クラリッサとの一夜を過ごした一夏は、目が覚めると汗を流す為にシャワーを浴びていた……目が覚めた時には、クラリッサを抱きしめて起こしてやろうとも思ったの
だが、クラリッサの幸せそうな寝顔を見たらそんな気持ちは吹き飛んでしまったらしい。ただ眠ってるだけとは言え、嫁の幸せを邪魔すべきじゃないって、そう考えた
んだろう……流石は一夏、嫁の事を一番に考えてるだけはあるな。
まぁ、シャワーを浴び終えて部屋に戻って来たら、クラリッサは目を覚ましており、一夏の存在に気付くなり掛け布団で裸体を隠して赤面したのだが……其れを見た
一夏は何時もとは違うクラリッサの姿に萌えたモノの襲い掛からなかったのを見るに、ドンだけメンタル強いんだコイツは?……若しかしたら一夏は愛情と性欲を完
全に切り離す事が出来るのかも知れないな。
「お、おはよう一夏。」
「おはようクラリッサ……取り敢えず、シャワー浴びてサッパリして来たらどうだ?」
「あ、あぁ……そうさせて貰う。」
クラリッサは傍らにあったバスローブを拾うと手早くそれを纏ってシャワールームに……昨晩は身体を重ねたとは言え、一糸纏わぬ姿を見られるのは矢張り少々恥
ずかしいのだろう。……いや、あるいはこれが普通の反応であり、刀奈がオープン過ぎるのだろう。
クラリッサがシャワーを浴びている間に、一夏は円夏に連絡を入れようと思ったのだが、電話を掛けたら間違いなく終わるタイミングが掴めなくなるだろうと考えてLI
NEでメッセージを送るに留めておいた。……秒で既読が付いたのはお約束だろう。
んで、クラリッサがシャワールームから戻ってくると、二人はルームサービスで朝食を頼み、朝食を終えるとチェックアウトして黒兎隊の基地に。
一夏は今日の昼にはドイツを発つので、時間が許す限り黒兎隊の隊員と過ごす事にしたのだ――其れを聞いたエドワード中将が、黒兎隊全体に『本日全面休暇』
を言い渡したのは見事と言えるだろう。……普通の部隊でこんな事をしたら大問題なのだが、黒兎隊はドイツ軍に属してはいるが、その実態は『IS操縦者と、ISバト
ル競技者』の養成機関であり、通常の軍の指揮系統からは完全に独立しているので、こんな無理もまかり通ったりするのだ。
「『鎧皇竜-サイバー・ダーク・エンド・ドラゴン』は此のカードに装備されたカードの数まで攻撃する事が出来る。
俺のサイバー・ダーク・エンドが装備しているカードは五枚……よって五回の攻撃が可能になる!フルダークネス・エヴォリューションバーストォ……5ルンダァ!」
「そんな馬鹿なぁ!!」
その時間の中で、ISの訓練だけでなく、色んなゲームをしたりしてとても盛り上がった……一夏とのお見合いデートで、正しい日本のサブカルチャーを勉強し直した
クラリッサによって、黒兎隊には日本の色んな人気ゲームが充実していたのには、一夏も驚いていたが。格ゲーやポケモンだけでなく、遊戯王まであるとか予想外
だったろうね。
だがしかし、楽しい時間はあっという間に過ぎ、一夏がドイツを発つ時が訪れ、フランクフルト国際空港にやって来た――見送りに来たのはクラリッサとエドワード。
黒兎隊の隊員も『私達もお兄様のお見送りを!』と言っていたのだが、全員が来たらトンデモない人数になる上、基地が空になると言う理由でクラリッサがやんわり
と却下したのだ。
「一夏、これから先の旅、お前の安全を祈っているよ。」
「ん、サンキュ、クラリッサ。」
「一夏君、大尉の事を、クラリッサの事を如何か此れからも宜しく頼む。少し特殊な趣味を持ってはいるが、私にとっては可愛い娘の一人なのでね。」
「えぇ、勿論ですよエドワードさん。もし良かったら、休暇を取って一度日本に来て下さい。千冬姉と、円夏と一緒に歓迎しますよ。」
「うむ、機会があれば是非ともそうさせて貰おう。」
一夏とエドワードは固い握手を交わし、その後一夏とクラリッサが抱擁を交し、そして軽くキスをして、一夏はドイツ行きの便の搭乗口へと向かって行ったのだが、そ
の際に、後は振り返らなかったモノの、右手を上げて四つのハンドサインをクラリッサに送っていた。
エドワードには其れが何か分からなかったが、クラリッサには分かった……一夏の四つのハンドサインがアルファベットの『L』、『O』、『V』、『E』の四文字、即ち『LO
