Side:夏姫
ゴールデンウィークが終わり、生徒達も次々とIS学園に戻ってきている――勿論、アタシの弟達も戻って来てるんだが、只今絶賛お仕置き中だ!
お前等、専用機の稼働データの提出を、アタシに丸投げしたんだ……相応のお仕置きは覚悟してたんだよな?
「其れは分かってたんだけど、本社に戻ったら、絶対に束さんが彼是やって来て鈴とデートできなくなるしな?
だから頼んだわけだけど……流石に3人分は拙かったか?……あの、お手柔らかにお願いします夏姫姉。」
「……そう言われて、アタシが手加減すると思ってるのか一夏?」
「いや、思ってないです。夏姫姉は、こういう時手加減しねぇから。」
「ならば、覚悟は良いな?」
――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!
「ほらほらほら、避けないと当たってしまうぞ一夏!」
「うおわぁ!動き回りながら全火器解放での連続攻撃ってえげつねぇ!!ヤバい、当たったら普通に死ぬ!!」
「そう言いながらもギリギリで回避してる事に驚きだよ……とは言え、あと10分はこの攻撃を辞める心算は無いけどな!」
お前達のデータの提出だけじゃなくて、更にはデータ解析までする羽目になったんだからな!
それも、フリーダムだけじゃなくてお前達の機体の分まで!……そのせいで、連休の内の1日が潰れたんだからな……覚悟しろやオラァ!!
「夏姫姉、キャラ崩壊起こしてるぞ!!」
「知るかボゲェ!!ギアを上げんぞ一夏……止まったら死ぬと思え!と言うか、止まらなくても落とすがなぁ!!」
「マジかオイ!!\(^o^)/オワタ。」
因みに、鈴とマリアは楯無とダリルがアタシの代わりにお仕置きしてくれている……如何にマリアと鈴でも、最強の生徒会長と、アタシ達よりも亡
国企業のエージェントとしての任務を熟してたダリルには敵わないみたいだな。
と言うか、ドラグーンを展開されても有利に戦いを進めてく楯無は流石だね。
「あら、惚れちゃったかしら夏姫ちゃん?」
「いや、其れは無い。」
「あら、残念♪」
「残念なら、残念そうなテンションで言ってくれ。」
其れから30分、訓練と言う名のお仕置きが行われ、終わった頃には一夏も鈴もマリアも可成りのグロッキーになっていた――此れで懲りただろ
うから、次からは予定がある場合は、稼働データを先に提出する様にしろよ?
「「「ふぁい……」」」
「返事はハッキリ!」
「「「はいっ!!」」」
「ふふ、チームのリーダー格は大変ね夏姫ちゃん?」
アタシがリーダーって訳でもないけどな?まぁ、この面子で何かやる場合、アタシが中心になる事が多いのは否定しないがね。
Infinite Breakers Break23
『予想外の転校生~Gold&Silver~』
そんな訳で、期せずしてダリルの専用機を見る事になったんだが……随分と個性的な機体だな?
ストライクEに初めて見るストライカーパック――多重関節式のアームに狼を模した頭部が装着されたストライカーパック――を装備した異様な見
た目の機体……まるで腕が4本あるみたいだ。
「コイツは『ケルベロスストライカー』を装備した、ケルベロスストライク。
元々は4つ足型の無人機『バクゥハウンド』の為に開発されたストライカーパックなんだが、其れを人型のISに装備したら面白い戦い方が出来る
んじゃねぇかと思って、やってみたらBingoってな。」
「成程、その結果4本腕での攻撃の様な戦い方が出来るようになった訳か。」
本体とは別の多関節アームを動かすには、ドラグーンを操作するのと同じ位の並列思考能力が必要になる訳だが、ダリルは其れが出来ると言う
訳か……まぁ、スコールさんの姪なら、其れ位は出来てもおかしくないか。
ダリル・ケイシー、頼もしい味方だな。
「お前もな――ったく、フォルテが居なかったら俺のモンにしてるぜお前の事。」
「其れは聞き捨てならないわねダリル、夏姫ちゃんは私が貰う予定だから駄目よ?」
「楯無、アタシは女だぞ?」
「あらあら夏姫ちゃん、IS学園は女子校よ?今年はイレギュラーで男子が2人居るけど。
こう言ったらアレだけど、女子校での同性カップルって言うのは決して珍しいモノじゃないわ……私が把握してるだけでもダリルとフォルテちゃん
の他にも10組は確認してるからね。」
「本気かオイ。」
いや、大量のラブレターを貰ってる手前、そう言う奴が居るのは知ってるが、楯無が把握してるだけでも其れだけ居るとは驚きだ……って、そう言
えばスコールさんとオータムさんも同性カップルだったな。
クラス内でも熱っぽい視線を感じる事があるし……此れは、認識を改めて覚悟を決めるべきかも知れんな……
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で、連休明けの初日、クラスでは静寐達がクラスメイト達に囲まれていたんだが、一体如何があったんだ?……囲んでる連中の中には、明らか
に嫉妬してる奴も居るみたいだから只事じゃないんだろうな。
「如何した、静寐?」
「あ、夏姫……如何したと問われれば、私と清香と癒子が専用機持ちになったのがバレましたと答える事になるかな?」
「……は?」
「いや~~、待機状態で持ってたんだけど、連休前には無かったアタシのピアスと、静寐のペンダントと、癒子の指輪を目敏く見つけられちゃった
上に、『其れってもしかしてIS?』って言った子がいたせいでね?」
「流石に隠し切れないから、ISRIのテストパイロットになったって言うしかなくて……」
本気で目敏いなオイ?
