遊里:LP4000
デッキマスター:プリンセス・ヴァルキリア(ATK2500)


剛三郎:LP4000
デッキマスター:召喚神エクゾディア(ATK?)




Side:遊里


さてと、アタシの前に現れたのは本気で予想外の相手だった訳だけど、だからとってこのデュエルで負けるなんて言う事は絶対に在り得ないわね。
って言うか、何だってこんな所に居るのよ剛三郎?

可也昔の事だから、ネットでの情報でしか知らないけど、確かアンタって社長との争いに負けた末に投身自殺したんじゃなかったっけか?



「確かに私は、瀬人との争いに敗れ、自ら命を絶ったが、魂は電子の世界で生きていてな?――その後、ゆえあって再び瀬人と見えて、デュエルをな。
 終始私が圧倒したが、瀬人の奴が私の戦術の穴を見つけ、其処を突かれて敗北し、そして私は粉々になった……と思っていたのだが、あのディヴァイ
 ンとか言う男が、私の欠片を拾い集めて形にしてくれてな?……今こうして、私は此処にいるのだ!!
 私の目的は只一つ!!再び瀬人とデュエルそして、そして今度は私が勝利して、奴を地獄の深淵に叩き落す事だけだ!!」

「そう言う事だったか……だけど、敢えて言うわよ剛三郎――下らないにも程があるわよアンタ。
 アンタみたいなのは、世間では逆恨みの大馬鹿野郎って言うのよ!!海馬社長に負けたのは、単にアンタが社長よりも弱かったからでしょ?
 其れを逆恨みして、あんな前髪に手を貸して……本当なら、アンタにはカードに触れる資格すらないわよ、馬鹿をも超越した稀代の愚か者が!!!」

精々、本物のデュエルって言うモノを、その身に刻み込んでから逝くと良いわ剛三郎!アタシのターン!!
アタシは『黒狼獣 バウ』を攻撃表示で召喚!


『ガルルルルルルル…』
黒狼獣 バウ:ATK1800




カードを1枚セットしてターンエンド。

精々アンタの最高の戦術で挑んで来なさい剛三郎?――アタシのデッキが、其れを完全に粉砕してあげるわ!!












異聞・遊戯王5D's Turn103
『立ち塞がるエクゾディア!』










「口は達者な様だが、果たしてそれだけの実力があるかどうか見せて貰おうではないか?私のターン!!
 ……此れは此れは、初手から中々良い手札が揃った物だ。」



存分に見せてあげるわ!アンタなんて、アタシの相手じゃないって事をね!
にしても、初手から中々良い手札が揃ったって言うのは、少しばかり警戒すべきかな?――デッキマスターから察するに、剛三郎のデッキは略間違いなく
『エクゾディア』か、エクゾディアをギミックとして組み込んだデッキであるのは間違いないから。



「手札より魔法カード『手札抹殺』を発動!
 互いのプレイヤーは手札を全て捨て、その後捨てた枚数と同じ枚数分のカードをデッキからドローする。」



と思ったら、行き成り手札の入れ替え?
余程手札が悪かったのか、それとも墓地にモンスターを送っておきたかったのか――其れは、幾ら詮索しても分からない事でしょうけどね。



「更に『エンジェル・バトン』を発動し、カードを2枚引いて、その後で手札を1枚捨てる。」



更なる手札の入れ替え?
普通なら、手札事故を疑うところだけど、剛三郎のあの自信に満ちた表情は、間違いなく此れは狙ってやった事ね……墓地肥しと手札の入れ替えは。



「デュエルとは常に先を読むモノなのだろう?チェスと同じだな。
 常に先を読み、そして其れを阻んでこそだ……そして、何よりも相手に恐怖を植え付けてやらねば、勝利とは言えんだろう!!」

「剛三郎……恐怖を植え付けるって、アンタ本気で腐ってるみたいね?」

「何とでも言うが良い。最終的に勝った者が勝者なのだからな!!
 私は此処で、デッキマスター『召喚神エクゾディア』のデッキマスター能力を発動する!
 召喚神エクゾディアのデッキマスター能力は、1ターンに1度デッキから『エクゾディア』を名の付くカードを1枚選択して手札に加えるって言うモノだ。
 私はこの効果で、デッキから『エクゾディアとの契約』を手札に加える!!そして魔法カード『エクゾディアとの契約』を発動!
 私の墓地に、『封印されしエクゾディア』『封印されし者の右腕』『封印されし者の左腕』『封印されし者の右足』『封印されし者の左足』が存在する場合、
 手札から『エクゾディア・ネクロス』を特殊召喚する!!」