VE』を表していた事に。
別れ際に、ハンドサインで『愛している』と伝えるとは何とも気障なのだが、そんな気障な行為もまた一夏がやると様になるのだ……マッタク、本当にイケメンだね。
そして一夏がドイツを発ったこの日、ドイツは世界に向けて『織斑一夏とクラリッサ・ハルフォーフの婚約』を発表したのであった。
夏と刀と無限の空 Episode33
『交際報告Ⅱ~次はブラジルだ!~』
さて、突然だがドイツとブラジルの時差は、実は日本とドイツの時差よりも少なく、ドイツの方がブラジルよりも五時間進んでいる――のだが、ドイツからブラジルまで
は、飛行機で約十二時間と結構な長旅になるのだ。
一夏がドイツを発ったのが午後の十三時で、その時ブラジルは朝の八時だったのだが、其処から十二時間掛かるので、ブラジルに到着したのは午後二十時。当然
だがすっかり夜である。
「ブラジルは冬だって聞いてたけど、思ったほど寒くないな。」
序に言うと、南半球のブラジルは七月現在、季節は『冬』である……とは言え、最低気温が12~14℃位なので軽く羽織る程度のモノがあれば特別寒いと感じる事
もなく、一夏もグリフィンから『ブラジルは今の時期冬だから、なんか羽織るもの持ってきた方が良いかも』と言われていたので、春&秋物のジージャンを持って来て
居たので問題はない……これがもしオーストラリアだったら、ガチの冬で雪降ってる事もあるので、この程度の装備では如何にもならないだろう。
取り敢えずブラジルに到着した旨をグリフィンに伝えようとしたのだが……
「織斑一夏。」
「ん?……アンタ、誰?」
何者かに呼ばれ、振り返ると、其処にはグラサンを装着した全身黒尽くめのゴリマッチョが――言うまでもなく、束が作った護衛用アンドロイド『T-はっぴゃっ君』だ。
護衛とは、本来護衛対象にはあまり話し掛けたりしないモノなのだが……?
「ドイツでは早々にクラリッサ・ハルフォーフと合流してしまい、その後もずっと一緒だったので渡す機会が無かったので、今渡しておく。
束が開発した時差ボケを防止するタブレットだ。」
「イキナリ誰かと思ったら束さんの知り合いか?……つか、若しかしてアンタ束さんに作られてたりする?人に見えるけど、実は中身はロボットとか……外見が如何
見てもアレにしか見えないし。」
「其の通り。休暇中のオータム・アーミアに変わって君の護衛を命令されている。だが、安心しろ。君達の邪魔をする心算はない。」
「そうなのか?……そんじゃまぁ、宜しく……?」
「任せておけ。アイルビーバック!」
如何やら一夏に渡す物があったらしい。其れは何と時差ボケを防止する薬!
時差ボケを防止する薬とは何とも便利なモノを開発したな束も?此れは普通に売り出しても絶対に可成り売れるんじゃなかろうか?間違いなく、海外出張組のサラ
リーマンには喜ばれるだろう……尤も、護衛アンドロイドに渡させないで直接渡せって話だが。
取り敢えず、T-はっぴゃっ君と別れた一夏は、改めてグリフィンにLINEでメッセージを送る……電話でなかったのは、時間的にグリフィンがシャワーを浴びてて対応
出来ないかも知れないと考えたからだ。グリフィンに気を使っただけであり、決してグリフィンがシャワー浴びてる姿なんぞは妄想した訳ではない。
だが、如何やら一夏の気遣いは正しかったらしく、直ぐに既読は付かずに五分ほどしてから既読が付いて返信があった。
以下、一夏とグリフィンのLINEでの遣り取りだ。
グリフィン:ごめん、ごめん、シャワー浴びてて直ぐに返信できなかったんだ。無事に到着出来てよかったよ。
一夏:流石に十二時間のフライトは長かったけどな……暇潰しのゲーム持って来ておいて良かったぜ。
グリフィン:あはは、其れ分かる。私も日本に行く時とか帰国する時とか暇だからゲームやるし。
一夏:だよな?にしても、今日はもう夜だし会うのは明日だな?
グリフィン:そうだね。十時に迎えに行くけど、今日は何処に泊まるの?
一夏:空港のホテルに泊まるよ。予約はしてないけど、空港のホテルなら当日でも取れると思うし。
グリフィン:其れが良いよ?こう言ったらなんだけど、市街地のホテルに泊まるよりもずっと安全だと思うから。所で空港どこだっけか?
