェイト、そしてシュテル曰く頭脳へのパラメーター配分が『0』のレヴィは大苦戦。

 「遊星、彼女達の頭から煙が見えるのだが…」
 「あぁ、そうだな。だが、苦手を避けていては何時までも克服できないぞ?」

 因みに文系の時間のみ、遊星は大学部のハラルドに助っ人を頼んでいた。
 猛勉強をして文系の苦手は克服したが、教師としては若干の不安があったからだ。

 「成程一理ある。だが、彼女は良いのか?」

 ハラルドの言う『彼女』とはディアーチェ。
 授業中にも拘らず、堂々と居眠り中。

 「良くは無いがシュテルが言うには体育のあとは必ずらしい。加えて一度寝た彼女を起こすのは至難の業らしい。
  聞いた話だと、前の学校では教師のチョークを喰らおうと耳元で怒鳴られようと、果てはシュテルが必殺魔法を喰らわせても起きなかったらしい。」
 「ならば私の『極神聖帝オーディン』で…!」
 「召喚したら校舎が崩れるぞ?」

 こんな会話の果て、

 「で、出来たの!」
 「こ、此れであってる筈…」
 「ぼ、僕もう無理…」

 ようやく問題が解けました。
 だが、

 「…残念だが不正解だな。」

 3人の答えは見事なまでに『同音異義語』となっていたのだった。







 ――昼休み・昼食


 さて、何時もなら食堂に集う遊星の嫁達だが実は毎日ではない。
 と言うのも、『遊星の嫁認定人』のジャックに

 『何時も遊星と一緒ではいかん!クラスメイトとの親睦を深め、友好関係を広げてなくては遊星の嫁としては半人前だ!』

 と言われたから。
 なので今日は教室でお昼ご飯。

 で、今日は親睦を深める意味で転校生3人と一緒にお食事。
 約2名ほど問題児が居たが、其処ははやて達、突っ込みつつも食事時の和やかな雰囲気は壊されないで居た。

 「しかしあの不動遊星と言う奴は中々だな。あやつなら我の伴侶として申し分ない。」

 ディアーチェのこの一言までは。

 「ちょい待ちや。あんた何言っとるか理解してるん?」

 勿論それには『ジャック認定遊星の嫁1号』のはやてが誰よりも早く反応する。
 新参者のこの発言は見逃せないのだ。

 「何だ小鳥。我は奴に惚れた、一目惚れと言うのか?王たる我が見初めたのだあやつは我の物よ!」



 ――ビキッ!



 空気が割れた。
 そして其の空気を読まない奴が居る

 「あ、王様も?実はさ、僕も遊星にはハート打ち抜かれちゃったんだよね。」

 そう、レヴィがしなくても良い追い討ち。



 ――ビキ、ビキッ!



 「…2人とも少し空気を読んでください…」

 シュテルが諌めるも、

 「何だ、お前とて奴には惚れたのであろう?」
 「其れは…確かにそうですが…」



 ――ブチン!×3



 此処で遂に魔法少女3人娘が切れた。
 切れた其れはもう盛大に。
 そして時同じくして、高等部では2年の教室の1つが吹き飛んでいた。


 「マテやゴルァ!新参モンが何言うてんねん!遊星は私等の旦那やで!」
 「此ればっかりは譲れないの!」
 「ジャックに認定されてないのに其の発言…見過ごすわけにはいかない!」

 だが、其れはディアーチェを煽るばかり。

 「ふん、ならば如何する?我等とやりあうか塵芥共?」
 「止めた方がいいんじゃない?僕達強いよ?」

 やる気満々の2人にシュテルはこめかみを押さえ悩んでいた。
 そして更に、

 「荒ぶる…」

 「「「「「「?」」」」」」

 「荒ぶるぞ!この俺の魂がぁぁぁ!!」

 何処からともなくジャック・アトラス登場。

 「ぬわぁ、名誉会長!?(はやてによるジャックの渾名)」
 「話は聞いたぞ!ならば全力で戦うが良い!貴様らの戦いこの『遊星の嫁認定人』ジャック・アトラスが公認しよう!
  決戦場所は校庭!そしてこの戦いを裁く審判は貴様だ、ユーノ・スクライア!!」

 「えぇ僕!?」

 行き成り指名されたユーノは勿論驚くがそんなこと知ったことではない。

 「異論は認めん!分ったらさっさと準備をするが良い!」

 異論は有るが、『紅蓮の悪魔』を呼び出した状態で言われたら従うしかない。
 ユーノだって命は惜しいのだ。

 「さぁ此れで準備は出来た!己が誇りを賭けて戦うが良い!」


 「覚悟しいや…」
 「手加減しないの…」
 「…負けない!」


 「やってみろ。我は負けぬ!」
 「それじゃあ元気に行ってみようか!」
 「結局はこうなるのですね…。ですが貴女達の力は見てみたい。…競いましょうどちらが強いか。」

