Side:遊里


彼是、レーンを走り始めて2時間てところだけど、ゴーストとやらが現れる気配は全く無いわね?
特に通信も無いから、ジャック達の方に現れたって事も無いみたいだし……まさか、今日はもう店仕舞いとか、屋台のオジサンみたいな事言わないわよね?

牛尾の話だと、シンクロやエクシーズの使い手を手当たり次第に襲てるって事だから、アタシ達が襲われても不思議はないのに……

「ジャック、鬼柳、クロウ……そっちは如何?ゴーストらしき奴は来た?」


『俺の方は何もない……ストリートライディングデュエルには遭遇したが、ゴーストらしき奴とは会って居ない。』

『俺の方もマッタクだ……一体何処に隠れやがった?』

『この期に及んで雲隠れとは、満足できないぜ……
 ゴーストだが、ファントムだか知らないが、来るならさっさと来やがれ……貴様等をブチ倒して満足させて貰うからよぉ!』



鬼柳がちょ~~~っぴり、ヤバ気な方向に向かってる感じがしなくないけど、確かにゴーストは倒すべき相手だからね。
シンクロとエクシーズをピンポイントに狙った犯罪には、絶対に理由がある……其れを明らかにするためにも、ゴーストの正体は必ず暴いてやるわ!!


なによりも、勝てなかったら、アタシにゴースト撃破を託してくれた牛尾に会わせる顔が無いからね!!



其れに、クラッシュ目的でフィールを使う奴等を許す気は毛頭ない――アタシの前に現れたその時が、アンタの終焉の時よゴースト!!首を洗ってなさい!!












異聞・遊戯王5D's Turn74
『SXキラー、その名は機皇帝』











………と、気合を入れてさらに3時間……そろそろ夜が明ける時間になっちゃったわね。
こうなると、ゴーストの捜索は今日の夜に持越しでしょうね……出来る事なら、夜が明ける前にその正体を突き止めたかったんだけど、まぁ、仕方ないわ。

取り敢えず、いったん戻ろうか?
このまま走っていてもゴーストと遭遇できそうもないし、一度家に戻って――


――キィィィィィィィィン!!


!?……此れは、このスピードは……紛れもなくD・ホイール!!
其れもアタシの後ろから……黒いライダージャケットとヘルメットを着用した、不気味なDホイーラーが!!……如何見ても堅気には見えないけど…何の用?


「ククククク……ワタシト、タタカッテモラウゾ、カミジョウユウリ!」

「此れは……機械合成ボイス?……アンタが噂のゴーストで良いのかしら?
 だとしたら、態々現れてくれて礼を言うわ。こっちも、アンタには用があって探してたからね……デュエルをするなら望むところよ!」

「ホウ?ソレハイイドキョウダガ、ワタシニヨウダト?」


アンタが、つい数時間前に戦って怪我をさせたデュエリスト……『ゴヨウ・ガーディアン』の使用者って言えば分かるかしら?
そいつは、アタシにとって歳の離れた兄みたいな存在なのよ――そして、アタシ達の仲間でもある!其れに、アレだけの怪我をさせてくれた礼をしたくてね!


「アァ……ナルホド、カタキウチカ……ナラバ、カエリウチニシテヤツトナカヨクニュウインサセテヤロウ!」


やってみなさい、アンタなら出来るかも知れないわよ?
ジャック、鬼柳、クロウ、ゴーストと遭遇した!此れからデュエルに入るわ!!


『お前の所に現れたか!
 お前が負けるとは思えんが、牛尾ほどのデュエリストにアレだけの怪我を負わせる相手だ、用心して行けよ?』

『俺達も、直ぐにそっちに行く。噂になってる実力の程、拝ませて貰うぜ。』

『負けんなよ遊里!!』



了解!負けるもんですか、フィールを凶器代わりに使うような奴なんかに!!
行くわよゴースト!アタシに付いてこれるなら、付いて来てみなさい?フィールド魔法『スピード・ワールド2』セットオン!!


「「ライディングデュエル、アクセラレーション!!」」

《デュエルモード、オン。レーンをセントラルに申請。》


む……此れは思った以上のライディングテクニックとマシン性能ね?
アタシのレーゲンデュエルも、日々整備は欠かさないから性能面では引けを取らないけど……でも、その程度じゃファーストコーナーは奪えないわよ!!


――グンッ!!


「コレハ……ナントイウエイカクコーナーリング……サスガノテクニックダナ…コレハカリガイガアル!」

「果たして、狩られるのはどっちかしらね?覚悟は良いわね、ゴースト!!」


「「デュエル!!」」


遊里:LP4000   SC0
ゴースト:LP4000   SC0



アタシのターン!さてと、如何行くかな?
牛尾が、ゴーストにはシンクロとエクシーズは使うなって言ってたから、ゴーストは其れ等に対する強烈なメタカードがあるって事は想像に難くないわ。
と言う事は、先ずは様子見のアタッカーを出すが上策!