『ガァァァァァァァァァッァァァァァ…!!』
エクゾディア・ネクロス:ATK1800




エクゾディア・ネクロス!!……成程、コイツを召喚するのに必要なエクゾディアパーツを墓地に送る為に手札の入れ替えをしたって言う事か……



「エクゾディア・ネクロスは、戦闘でもカード効果でも破壊されない不死なる魔神だ
 攻撃力こそお前の犬っころと同じだが、不死なる魔神の前には、そんな犬っころなど道端の小石に過ぎん!!
 バトルだ!エクゾディア・ネクロスで、黒狼獣 バウに攻撃!!喰らえ『エクゾディア・クラッシュ』!!」



――バガァァァァァァァァァン!!



攻撃力は互角だからダメージは受けないけど、ネクロスは破壊されないから、バウだけが一方的に破壊される訳よね……けど、この程度は予想済み!
リバースカードオープン、トラップカード『奇跡の残照』
このカードの効果で、破壊された『黒狼獣 バウ』を再びフィールド上に呼び戻すわ!


黒狼獣 バウ:ATK1800



「只ではやられんか。私は此れでターンエンドだ。」

「アタシのターン!!
 アタシは、プリンセス・ヴァルキリアのデッキマスター能力を発動!1ターンに1度、デッキからカードを3枚ドローし、その後手札を2枚捨てる!
 先攻のターンでは発動出来ないけど、毎ターン『天使の施し』の効果を使う事が出来るって言うのは、便利な事この上ないわよね♪」

その便利さ故、製品版では調整が施されるでしょうけれどね。



まぁ、先ず間違いなくそうだろうね。
だけど、このβ版なら、そのチートクラスの能力だってアリだから、存分に使わせて貰うわ!ルールでOKなモノを、拒む理由もないからね。

で、3枚引いて2枚捨てて……アタシは、チューナーモンスター『トゲクリボー』を召喚!


『クリクリ~~!』
トゲクリボー:ATK300




「今度はこっちの番よ剛三郎!アタシは、レベル4の黒狼獣 バウに、レベル2のトゲクリボーをチューニング!
 集いし風に秘めた思いが強固な壁を撃ち砕く。光射す道となれ!シンクロ召喚、突き崩せ『有翼幻獣 キマイラ・ガイスト』!!」

『ガルルルルル……!』
有翼幻獣 キマイラ・ガイスト:ATK2100



如何に不死とは言っても、戦闘ダメージは有効でしょ?
有翼幻獣 キマイラ・ガイストで、エクゾディア・ネクロスに攻撃!『キマイラ・インパクト・チャージ』!!



――ドゴォォォォォォォォオ!!



「むぅ……!」
剛三郎:LP4000→3700



カードを1枚セットしてターンを終了するわ。



「おのれ……私のターン!
 この瞬間にエクゾディア・ネクロスの効果発動!私のターンのスタンバイフェイズ毎に、攻撃力を500ポイントアップする!」
エクゾディア・ネクロス:ATK1800→2300


「此れで攻撃力は此方が上回った!!貴様こそ闇に沈むが良い、上条遊里!!!
 エクゾディア・ネクロスで、有翼幻獣 キマイラ・ガイストに攻撃!『エクゾディア・クラッシュ』!」



アホタレ、誰が沈むかっての。トラップ発動『トライアングル・バインド』
このカードの効果で、エクゾディア・ネクロスの効果は無効になり、攻撃宣言と表示形式の変更が出来なくなるわ!



「愚かな!エクゾディア・ネクロスは、無敵のモンスターだ!その様なトラップなどおそるるに足らんぞ!」

「……其れは如何かしらね?」



――バキィィィィィィィィィン!!



「なにぃ!?なぜ、エクゾディア・ネクロスがこの効果を受ける!?
 エクゾディア・ネクロスは破壊されない無敵の魔神である筈だ!!」

「アンタ、何か勘違いしてない?」

「なに?」



エクゾディア・ネクロスは、あくまでも『戦闘とカード効果では破壊されない』モンスターに過ぎない。
戦闘でもカード効果でも破壊する事は出来ないけど、其れはカード効果その物を無効に出来る物じゃない――破壊できなくともカード効果は有効よ!!



