遊里:LP100    SC5
雷光の魔王 スカル・デーモン:DEF0 LV5(ロスト・スター・ディセント効果)


???LP1500    SC4

雷帝ザボルグ:ATK2400



Side:遊里


此れは、結構追い詰められたわね……だけど、ライフが100ポイント残って居れば充分よ!!アタシのターン!


遊里:SC5→6
???:SC4→5



来た!!アタシは、チューナーモンスター『月夜のシルバー・フォング』を召喚!


月夜のシルバー・フォング:ATK1200


そして、レベル5となったスカル・デーモンに、レベル3のシルバー・フォングをチューニング!
集いし願いが、天空(そら)を駆け抜ける疾風(かぜ)となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、飛翔せよ『輝天龍 シルバー・ウィンド』!!


輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500


此れがアタシのエースのシルバー・ウィンドよ!
風を司りし銀龍が降臨した以上、アタシに負けは無い…覚悟は良いわね?アタシにデュエルを挑んだ事を心底後悔すると良いわ、此れで終いよ!


『掛かったな。』


へ?


『貴様がシルバー・ウィンドを召喚するのを待って居た……現れろ、『機皇帝ワイゼル』!』
機皇帝ワイゼル:ATK2500


ゴースト!!……変装して居たって言うの!?
だけど、此れは拙い……機皇帝の存在があったら、幾らシルバー・ウィンドでも――!


『機皇帝ワイゼルの効果発動……シルバー・ウィンドを吸収する!!』


!!…そうはさせるもんですか、アタシの相棒は渡さない!!絶対に渡さない……渡してなるもんですか……機皇帝ーーーーーーーーーー!!












異聞・遊戯王5D's Turn85
『シンクロを超えたシンクロの可能性』











「アンタ達の好きにはさせないから!!……って、アレ?」

此処は何時ものコンドミニアム?……って言う事は、今までのは夢って事?――だとしたら、トンでもない悪夢を見ちゃったものだわ……まさか、夢
の中とは言え、機皇帝の力を目の当たりにするなんて、あんまり気分の良いモノじゃないわよ。

取り敢えず、起きるとしましょうかね。


――バァァァァァァン!!


「大丈夫か遊里!!」

「ほへ?如何したのジャック?」

「如何したもこうしたもあるか!大声が聞こえたから心配になって来ただけだ!!悪い夢でも見たの――……!!」


……そら心配かけちゃったわね?所で、どしたのジャック?顔が赤いけど………


「遊里………取り敢えず何でもいいから服を着ろ!なんで、下着姿で寝ているのだお前は!!…成り行きとは言え、見てしまったぞ。」


ん?あぁ、そう言えば昨日はシャワー浴びた後、ホットパンツとブラだけの状態で、Dホイールの改造設計書をパソコンで作ってたんだっけ。
それで、其の内ウトウトしてきて、其のまま寝落ちしたのね此れは?パソコンの電源入ったままだし。……取り敢えず風邪ひかなくて良かったわ。


それと、別に見るくらい良いわよジャック、減るもんじゃないし、マッパ見られたわけじゃないし、ホットパンツとブラの組み合わせなんて、真夏のビー
チに行けば、此れと似たような格好の人なんていくらでも居るから、然して恥ずかしがることでもないし?

と言うか、ブラもビキニの水着も対して差は無いのに、水着はOKで下着だとアウトなのは何でか理解が出来ない部分が有るんだけど、如何思う?


「知らん……後を向いているから、取り敢えずシャツを着ろ!」


は~~~~い。

それにしても、あんな夢見るなんて、深層心理で、アタシは機皇帝に脅威を感じてる………多分そう言う事なんでしょうね――

「そう言えば、鬼柳とクロウは?其れとニコとウェストもお出かけ?」

「鬼柳とクロウは仕事だ。ニコとウェストは、龍可と龍亞と一緒に出掛けて行った――カードショップでミニ大会に出場するそうだ。
 で、今日は俺は試合なしのオフなのでな、此処に居たと言う訳だ。」


