Side:ブランシュ


行くぜディヴァイン、俺のデッキマスターは『甲殻星帝オマール・アンプルール』だ!


「私のデッキマスターは『覚醒の暗黒騎士ガイア』!――この力で、貴様の首を貰うぞ……そして、地獄に落ちるが良いディヴァイン!」

「そう簡単に行くと思っているのかい?
 私のデッキマスターは『マジカル・アンドロイド』だ!此れで貴様等の勝利の芽を、尽く摘み取ってくれる!!」



はっ、ほざいてろよクソッたれの前髪星人が!!
夫々のデッキマスターも決まったみたいだし、そろそろ始めようじゃない!!そして、今度こそこのデュエルで、お前に引導を渡してやるぜ!!



「ブラン、此の一戦、絶対に負けられないな?」

「負ける心算はねぇぜ?アインが、俺のタッグパートナーって言う時点で、負けるヴィジョンがマッタクもって見えないからな!」

「ならば、その強がりが何処まで続くか見せて貰おうか?……この私の恨みを、今此処で全て貴様等にぶつけてくれるわ!!」




上等だ。
ここで、テメェとの因縁は完全に終わらせてやるからな!!――行くぞ!



「「「デュエル!!」」」


ディヴァイン:LP8000
ブランシュ:LP4000
アイン:LP4000




もう一度デュエルしてやるぜ前髪星人!そして此れが最後だ!!
今度こそ地獄に落ちて、そんでもって地獄の中で永劫暮らすが良いぜ――地獄までの片道切符は、俺とアインが用意してやるからな!!












異聞・遊戯王5D's Turn105
『大海と混沌と超能力』










先攻は貰うぜ!俺のターン!!いいね、コイツは初っ端から良い手札が揃ってくれたもんだぜ。
俺は早速、オマール・アンプルールの効果を発動!ライフを800ポイント払い、デッキ又はエクストラデッキから水属性モンスター1体を選択して
墓地に送る。

俺はこの効果で、デッキから『サーペント・クラブ』を墓地に送る!



ブランシュ:LP4000→3200



更に『サーペント・クラブ』のモンスター効果発動。
このカードが墓地に送られた場合、デッキから水属性モンスター1体を墓地に送って、デッキからカードを2枚ドローする!
俺は、デッキから『ザリガン』を墓地に送り、2枚ドロー!そして『コロソマ・ソルジャー』を守備表示で召喚するぜ!!



コロソマ・ソルジャー:DEF1200



「コロソマ・ソルジャーの召喚に成功した時、手札から水族または魚族のモンスター1体を墓地に送り、デッキからカードを1枚ドローする。
 俺は手札の『カニカブト』を墓地に送って1枚ドロー。」

「何だブラン?行き成り手札増強と手札入れ替えとは、余程手札が悪いのかな?
 其れに、初手からそんなにカードを墓地に送って、若しかしてお前のデッキには墓地に捨てるようなカードしか入って居ないのか?だとしたら
 実に面白い!私の下から離れ、人造シグナーでなくなった事でデュエルの腕前は相当にがた落ちしたらしいね!」

「言ってろ前髪。そんでテメェの目の節穴っぷりに驚け馬鹿。カードを3枚セットしてターンエンドだ。」

「私のターン!
 手札から魔法カード『緊急テレポート』を発動!このカードの効果により、デッキからレベル2の『クレボンス』を特殊召喚する!」
クレボンス:ATK1200


「そして、私のフィールド上にサイキック族モンスターが表側表示で存在する場合、『アーマード・サイキッカー』をリリースなしで召喚出来る!」
アーマード・サイキッカー:ATK2200



1ターンで、レベル8のシンクロか……まぁ、腕は悪くねぇみたいだな流石に。
でもさぁ、本気で遊里と比べると霞むんだよなぁ?アイツの場合、レベルはバラバラでも1ターン3シンクロとか余裕でやってくるし、何よりも今回
のパートナーのアインは、其れこそ下手したら1ターンでレベル8のモンスターがフィールドを埋め尽くすだろうからなぁ……



