IS学園を襲撃した四機の無人ISである『ジャイガンダー』はオータムと楯無と言う裏社会に於ける暫定最強タッグによって撃滅され、コア外装甲は纏めては束に送られる事になり、束は送られて来たコアと外装甲の解析に当たっていた。


「ふむふむ……外装甲に使われてるのは軽くて堅いカーボンファイバーか……ま、強度としては充分だけど、ISの装甲としては合格とは言えないかなぁ?
 カーボンファイバーの装甲は確かに強いけど所詮は炭だから超高熱には弱いんだよねぇ……
 だけど問題は其処じゃない……亡霊共が無人機の開発に成功してるって事だ。それと劣化版とは言えISコアも。
 まぁ、無人機自体は今のロボット技術の急速な発展を考えれば出来ない事じゃないけど戦闘行為が行えるとなると相当に高い性能を備えたAIの存在がなければ不可能……とは言っても其れ自体は例えば亡国時代のオーちゃんの戦闘データを基にすれば其れなりの戦闘用AIは開発可能。
 ISコアも劣化版ならまぁ作る事は出来なくもないけど実用レベルとなるとそんなに簡単なモノじゃない……つまりは其れが出来る奴が、少なくとも私には及ばなくともいっ君には匹敵する頭脳を持ってる奴が居るって事か。
 ……どう思うクーちゃん?」

「ゲンドウポーズで色々言っていたみたいだが、此処で私に振る必要があったのか少しばかり説明が欲しい所だな。
 まぁ、私もお前の考えと概ね同じだが……ぶっちゃけて言わせて貰うと無人機に限れば其処まで警戒する必要はあるまいよ……仮に戦闘AIがオータムのデータをベースにしているとしたとしても、それはあくまでも『亡国時代のオータム』であり、現在のオータムと比べれば大きく劣る。
 分かり易く言うならば亡国時代のオータムと現在のオータムとではラディッツと戦った時の悟空と超サイヤ人に覚醒した悟空ほどの開きがあるからな。
 だが、亡国には無視出来ないバックスが居るのは間違いなかろうよ……だが、連中が仕掛けてしたとしても私が出張れば大抵なんとかなるさ……とは言えそんなめんどくさい事はごめんだがな。」

「うわぁお、最大限ぶっちゃけた此れ♪」


解析の結果、少なくとも現在の亡国機業には亡国時代のオータムと同等の戦闘力を搭載した無人ISを開発可能なだけの力があると言う事が判明した。
そして解析を行っていた束に『クーちゃん』と呼ばれていたのは銀髪ゴスロリな少女ではなく、銀髪に赤目、そして抜群のプロポーションが目を引く大人の女性だった。
ドイツ軍が行っていた『アドヴァンス計画』によって誕生した存在であるのだが、あまりにも能力がぶっ飛んでいた個体だっただけに、ドイツ軍が『御し切れないからアウト』として廃棄された個体を束が保護したのだ。
そして束はその個体を『リインフォース・クロニクル』と名付けて自らの側近としたのだ。(見た目はリリカルなのはリインフォース・アインスです。言われなくても名前の時点で察した人挙手~~)


「それで、解析を行った結果如何する心算だ束?」

「ん~~~……今暫くは泳がせとこうかな?
 勿論最悪の事態が起こりそうなら介入するけど、今の所はいっ君達で充分対処可能だからね……だから、此処はいっ君が出場してるIS学園のクラス対抗戦の決勝戦を観戦しようじゃないか!」

「……まぁ、お前がそう判断したのならばきっとそれが正解なのだろうな。
 そして観戦するのならばビールは必須だろう?スルメのゲソも用意してある。ディップは七味マヨネーズで良かったか?」

「ふっふっふ、完璧だよクーちゃん!
 だけどこの試合は少し面白い事になるかもしれないね?純粋な戦闘力ならいっ君の方が圧倒的に上だけど、オランダのあの子は私の予想通りならいっ君にとっては相性的に最悪の相手だろうからね。」