一夏:リオデジャネイロ国際空港
グリフィン:ん、了解♪其れじゃ、今夜は長旅の疲れを癒してね一夏。お休み。
一夏:お休み。明日を楽しみにしてるぜ。
以上である。恋人、もっと言うなら婚約者同士のLINEとは思えないほど色気も何もあったもんじゃないが、一夏と嫁ズは基本こんな感じだ。イチャ付く時は周囲が砂
吐き過ぎて死ぬんじゃないかと思う位にラブオーラを撒き散らすが、そうでない時は至って普通であり、ともすれば『異性の仲の良いダチ公』と言った感じなのだ。
そのメリハリがあるからこそ逆に互いに信頼感とか、愛情とかが深く強くなるのかも知れないけどね。人夫々ではあると思うが。
グリフィンとの遣り取りを終えた一夏は空港ホテルに行くと、運良く一人部屋が一つだけ空いていたのでその部屋を取ってチェックインすると、簡単にシャワーを浴び
て、束が特製の時差ボケ防止薬を飲むと其のままベッドで眠りについた……如何に一夏がタフでも、流石に十二時間のフライトは結構身体に来ていたみたいだ。
そして、タップリ十時間以上眠った一夏は、目を覚まして着替えを済ませるとホテルのラウンジで簡単な朝食を摂ってからホテルをチェックアウトして空港の外に出て
グリフィンの到着を待つ。
ホテルのロビーで待っていても良かったのだが、外で待っていた方がグリフィンも見付け易いだろうと考えて外で待つ事にしたのだ――まぁ、外で待ってるとそれだ
け旅行客を狙ったひったくりなんかに遭う確率も高くはなるのだが、束製の護衛が居れば安全だし、一夏自身がめっちゃ強いので相手が武器を持ってたり複数じゃ
ない限りは大丈夫なのだ。
そうして暫く待って居ると一夏の前に一台のタクシーが停まり……
「一夏ーーー!!」
「おわっと!」
後部座席のドアが開くと同時に、仲からグリフィンが飛び出して一夏に抱き付いて来た……夏休みに入ると同時に帰国し、今日まで一夏に会えなかったのは、少し
ばかり寂しかったのかも知れない。電話やLINEでのメッセージの遣り取りと、実際に会うのとは全然違うのだ。
「おま、行き成り抱き付いて来るなよ?今の、俺やカヅさん以外の野郎だったら間違いなく押し倒されてコンクリートに頭ぶつけてスタンしてるからな!?」
「ごめんごめん、嬉しくってさ♪」
行き成り抱き付かれたのには驚いたモノの、一夏も満更ではない……グリフィンをキャッチしただけでなく、自分も確りとグリフィンの背に手を回してる訳だしね?
日本の空港で同じ事をやったら少し周囲から注目されてしまうかもしれないが、此処はブラジル、ラテンの血が色濃く残るこの地では男女間の恋愛事は結構オープ
ンなので公序良俗に反する事でなければ特誰も何も言わないのだ。つまりハグした程度じゃ如何って事ないのである。
「それじゃあ一夏、早速私の家に案内するわね♪」
「イキナリかよ?……だけど、俺はもう動じないぜ……ドイツで経験積んで婚約者の両親への挨拶ってモノを覚えた。ちゃんと手土産も持って来てるから、抜かりは
ないぜ!」
「準備万端、気合も充実?其れじゃあレッツゴー!」
んで、一夏もグリフィンも意気揚々とタクシーに乗り込み、一路グリフィンの家に。
グリフィンの家は、空港から車で三十分ほどのリオデジャネイロ郊外にあるとの事だったのでタクシー代金が気になった一夏だが、グリフィンが『このタクシー、叔父
さんの会社のだから大丈夫。』との事だった。
グリフィンの叔父はタクシー会社を経営しており、今日の事を話したら特別に一台無料で貸し切ってくれたのだと言う……グリフィンも姉御肌で面倒見の良い性格だ
が、叔父さんもまた負けず劣らずの兄貴分の様である。
そしてタクシーを走らせる事凡そ三十分、やって来たのはリオデジャネイロ郊外の牧草地……リオデジャネイロは都会のイメージがあるが、市街地から離れた郊外
は道路も整備されていない場所があり、広大な牧草地が広がっていたりするのだ。(あくまでもこの世界ではね。)
その牧草地の中に点々としている家の一つの前にタクシーが停まった……つまり、此処がグリフィンの家なのだろう。
「『レッドラム牧場』……グリフィンの実家って牧場だったのか!?」
「実はね。流石に其処まで大きな牧場じゃないから輸出用の牛は育ててないけど、国内用の羊や豚を育ててるのよ。
規模は小さいけど、うちの牧場の羊と豚は質には自信があるわ。自慢じゃないけど、リオでの『食肉品質コンテスト』で豚はシルバー、羊はゴールドを取ってたりす
るんだから♪」
「其れは凄いな……アレ、でもこの牧場の跡取りって?」
「あ、其れは安心して一夏。私は長女だけど、この牧場は長男である弟が継ぐから。お父さんとお母さんも、牧場は長男に付かせる心算みたいだしね――弟が生ま