「行くぞ!レベル6のアーマード・サイキッカーに、レベル2のクレボンスをチューニング!
 深淵の闇で燻りし我が復讐の炎よ、今こそ猛りて世界を焦がせ!シンクロ召喚、吠えろ『人造人間-サイキック・ショッカー』!!」

『ゴギャァァァァァァア!』
人造人間-サイキック・ショッカー:ATK2800



「サイキック・ショッカーのモンスター効果発動!1ターンに1度、相手フィールド上のモンスターの表示形式を変更できる!
 この効果により、コロソマ・ソルジャーを守備表示から攻撃表示に変更するぞ!」

「なに……?」
コロソマ・ソルジャー:DEF1200→ATK1300



表示形式の変更効果ってのは厄介だな……だが、お前が俺にダメージを与えようとしてくる事は予想済みだぜ?
この変則デュエルは、後攻のプレイヤーから攻撃出来る――流石にモンスターを召喚してないプレイヤーへの攻撃はご法度だけどな。だが、そ
うなれば、お前は絶対に俺に攻撃をしてくるだろうからな。



「砕け散れブラン!サイキック・ショッカーで、コロソマ・ソルジャーに攻撃!『サイキック・エナジー・ショック』!!」


――バガァァァァァァァァン!



ブラン:LP3200→1700




ぐ……だが此れでこのカードが発動できるぜ!
トラップ発動『異虹彩の導き』!俺のモンスターが戦闘によって破壊され、更に俺が1000ポイント以上のダメージを受けた時に発動!!
手札、デッキ、墓地の何れかから『オッドアイズ』と名の付くモンスター1体を特殊召喚する!

さぁ出番だぜ?デッキより現れろ『オッドアイズ・アーマー・ドラゴン』!!


『コォォォォォォォォォォ!』
オッドアイズ・アーマー・ドラゴン:ATK2800



更にトラップ発動、『異虹彩の架け橋』
俺が『オッドアイズ』と名の付くモンスターの特殊召喚に成功した時、デッキからレベル4以下のモンスターを2体まで選択し、効果を無効にし攻
守力を0にした状態で特殊召喚する。

そして、このデュエルに於いては、俺のパートナーであるアインもこの効果を使える訳だ!



「あぁ、有り難く使わせて貰うよブラン。
 私はこの効果で、デッキから『白夜の騎士ガイア』『極夜の騎士ガイア』を特殊召喚する!」
白夜の騎士ガイア:DEF1200→0(効果無効)
極夜の騎士ガイア:DEF1200→0(効果無効)



「小癪な……カードを2枚セットしてターンエンド。そしてこの瞬間に、マジカル・アンドロイドのデッキマスター能力発動!
 私のターンのエンドフェイズ毎に、自分フィールド上に表側表示で存在するサイキック族モンスター1体につき500ポイントのライフを回復する!」
ディヴァイン:LP8000→8500


ライフゲインか……効果そのものは面倒だが、そんなモンは関係ねぇ!

次はアンタのターンだ、思い切りやっちまってくれよアイン?あの前髪星人に、手加減とかそう言うのは全く必要ねぇから。寧ろぶち殺した所で
罪にはならねぇから。つーか、コイツ既に死んでるしな!!

いっその事、死んでるコイツをもう一度ぶち殺して魂を消滅させても無問題。否、消滅させちまえって所だからな!!



「ならば頑張ろうか?嘗て世界を滅ぼすとまで言われ、実際に多くの世界を滅ぼして来た、この私の力を見せてやろうじゃないか。私のターン。
 覚醒の暗黒騎士ガイアのデッキマスター能力発動!
 1ターンに1度、ライフを500ポイント払い、デッキから儀式モンスターか、儀式魔法カード1枚を選択して手札に加える。
 私はこの効果で、デッキから儀式魔法カード『カオスの儀式』を手札に加える。」



アイン:LP4000→3500



速い、そして巧いな。
此処でフィールド上のモンスターをリリースしてカオス・ソルジャーを儀式召喚すれば、其処から開闢の使者、または宵闇を呼べるからな。



「そして、儀式魔法『カオスの儀式』
 私のフィールド、または手札からレベル合計が8以上になるようにモンスターをリリースし、伝説の剣闘士を降臨する!!
 一つの魂は光を導き、一つの魂は闇を誘う……そして二つの魂が混沌の力を呼び覚ます!儀式召喚、出でよ『カオス・ソルジャー』!!」

