1回戦も残り3試合。
第6試合目の、犬上小太郎vs佐倉愛衣の戦いは、
「うりゃ!」
「へっ?きゃ!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
――ドポ〜ン
『今のは掌底アッパー!?少女の身体が10mは吹っ飛んだ〜〜!?』つっても手加減したよねコタ?」
「当たり前や。今のも只の風圧やし、怪我は無いはずやで?」
「だよね。『さぁ派手に吹き飛んだ中2少女、10カウント以内に戻らなければ敗北が決定……って愛衣選手溺れてる〜〜!?』
「なんやとぉ!?」
小太郎が吹き飛ばした愛衣は何と『カナヅチ』であった。
『此処で10カウント〜〜!小太郎選手の勝利です!』カウント全然たんないけど、如何見たってあんたの勝ちだから行けコタ!」
「わ〜っとるわ!ったく世話の焼ける…!」
和美の判断で実際には10カウントも経っていないが、小太郎の勝利が確定。
で、速攻で愛衣を救出に向かった小太郎に会場からは暖かい拍手が送られていた。
――○犬上小太郎(0分24秒、場外)佐倉愛衣●――
ネギま Story Of XX 29時間目
『瞬殺、激戦、大紛滅!』
「掌底の風圧で水のある場外に吹き飛ばして無傷で済ますか…」
「はは、中々見事なものだねぇ。」
選手席では、稼津斗とタカミチが今の試合を結構高く評価していた。
「やったね小太郎君!」
「へへ、楽勝や!」
小太郎は小太郎で余裕の笑み。
ネギも小太郎が勝ったことは嬉しいようだ。
「あうぅぅ…すみませんお姉さま…負けてしまいました…」
「…まぁあの少年も稼津斗先生と関わりがあるようですから仕方無いでしょう…非戦闘員と思っていた明石裕奈さん達が『アレ』ですもの…」
で、愛衣は何時の間にか戻ってきていた高音に負けた事を謝っていたが、高音は其れも仕方なしと言った具合。
どうにも以前に見た稼津斗の従者達の異常な戦闘力が思いだされたらしい。
『さぁ、1回戦も残す所、あと2試合!!続いて1回戦第7試合は、此れはもう決勝戦クラスの組み合わせだ〜!!
たった1人で学園内の幾多の抗争、馬鹿騒ぎを鎮圧しついた渾名が『死の眼鏡』!正に最強の学園広域指導員、高畑・T・タカミチ!
対するは幾多の不良の悪行を食い止め、その圧倒的実力と目撃者の証言から『麻帆良の銀の魔王』の2つ名を持つ氷薙稼津斗!』
「…和美、俺そんな風に呼ばれてるのか?次元越えて桜色の砲撃が飛んできそうな名前だな…」
「いやぁ…お互いに、なんと言うか凄い名前がついちゃってるね。」
思わぬ渾名がついて居た事に2人とも微妙〜な顔になる。
まぁ、この2人が殲滅、鎮圧した不良、抗争は数知れないのでこの渾名も何一つ間違っては居ない。
しかしそれ以前に、こんな物騒な名前がついている人間が居るにも関わらず、不良やその手の騒ぎが一向に無くならないのは流石麻帆良と言うべきか…
『もう、如何考えたって生易しい結果だけはありえないこのカード!果たしてリングは無事か?それ以前に会場は原形を止めているのか!?』
「「俺(僕)達をなんだと思ってるんだ…?」」
これから戦う2人は顔だけでなく、纏う雰囲気も微妙なものに…
『1回戦第7試合、Ready……Fight!!!』
しかし、試合が始まれば其れも一変し、途端に纏う雰囲気が研ぎ澄まされた剣の様に鋭くなる。
タカミチは両手をズボンのポケットに突っ込み、稼津斗に対して正面から向き合う格好。
一方の稼津斗は、右手の親指をポケットに引っ掛け、左腕はだらりと垂らし、タカミチに対し左半身を向けるように立っている。
素人目に見れば隙だらけに見える両者だが、実は違う。
2人とも全く無駄な力が入っていない上に、構えらしい構えは取っていない。
早い話、稼津斗もタカミチもどんな技を繰り出してくるか分からない上に、その佇まいには一遍の隙も無いのだ。
開始位置から微動だにしない両者。
相対しているだけなのに、空気が震え、観客も静まり返る。
――パァン!