「アタシは『一角獣のグレムリン』を、攻撃表示で召喚!」

『キシャァァァァ!!』
一角獣のグレムリン:ATK2000


カードを1枚セットしてターンエンド。


「ワタシノターン!」


遊里:SC0→1
ゴースト:SC0→1



「ワタシハ『ワイズ・コア』を守備表示で召喚。」
ワイズ・コア:DEF0


「ワタシハカードヲ1マイセット。コレデターンヲシュウリョウスル。」


は?守備力0のモンスターと伏せカードを1枚を出しただけでターンエンド?
手札事故でも起こしたのか、或は何かの誘いか……あの伏せカードに何かあるのか……まぁ、その程度で怯むアタシじゃないけどね!!
アタシのターン!!


遊里:SC1→2
ゴースト:SC1→2



だけど、ゴーストに対してのシンクロやエクシーズを使うなって言っても、ドレだけのメタ効果を持ってるのかは不明だからね?
此処は、その凶悪な力を見せて貰うとしましょうか?

「アタシは『幻想の闇魔導師』を召喚!」
幻想の闇魔導師:ATK1500


幻想の闇魔導師の効果で、手札からレベル1チューナーの『ツメクリボー』を特殊召喚するわ。


ツメクリボー:DEF200


そして、レベル4の幻想の闇魔導師に、レベル1のツメクリボーをチューニング!
集いし絆が、此処に新たな力を誘う。光射す道となれ!シンクロ召喚、羽ばたけ『ヘル・カースド・ドラゴン』


『ゴアァァァァァッァッァァァ!!』
ヘル・カースド・ドラゴン:ATK2000


行くわよゴースト!ヘル・カースド・ドラゴンで、ワイズ・コアに攻撃!!


「コウゲキカ……ダガ、ワイズ・コアハ1ターンニ1ドダケセントウニヨッテハハカイサレナイ!」

「其れが何か?呪いの龍の力を舐めないでほしいわね!
 ヘル・カースド・ドラゴンは、ドラゴン族以外のモンスターと戦闘を行う場合、ダメージ計算を行わずに相手モンスターを破壊する!『カースド・フレイム』!」


――バガァァァァァアッァン!!


ワイズ・コア撃破!
このまま、一角獣のグレムリンの追撃で大ダメージを喰らわせてやるわ!アタシのフィールも上乗せしてね!!


「ククク……ソレハドウカナ?
 ワイズ・コアガカードコウカニヨッテハカイサレタトキ、ジブンフィールドジョウノモンスターヲスベテハカイシ、デッキ・テフダ・ボチカラアラタナモンスターヲヨブ。」


効果破壊される事が目的のモンスター!?
これは、ミスったなぁ……別のモンスターを出して戦闘破壊するのが上策だったみたいね。


「ミルガイイ、ワガサイキョウノモンスターヲ!コイ『機皇帝ワイゼル∞』!!」
機皇帝ワイゼル∞:ATK0


『ワイゼルA』!」
ワイゼルA:ATK1200


『ワイゼルG』!」
ワイゼルG:DEF1200


『ワイゼルC』!」
ワイゼルC:ATK800


『ワイゼルT』!」
ワイゼルT:ATK500


な!一気に5体のモンスターですって!?ドンだけの展開力よ、ゴーストは!!


「オドロイテクレタカ?……ダガ、キコウテイノチカラハコノテイドデハナイ……ミセテヤロウ、キコウテイノチカラヲ!!
 ガッタイセヨ、『機皇帝ワイゼル』!」



――ガシィン!ガシャア!!ガゴガァァァッァアァッァアァッァン!!!


『ムオワァァァァアアァァl!!!』
機皇帝ワイゼル:ATK2500



5体のモンスターが合体した!?……若しかして、此れがアンタの切り札なのゴースト?
だとしたら、お世辞にもセンスが良いとは言えないわ……何なのよ、この巨大ロボットは――コイツがシンクロ&エクシーズのメタ存在なら其れを超える!!


寧ろ見せて貰おうじゃない……シンクロとエクシーズを無力化するっていうその力を!!
だけど、アタシは負ける心算は毛頭ないわ…寧ろ、相手にとって不足なし!アンタ達を倒して、牛尾の仇を取る!!覚悟しなさいよゴースト!!














 To Be Continued… 






登場カード補足




スピード・ワールド2
フィールド魔法
このカードはカードの効果を受けず、 フィールド魔法カードをセット及び発動できない。
お互いのスタンバイフェイズ時に 自分用スピードカウンターを1つ置く(最大12個まで)。
「Sp」 魔法カード以外の魔法カードをセット及び発動した場合、そのコントローラーは2000ポイントのダメージを受ける。
お互いのプレイヤーは、自身のメインフェイズに 自分用スピードカウンターを以下の数だけ取り除いて発動できる。
●4個:手札の「Sp」魔法カード1枚につき、 相手に400ポイントのダメージを与える。
●7個:自分のデッキからカード1枚ドローする。
●10個:フィールド上のカード1枚選んで破壊する。