と言うか、アクセサリーの類であるピアスとペンダントと指輪をISの待機状態じゃないかと疑うって、ドレだけ専用機って言うモノに憧れを抱いてる
のやらだな。
あ~~……まぁ、何だ、お前達の言いたい事も分かるが、静寐と清香と癒子は、アタシの友達って言うコネでISRIから専用機が支給された訳じゃ
無いから、其処は誤解するなよ?
3人とも、ISRIの新型機のトライアルに参加して、其処で優秀な成績を叩き出した機体を専用機として受領したに過ぎん――まぁ、其れも日々弛ま
ぬ努力を続けてきた成果だけどな。
専用機を羨む暇があるのなら、先ずは精進して己を高める事だ。
さすれば、何処かの企業の目に留まって、企業代表になる事があるかも知れないからね。――まぁ、ISRIの眼鏡に適うには相当の実力が必要に
なるがな。
「そんなISRIから専用機を貰った鷹月さん達、ハンパないって!!」
「若しかして、3人とも代表候補生クラスだったりして……」
「代表候補生クラス?……馬鹿を言うな、今の静寐達だったら4組の簪と組んで『日本代表四天王』を名乗れるレベルだ。」
「え、私達ってそれ程?」
「其れ程だよ静寐。」
連休中の訓練でお前達は更に実力を伸ばしただろう?……オータムさんが直々に鍛えた訳だからね。
実際に、お前達は夫々の専用機の性能を最大まで引き出しているからな――特に、静寐の武装換装のスピードには驚かされたからな?あれ程
の的確かつ正確な武装換装が出来るとは思ってなかったよ。
「つまり、日々の訓練がIS乗りには必要と言う事です。
夏姫さん達と日々訓練をしていた鷹月さん達が此処まで実力を伸ばしたのは、日々の訓練があってこそですからね――鍛錬忘れるべからずで
す、良いですね?」
「おー!良い事言うねやまぴー!」
「さっすがやまやま、良い事言うぜ!」
「あの、教師をあだ名で呼ぶのはちょっと……」
「まぁまぁ、固い事言うなよやまやん。」
「って、言った傍から!?それにやまやんですか!?」
「其れが嫌ならやっぱりやまやにする?」
「そ、其れは絶対止めて下さい!」
此処で山田先生がやって来た訳だが……うん、完全に生徒に舐められてるな。
と言うか『やまや』って言う渾名には何かトラウマでもあるのだろうか、あの拒否っぷりは……?
