Side:龍可


レグルスが闇に……其れは絶対に救い出さなくちゃ!!

レグルスも私の大切な仲間だから――エンシェント・フェアリー、レグルスは何処に居るの?


この世界の巨大な神殿に居る筈ですが……その神殿も既にダークシグナーの配下に占領されていますよ?
 正面からやり合うのは得策ではありません――だからと言って手をこまねいている訳にも行きませんが……潜入する案が……


確かにね……だけど絶対に案がある筈だよ!!


その通りですよ龍可……不可能な事などこの世界には在り得ないのです。
 一件不可能に見える事でも、必ず攻略の糸口はあるモノです…尤も、どうやらその糸口になりそうな者が現れてくれたようですが…


糸口って………!!
誰か倒れてる!!……だ、大丈夫ですか!?


「う~~~~ん……闇の瘴気に当てられてこの様とは情けないのう…
 おまけに年齢まで子供の頃に戻されてしまうとは予想外だ――とは言え、取り敢えず助けてくれた事には礼を言うぞ娘。」


どういたしまして……だけど、私の方が年上じゃないのかな?


「そう思うじゃろうが、此れでもお主の10倍以上は生きとるとる老人じゃよ。
 ダークシグナーとか言う碌でもない連中の影響で、こんな子供の姿をしているがなぁ……くぅ、せめて青年期に戻ってくれればいいモノを!!」


精霊世界も色々?……だけど、如何やらアタリは引き当てる事が出来たみたい……レグルスを救出しないと!!












異聞・遊戯王5D's Turn46
『現実世界と精霊世界で……』











Side:龍亞


モーメントの跡地……って言う事は、此処にダークシグナーが居るのは間違いないよな?


出てこいダークシグナー!!俺が相手になってやるぜ!!


「………威勢の良さだけは一人前だが……シグナーでもない小僧が挑んでくるとは――気でも触れたか小僧?」

「俺は至って正気だぜ?
 龍可が精霊の世界に行っちゃったから、代理で俺がデュエルをする、其れだけの事だ!!お前を此処でぶっ倒してやる!!!」

「シグナーなれば兎も角、シグナーでもないガキが相手では、やる気も起きん――この場は見逃してやるから、さっさと家に帰れ小僧………!」


やなこった!
俺は龍可を護るって決めた……だったら、龍可が戻って来る前に危険なモノを排除するのは兄貴として当然の務めだろ?

だから、せめて龍可が戻って来るまでの間くらいは、俺がお前を押さえつける!!

大体にして、俺がシグナーじゃないからって余裕ぶっこいてるお前じゃ、俺は勿論として龍可には絶対勝てないぜ?――龍可は俺より強いから!



「ほう?……其れは実に楽しみだ。」

「お前の楽しみなんかに龍可を付き合わせるか――此処でやっつけてやる!!」

「出来るモノならばやってみろ小僧……!
 我が名はディマク……全てのシグナーを否定し、憎み――其れを力とするダークシグナーだ!!!」


ディマク……遊里なら『ペイントハゲ』とか言いそうな感じがするな~~。
眉毛もないし、見た目だけなら確かにおっかないけど、そんな事でビビる俺じゃないぜ!!お前なんか遊里の足元にも及ばないと思うし!!


「吠えるか小僧……ならば、私を倒してみるが良い!!」

「言われなくたってその心算だ!!行くぜ!!」


「「デュエル!!!」」


龍亞:LP4000
ディマク:LP4000



先攻は貰うぜ?俺のターン!!!『D・スマホン』を攻撃表示で召喚!!


D・スマホン:ATK1500


そしてスマホンの効果発動!
1ターンに1度、デッキからカードをドローし、其れがレベル4以下の『D』だった場合は、そのモンスターを特殊召喚する!!