れなかったら私が、引いては一夏が継ぐ事になったんだろうけど。」
「俺に牧場経営とか無理です。」
余り大きくはないが、グリフィンの実家は国内向けの食肉用の豚や羊を飼育している牧場らしい……規模は小さくても質は良いらしく、育てた豚や羊は高い評価を
受けているみたいだ。
まぁ、其れは其れとして、一夏とグリフィンはタクシーを降りると家のドアの前に立ち、一度互いに視線を交わしてから頷くと、迷う事無く玄関のドアを開けた。一切迷
わずに開かれた事でドアに付いている呼び鈴が盛大に鳴る。下手すれば其の音が具現化する勢いである。
「はーい!って、姉ちゃんか。おかえり~!そっちの人は……若しかして姉ちゃんの彼氏の一夏さん?」
其の音に呼ばれるように現れたのは十四~五歳位の少年。グリフィンの事を『姉ちゃん』と呼んでたのを見る限り、彼女の弟だろう。
グリフィンと同じ青い髪だが、グリフィンが水色なのに対して此方は普通のブルーと言った感じだが、整った顔は間違いなく『イケメン』に分類されるであろう……レッ
ドラム姉弟は顔面偏差値が高いようだ。
「ただいまマルコ!若しかしなくても、彼が私の彼氏の織斑一夏だよ♪紹介するね一夏、弟のマルコ。」
「どうも、マルコ・レッドラムです。姉ちゃんが何時もお世話になってます!会うのを楽しみにしてました!」
「え?あ、あぁ初めまして、織斑一夏です。」
その弟から、『会うのを楽しみにしてました』と元気良く言われると、流石の一夏も少々面食らったらしく、ついつい語尾が『です』になってしまった様だ……グリフィン
の両親と御対面と思ってたら、先ずは弟君とエンカウントってのは予想外だったってのもあるだろう。
その後、マルコに『一夏さんて姉ちゃんの一個下なんでしょ?俺は姉ちゃんの三つ下だから敬語は要らねぇっす!』と言われて、一夏も何時もの調子に戻り、リビン
グへと案内されて行った。
「父ちゃん、母ちゃん!姉ちゃんが一夏さん連れて帰って来たよ!……って、母ちゃんだけ?父ちゃんは?」
「お父さんは『今夜の材料見繕って来る』って言ってまだ戻ってないのよ――とは言え、お客様を待たせるのは悪いから、先ずは私達だけで始めちゃいましょう?」
案内されたリビングに居たのは、グリフィンに良く似た妙齢の女性……グリフィンの母親だった。
如何やら父親の方はまだ用事が終わっていないらしく、この場には居ない――一夏としてはこのまま待っても良かったのだが、其れを言う前に先手を打たれてしま
った形だ。……グリフィンママは、中々押しが強い性格なのかもしれない。
「先ずは、よく来てくれたわ織斑一夏君。グリフィンの母の、ミシェル・レッドラムです。グリフィンから貴女の事は色々と聞いているわ。」
「初めまして、織斑一夏です。あ、此れ良かったら。」
「あらあらご丁寧に♪」
先ずは挨拶と同時に手土産を渡して掴みはバッチリの様だ。グリフィンから『私の家族って割と甘党』との事前情報も得ていたので土産品も甘味をチョイスして抜か
りは無いのだ。
だが、父親は未だ居ないとは言え本番は此処からである!本番は此処からである!!正に、今からが試合開始のゴングなのだ!!!
「其れで、グリフィンと交際してる……いえ、将来的には結婚するって聞いたのだけれど?」
「はい、其れは本当です。五月に制定された『男性操縦者重婚法』は知ってますよね?アレで俺は『国籍が被らないように五人の結婚相手』を選ぶ事になりました。
既に付き合ってた子がいたので、俺の場合は四人……正確には男性操縦者重婚法が制定された直後に立候補して来た子が居たんで三人選ぶ必要があったん
ですけど、其の三人を誰にするかって考えた時、グリフィンは外せなかったんです。他の二人もですけど。」
「成程、君は数多の候補の中からグリフィンを選んでくれた訳か……どうしてこの子だったのかしら?他にも魅力的な子は居たと思うのだけれど?」
「ぶっちゃけて言うと、普段から割と一緒に居て気心が知れてるってのが大きかったんですけど、パートナーになって貰って、そんで一緒に居る内に本気で愛おしく
なったんですよ――グリフィンを卑怯な手でボコボコにしたどこぞのクソチビの事はマッジでその場でブチ殺してやろうと思いましたし。
俺はグリフィンを愛してます。本気で。」
「……ちょっと物騒だけど、愛されてんね姉ちゃん?」
「……私とヴィシュヌを助けてくれた時の一夏、スッゴクカッコ良かったなぁ……思い出すだけで胸が熱くなっちゃうよ。あぁ、やっぱり一夏大好き!」
しかし、ミシェルからの質問に一夏は一切迷う事無く自分の思いを正直に答え、トドメに『愛してる』と直球ドストレートにぶちかます!