その静寂を破るようにして突如発生した破裂音。
何かが破けたのか?
違う。
リングを見れば、稼津斗が左手で掌底を打ち抜いた格好でいる。
――パァン!!
再びの破裂音。
今度は稼津斗が拳を突き出した状態。
「やるね、稼津斗君。」
「まぁ、此れくらいはな。」
どうやらこの破裂音は2人の攻防から発せられたらしい。
そして…
――パァン!パン、パン、パパパパパン!パッ!パッパッパッパン!!パァァン!
次々と発生する破裂音。
傍目には、稼津斗が拳を振るっているようにしか見えない。
『おぉ〜っと!一体何が起きているこの試合!聞こえるのは音のみ!見えるのは稼津斗選手の動きだけ!
一体如何言う事だ〜!?解説の豪徳寺さん、分かりますか!?』
和美自身は何が起きているのか大凡の理解はしている。
しかし、多くの観客には分からないだろう。
なので(何故か)解説を勤めている豪徳寺薫にふってみる。
「え〜簡単に説明しますと、高畑選手が使っているのは刀の居合い抜きならぬ拳の居合い抜き『居合い拳』と思われます。」
「い、居合い拳ですか?」
豪徳寺の開設にこれまた何故か解説席に居る茶々丸が問い返す。
「えぇ、恐らくはポケットを鞘代わりに、目にも見えないパンチを繰り出しているのです。」
「そんなことが可能なのでしょうか?」
「私も文献では見たことあるんですが、実際にやるバカを見たのは初めてです。ですが更に恐るべきは稼津斗選手です。
その不可視の拳打を、自らも超高速の正拳突きや掌底を繰り出すことで完全に相殺してるわけですから。」
豪徳寺の解説で、実はとんでもない事がおきているのだと判明した。
「流石だね?」
「お前もなタカミチ。話には聞いていたが、まさか此処までの使い手が本当に存在するとは思わなかったぜ。」
破裂音が止み、両者は再び向き合う。
「だが、お前の本気はこんなものじゃないだろ?ウォーミングアップは充分だ……来いタカミチ。」
瞬間、稼津斗の雰囲気が更に鋭くなる。
それは剣などと言うものではない。
言うなればそれは『野生のハンター』。
絶対強者のみが纏うことが出来る『真の闘気』、其れが稼津斗から溢れ出した。
――く…これほどとはね。如何やら本気を出さないと一撃当てるのも難しそうだ…良いだろう、僕の本気を受けてくれ!
「ならば行くよ…左腕に魔力、右腕に気…合成!」
タカミチの両手が輝き、其れを合わせた瞬間、稼津斗の闘気にも負けないほどの力の本流が発生する。
「咸卦法か…中々のレベルだな。」
「知っていたのかい?いや、君位の使い手なら知っていて当然か。
稼津斗君なら大丈夫とは思うけど、万が一って事もある…一撃目は避けてくれ。」
タカミチがステップを踏んだ瞬間、
――ドォォン!
今までとはまるで違う、重い爆発音が響いた。
無論稼津斗はタカミチが動いた瞬間に、一足飛びでリングの反対方向へ移動している。
しかし、タカミチの拳が炸裂したと思われる場所は大きく陥没し、リングの板が粉々になっている。
『な、なんだ今のは!?パンチか?いや、そうだとしてもこの威力は文字通り大砲並だ〜!!
つーか、それは人間相手に使って良い技か〜〜!?』
「成程…咸卦法で強化した拳による居合いで、拳打のみならず拳圧までも武器としたか。」
「本当に恐ろしいな君は…まさか初見で其処まで分かるとはね。」
「此れ位は出来ないと…な。だがタカミチ、お前の技はそれだけでは不完全だぜ?」
「不完全?如何言う事…」
――パァン!