「俺がドローしたのは『D・ラジカッセン』!!よってラジカッセンを特殊召喚するぜ!!」
D・ラジカッセン:ATK1200


「ほう?中々の展開力だな?」

「へっへ~~~、此れだけじゃないぜ!!
 俺はスマホンとラジカッセン、2体のレベル4モンスターでオーバレイ!!オーバーレイネットワークを構築!!
 邪悪な意志を砕くため、祈りと力がアドバンス!!エクシーズ召喚!!出番だぜ『SD・ストライクランチャー』!!!」

『オォォォォッォォォォォォ!!』
SD・ストライクランチャー:ATK2500



先攻ターンは攻撃できない……カードを1枚伏せてターンエンドだぜ。


「初手からランク4のエクシーズと来たか……成程、吠えるだけの事はあるようだ。
 だが、その程度で私に勝てるとは思わぬ事だ小僧!!私のターン!!!……『アサシン・エイプ』を攻撃表示で召喚!!」
アサシン・エイプ:ATK0


「そして、私のフィールドにアサシン・エイプが存在する場合、手札の『DT-ナイトメア・エイプ』は特殊召喚できる!!」
DT-ナイトメア・エイプ:ATK0


レベル8なのに特召喚できるモンスター!?
しかもダークチューナーって言う事は……来るのかダークシンクロって言う奴が!!


「レベル1のアサシン・エイプに、レベル8のナイトメア・エイプをダークチューニング!
 暗黒より生まれし者、万物を負の世界へとう覇者となれ!ダークシンクロ!現れよ、『猿魔王ゼーマン』!!」

『グオォォォォォォォォォォォォォォォ!!!』
猿魔王ゼーマン:ATK2500



此れがダークシンクロ!!……だけど攻撃力はストライクランチャーと互角……如何する心算なんだろう?


「このままでは相討ちだが、アサシン・エイプの効果発動!
 このカードがフィールドから墓地に送られた時、相手モンスター1体の攻撃力を300ポイントダウンさせる!!!」


SD・ストライクランチャー:ATK2500→2200


!!攻撃力が!!――この効果があったから同じ攻撃力のモンスターを出したって言うのかよ……意外と頭回るじゃん。



攻撃力で負けちゃったんじゃ仕方ないけど……だけど、俺の仲間は只ではやられないぜ!!


「ククク……そう思うか?
 ゼーマンが攻撃する時、お前はダメージステップ終了まで、魔法と罠の発動は出来ん!!――ゼーマンの攻撃は確実に通るのだ!!」


古代の機械みたいな効果まで持ってるって……流石にダークシンクロって言うのは伊達じゃないって事か。


「先手は取らせてもらう!!
 猿魔王ゼーマンよ、ストライクランチャーを抹殺しろ!!焼き尽くせ『カースド・フレア』!!!!」



――ゴォォォォォォ!!!


「うわぁぁぁぁぁ!!!」
龍亞:LP4000→3700


く……たった300ポイントなのに何て衝撃なんだよ……此れがダークシグナーの力って事なのか?
だけど、だったら尚の事……俺は負けられない!!こんな凶悪な力が世界に蔓延したら、そんなの世界の終わりだ――そんな事させないぜ!!

「ストライクランチャーの効果発動!
 オーバーレイユニットを持ったこのカードが相手によって破壊された時、デッキからレベル4以下の『D』を特殊召喚できる!!
 此処はお前の出番だ『D・シザースン』!!」
D・シザースン:ATK1000


更にトラップ発動『D・チェーン』
俺のフィールドに『D』が特殊召喚された時、デッキか手札からレベル4以下の『D』1体を特殊召喚できる!!
俺はこのカードの効果で、デッキからレベル4の『D・ラジオン』を特殊召喚するぜ!!


D・ラジオン:ATK1000→1800
D・シザースン:ATK1000→1800



「転んでも只では起きんか……ククク、カードを1枚セットしてターンエンド。」

「余裕かましてられるのも今の内だぜ!!俺のターン!!」

よし、此れならパワー・ツールの効果を最大に生かせる!!