人によっては、色々と変化球を放るのかも知れないが、我等が一夏は恋愛事に関しては変化球無しの直球勝負なのである!直球だからこそ心に響くって事の方
が多いしな。……其れに触発されてグリフィンもぶっちゃけたみたいだが、此れは不可抗力と言えるだろう。
「ふふ、其れを聞いて安心したわ一夏君。グリフィンが貴女の事を心底愛しているのは、此の子から話を聞いて分かっていたからね……娘を宜しくね?」
「はい……グリフィンの事は必ず幸せにします。」
其れが功を奏したのか、ミシェルは優しい笑みを浮かべると、一夏に『娘を宜しく』と言い、一夏も其れに応える――と、此処だけを見ればレッドラム家への挨拶は成
功したように見えるが、忘れちゃならないグリフィンパパ!
母親であるミシェルには認めて貰ったが、父親には未だ認めて貰っていないのだ。だってこの場に居ないしな。と、其処へ……
「おう、戻ったぞ母ちゃん!」
身長2m近い筋骨逞しい大男が参上した。
短く刈られた頭髪、腕や顔と言った見える場所に刻まれた幾つもの傷痕が厳つい印象を与える……ミシェルの事を『母ちゃん』と呼んではいるが、グリフィンに兄は
居ないので、彼がグリフィンの父親なのだろう。……なんと言うか、『出身地:ブラジル』な格ゲーキャラもビックリのゴリマッチョである。
「グリフィンも帰ってたのか!って事は、隣の坊主が織斑一夏か……」
「……そう、ですけど……」
そんな厳ついゴリマッチョが迫って来たので、一夏も少しばかり身構えてしまう……仕方ないだろう、誰だってブロリーの様なゴリマッチョが目の前に迫って来たら身
構えるってもんだ。若しくは全力で逃走だろう。
「俺は、エリオ・レッドラム、グリフィンの父親だ!
グリフィンから話は聞いてたが、お前さんがグリフィンを将来的に嫁にするって野郎か!もっとよく面見せろ……グリフィンを嫁に貰おうたぁ、ありがてぇこった!」
「だったら怖がらせるんじゃないよこの馬鹿モンが!!」
だがしかし、エリオと名乗ったグリフィンの父親である大男は、一夏がグリフィンと交際、将来的には結婚する事には反対ではなかったらしく、『嫁に貰うとは、有り難
い事だ』と言ってくれた……言い方に問題があったせいで、ミシェルに渾身の昇龍拳を叩き込まれていたが。
取り敢えず、レッドラム家のヒエラルキーの頂点に居るのはミシェルで間違いないだろう。
「えっと……?」
「いやぁ、スマネェスマネェ!グリフィンからお前さんの事は聞いてたんだが、いざ会うとなると柄にもなく緊張しちまってなぁ?……今夜の御馳走を見繕って、ちょい
と気分を落ち着けようとした心算だったんだが、実際に見たら緊張が再燃しちまってよ。
ビビらせちまったんなら悪かった。」
「いえ、少し驚いたけどビビっちゃいないんで大丈夫っす。てか、本気でブチキレた千冬姉より怖いモノはこの世には存在しないって思ってるんで。」
「そうかい?……こりゃあ、中々の度胸だ。
大抵は、俺を見るとビビっちまうんだが、驚いたがビビってねぇとは大したモンだぜ。流石は、グリフィンに負けた事が無いだけの事はある。強いなお前さんは。」
取り敢えず、エリオもまたグリフィンから一夏の事を聞いて気に入っていたようだ。
其れこそグリフィンは、一部国際問題になりそうな事を除いて、学園での一夏の事を一切の脚色をせずにストレートに家族に伝えており、中でもエリオは『部活のス
パーリングで一夏には一度も勝った事が無い』と言う、一夏の強さを気に入ったらしいのだ。
グリフィンはブラジリアン柔術の有段者で、同じ道場に通っている有段者の男子ですら敵わない位の強さであり、エリオは『コイツより強い男ってなるとハードルが高
いだろうな』と思っていただけに、実際にグリフィンよりも強い男が娘の交際相手だと言うのは嬉しいモノがあったのかも知れない。
「いや、俺は千冬姉に比べればまだ弱いですよ……だけど、せめて自分の大切な人や、大切な仲間と過ごす場所を護れる位には強くなろうとは思ってます。
ドレだけ思いがあっても力が無ければ何も護る事なんて出来ませんからね――思いなき力は暴力って言いますけど、力なき理想は只の妄言だと思うので。」
「其処まで理解してるとは、益々気に入った!ウチのグリフィンで良ければ貰ってやってくれ!」
「グリフィンで良いんじゃない、グリフィンが良いんですよ俺は。」
更にダメ押しの一撃!『グリフィンで良いじゃなくて、グリフィンが良い』ってのは、どんな殺し文句か!『で』と『が』では全く意味が異なるモノなのである――一夏は
グリフィンで妥協したのではなく、グリフィンが良かったのだ!其れはヴィシュヌとクラリッサも同様だが。……ロランの場合はクラス対抗戦の際に一夏に惹かれつつ
も、既に刀奈と言う相手が居たので思いだけ告げて一度は身を退き、男性操縦者重婚法可決後に立候補した訳だが、既に一夏は思いを告げられてたし、刀奈もO