山田先生は可成りの実力者だから、其れを示す機会があれば生徒の態度も変わるんだろうが、中々その機会は無いだろうからな……色々と大
変かも知れないが、頑張って下さい。
「少し静かにせんか小娘共!と言うか、教師を弄り倒すなど言語道断だ馬鹿者!」
で、此処で千冬さん登場――うん、世界最強に一喝されたら黙るしかないだろうね……そのお陰で全員が大人しく席に着いたからな。
とは言え、千冬さんと一緒に入って来た生徒に全員が視線を向けているので、これは此れで別の方向に興味が湧いたと言う事なのかも知んが。
「マッタク……あまり手間を掛けさせるなよ小娘共。
さて、連休明けの初日だが、先ずはホームルームの前に転校生を紹介する。入って来い。」
転校生……いや、正確には編入生だが、これはまた何とも妙な時期にやって来たモノだな?乱も相当に中途半端な時期にやって来たが。
連休明けに編入して来るとは、余程編入の為の手続きに時間が掛かったと言う事か……となると、専用機持ちである可能性や国の代表や代表
候補である可能性が高いな。
そう言う奴ほど、得てして手続きには時間が掛かるものだからな――まぁ、其れを踏まえると乱は逆に早いって事になるんだけどね。
で、千冬さんに呼ばれて入って来たのは長い銀髪に赤い目、そして左目を眼帯で隠した小柄な女の子――否、女の子と言うのは少し違うかな。
小柄ではあるが、あの雰囲気は間違い無く『戦場』を知っている者の雰囲気だ……どっかの国の軍の関係者と言う所か。
此れは、クラスに馴染むには少しばかり時間が必要になるパターンだろうね。
「自己紹介をしろ、ラウラ。」
「はい、教官――ではなく、織斑先生。」
自己紹介をしろと言われて……オイちょっと待て、チョークを持ってお前一体何をする気だ?まさか……
――カッカッカッカッカッカッカッカ!
――ラウラ・ボーデヴィッヒ
「ドイツから来た、ラウラ・ボーデヴィッヒだ。
ドイツ軍のIS部隊の隊長を務めている――不慣れな事も多いと思うがどうぞよろしく頼む。」
黒板にでかでかと名前を書いた上で自己紹介しちゃったよこのドイツ人は。
うん、前言撤回。コイツは割と早くクラスに馴染む事が出来るかも知れん。実際に、余りにも時代を間違ったとしか思えない自己紹介の仕方に、ク
ラスの連中は唖然とした後で、数人が軽く吹き出した後に異口同音に『よろしく』と言っているしな。
ボーデヴィッヒも何やら手応えを掴んだらしく満足そうだ。
「貴様は!!」
「アレ、お前って確かドイツの……」
が、山田先生が指定した座席に向かう途中で、一秋を見た瞬間に表情が一変したな?……うん、アレは間違い無く怒ってる。100人に聞いたら
98人は怒ってるって答える位に怒ってるな。
まさかとは思うがあの馬鹿、ドイツでも何かやらかしたのか?――と考えてる間に、ボーデヴィッヒが手を振り上げて……
「はい、ストップ。」
其れを振り下ろす前にマリアが止めた。
「なんだ、邪魔をする気かイギリス人?」
「いえ、そうじゃないわ。この場合は、パーではなくグーでしょう?」
で、平手を握って拳に――って、止めるんじゃなくて煽る方だったのか!そして、拳に握り直されたのを見てボーデヴィッヒも何か納得してる!?
でもまぁ、あの馬鹿をやるならどうせなら威力は高い方が良いか。
「確かにグーパンチは強烈だが、此処は矢張り指先を槍の様に細くして、鍛えても鍛えようのない喉元をグサッと行くのが一番じゃないか?」
「ナッキー、どうせなら棘付きメリケンサックはどうかな~~?」
「のほほんさん、其れも良いけど此処はチェーンで打ん殴るのでも良くない?」
「いや、鉄ごしらえの模造刀で思い切り叩いた方がダメージが大きいと思うんだが……」
「此処は卓上パイルドライバーでしょ!」
「小生としては『狂戦士の魂』での無限アタックを推奨します!」
「誰か、暴走庵と殺意の波動に目覚めたリュウ連れてこーい。」
「ボーデヴィッヒさん、ドイツの軍人なんだからマウス位持って来れるんじゃない?」
アタシが乗ったのを皮切りに、いや出るな処刑方法が次々と――しかも、其れを止めない辺り、千冬さんもコイツを見限ったのかも知れないな。
散の奴が何か言ってたが、お前の言う事など誰も聞かん。お前と一秋は、対抗戦での一件で完全に評価がどん底を突き抜けてマイナスになって
居るからな――自己中心的で独善的で我儘な奴の意見など誰も耳を傾けんよ。
まぁ、取り敢えず色んな処刑法が出た訳だが、やっぱり此れが一番だな。よいしょっと。
「へ、なんで後ろから俺の腰をホールドしてるんだ蓮杖?」
「其れはこうするためだ!」
馬鹿の腰をホールドして持ち上げ……ボーデヴィッヒ、思い切りやれ!アタシごとぶっ飛ばせ!!