束は無人機を送り込んだ存在については今は泳がせる事を選択し、今は地球の遥か上空を突き抜けて宇宙空間に存在している衛星をもってしてIS学園のアリーナの様子を映し出し、一夏とロランのクラス対抗戦の決勝戦の舞台が顕わとなっていたのだった。









夏と銀河と無限の成層圏 Episode9
『武力vs知略~A total War~』










クラス対抗戦の決勝戦は一組のクラス代表である『織斑一夏』と、三組のクラス代表にしてオランダの国家代表候補生である『ロランツィーネ・ローランディフィルネィ』に決まり、一夏もロランも夫々のピットにて決勝戦前の最終調整を行っていた。
ロランは一回戦をほぼ無傷で終えたので稼働の為に消費したエネルギーの補給のみなのに対して、一夏の方は鈴とバッチバチにバトったので多少の調整が必要ではあったモノの其処まで問題となる事はなかった――ただ一つ、ワンオフアビリティである『超力変身』は各変身形態は一日一回の制限があるのでロラン戦では『剣王』を使う事が不可能になってはいたが。
尤もそれも大きな問題にはならないだろう――其れほどまでに一夏は自身を鍛え上げ、一夏も己の力量には(まだ上が居るとは自覚した上で)絶対的な自信を持っており、聞く者によっては不遜に聞こえるだろうが『学園でも専用機持ち以外の生徒は言うに及ばず、教師陣でも千冬姉以外には負ける気がしない』と自負しているのだから……任侠モノの極道の人外のアニキ達に鍛えられたからこその事ではあるのだが。

さて、一つ此処で織斑三姉弟について少しその違いを話しておこう。
両親が殺害され、其の後は天羽組の世話になり、織斑三姉弟は天羽組の人外レベルのアニキ達によって鍛えられてきたのだが、千冬はこの時には既に中学に上がっており、天羽組のアニキ達の技は『殺しの技』である事を理解していたので『殺し』の部分は敢えて身に付けずに純粋にワザと戦闘技術のみを身に付け、円夏は子供心ながらに怖さを感じてしまい矢張り殺しの部分を身に付ける事はなかったのだが、一夏はそうではなく子供ながらの純粋さで殺しの技に興味を持ってしまい、文字通り天羽組のアニキ達の技を丸々其の身に吸収してしまったのだ……故に一夏は同じ環境で育ちながらも織斑三姉弟の中で唯一『殺しの技』を会得しており、同時に其れを会得する中で『闘気だけでなく殺気も高める術』も身に付けるに至っており、その高めた殺気をぶつける事で相手を怯ませる事も可能となっているのだ。
尤も殺気を高めてぶつける相手は自分を狙って来た相手に限定されるので試合で使う事は基本無い……相手が自分を殺す勢いで向かって来た場合は其の限りではないだろうが。
ついでに言っておくと一夏は人の死に関しては一般人よりは可成りボーダーラインが低くなっている――三年前の誘拐事件の際にオータムが目の前で誘拐犯達を全滅させた様を見て『人が死ぬのって案外あっさりしたモノなんだな』と言うのを両親の死を知った時以上に感じてしまったからだ。
加えて僅か十三歳で大企業の社長になった事から其の身を狙われる事も少なくなく、相手が複数の場合はオータムだけでなく一夏自身が直接相手をする事もあり、不可抗力ではあるが致命傷を与えてしまった事も一度や二度ではない……故にやる場合には容赦ない。

一夏自身も自分が普通でない事は自覚しているが、だからと言ってそれを忌み嫌う事はせず、寧ろ受け入れて更なる高みを目指して日々鍛錬を続けているのでその力は計り知れないモノがあると言って良いだろう。


『Ladies&Gentleman!
 クラス対抗戦もいよいよ決勝戦!片やほぼ完封勝利を収めた三組代表のロランツィーネ・ローランディフィルネィ!片や世界初の男性IS操縦者にして日本代表候補生である凰鈴音を下した織斑一夏!
 クラス対抗戦を制するのは果たしてどちらなのか!
 まずはロランツィーネ・ローランディフィルネィ、入場!!』