Kしたので受け入れた――ロランに関しても一夏はロラン『が』良かったって事なんだろうな。
まぁ、其れを聞いたグリフォンが本日二度目のダイビングハグを一夏に決める事になったのだけれどね……其れを一夏が片手で支えて見せたのもまた、レッドラム
一家に衝撃を与えると同時に、一夏の評価が上がったみたいだった。
何にせよ、家族への挨拶は無事に終わったと言う事で良いだろう。
――――――
レッドラム家への挨拶を終えると、一夏とグリフィンは再びタクシーに乗り込み次の目的地へと向かって行った――次なる目的地は、グリフィンが来日する前は頻繁
に手伝っていたと言う孤児院だ。
孤児院の院長先生と子供達にも一夏の事を紹介しておいた方が良いと思ったのだろう。
グリフィンにとって孤児院の院長先生は『二人目の母親』であり、子供達は『可愛い妹と弟達』なので、一夏を紹介しないと言う選択肢は存在していない。と言っても
畏まったのは苦手なので、ランチがてら紹介する心算だったりするのだが。……昼食前に出発したのは、そう言った思惑があったからだ。
それはさて置き、孤児院に向かって居る途中、グリフィンは何かを見つけると、運転手に『止まって』と言って車を止めさせて車を降りる。そんなグリフィンを追う様に
一夏も車を降りてグリフィンに付いて行くと、辿り着いたのは路上営業している屋台だった。
「グリフィン、何か買うのか?……まぁ、買うからタクシー停めて来たんだろうけど。」
「うん、孤児院に行く時のお約束のお土産だよ。
孤児院の子達の大好物なんだよ、この豚の皮のカツ。安くて美味しくて栄養満点!トンカツとはまた違った美味しさで、コラーゲンタップリだから肌にも良いの♪」
グリフィンが孤児院の子供達のお土産に屋台で購入したのは豚の皮のカツ。ブラジル――と言うか、南米全般で割とポピュラーな総菜で、日本のトンカツの約二倍
の大きさがありながらも値段は日本円にして百円前後と可成りリーズナブルな逸品だ。肉とは違った独特の食感もポイントで、子供達が大好物と言うのも頷ける。
屋台での買い物を終えると、二人は再びタクシーに乗って孤児院へ……グリフィンは屋台でお土産を購入したが、一夏はグリフィンから『孤児院にも挨拶に行くから
』と聞いていたので勿論お土産は用意してあるので心配なしだ。
屋台があった場所から走る事十分、タクシーが一つの施設の前で停車した。信号機や横断者が居ないのに停まったのを考えると、此処が孤児院と言う事なのだろ
う……門にも『マチルダの子供の家』って書いてあるしね。
目的地に到着した二人はタクシーを降り、早速門をくぐって敷地内に入る。敷地内の庭では、子供達が元気に遊んでいる様だ。其れこそ男女関係なくね。
「あ、グリお姉ちゃんだ!」
「本当だ!久しぶり、お姉ちゃん!!」
そんな中、一人がグリフィンに気付くとあれよあれよとグリフィンの周りには子供達が……イキナリ沢山の子供に囲まれたら普通はちょいと戸惑うモノだろうが、グリ
フィンは慣れたモノで、見事に子供達に対応している。世にISが存在していなかったら良い保育士になれたかもしれない。
子供達も久しぶりにグリフィンに会えた事が嬉しいの+グリフィンがお土産に豚の皮のカツを持って来てくれた事を知ると大喜び!完全にグリフィンは子供と如何接
すれば良いか分かっているみたいである。
「そう言えば、こっちのお兄ちゃん誰?グリお姉ちゃんの知り合い?」
此処で子供の一人が漸く一夏の存在に気付いた。――『今更かよ』とか言ってはいけない。孤児院の子供達にとって、暫く振りに会うグリフィンしか目に入っていな
かったのは仕方ないのだ。だってグリフィンはこの孤児院の子供達皆の『お姉ちゃん』なのだから。
なので、当然一夏は一気に子供達に注目されてしまったのだが――
「おう、確かに俺はお前達のお姉ちゃんの知り合いだぜ?織斑一夏って言うんだ、宜しくな!」
怯む事なくイケメンスマイルで自己紹介!一夏の周囲に謎のキラキラが見えたのは幻覚ではあるまい。……顔面偏差値が高いと、こう言う時も何かと得である。若
しも一夏が893のような強面だったら、子供達は速攻で泣き出していただろう。
「織斑一夏……あ、俺知ってる!世界で初めてIS動かした男の人だ!そうだよね、お姉ちゃん!」
「ふふ、大正解!そして、お姉ちゃんの彼氏で、将来の旦那様だったりするんだな此れが♪」
子供でも、一夏の事を知ってる子は居たらしく、其れをグリフィンに確認すると、肯定の言葉と共に爆弾が投下された!確かに彼氏で将来の旦那様ではあるけれど
も、其れは今此処で……言っても問題はないか。元々、孤児院にも一夏との事を報告する為に来た訳なのだから。
勿論、其れを聞いた子供達は大騒ぎになるが、其処には一夏に対する悪感情は一切なく、寧ろグリフィンが己の彼氏を紹介してくれた事に驚きつつ嬉しそうだ。
大好きなお姉ちゃんが知らない男の人に取られるといった考えは湧かないのだろう……少なくともこの孤児院の子供達は。