行くぞディマク!!俺は、レベル4のラジオンに、レベル3のシザースンをチューニング!
希望の未来を掴みとる為、希望を闘志にトランスフォーム!シンクロ召喚!今こそ起動せよ『鉄鋼龍 パワー・ツール』!!


『ゴォォォォン!!』
鉄鋼龍 パワー・ツール:ATK2300


パワー・ツールの効果発動!
シンクロ召喚に成功した時、デッキから装備魔法1枚を選択して手札に加える事が出来る!
俺はこの効果で、デッキから装備魔法『アタックツール・レーザーブレード』を手札に加え、そしてパワー・ツールに装備する!!」

レーザーブレードを装備したモンスターの攻撃力は400ポイントアップする!
更に、パワー・ツールは自身に装備された装備カード1枚に付き攻撃力が500ポイントアップするぜ!!


『ウオォォォォォォォォ!!』
鉄鋼龍 パワー・ツール:ATK2300→3200



「攻撃力3200!!」

「其れだけじゃないぜ!
 レーザーブレードを装備したモンスターの攻撃対象になったモンスターの効果は無効になる!!!!」

「なにぃ!?」


その驚き様だと、如何やらゼーマンに攻撃に関する効果があったのは間違いないぜ……だったら尚の事叩きのめすだけだ!!!

更に永続魔法『パワー・ツール・プラント』を発動!
俺のフィールドに鉄鋼龍 パワー・ツールが存在する場合、1ターンに1度デッキから装備カードをランダムに1枚選択して手札に加えるぜ!!



ランダムサーチの結果は……『ミスト・ボディ』!!
此れを装備すればパワー・ツールはさらに強化されるし、トンでもない破壊耐性を得るぜ!!
俺は『ミスト・ボディ』をパワー・ツールに装備!!


鉄鋼龍 パワー・ツール:ATK3200→3700


行くぜディマク、鉄鋼龍 パワー・ツールで、猿魔王ゼーマンに攻撃!!『デモリション・ブレイカー』!!!


「く……トラップ発動、『暗黒の障壁』!!このターン、私のフィールド上の闇属性モンスターは破壊されん!!」


だけど、戦闘ダメージは喰らって貰うぜ!!ぶちかませ、パワー・ツール!!!!


『ゴォォォォォン!!!』


――ズバァァァァァァァァァァァァァ!!!



「むおあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ディマク:LP4000→2800


へっへ~~~、遊里直伝のフィールは効くだろ?……マダマダ遊里には全然届かないけどさ。
だけど、此れでさっきの一発への礼はさせて貰ったぜ!!カードを1枚伏せてターンエンド!!


「やってくれたな小僧……生きては返さんぞ!!私のターン!!
 マジックカード『猿魔王の錬成術』を発動!!
 私の場に猿魔王ゼーマンが存在する時、『エイプトークン』(星1・闇・獣・攻守0)を2体特殊召喚する!!」
エイプトークン:ATK0(×2)



「更にフィールド魔法『暗黒の保護区』を発動!!
 このカードが存在する限り、私の場の闇属性の獣族モンスターは戦闘では破壊されぬ!!」


此処でフィールド魔法?
――何か狙ってるのは間違いないけど……一体何を狙ってるんだ?――どうにも嫌な予感がするぜ。









――――――








Side:龍可


つまりトルンカは、その『カースド・ニードル』とやらの効果で幼児化して、本来の力を使えなくなってるのね?


「その通りだ……マッタク、ダークシグナーとか言うのも好き勝手やってくれるモノだ………奴等のせいで荒廃した大地が広がってしまったよ。
 おまけに『猿魔王ゼーマン』とか言う奴が現れて、本気でやりたい放題だ……レグルスと言う白い獅子を捕らえて調子に乗っておるな?」


レグルスを――私達は其のレグルスを助ける為に此処に居るんだよ?
行きずりみたいな形でお願いしちゃったけど、レグルスを助けるお手伝い――改めてお願いしても良いかなトルンカ?