そうなんだ。
さてと、此れで良し!こっち向いても良いわよジャック。


「マッタク、少しは女性としての恥じらいと言うか慎みも持て。……ふむ、ちゃんと着替えたのか。
 矢張り、お前はそのライダースーツ姿が良く似合うが――偶にはこう、着飾ってお洒落してみようとかは考えんのか、年頃の少女らしく。」

「こう言っちゃなんだけど、お洒落に興味ないのよアタシ。
 サテライト送りになる前から、衣服はジーパンとTシャツ数枚と、後は冬用の上着が数着あるだけだったからね?序に、サテライトに行ってからは、
 いっつもライダースーツで過ごしてたから、此れが当たり前になっちゃったし……大体、アタシがギャル的に着飾ってるの想像できる?」

「……其れは……出来んな。
 まぁ、この話題は置いておくとしてだ――あれほどの大声を上げるとは、其れだけの夢でも見たのか?」


あ……うん、夢の中でデュエルをしてたんだけど、起死回生を狙ってシルバー・ウィンドをシンクロ召喚したら、相手が突然ゴーストに変わって、カウ
ンターで『機皇帝ワイゼル』を召喚して、シルバー・ウィンドを吸収しようとしたのよ……其処で目が覚めたって訳。


「夢の中で機皇帝と…」

「勿論負ける心算は無いけど、今のデュエル界のトップ2として君臨してるシンクロとエクシーズに対してのアンチカードである機皇帝に、アタシは潜
 在的に脅威を感じているのかもしれないわ……ちょっと、情けない話だけどね。」

「……そんな事は無かろう。俺達の中で、機皇帝と直接戦ったのはお前だけで、実際に対峙して居ない俺達とは感じた脅威は段違いな筈だ。
 最終的に勝ったとは言え、シンクロを吸収する能力を直に味わったのだから、其れを脅威に思うのは寧ろ当然の事――大事なのは、その脅威に
 対して、次に戦う事になった時にどう対処するか、如何にして勝利するかを考える事だ!」


其れはそうなんだけど、現状では幾ら考えても対抗策がその場凌ぎにしかならないのよ。
例えば、効果にチェーンしてバスター・モードを発動すれば、機皇帝の効果を躱す事は出来るけど、その後のシンクロはやり辛いのは変わらない。
シンクロを解除して、チューナーと非チューナーに分離しても、ステータスの低さから、機皇帝を突破するには至らないのよ、アタシのデッキだと。

例えばジャックなら、仮に機皇帝を召喚されて、シンクロモンスターを吸収されても、レッド・デーモンさえ吸収されなければ、レッド・デーモンの効果
で、機皇帝をパーツごと纏めて吹き飛ばす事が出来るんだけど、誰もが其れが出来る訳じゃないからさ。


「成程な……だが、お前ならば、何れ完全な機皇帝対策を見つける事だろう。
 お前は、絶対王者たる俺の白星街道を唯一阻んだ最強のデュエリストだからな?機皇帝に屈する事など、この俺が絶対に許さんぞ?」

「今は未だ答えは見えないけど、屈する心算なんて毛頭ないわよジャック?
 アタシは『無敵女王』にして『解錠覇王』、如何にアンチSXの機皇帝だからって、負けてやる心算は更々ないから安心しなさい?」

「ふ……そう来なくてはな。
 さてと、其れでは一緒に出掛けないか遊里?特に今日は予定もないのだろう?」


へ?特にないけど、出掛けるって何処に?


「龍可と龍亞とニコとウェストが参加してる、ショップのミニ大会にサプライズとして行ってみようと思ってな?
 大会の上位2名がタッグを組んで、俺とお前のタッグとエキシビジョンタッグデュエルを行う……中々良いサプライズだとは思わんか?」

「……良いね其れ。」

「だろう?
 今夜はWRGP開催前のプレミアムイベントもある、その前に一デュエルと言うのも悪くないからな。」


其れは悪くないわ♪
それじゃあ、早速行きますか!