更に、一夏がお土産を出すと子供達は更に大盛り上がりだ。と言うのも、一夏のお土産はお菓子なんかではなく、カードやヌイグルミ、ミニカーと言ったオモチャ類だ
ったからだ。
特にカード――遊戯王とポケモンカードは子供達にとっては嬉しいモノだろう。存在は知ってても実際に遊ぶ機会は中々なかっただろうからね。
因みにこれ等のお土産は結構な量なのだが、全部銀龍騎の拡張領域にぶっこんで来たので問題ない。寧ろ銀龍騎の拡張領域に入れてしまった方が持ち運びは
楽なのだ。まぁ、普段は絶対にやらない裏技ではあるが。
「あらあら、何やら賑やかだと思ったら、貴女が来ていたのねグリフィン?」
「あ、お久しぶりですマチルダ先生。」
そんな賑やかな庭に現れたのは、此の孤児院の院長である『マチルダ・グレイス』。歳の頃は三十代半ばと言った感じの優しそうな女性である。
この女性が院長であるならば、子供達が孤児であっても生き生きとしているのも頷けてしまう感じがする。そんな感じの雰囲気を纏っている様だ……尤も、優しさと
は別に、芯の強さと必要な厳しさも備えているだろうが。
「それで、其方の方が?」
「はい、私の大事な人です!」
「初めまして、織斑一夏です。」
一夏が自己紹介すると、マチルダは一度一夏をじっと見つめると、『そう、貴方が……グリフィンの事を宜しくね?』とだけ言って微笑んでくれた。
まぁ、彼女はグリフィンの親ではないので、グリフィンの交際相手に口を出す権利はないのだが、其れでもトンデモない奴とグリフィンが付き合っていたら、それはも
う全力でダメ出しをしただろう――にも拘らず、一言だけ言って微笑んで見せたと言うのは一夏は『合格』だったって訳だ。
そんマチルダに対し、一夏も『任せてください』と一言だけ返したってのは、多くを語らずとも通じ合ったと言う事なのだろう……若干、意味が分からない部分がある
かも知れないが、考えるんじゃない感じるんだ。
その後、グリフィンのお土産でランチを楽しみ(因みにランチのメニューは豚の皮のカツを適当な大きさにカットして、ソースをタップリかけて野菜と一緒にパンで挟ん
だサンドイッチだった。)、ランチの後は時間が許す限り思い切り遊んだ。
サッカーにプロレスごっこ、一夏が持って来たカードゲームや、一夏がレクチャーしたベーゴマやメンコと言った日本の遊びをね……缶蹴りをやった際に、一夏とグリ
フィンの壮絶な缶蹴りバトルが勃発し、缶を踏もうとする一夏と缶を蹴ろうとするグリフィンの一撃が交錯して、一夏は缶を何とか踏み留めたモノの、グリフィンのスラ
イディングキックでスチール缶が抉れるなんて事もあったけどね。
まぁ、レッドラム家に続いて、孤児院への挨拶も全然OKだったみたいだ。
――――――
孤児院からレッドラム家に戻った後は、少し早めのディナータイムが待っていた。
テラスでのディナーにはパンや豆のスープ、サラダなどのメニューが並んだのだが、一夏を驚かせたのはメインディッシュだった……何と本日のディナーのメインディ
ッシュは『子羊の丸焼き』だったのだから。
南米には古くから、『大切な客人に対する最高のもてなし』として、家畜一頭を潰して丸焼きにして振る舞う習慣があるのだが、其れを考えると一夏は『大切な客人
』なのだろう……エリオが見繕っていた今夜の御馳走とは、正にこの子羊の事だったのだ。
予想外のワイルドさに驚いたモノの、一夏は此のご馳走を有り難く頂いた……自分の為に子羊一頭を潰してくれたのだと思うと、余計に有り難く美味しく感じたのか
も知れない。
因みに、この手の丸焼きは、通常肉の内部に入れるのは岩塩やハーブを混ぜた夫々の家独特のスパイスなのだが、レッドラム家の場合、そう言ったスパイスは肉
の表面に塗り、肉の中にはジャガイモや殻付きの生卵を入れて一緒に蒸し焼きにするらしく、蒸し焼きにされた詰め物も勿論美味しく頂いた。
そしてディナータイムを終えた一夏は、来客用のコテージにてシャワーを浴びた後にベッドに寝転んで刀奈達とLINEしたり、ゲームをして寛いでいた……円夏とのLI
NEはエンドレスになりそうだったのだが、グループラインだったので刀奈と簪が見事なコンビネーションで円夏を引き剥がしてお開きとなった。……円夏に一夏不足
の禁断症状が出ていないか若干心配だが。
「一夏、入っても良いかな?」
「グリフィンか?良いぜ。」
そんな一夏の所にやって来たのは勿論グリフィンだ。
彼女もまたシャワーを浴びたのか、服装はラフで、何時もはポニーテールにしてる髪も下ろしている……髪を下ろした姿は中々見る事が出来ないのでレアな姿だと
言えるだろう。
一夏もベッドから起きての対応だ。当然だが。
「如何したんだ?夜更かしは美容の大敵だぜ?」
「其処まで夜は更けてないでしょ?……ちょっとね、一夏と一緒に居たくて。」
グリフィンもベッドに腰を下ろし、一夏の隣に座る……と、同時に!!