さて、話を戻してアリーナでは放送部の生徒による観客の熱気を高め、先ずはロランがモーツァルトの『レクイエム~ディエスイレ~』のメロディに乗ってカタパルトから出撃し、見事なバレルロールを披露した上で滞空し一夏の入場を待つ形に。


『続いて織斑一夏、入場……!』


続いて一夏の入場なのだが……一回戦とは異なり、『愚霊闘武多協奏曲』での入場となり、アリーナには何とも言えない独特の雰囲気が漂い、カタパルトから出撃して来た一夏は見事な前方宙返りを披露すると、空中で片膝をついての見事な忍者ポーズを決めてみせた。
そして其の直後に背部にマウントされた登龍剣を抜いて其の切っ先をロランに向け、ロランも其れに応えるようにオーランディブルームの近接用戦闘武器であるハルバートを一夏に向ける。


『泣いても笑ってもこれが最後!
 クラス対抗戦ファイナル!織斑一夏vsロランツィーネ・ローランディフィルネィ!Go For Broken!Fight!!』



試合開始が宣言されると同時に一夏とロランは同時に飛び出し、直後に登龍剣とハルバートが交錯して激しい火花を散らす。
互いに退かない鍔迫り合いとなったのだが此処はロランの方が先に退いて一旦距離を離す形となったのだが、其の直後にハルバートでの強烈な突きを繰り出すも、一夏はその突きをバックブローで強引に軌道を変えると其のまま円運動で遠心力たっぷりの上段回し蹴りをロランに炸裂させる。


「見事なカウンターだが、舞台が中心とは言え女優業もやっているから顔への攻撃は勘弁してほしいのだけれどね?」

「んなこた知らん。
 顔守りたいなら本国に要請してフルフェイスタイプのヘルメットでも用意して貰えって。」

「成程正論だね。」


その蹴りをロランは的確にガードしハルバートでの連続突きを放ってくる。
それに対して一夏は逆手の連続居合いで対応し、超高速の逆手居合いと突きの応酬が繰り広げられ、その激熱のクロスレンジの戦いに観客席のボルテージも否応なしに上昇していく。


「(ローランディフィルネィ……確かにオランダの代表候補生の肩書に恥じない実力だが、純粋な戦闘力で言えば鈴の方が上で、俺は更に其の上な筈なんだが、まだ決め切る事が出来ないとは……実力を見誤ったか?)」


だが其の中で一夏はロランが此処まで自分と遣り合っている事に疑問を抱いてた。
慢心はしないが、一夏には天羽組の人外レベルのアニキ達に鍛えられた事で大抵の相手には、其れこそ千冬クラスの相手でなければ誰が相手でも勝利する事が出来ると断言出来るし、実際にそれ相応の実力を備えてるのだ。
にも拘らずロランを瞬殺出来なかったのは何故なのか?


「(成程な……確かに戦闘力では俺の方が圧倒的に上だが、巧さではお前の方が上ってか!)」


それは偏にロランの『戦い方の巧さ』にあった。
ロランのIS操縦者としての技量は決して低くないが、単純な戦闘力で言うのならばオランダ国内でも中堅の上位と言うのが良い所なのだが、ロランは戦闘力の差を埋める知略を其の身に秘めていた。
チェスのチャンピオンが百手を超える先を読んで戦術を構築するかの如くにロランは相手の遥か先まで読んで、相手の次の一手を潰しながら自分が有利になる状況を作り出し最終的に勝利する、その結果としてオランダの代表候補生に上り詰めたのだ――ある意味で、努力は才能を凌駕するを体現したと言えるだろう。


「(真っ向勝負が基本の俺とは最悪の相性って訳か……だが、だからこそ相性最悪の相手だが最高の相手だぜ……相性の不利を覆して、俺は更に先に進むだけだ!)」


だが、相性が悪いからと言って一夏がポイント狙いの判定勝ちを狙うかと言えば其れは否。
一夏の勝負への拘りとして、『勝つなら完全勝利。TKOはまだしも判定勝ちは有り得ない』と言うモノがあり、ISバトルに於いては『相手のシールドエネルギーを0にしてこその真の勝利』とも考えている――故に、攻め込む以外の選択肢は存在してなかった。