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で、時は進んで今は夜。アタシ達は、WRGP開催記念のプレミアムイベントの会場に来てる――何て言うか豪華なパーティ会場だわ。

因みに、昼間のジャックとのサプライズイベントは、参加者からもショップ側からも好評だったわね。
付け加えると、アタシとジャックの相手になったのは、龍可と龍亞の兄妹タッグ。まぁ、アタシとジャックが勝ったけど、龍可と龍亞は思った以上に強く
成ってたわ。多分同世代のデュエリストの中では最強クラスに位置するでしょうね……将来が楽しみだわ。


で、此のプレミアムイベントは、立食パーティの形式をとってるんだけど……

「リンディ茶も言峰麻婆も無いとは、満足できないわ……」

「あんな劇物を、万人が集う場所に出す訳がなかろう!!絶対におかしいぞお前の味覚は!!!」

「激辛極甘上等!!中途半端なんていらないわ!!」

「ならば、其処の『激辛フライドチキン』と『地獄フライドポテト』と『特濃カフェオレ』で満足しておけ!!」


リンディ茶と言峰麻婆は無いくせに、其れはあるんだ?
まぁ、此れは確かに、まだ一般人が食せるレベルではあるから、此処に有っても不思議じゃないか………うん、この辛さ、堪らないわね♪




「なぁ、アンタ『絶対王者』のジャック・アトラスと、フォーチュンカップを制した『無敵女帝』の上条遊里だよな?」

「む?……確かに俺はジャック・アトラスで、コイツは上条遊里だが……お前は?」

「失礼。俺は『チーム・ユニコーン』のアンドレって言うんだ。
 アンタ達は有名人だし、折角だから挨拶しとこうと思ってさ――大会で戦う事になったら、その時は最高のデュエルをしようぜ?」


態々どうも。
勿論、その心算よ?大会で戦う事になったら、その時は最高のフィールを感じさせてくれるんでしょう?――楽しみにしているわ。








――――――








No Side


シティで、WRGP開催記念のプレミアムイベントが華やかに行われている頃、シティのレーンでは一つのデュエルが行われていたのだが……


『機皇帝ワイゼルの効果発動!貴様の『魔界闘士 バルムンク』を吸収する。』
機皇帝ワイゼル:ATK2500→4600


「そんな、そんな馬鹿な!!」

『此れで終わりだ!機皇帝ワイゼルでダイレクトアタック!』

「たわらばぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!」
LP3000→0


そのデュエルを行っていたのはゴースト。
機皇帝の極悪効果を発動し、対戦相手を完膚なきまでに叩きのめしていた。








――――――








Side:遊里


この……こんな時にゴーストが現れるなんて予想外にも程があるわよ!
まぁ、見過ごす事も出来ないから、いざ出動―――って、どちら様ですか貴方?


「………」


地下の駐車場で、アタシ達の前に立ち塞がるように現れたこの人は誰?……バイザー型のサングラスで顔を隠してるから、誰かは分からないんだ
けど、悪いけど貴方の相手をしてる場合じゃないわ――ゴーストを野放しにする事は出来ないからね。


「行っても無駄だ、既にデュエルは終わっている。
 そして、今のお前達では、機皇帝に勝つ事は出来ない――今のままだったら絶対にな。」


!!……言ってくれるじゃない。
そう言うなら、貴方は機皇帝に勝つ事が出来るって言うのかしら?


「勿論だ……お前達に教えてやろう――機皇帝と戦う為の戦術と言う物をな!!」


言ってくれるじゃない…上等だわ!
是非とも、其の機皇帝と戦う為の戦術って言うのを見せて貰おうじゃないの――オイ、デュエルしろよ。その力、見せて貰うわよ謎のデュエリスト!



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てなわけで、デュエルする事になった訳だけど、何とも特徴的なDホイールだね?


「何よりも速度を追求した末の形だな……極端に先端を尖らせる事で最高のスピードを得られたと言う訳さ。」

「さいですか……だけど、デュエルでアタシをガッカリさせないでよね?……機皇帝と戦う為の戦術って言った以上は、期待してるからね?」

「なら、その期待には応えないといけないな。」


確りと応えて貰うわよ?……ライディングデュエル、アクセラレーション!!!