タカミチが何かを問う前に発生した破裂音。
「!!???」
「見えない打撃は何もお前の専売特許じゃない。居合いの技なら俺も出来る…尤もお前ほど完成度は高くないが。
だが、それでも居合い打撃においては俺の方が切れるカードは多い。」
何が起きたのか?
稼津斗が拳を振るった様子は無い。
だが、問題は下半身。
その姿勢は、間違いなく蹴りを放った体勢だった。
「ま、まさか…!」
「ご明察。居合いの真髄はポケットを使った拳打のみに非ず。『鞘走り』の行動さえ出来れば蹴りでも居合いは可能なんだぜ?」
そう、稼津斗が放ったのは居合い拳ならぬ『居合い蹴り』。
腕の振りと、軸足の引き、蹴りの足運びで、居合いをやってのけたのだ。
「だが、此れでも技としては不完全極まりない。…避ける事は出来なくてもお前には『見えて』いた筈だ。」
「確かにね。まぁ避けられなくては見えていても同じだと思うけど。」
「ふっ、まぁ今のは唯の見せ技。居合い拳の可能性を示したに過ぎんさ。俺が真に得意とするのは空手と気功術だ。……第2ラウンド開始と行こうじゃないか!」
睨みあっていた先ほどとは違い、今度は互いに地を蹴り突進する。
咸卦法での居合い拳を繰り出すタカミチと気を込めた拳と掌底を撃ち出す稼津斗。
どちらも一歩も引く気配は無い。
『す、凄い!凄い戦いだ〜〜!此れが超一流、真の達人同士の戦いと言うモノなのか〜〜!?』
和美の司会が、戦いをさらに盛り上げ、静まり返っていた観客席に熱気が戻ってくる。
「なぁ、アレでも稼津斗先生は本気じゃねぇよな?高畑はマジみてぇだけど。」
その一方で観客席では千雨が、裕奈達に聞いていた。
千雨は、いやアキラと夕映もこの攻防で稼津斗が本気を出していないことくらいは分かった。
「ん〜〜ま、100%出してるとは思わないよ?」
「せやけど結構マジやと思う。多分60%位は出してるはずやで?」
「あれで60%なんだ…」
「やっぱり非常識です…」
「あれで6割の稼津斗先生に驚くべきなのか、稼津斗先生に6割も出させてる高畑に驚くべきなのかわかんねぇ…」
何ともアレな状態であった。
さて、激しい攻防が続くリング上だが…
「凄いね稼津斗君。空手が一番の得意って事だけど、その動きは…」
「気付いたか?お前の考えてる通りだ。俺の使う空手は、正統な『空手』に源流の『琉球空手』とアメリカ式空手の『マーシャルアーツ』を複合し我流でアレンジしたものだ。」
あっけらかんと言う稼津斗に、タカミチは苦笑いを禁じえない。
「簡単に言うけどそれはとんでもないことだと思うよ?才能のなせる業かい?」
「まさか。才能で言うなら俺は凡人だ。だが、只単純に其れを理由に負けたくなかっただけだ。
人の万倍の修行をし、世界中の強い奴と戦うことで俺は自分を高めて行った…故に俺は自分の『武』に誇りを持てる!」
――ゴスッ!
稼津斗の拳がタカミチに突き刺さり、今までの均衡が崩れる。
「ぐ…!」
「今の居合い拳に満足しないで更に高みを目指してみろよタカミチ。お前ならもっと上にいけるはずだぜ?」
更に炸裂する蹴りと拳。
一旦均衡が崩れれば、それはもう稼津斗のペース。
今まで保っていた間合いを外されたタカミチに反撃は不可能だ。
「セイッ!ふ…覇ぁぁぁ!!」
裂帛の気合と共に繰り出される稼津斗の攻撃。
その一撃はまるで鉄塊の様に重く、日本刀のように鋭い。
「修行を積んで強くなれ。俺も日々の鍛錬は怠らないが……機会が有ったら又戦おうぜ?」
久しぶりに強者と『純粋』に武を競う事が出来たことに満足な笑みを浮かべ。
「波導掌!!」
止めとなる一撃を放った。
『き、決まった〜〜!!凄まじい攻防の均衡を破り、稼津斗選手必殺の一撃が高畑選手に炸裂〜〜!!!