「オォォラァァァァァァァァ!!」

「ふ、激しい攻撃だね?だが其れもまたこの最高の舞台には相応しい!!」


其処から一夏の攻撃は激しさを増し、袈裟斬り、払い斬り、逆袈裟、斬り下ろし、回転斬りと多種多様な斬撃を繰り出して行く。
しかしロランは其の攻撃を捌きながら時折カウンターを繰り出す……が一夏は止まらずにカウンターを最小限の動きで回避しながら攻撃の手を緩めない正に決勝戦に相応しい攻防が繰り広げられ、否応なしにアリーナのボルテージは高まって行く。

因みに二組の生徒は一夏の、四組の生徒はロランの応援に回っているのだが、これは『ウチに勝ったんだから優勝してくれ』と言う心情の現れだろう。
そんな中で激しい試合はドンドン激しさを増して行ったのだが……


「ねぇ箒、アンタ気付いた?」

「あぁ、勿論だ。無論お前も気付いているだろうヴィシュヌ?」

「えぇ、気付いています……らしくないですね一夏……」


ヴィシュヌ、箒、鈴の三人は一夏の様子がオカシイ事に気が付いた。
それは一年間織斑家で過ごしたヴィシュヌと、幼馴染である箒と鈴だからこそ気付けた違和感……此の三人以外で一夏の違和感に気付いたのは身内である千冬や円夏くらいだろう。


「攻撃の激しさは変わっていませんが、攻撃がどんどん単調になっています。
 相手のカウンターはギリギリで回避してはいますが、攻撃が単調になれば其れは格好のカウンターの的でしかありません……其れは一夏も理解している筈なのですが……」


その違和感の正体は一夏の攻撃が少しずつだが確実に単調になっている事だ。
相変わらず激しい攻撃を繰り出しているのだが、其の攻撃の種類がどんどん少なくなっていき、遂には袈裟斬りと逆袈裟の二種類の攻撃になってしまったのだ……其れでも袈裟二連→逆袈裟や袈裟斬り→逆袈裟二連斬とコンボのバリエーションは其れなりにあるのだが、だからと言っても攻撃の種類が二種類に限定されてしまえば読みやすく、カウンターも合わせやすくなり、勝負の天秤はロランに傾こうとしていた。


「(攻撃が単調になってきている、攻め疲れかな?)」


一夏の攻撃が単調になって来た事にはロランも気付いていた。
最初の攻防の後に立てたロランのプランでは防御に重点を置いて基本はカウンターを返し、余裕があれば攻め込むスタイルであり、チマチマ削っての判定勝ち、あわよくばカウンターがクリーンヒットしてのKOであり、そうであればこのまま今のスタイルを貫けば勝利は堅いだろう。


「(これは……勝てる!)」


此処でロランはこの試合を勝てると判断した。
三組と四組の生徒からの熱い『ロラン』コールも其れを後押ししたと言えるだろう――女優業もやっているロランにとって、観客の声援に応えないと言う選択肢は存在せず、その声援に最大限に応えるのならば自ら攻めた上でのKOしかないと判断し、ロランは最初のぶつかり合い以降では初めて自分から攻勢に出てハルバートを振りかぶった。


「待ってたぜ、この瞬間をな!!」

「え?うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


だが、ハルバートを振り下ろすよりも早く一夏の渾身のイグニッションブーストからの突きが炸裂してロランを吹き飛ばし、オーランディブルームのシールドエネルギーを大きく減少させた。
それで終わらずに一夏は吹き飛ばされたロランの背後に一瞬で移動し強烈な蹴り上げを食らわせてアリーナの天井付近までフッ飛ばす。


「く……やってくれるじゃないか!」


天井にぶつかる寸前で体勢を立て直したロランだが、眼前には既に一夏が迫っており左手には登龍剣が握られ突きを繰り出そうとしていた――これを喰らったら流石に拙いと思い、ロランは咄嗟にガードを固めたのだが……