『オォォッォォォォォォォォォォ!』
カオス・ソルジャー:ATK3000




「未だだ、私は墓地の光属性モンスターと闇属性モンスターを1体ずつ除外!」



矢張り、カオス・ソルジャーの儀式召喚には留まらなかったか!
この特殊召喚方法って事は、開闢の使者か、混沌帝龍か……何れにしても、超強力なモンスターが降臨する事には変わりはないよな。



「光と闇の両極を受け継ぎし力が、今此処に現れる!光来せよ深緑眼の白金龍(ディープアイズ・プラチナドラゴン)!!」

『グオォォォォォォォォォォォォォ!!』
深緑眼の白金龍:ATK3000



って思ったら、開闢でも終焉でもない新たなモンスターだって!?
深い緑色の目に、輝く白金の身体を持ったドラゴン……何て言うか、トンでもない強さを感じるぜ此れは!!



「深緑眼の効果発動!1ターンに1度、相手フィールド上のカードをデッキに戻す事が出来る!
 この効果により、私から見て右側の伏せカードをデッキに戻して貰うぞ!!!」

「く………!」

「この効果を発動したターンは深緑眼は攻撃できないが、カオス・ソルジャーは攻撃出来る!!
 行くぞディヴァイン!バトル!!カオス・ソルジャーで、人造人間-サイキック・ショッカーに攻撃!『カオス・ブレード』!!」

「おのれぇ……トラップ発動『サイコ・シールド』!このカードの効果で、此のターン私のサイキック族モンスターは戦闘では破壊されなくなった!
 ……流石に戦闘ダメージは受けてしまうけどね!」
ディヴァイン:LP8500→8300



「流石に、そう簡単にはいかないか……まぁ、簡単に終わっては面白くないからね。
 私は、カードを1枚セットしてターンエンドだ。」



モンスターは残しちまったが、攻撃力3000を誇る上級モンスター2体を従え、更にオッドアイズ・アーマーまで展開してる俺達の方がボードアド
バンテージを有してるのは間違いねぇだろうな。

尤も、このクソ前髪が何かしてくる可能性ってのは充分にあるんだけどさ。



「私のターン!永続トラップ『リビングデッドの呼び声』!このカードでクレボンスを墓地から特殊召喚!
 そして、私のフィールド上にサイキック族が存在する事で、手札の『アーマード・サイキッカー』をリリースなしで召喚!」
クレボンス:ATK1200
アーマード・サイキッカー:ATK2200




「そして再び、レベル6のアーマード・サイキッカーに、レベル2のクレボンスをチューニング!
 逆巻け、我が復讐の黒炎!シンクロ召喚!来い、『メンタルスフィア・デーモン』!」

『ガァァァァァァァァァァァァァァァ!』
メンタルスフィア・デーモン:ATK2700




此処で更なるレベル8シンクロか。
だけど、それじゃあ俺とアインのモンスターには勝てない……何をする心算だ、此の前髪星人は?



「更に魔法カード『サイキック・フォース』を発動!
 エンドフェイズまで、私のフィールド上のサイキック族モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする!!」
人造人間-サイキック・ショッカー:ATK2800→3800
メンタルスフィア・デーモン:ATK2700→3700




攻撃力アップ!!
このターン限定とはいえ、1000ポイントアップってのは無視できねぇ……俺達のモンスターの攻撃力を超えて来やがった訳だからな――!



「バトルだ!メンタルスフィア・デーモンで、オッドアイズ・アーマー・ドラゴンに攻撃!『超力爆砕破』!!」

「そうはさせない。
 カウンタートラップ『攻撃の無力化』!この効果で、攻撃を無効にして相手のバトルフェイズを終了する!」

「おのれぇ……カードを1枚セットしてターンエンド!
 そして、エンドフェイズにマジカル・アンドロイドのデッキマスター能力で、私のライフは回復する!」
ディヴァイン:LP8300→9300
人造人間-サイキック・ショッカー:ATK3800→2800
メンタルスフィア・デーモン:ATK3700→2700




このターンの攻撃は防いだか……なら今度はこっちの番だぜ!俺のターン!
手札から魔法カード『甲殻融合』を発動!俺のフィールドまたは墓地から融合素材モンスターをゲームから除外し『甲殻』と名の付く融合モンスタ
ーを融合召喚する!
俺は墓地の『ザリガン』と『カニカブト』をゲームから除外して特殊融合!