……高畑選手ダウン〜〜!!ダウンカウント、1…2…3…』
タカミチのダウンを確認し、和美はカウントを開始。
「いや、ははは…まさか10歳以上も年下の君にこうも完璧にやられるとはね。」
カウントの最中、タカミチは上半身を何とか起こし稼津斗に話しかける。
尤もこの状態ではダウン継続中なのでカウントは進む。
「武に関わった時間は略互角…だが、潜ってきた修羅場の『質』に差がある。
お前も命懸けの戦場を潜り抜けただろうが…俺の場合真の意味で『殺らねば殺られる』世界だったからな…
が、それ故に誰よりも命の重さと言うものは理解しているつもりだ。」
「その若さで、望まずに拳を血で染めたのか…僕じゃ敵う筈もないな……こんな事を頼めた義理じゃないけど、アスナ君と3−Aの皆を頼むよ。」
其処まで言ってタカミチは再びリングに仰向けになる。
『9…10!勝者氷薙稼津斗〜〜!!学園2『恐』の対決を制したのは『麻帆良の銀の魔王』氷薙稼津斗〜〜!』稼津兄、高畑先生大丈夫?」
「思った以上に頑丈だから大丈夫だろう。お前に言われるまでも無いぜタカミチ。3−Aに降りかかる火の粉は全て払ってやるさ。」
「はは、頼もしいね。」
稼津斗にしてもタカミチにしても、久しぶりの強者との戦いは満足の行くものであった。
――○氷薙稼津斗(9分14秒、波導掌)高畑・T・タカミチ●――
――――――
「此れは又随分派手にやられたなタカミチ?まぁ、分かりきった結果ではあったがな。」
試合を終えて引き上げてきたタカミチに対してのエヴァの第一声である。
何とも辛口。
「いやいや、稼津斗君の実力は予想以上だよ。其れよりもエヴァの中では僕の敗北は決定事項だったのか?」
「当たり前だ。稼津斗は封印解除状態の私が全力を出しても勝てん男だぞ?幾ら強くても自分の師匠の域にも達していないお前が勝てる筈など無かろう。」
本当に容赦なかった。
「まぁそう言ってやるなマクダウェル。俺としては久しぶりに強い相手と戦えて満足してるんだ。あんまりタカミチを虐めないでやってくれ。」
そして稼津斗の対応は誰よりも大人だった。
リングは今の戦いで破損した為に又も修理が入っている。
「さて、それは其れとしてだ、リインフォース。」
「あぁ、分かっている。」
声を掛けられたリインは、自分の対戦相手であるローブの男・クウネルを睨みつける。
「恐らくはアイツは……まったく持ってふざけた奴だ。手加減無用、叩き潰してやれ。」
「勿論そのつもりだ。」
稼津斗は、いや、リインも楓も真名も、そしてアスナとエヴァもクウネルが『如何いう存在か』気付いていた。
そんな事とは露知らず、フードの下で余裕の笑みを浮かべるクウネル。
だが、余裕なんてものは無かったと言うことが試合で思い知らされるのだった。
――――――
『2度目のリングの補修も終わり、1回戦も遂にラストバトル!!
謎の男、ふざけた名前のクウネル・サンダースに対するは、黒衣を纏った蒼髪の美女リインフォース・イクサ!