 此処に最強の魔法バトルが勃発した。










 ――職員室


 そんな事が起きているとは露知らず、遊星は職員室で仕事をしながら昼食中。
 仕事をしながらでもと言うことで今日の昼はサンドイッチとコーヒー。

 「食事くらいゆっくり摂ってもいいんじゃないかしら?」
 「プレシアか。だが、出来るなら仕事は残したくないんだ。はやてを1人で帰すのは心配だしな。」
 「ふぅ…本当に貴方は『良い男』だわ。私が10年若かったら放っておかなかったわね。」
 「?」
 「ふふ、分らないなら良いわ。」

 遊星のクラスに娘2人が居るプレシアは大人の余裕たっぷりな会話。
 そんな、和やかな職員室に、

 「大変だよ遊星!」
 「お前のクラスの子達が校庭で大バトル始めやがったぞ!」

 学園総合整備班のブルーノと、警備班の1人である牛尾が血相を変えて突入してきた。

 「大バトルだって?誰が?」

 「はやてちゃん達だよ!」
 「如何にも相手は転校生らしい。おまけにジャックが煽りやがったみたいだ。」

 「馬鹿な!一体何を考えているんだジャック!」

 こうなってはゆっくり昼食どころではない。
 デュエルディスクを装着し、遊星は其の戦いの現場へと直行した。








 ――――――








 遊星が知らせを受けた頃校庭では凄まじい魔法バトルが展開されていた。

 「おーし、負けんじゃねぇぞなのは!」
 「テスタロッサ、敗北は許されんぞ!」
 「はやて、ルールを無視した新参者に思い知らせてあげなさい。」

 其の凄さから中等部のヴィータ、高等部のシグナムと十六夜アキが他多数が観戦に来る始末。
 大変なのはユーノだ。
 審判をしながらも防御結界を張っているのだから。

 まぁ結界の他にクロウと龍可が夫々『ブラック・フェザー・ドラゴン』と『エンシェント・フェアリー・ドラゴン』で見物人は守っているが…

 因みに龍可は『私が入ったら人数的に合わないから』との理由で参戦していない。
 アリシアも『私は戦えないから』と非参戦。

 さて、戦いの方は一進一退。
 双方とも全くの互角なのだ。
 近接1人と後方2人と言う布陣もさることながら、実力が完全に拮抗。
 さながら格闘ゲームの同キャラ対戦を見ているようだ。

 互いに大体の攻撃は出し尽くした。
 残るは夫々の最強超必殺技のみ!

 「行くでなのはちゃん、フェイトちゃん!」

 「此れで決めるぞ、準備をせい!」

 はやてとディアーチェの掛け声で夫々最強攻撃に入る。


 「此れが私の全力全壊!スターライト…ブレイカァァァァ!
 「行くよバルディッシュ。雷光一閃、プラズマザンバー・ブレイカー!
 「響け終焉の笛。ラグナロク・ブレイカァァ!


 「お見せしましょう。ルシフェリオン・ブレイカー!
 「いっくよ!雷刃封殺、爆滅剣ーーー!
 「無敵、無限!我こそが王よ!出でよ巨獣、ジャガー・ノート!


 互いの最強魔法が放たれる。
 其のエネルギーは下手をすれば学園が吹き飛ぶだろうが、この男がそうはさせない!

 「トラップ発動『くず鉄のかかし』!攻撃を無効にする!」

 攻撃が激突する瞬間、ギリギリで遊星到着!
 お得意のトラップで最強の攻撃を食い止め霧散させてしまった。
 此れだけの攻撃を食い止めるとは流石遊星…

 「一体何をしているんだ。一歩間違えれば学園が吹き飛んでいたぞ!」

 何時になく遊星の表情は厳しく声も荒げている。
 それだけ凄まじい状況だったのだ。

 「一体何が原因なんだ。」

 校庭の中央に居る、バトルを行っていた6人に問う。
 因みに煽ったジャックはプレシアにバインドで拘束された上、牛尾の手で指導室に連行されていた。

 「実はな…







 ――説明中







  と言うわけなんや。」

 色々と伏せてある部分は有るが大体の説明はした。

 「成程な。確かに全力でぶつかり合う事で分る事もある。だが、周囲に被害を出してはダメだ。」

 「せやな…ごめんなさい。」
 「「ごめんなさい…」」
 「確かにやりすぎましたね…申し訳ありません。」

 はやて、フェイト、なのは、シュテルは素直に謝るが、

 「何故謝る必要がある!」
 「僕は何にも悪くないよ!」

 この2人は…だが!