「鋭き棘よ、甲冑と共に潮渦巻きて新たなる力と生まれ変わらん!融合召喚!現れろ、月光に潜みし深淵の狩人『甲殻怪人カブトザリガン』!」

『フォ…ハハハハハ…』
甲殻怪人カブトザリガン:ATK2500




更にトラップ発動『異虹彩の力』
俺のフィールド上に『オッドアイズ』モンスターが存在する場合、エンドフェイズまで俺達のフィールド上のモンスターの攻撃力は4000になる!


オッドアイズ・アーマー・ドラゴン:ATK2800→4000
甲殻怪人カブトザリガン:ATK2500→4000



「まさか、こう来るとは思って居なかったが、しかし見事だよブラン!」
カオス・ソルジャー:ATK3000→4000
深緑眼の白金龍:ATK3000→4000



「ば、馬鹿な、たったの1ターンで、攻撃力4000のモンスターが4体だとぉ!?そ、そんな……あ、あり得ないぞこんな事は!!」

「タコ、現実にこうなってんだからあり得ねぇ筈ねぇだろ。
 だけどなぁ、お前は此処までだぜディヴァイン?……精々お祈りでもしてると良いぜ、テメェは今度こそ地獄に叩き落してやるからな!!」

嘗てトビーを殺し、そして今またミスティに手を出した代償を、今こそ払って貰うぜ腐れ前髪!!――テメェは細胞の一欠片まで消し去ってやる!












 To Be Continued… 






登場カード補足




人造人間-サイキック・ショッカー
レベル8    闇属性
サイキック族・シンクロ/効果
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターの表示形式を変更する。
このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して破壊する。
ATK2800    DEF1900



甲殻融合
通常魔法
自分のフィールドまたは墓地から、融合素材となるモンスターをゲームから除外し、エクストラデッキから「甲殻」と名の付く融合モンスター1体を選
択して、自分フィールド上に特殊召喚する。(この特殊召喚は融合召喚とする。)



サイキック・フォース
通常魔法
エンドフェイズまで、自分フィールド上に表側表示で存在するサイキック族モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。



異虹彩の導き
通常罠
自分フィールド上のモンスターが戦闘によって破壊され、自分が1000ポイント以上の戦闘ダメージを受けた場合に発動できる。
手札、デッキ、墓地の何れかから「オッドアイズ」モンスター1体を選択して特殊召喚する。



異虹彩の架け橋
通常罠
自分が「オッドアイズ」モンスターの特殊召喚に成功した時に発動できる。
デッキからレベル4以下のモンスターを2体まで選択して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効になり、攻撃力と守備力は0になる。



異虹彩の力
通常罠
このカードは自分のターンのメインフェイズにのみ発動できる。
自分フィールド上に「オッドアイズ」モンスターが表側表示で存在する場合、エンドフェイズまで自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター
の攻撃力は4000になる。
この効果を受けたモンスターが直接攻撃する事によって発生する相手への戦闘ダメージは500ポイントになる。



サイコ・シールド
通常罠
エンドフェイズまで、自分フィールド上に表側表示で存在するサイキック族モンスターは、戦闘によっては破壊されない。




デッキマスター能力補足


覚醒の暗黒騎士ガイア
1ターンに1度、ライフを500ポイント払って発動する。
デッキから儀式魔法カード1枚か、儀式モンスターカード1枚を選択して手札に加える。



甲殻星帝オマール・アンプルール
1ターンに1度、800ライフを払って発動できる。自分のデッキ・エクストラデッキから水属性モンスター1体を墓地へ送る。



マジカル・アンドロイド
自分のターンのエンドフェイズ毎に、自分フィールド上に表側表示で存在するサイキック族モンスターの数×500ポイントのライフを回復する。