「残念、フェイクだ。」

「がはっ!!」


左の突きは繰り出される事なく、代わりにイグニッションブーストのスピードが乗った右腕でのウェスタンラリアットがロランの喉笛に炸裂した!
絶対防御がある事で首への直接的なダメージはないとは言え、其れでも衝撃と気管の圧迫はなかった事には出来ず、ロランの息は一瞬詰まり、其れが決定的な隙となった。


「真・登龍剣!!」


其処に一夏は登龍剣での柄打ち→ジャンプ斬り上げのコンボを叩き込み、最後は必殺の登龍剣を叩き込んでターンエンド!
此の攻撃を喰らったロランのオーランディブルームはシールドエネルギーがエンプティとなり、此処に勝負は決したのだった。


『勝者、織斑一夏!!クラス対抗戦一年の部を制したのは、世界初の男性IS操縦者である織斑一夏だ~~~~!!!』


アナウンスの試合結果報告にアリーナは最高潮の盛り上がりを見せ、一組と二組の生徒からは惜しみない拍手と一夏コールが送られ、三組と四組の生徒からはロランの健闘を称える拍手が送られていた。


「成程、君の攻撃が単調になったと思ったのは、君の作戦であり、私はまんまとそれに乗せられてしまったと言う訳か。」

「単純な戦闘力なら俺の方がお前よりも上だが、お前の方が巧いからな……普通に戦ってたら俺にとっては最悪の相性の相手だったから一手打ったって事さ……つっても、俺一人じゃお前のロジックを崩す事は無理だから、お前が自らロジックを崩すように仕向けさせて貰った……尤も、失敗したら俺が負けてたけどな。」

「やれやれ、私もマダマダと言う事か……だが、楽しませて貰ったよ織斑君!
 嗚呼、君とこうして戦う事が出来た事を感謝しよう!正直な話、君が男でなかったら交際を申し込んでいる所だね♪」

「女が男に惚れる、または男が女に惚れるんだ!それで良いんだ、普通そうだろローランディフィルネィ!!」

「因みに私には九十九人の同性の恋人が居るのだが、IS学園に来て百人目にして初めて私の方から惚れてしまった相手が出来たよ……君とよく一緒に居る黒髪ポニーテールの彼女……何としても彼女と親密な仲になりたいモノだよ。」

「箒……ヤバい奴にロックオンされちまったなぁ?逃げて、超逃げて!さもなくば束さんを頼ってマジで!!」


なにやら締まらない形となってしまったが、一夏はロランが組み上げたロジックを自ら崩しに来るように敢えて攻撃を単調にしていたのだ。
だが、其れだけならばロランは構築したロジックを自ら崩す事はなかっただろうが、客席からの大きな『ロランコール』に応えようとした結果、KOを取りに行って、結果として敗北に繋がったのだった。


「さてと、此処は本来ならば君の勝利を祝して頬にキスをするところなのだが、たしか君にはタイの代表候補生の恋人がいたから其れは止めておこう。
 キスがダメならハグとも思ったが、其れも良くないだろうから……握手だ織斑君。君は強かった。」

「お前も強かったぜローランディフィルネィ……機会があればまたやろうぜ?」

「ロランで良い……其れは望むところだよ、私も負けっぱなしと言うのは好むところではないからね。」


一夏とロランが互いの健闘を称えるように握手を交わした後に、一夏がロランの右手を持って高く掲げると、アリーナは大歓声に包まれた。
こうしてクラス対抗戦の一年生の部は一夏が優勝し、二年生の部では蓮杖夏姫が優勝し、三年生の部ではダリル・ケイシーが優勝し、新聞部は速攻で号外を刷り上げて生徒達に配布していた。

対抗戦終了後は一夏はシャワーを浴びてから食堂で夕食を食べた後に自室に戻った後にヴィシュヌと少しゲームやら何やらを楽しんだ後で就寝したのだった。
因みに今夜の一夏の夕食メニューは『カツカレー(激辛・特盛)』、『鯖の味噌煮』、『唐揚げ』、『焼きそば』、『回鍋肉』との超ハイカロリーだった事を記載しておく。

そしてクラス対抗戦が終わった後には春の大型連休『ゴールデンウィーク』が待っているのだった。









 To Be Continued