「その心遣いに感謝する……貴様に教官の弟の資格は無い!!」
はい、実に見事な飛び蹴りからのネックブリーカーのコンボでした。
ネックブリーカーに合わせて、アタシがジャーマンスープレックスをブチかまして、織斑一秋の処刑完了!此れは、『アタシごと蹴れ』改め『アタシご
と引き倒せ』と言った所かな。
うん、素晴らしい合体技が誕生した!此れは、必殺技になるね。
「さて、其れではホームルームを始める。」
「この流れで普通にホームルームを始める織斑先生は流石だな。」
これは、完全に一秋を切ったな。
因みに散の奴は、箒が頭を掴んで床に叩きつけて――要するに琴月 陰で黙らせた。……そして、其れが普通に放置されてるのを見る限り、コ
イツ等は、クラス全員から見放されていると言う事だな。
まぁ、ある意味で此れも自業自得だ――身から出た錆と思って諦めろ。少なくとも、お前達が態度を改めない限りは、現状が維持されたままなの
は言うまでも無いからな。
さてと、今日の1時間目は2組との合同実技だったな?遅れないようにしますか……其処で伸びてる馬鹿2人は遅刻確定だろうけどね。
――――――
――同刻:1年2組
Side:一夏
「其れじゃあ今日は転校生を紹介するわね。入って来なさい。」
連休明けの初日は、スコールさんの転校生紹介から始まった……まぁ、連休最後の日が自業自得とは言え地獄を見たから転校生位じゃ驚かな
いと思ってたんだが……
「シャルル・デュノアです。フランスからやって来ました。
僕と同じ境遇の人が2人居るって聞いて、少し安心してます。」
スコールさんに呼ばれて入って来たのは、ブロンドの髪を一本に縛った忠誠的な顔立ちの奴……其れなら未だしも、自分と同じ境遇の奴が2人
ってのは俺と一秋の事だよな?
って、事はコイツ男か!?――となるとヤバい!鈴、乱、耳を塞げ!!
「了解よ一夏!」
「了解ですお兄ちゃん!ティナも耳を塞いで!」
「へ?分かったわ乱!」
「準備万端、其れではどうぞ!」
「「「「「「「「「きゃーーーーーー!」」」」」」」」」
はい、音波兵器発動!
物理的に教室が揺れて、窓ガラスが振動してるぞオイ!――あ、罅入った……だけじゃなくてサッシごと吹っ飛んだのもあるな。弁償するのが大
変だろうなぁあれは。
ドンだけ男に飢えてんだよ此処の生徒は……思春期の女子って、ある意味恐ろしいぜ。
だけど、妙だな?俺と一秋以外の男性操縦者が現れたって言うなら、其れは世界的なニュースだからもっと話題になって良い筈なのに、デュノア
の事は今日初めて知ったぜ?
鈴、乱、ティナ、お前等知ってた?
「アタシは知らないわよ。まぁ、アタシ等が知らなかっただけで世間は認知してたのかも知れないけど。」
「でも、新聞にも載って無かったし、テレビの報道もないってのはおかしくないかな鈴お姉ちゃん?――そもそもにして、あの人って本当に男の人
なのかな?
男の人にしては小柄だし声も高いよね。」
「中性的と言ったら其れまでだけど、彼を純然たる男子と言うのはちょっと無理があるかな?あくまで主観だけど。」
「だよなやっぱり。」
何よりも違和感を感じるのは、乱の言うように容姿と声の高さだ。
小柄で線が細くて声が高い男子が居ない訳じゃないが、デュノアの場合は骨格から違う感じがするんだ――男と言う割には、余りにも骨格が女
性的すぎるんだよな。
まさかとは思うが、男装した企業スパイじゃないよな?
「その可能性は否定できないわ一夏……となると狙いはアンタのストライクか、あの馬鹿の白式でしょうね。」
「企業スパイだとそうなるだろうな……。
まぁ、俺達の杞憂で終わってくれるなら其れが一番なんだろうが――何となく、そうはならない気がするからな……警戒はして、し過ぎるって事
は無いだろうな。」
「お兄ちゃん、此れ夏姫姐さんにも伝えておいた方が良いよね?」
あぁ、夏姫姉達にも伝えておいた方が良いと思うぜ乱。其れから楯無さんと束さん――後は千冬さんにもな。多分だけど、スコールさんは色々と
感付いてるだろうから言う必要はないだろうけどな。
「君が蓮杖一夏君?
僕はシャルル・デュノアって言うんだ。同じ男性操縦者として仲良くしてくれるかな?」
「仲良くするかどうかは俺が決める。そして俺が如何するかはお前次第だデュノア――生憎と、俺は慣れ合うのは好きじゃないんでね。」
「アレ、思ってた以上に硬派だったかな?