 ――ギンッ!


 物理的な圧力を持ったシュテルの視線に其の勢いは殺される。

 「…いや、まぁ我も些か配慮が足りなかったな、うん。」
 「あはは…は、反省してるよ勿論!」

 苦労人で保護者的立場のシュテルは、実は最強でもあったらしい。

 「分ったなら良い。さぁ此れだけやりあったんだ。もう、皆仲間だな。」

 此処で炸裂、天下無敵、宇宙最強の『遊星スマイル』

 「「「「「「!!!」」」」」」

 戦っていた6人は勿論、観戦していた遊星の嫁’S及び女性の9割がクリティカルヒットを喰らった!


 「あ〜あ…やっちゃたね遊星の奴。転校生3人は一目惚れだったらしいけどさ…」
 「今ので完全に『落ちた』みてえだな…此れで3人追加かよ…」

 アルフとクロウが今後の展開を予想していた。








 ――――――








 さて、其れからは目まぐるしく時は過ぎあっという間に2週間が経った。
 この間に有った事を上げるなら

 ・大バトル以降、はやて達とシュテル達は大親友となった。
 ・ジャック認定の『遊星の嫁』に3名追加。
 ・アポリアが学園に近づいた不審者を機皇帝でオーバーキル。
 ・仮面をつけて出勤したパラドックスが通報された。

 まぁ此れくらいである。
 さて、場所は理事長室。
 2週間の臨時勤務を終えた遊星がゴドウィンに呼ばれてきたのだが…

 「遊星、このままこの学園の教師になって欲しいのですが…」

 「?如何言う事だ?退院したんだろう?」

 「確かに君が受け持っていたクラスの本来の担任教師は復帰しました。ですが…」

 取り出したのはA4サイズの紙の山。

 「此れは?」

 「君に教師を続けて欲しいと言う生徒達からの嘆願書の一部です。
  君が受け持ったクラスの生徒のみならず、初等部の生徒略全員からですね。」

 「…………」

 遊星とて黙るしかない。
 この後、交渉は2時間に渡り、遊星が折れる形で教師への正式就任が決まったのだった。







 終わりでござる







 あとがき座談会


 吉良「で、マテリアルズ初登場でございます!」

 はやて「行き成り色々端折ったな…」

 吉良「尺の関係だ。大体にしてだな遊星と其の嫁候補を全員座談会に出すのだってきついんだぞ!」

 遊星「確かに数が多いからな。」

 シュテル「時に、作者的には嫁候補の中では誰がいいのですか?」

 吉良「ん?俺は全員好きだよ?強いて言うならリリカルサイドでは『はやて』と『シグナム』遊戯王サイドでは『アキ』と『シェリー』かな。」

 ???「俺的にはなのは、フェイト、アリシア、はやてが良いかな〜!」

 フェイト「誰!?」

 安藤正樹氏「俺っすよ俺!」

 吉良「うおう!まさかのリク主降臨!?いやはや如何したのさ安藤氏…」

 安藤正樹氏「言いたい事言いに来ただけだって!やっぱりよぉさっき言った4人は鉄板だとおもうんすよ。」

 吉良「ふむ…して其の心は?」

 安藤正樹氏「個人的な好みに他ならない!!」

 吉良「…だそうだぜ?」

 シグナム「ほう…其れは我等に対する挑戦と取って良いのだな?」
 ヴィータ「良い根性してんじゃねぇかこの野郎…」
 アキ「覚悟は出来てるでしょうね…」
 シェリー「出来ていなくても問題ないわ…」
 龍可「…………」

 安藤正樹氏「!!!」

 吉良「まぁ俺が言うのも何だが発言には気を付けた方が良いよ?」


 シグナム「飛竜一閃!」
 ヴィータ「ぶちぬけぇぇぇ!!
 アキ「ブラック・ローズ・フレア!」
 シェリー「切り裂け!」
 龍可「エターナル・サンシャイン!」



 ――バガァァァン!



 吉良「吹っ飛ばされるから…って遅かったか…」

 なのは「安藤さんてあんな人なの?」

 吉良「まさか。あれは『キャラとしての安藤正樹』でしょう。まぁこのサイト的には吹き飛ばされても復活するから大丈夫だろう!」

 遊星「…一応『死者蘇生』を用意しておくか…」



 まぁ色々有るが座談会終了!