その実力は高いが、しかし未知数なこの2人!どんな戦いになるのか……ってイクサ、アンタ何持ってんの!?』
和美が思わず司会そっちのけで叫ぶのは無理も無い。
「御馴染の『100tハンマー』だが?刃物じゃないしルールには抵触して無いだろ?」
見ての通りの100tハンマー、御丁寧に『100t』と白で書いてある拘りの一品。
一体何処から出したのやら…
『いや、確かにルール違反じゃ無いけど、流石に其れでぶん殴るのは物理的に拙いんじゃない?』
「『非殺傷設定』で使うから問題は無いと思うが…」
『あ、非殺傷なら全然OK。良いよね主催者?』
『非殺傷』と聞いて、オーナーの超に是非を問えば、問題なくOK。
如何やら超も目的とは別に大会を楽しんでいるらしい。
『オーナーの許可も出たし、張り切っていきましょう!1回戦ファイナルバトル、Ready…FIght!!!』
試合開始と同時に、瞬動でリインはクウネルに肉薄。
その勢いを乗せたまま肘打ちを喰らわせる。
「良い攻撃ですが、私を倒すことは不可能ですよ?」
「此処に居るお前は分身だからか?」
「おや、ばれていましたか。」
「ふぅ…人をおちょくるのが趣味か?悪趣味な…だが、逆に殴ることを躊躇しなくて済みそうだ。」
心底嫌な顔をし、今度は手にしたハンマーを打ち付ける。
「ですから無駄ですよ?私は倒せません。」
「確かに分身のお前を倒すことは不可能だろう……戦場ではな。だが、ルールのある場所では如何かな?」
あくまでクールに、リインは打撃を重ねて行く、必殺の一撃の為に。
「ルールですか?」
「分からないか?」
再びハンマーでの一撃が炸裂。
しかし今度の一撃はクウネルを無理やりに吹き飛ばすほどの威力だ。
「!!?」
その威力に驚くクウネルを追う様に、リインも大きくジャンプ。
「轟天爆砕!」
そしてハンマーを大きく振りかぶる。
同時にハンマーが巨大化し、正真正銘『100tハンマー』と言った具合に。
「ギガント・シュラァァァァク!!」
打ち下ろされたそれは、回避不能。
オリジナルの仲間の1人である『鉄槌の騎士』の最強必殺技であるこの一撃。
破壊力と言うただ一点に限定すれば、それは稼津斗の『無闇神楽』をも上回る。
その一撃がクウネルをリング叩き付ける。
「物凄いですね…ですが私には…「『封縛』!」…!こ、これは!?」
それでも分身の為ダメージ皆無のクウネルだが、起き上がることは出来なかった。
ダウンした瞬間に、リインが拘束魔法『バインド』で、クウネルをリングに縫い付けたのだ。
「く、此れは…全く動けない?」
「無駄だ。そのバインドは稼津斗と真祖の姫以外には絶対に解く事はできない。仮初の分身では尚更だ。」
冷たい紅の双眸でリインはクウネルを睨みつける。
「大体にして、力と力、技と技をぶつけ合う場所に、分身なんかで出てくるのが大きな間違いだ。
私だからこの程度で済んだが、稼津斗と当たっていたら……間違いなく再起不能にされていたぞ、お前。」
一切の慈悲など無い。
どんな理由があるにせよ、本体が出てこないなど『武』を競うこの場では無礼千万極まりない。
「そうでもしなければならない理由があったのですが…」
「知らないな。目的を果たすなら別の方法を考える方が良いと思うぞ?」
『此処で10カウント〜〜!勝者リインフォース・イクサ!終始攻めて最後は豪快な一撃でフィニッシュ!
逆に終始攻められ、何も出来ずにクウネル選手は完全KO!一体お前は何しに出てきたんだ〜〜!』
結局バインドを解く事は出来ず、クウネル惨敗。
「一体何処で間違ったのでしょうか…?」
……『最初からだ』。
選手席の稼津斗、楓、真名、エヴァ、アスナ、そして観客席の観戦組はそう思った。
――●クウネル・サンダース(2分04秒、ギガント・シュラーク)リインフォース・イクサ○――
『さぁ、此れにて1回戦は全ての試合が終了!準々決勝に駒を進めたのは御覧の8名!』
中空に光学映像でトーナメント表が映し出される。
そしてその対戦カード。

1回戦を遥かに上回る激闘が予想される2回戦だった。
To Be Continued… 