なら、君と仲良くして貰えるように頑張らないといけないね……ふふ、覚悟しててよ蓮杖君、僕はこう見えてしつこい性格だから、絶対に君と友
達になってみせるから。」
……ったくいけシャアシャアとよく言うぜ――笑顔の仮面を張り付けてな。
コイツは間違い無く本心を隠して行動してるのは間違いねぇ……張り付いた笑顔と濁った瞳ってのは、隠しきれなかった本心の欠片みたいな物
って言えるからな。
「此れは来たーー!!この夏は、一×シャルで決まりよーーー!!」
「スカーフェイスのワイルド系男子と、乙女系男子の組み合わせ……此れは妄想堪らないわーーーー!!!」
「一夏×シャル……此れで、満足だ。」
まぁ、デュノア以上に、2組の腐女子を何とかするのが先かも知れないけどな――スコール先生、コイツ等滅殺しても良いですかね?
「良いわよ一夏君。
と言うか女性の同性カップルは認めても、男の同性カップルは認めないわ……百合は良くても薔薇は認めないから――だから、やっちゃって良
いわよ一夏君。鈴さんもね。」
「さいですか。其れじゃあ行くぜ鈴!!」
「OKよ一夏!!此れで終わりよ!!」
――キュピーン!
――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
――DOUBLE SHINKU-HADO-KEN!KO!!
ストライクを部分展開してのビーム砲撃で撃滅完了だぜ!――まぁ、当然出力は1割以下に落としてあるから、死ぬ事は無いけど、其れでもぶち
当たれば可成り痛いけどな。
実際に、俺と鈴の一撃を喰らった奴等は完全KOされたからな……マッタク持って、アンタじゃ燃えねぇな。
「よ、容赦ないね蓮杖君、凰さん?」
「馬鹿共に、容赦は必要ないでしょ。」
「そもそも、俺達の辞書に『手加減』って言葉は無いからな。」
つまりやる時は徹底的にって事だ――そう言う訳では、お前も徹底的にやる相手の対象に追加されたから自分の行動には責任を持つ事だな。
お前が俺達の『敵』だと分かったら手加減せずにお前を叩き潰すからなデュノア。
尤も、俺としてはそんな事態が来ない事を願ってるんだが、恐らく俺の願いは叶わないだろうな……まぁ、その時はその時で考えるまでだぜ!!
連休明けにまさかの事態が起きたのは間違い無いが……此れは、ある意味では良い機会だったのかもしれないぜ。
シャルル・デュノア――俺と一秋に続く3人目の男性操縦者……その実力、先ずはとくと見せてもらうぜ――お前が本物なのか、其れとも贋作な
のか見極めてやるぜ!
もしもスパイだったその時は、覚悟するんだな――!!俺達がその謀略を叩き切ってやるぜ!!
「まぁ、一夏ならそう言うわよね――アタシの旦那様だし♪」
「お前以外に負ける気は毛頭ないからな。」
まぁ夏姫姉とマリアは別格だけどな――何にしても、学園に新たな火種が投げこまれたのは確実だ――尤も、其れを祓うのが俺達の役目だけど
さ……何にしても、全力で行かせて貰うぜ!!
To Be Continued… 
キャラクター設定
・ティナ・ハミルトン
乱と同室のアメリカの女子高生。
好奇心が在っててもまだまだ悩みそ足りない女子高生――なのだが、その実力は極めて高く、実力は国家代表クラスに匹敵する戦闘力を秘め
ているのと言う、ある意味で未完の大器と言うべき存在である。
機体設定
・ケルベロスストライク
形式番号『GAT-X105E W2』。
ダリル・ケイシーの専用機で、ストライクEタイプに本来は4つ足型の無人機『バクゥハウンド』用のストライカーパック『ケルベロスストライカー』を装
備した機体。
ケルベロスストライカーに搭載されている4機のビームファングの内2機を手持ちで、残る2機をストライカーパックの頭部に搭載した状態での白
兵戦を得意とし、腕が4本あるかのような戦い方を得意としている。
また、ストライカーパックの頭部にはビーム砲も搭載されており、頭部がそれぞれフレキシブル構造のブームで接続されていることから、個別に照
準や敵機補足が可能であり、変幻自在な戦闘が可能となる。
有効射程を抑えて連射性能に特化しており、近距離戦での制圧能力を重視している。
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