遊里:LP4000   SC0
???:LP4000   SC0


――ドン!!


スタートダッシュは略同時だけど、ファーストコーナーは譲らない!!


――グン!!


先攻は貰うわ!!アタシのターン!!
『一角獣のグレムリン』を攻撃表示で召喚!


一角獣のグレムリン:ATK2000


カードを1枚セットしてターンエンド。


「俺のターン!」


遊里:LP4000    SC0→1
???:LP4000    SC0→1



「俺は手札からスピードスペル『Sp-ソニックサモン』を発動!
 俺のスピードカウンターと等しいレベルのモンスターをデッキから特殊召喚する!!出番だぞ『チューニング・サポーター』!」
チューニング・サポーター:ATK100


「更に手札を1枚捨て、チューナーモンスター『クイック・シンクロン』を特殊召喚する!」
クイック・シンクロン:DEF1400


「続いて、チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚!」
ジャンク・シンクロン:ATK1300


「ジャンク・シンクロンの効果で、墓地の『レベル・スティーラー』を特殊召喚する!!」



レベル・スティーラー:DEF0


「行くぞ!レベル1のレベル・スティーラーとチューニング・サポーターに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!
 烈風の願いが集う時、その願いは新たな扉を切り開く!シンクロ召喚、撃ち砕け、『フォーミュラ・ジャンク!』
フォーミュラ・ジャンク:ATK1000


「チューニング・サポーターの効果で1枚ドロー!
 そして、墓地のレベル・スティーラーの効果発動!クイック・シンクロンのレベルを1つ下げて、墓地のこのカードを特殊召喚する!!」

レベル・スティーラー:DEF0
クイック・シンクロン:Lv5→4



此れは、この布陣は、まさか!!


「レベル1のレベル・スティーラーに、レベル4となったクイック・シンクロンをチューニング!
 集いし星が、新たな力を呼び覚ます。光射す道となれ!シンクロ召喚、出でよ『ジャンク・ウォリアー』!!」

『てやぁぁぁあ!!』
ジャンク・ウォリアー:ATK2300



此れで、レベル5のシンクロが2体も出て来たか。
確かに2体のシンクロを有すれば、機皇帝の効果を喰らっても、1体は残るけど、其れが機皇帝と戦う為の戦術だと言うの?


「ソニックサモンを発動したターンは攻撃できない。俺は此れでターンエンドだ。」

「アタシのターン!」


遊里:SC1→2
???:SC1→2




アタシは手札から、スピードスペル『Sp-シンクロ・デフューズ』を発動!
アタシのスピードカウンターが2個以上ある時、相手フィールド上のシンクロモンスター1体のコントロールをエンドフェイズまで得る!!


此れなら、疑似的に機皇帝の効果も再現できるし……貴方はどう出る心算?


「ふ………」


――バシュン!!



へ?消えた!?マジで消えた!?……一体何処に…


――キィィィン……バシュウゥゥゥ!!!!


え?……今度は後ろから!?……其れに、このモンスターは!!!



ジャンク・アギューメント:ATK3300



「此れが、機皇帝と戦う為の戦術――シンクロモンスターと、シンクロチューナーモンスターで行う究極のシンクロ召喚『アクセルシンクロ』だ。」

「アクセルシンクロ!!」

相手ターンでもシンクロが可能になる戦術――確かに機皇帝に対しては有効な戦術であるかも知れないわね?



その真髄、見せて貰いましょうか!!













 To Be Continued… 






登場カード補足






Sp-ソニックサモン
スピードスペル
自分のスピードカウンターが1個以上ある場合に発動できる。
自分のスピードかンターの数と等しいレベルのモンスターをデッキから1体選択して特殊召喚する。
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。



Sp-シンクロ・デフューズ
スピードスペル
自分のスピードカウンターが2つ以上ある場合に発動する事ができる。
発動ターンのエンドフェイズ時まで、相手フィールド上に存在するシンクロモンスター1体のコントロールを得る。
この効果でコントロールを得たモンスターは攻撃する事ができない。