「是非もないぞ龍可ちゃん!!
 ワシとて、精霊世界が荒廃しているのを見過ごす事など出来ぬよ……何よりエンシェント・フェアリー様の主の頼みは断れんじゃろう?」

世話を掛けますねトルンカ……ですが、今この時だけは龍可に力を貸してあげてください。

「うむ!勿論だエンシェント・フェアリー様!!
 必ずやレグルスを救い出し、龍可ちゃんを現実世界に戻してやらねばならんからな――ワシの力の全てを此処に注ごう!!!」


ありがとうトルンカ!!!



待っててレグルス……いま、助けに行くからね!!




時に、現実世界に残った龍亞は大丈夫かなぁ?








――――――








Side:龍亞


「ククク…絶望を与えてやるぞ小僧!!
 私は2体のエイプトークンをリリースし……現れよ、『地縛神 Cusillu』!!」

『グオォォォォォォォォッォン!!』
地縛神 Cusillu:ATK2800!!!



地縛神――まさかこんなに早く出て来るとは思わなかったぜ……!!


「小僧……地縛神が現れた以上、貴様の勝はないと知れ!!地縛神 Cusilluでダイレクトアタック!!」


――ドガァァァァン!!!


「うわぁぁぁぁ!!!!!」
龍亞;LP3700→900


一撃でこの威力って有り得なくない、流石に……?
此れだけごっそりライフを持って行かれると流石にきついぜ――だからと言ってあきらめる心算は毛頭ないけどな!!!


「この状況に置いて諦めないだと?……呆れた諦めの悪さだ。」

「可能性が0.1%でもあるなら諦めるなって、遊里から教え込まれたからさ――俺は絶対に諦めないぜディマク……此処で絶対に倒す!!」















 To Be Continued… 






登場カード補足



地縛神 Cusillu
レベル10    闇属性
獣族・効果
フィールド魔法カードが表側表示で存在しない場合、このカードの以下の効果は無効になる。
●このカードは相手に直接攻撃出来る。
●フィールド上に表側表示で存在するこのカードが戦闘によって破壊される場合、
 代わりにこのカード以外の自分フィールド上のモンスター1体を リリースして相手のライフポイントを半分にできる。
●このカードは魔法・モンスターカードの効果を受けない。
●相手はこのカードを攻撃対象に指定できない。
ATK2800    DEF2400



アサシン・エイプ
レベル1    闇属性
獣族・効果
このカードがフィールドから墓地に送られた時、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターの攻撃力は300ポイントダウンする。
ATK0    DEF0



DT-ナイトメア・エイプ
レベル8    闇属性
獣族・ダークチューナー
自分フィールド上に「アサシン・エイプ」が表側表示で存在する場合、このカードは特殊召喚できる。
ATK0    DEF0



猿魔王の錬成術
通常魔法
自分フィールド上に「猿魔王ゼーマン」が表側表示で存在する場合にのみ発動できる。
自分フィールド上に「エイプトークン」(星1・闇・獣・攻守0)を2体特殊召喚する。



暗黒の保護区
フィールド魔法
このカードが表側表示で存在する限り、自分フィールド上の闇属性の獣族モンスターは戦闘によっては破壊されない。



パワー・ツール・プラント
永続魔法
自分フィールド上に「鉄鋼龍 パワー・ツール」が表側表示で存在する場合にのみ、このカードの効果は発動できる。
1ターンに1度、自分のデッキから装備魔法をランダムに1枚選択して手札に加える。



アタックツール・レーザーブレード
装備魔法
「鉄鋼龍 パワー・ツール」または「D」と名の付くモンスターにのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は400ポイントアップし、装備モンスターの攻撃対象になった相手モンスターの効果は無効になる。



D・チェーン
通常罠
自分フィールド上に「D]と名の付くモンスターが特殊召喚されたときに発動できる。
デッキか手札から、レベル4以下の「D」と名の付くモンスター1体を選択して特殊召喚する。



暗黒の障壁
通常罠
発動ターンのエンドフェイズまで、自分フィールド上の闇属性モンスターは破壊されない。