「えい!」
「のわ!?」
一夏の腕を掴むと、其のままブラジリアン柔術の技で仰向けに倒し、更にその上にグリフィンが乗っかる形になる……分かりやすく言うと、仰向けになった一夏の腹
をグリフィンが跨いでいる状態だ。
突然の事に驚く一夏を他所に、グリフィンは何時もの人懐っこい笑みを浮かべると、シャツを脱いで上半身は下着一枚に!
「ちょ、グリフィン!?」
「一夏知ってる?南米の、特にブラジルの女の子って肉食系なんだよ。……本音を言うと、一夏とシタいとずっと思ってたんだよ?実は結構我慢してたんだよね。」
何が?とは言うまい。つまりはそう言う事なのだ。
「そうだったのか……其れは悪かった、な!」
「きゃ!」
一夏は少し面食らうも、事態を理解するとグリフィンを思い切り抱き寄せ、其のまま反転して上下を入れ替える……今度は一夏がグリフィンの上になったと言う訳で
ある。……上になった一夏が、ちょっとSっ気のある笑みを浮かべているのはきっと気のせいだろう。
「俺としても其れに異論はないが、主導権を握られるってのは好きじゃないんだ……悪いが、主導権は俺が握らせて貰うからな?生憎、俺はお前以上の肉食系だ
ったみたいだからな。」
「そうみたいだね……来て、一夏……ん……」
そして一夏はグリフィンにキスを落とし……っと、此処から先はR-18のライブだから詳しく語る事は出来ないので、精々脳内補完または全力で妄想して下され。
只一つだけ、確実に言える事があるとすれば、此の夜を共に過ごした事で、一夏とグリフィンの愛は此れまでよりも深く強くなったと言う事だ……精神的にだけでは
なく、肉体的に繋がるってのはやっぱ大きいのだろう。
んでもって翌朝。
「一夏……おはよ。」
「おはよう、グリフィン。」
「えへへ……なんか不思議な気分だなぁ……もっと恥ずかしいかと思ってたけど、思った程じゃなかったかも。……それにしても、やっちゃったね?」
「そうだな。」
「此れで、私は完全に一夏のモノなんだよね。」
「そう、かもな。」
「今更返品なんて無しだよ?」
「其れは困ったな。」
「え~~?」
「って、冗談に決まってるだろ?誰が返品なんぞするかよ!グリフィンはずっと俺の嫁だからな!!」
「だよね♪」
目が覚めるが早々にこんな遣り取りをしてやがった訳ですよこの二人は……グリフィンは初めてだったので少しばかり恥ずかしそうだが、一夏は此れで四回目にな
るので余裕があるみたいだ。
まぁ、恋人達の甘い朝って事なんだろうな此れも……他の嫁達にも言える事だが、末永く爆発してください。そうとしか言えんわ。
此の数時間後、ブラジル政府は『織斑一夏とグリフィン・レッドラムの婚約』を世界に向けて発表し、世界に一夏の三人目の嫁が認知されたのだった……序に、ブラ
ジルとドイツに拠点のある企業の株価は一気に跳ね上がったとかなんとか。
世界初の男性操縦者とパイプが出来るのは国にとっての益となると言うのが何とも如実に表れたと言えるだろう……ま、一夏にも嫁ズにもそんな事は全く関係ない
んだけどね♪
取り敢えず、ドイツに続きブラジルもミッションコンプリートとなったのであった。
To Be Continued 
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