「何だとぉ!?」
エクゾディア・ネクロス:ATK2300→1800(カード効果無効・トライアングル・バインド効果)



「ぐぬぅ、カードを1枚セットしてターンエンドだ。」

「アタシのターン!」

よし、此の手札なら行ける。
プリンセスのデッキマスター能力は便利だけど、このターンは発動する必要はないわ…幾ら便利な効果でも、乱発したら自分の首を絞めかねないしね。

アタシは『幻想の闇魔導師』を攻撃表示で召喚!



幻想の闇魔導師:ATK1500



そして、幻想の闇魔導師の効果で、手札からレベル1の『ライティ・ドライバー』を特殊召喚するわ!



ライティ・ドライバー:ATK100



更に、ライティ・ドライバーの効果発動!
1ターンに1度、墓地のレフティ・ドライバー1体を選択して、アタシのフィールド上に特殊召喚出来る!!!
そして、レフティ・ドライバーは、墓地から特殊召喚された場合、レベルが3になる!!



レフティ・ドライバー:ATK300(Lv2→3)



「な、1ターンでレベル8のシンクロの素材を揃えただとぉ!?」

「アタシのデッキは、高速を超えた超速のシンクロが持ち味なのよ剛三郎?少しばかり、事前の情報収集が足りなかったわね!
 行くわよ!レベル3となったレフティ・ドライバーと、レベル4の幻想の闇魔導師に、レベル1のライティ・ドライバーをチューニング!!
 集いし願いが、天空(そら)を駆け抜ける疾風(かぜ)となる。光射す道となれ!シンクロ召喚、飛翔せよ『輝天龍 シルバー・ウィンド』!!」

召喚神の現身か……相手にとって、不足は無い!
輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500



頼むわよシルバー・ウィンド!銀風の龍ならば、幻の召喚神をも超える事が出来るって、アタシは信じてるからね。



ならば、期待に応えねばなるまいな。

「是非とも答えて下さいな!
 シルバー・ウィンドの効果を、シルバー・ウィンド自身に対して発動!!
 此れにより、エンドフェイズまでシルバー・ウィンドの攻撃力は500ポイントアップし、このターンは破壊されないわ!!」
輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK2500→3000(破壊不可:シルバー・ウィンド効果)



バトル!輝天龍 シルバー・ウィンドで、エクゾディア・ネクロスに攻撃!響け『シューティング・ストリーム』!!



「そうはさせん!カウンタートラップ『攻撃の無力化』
 このカードの効果で、シルバー・ウィンドの攻撃を無効にして、バトルフェイズを終了する!」

「……其れは残念。
 シルバー・ウィンドの攻撃が通って、キマイラのダイレクトが炸裂すれば大ダメージだったんだけど、流石にそう簡単には行かないか……
 カードを1枚セットしてターンエンドよ。」
輝天龍 シルバー・ウィンド:ATK3000→2500



「私のターン!!……ふむ、良いカードを引いたな。
 私は、チューナーモンスター『封印解放の巫女』を攻撃表示で召喚する!」
封印解放の巫女:ATK1000



「封印解放の巫女の効果発動!
 このカードの召喚に成功した時、自分の墓地から『封印されし』モンスター1体を選択して特殊召喚する!蘇るが良い『封印されしエクゾディア』!」
封印されしエクゾディア:DEF1000



此処でチューナー?
しかも、揃えたのモンスターのレベル合計は10……此れは、弩級のシンクロモンスターが来るって事かしら剛三郎?

何を呼び出す心算かは知らないけど、ガッカリさせないでよ?――鬼柳じゃないけど、アタシを満足させてくれるんでしょうね?



「期待には応えようではないか。
 私は、レベル3の封印されしエクゾディアと、レベル4のエクゾディア・ネクロスに、レベル3の封印解放の巫女をチューニング!
 王宮に封印されし魔神の聖体が解き放たれる時、幻の召喚神が降臨する!シンクロ召喚『エクゾディア・冥界神(ネクロス)!!」

『ムオォォォォォォォォオォォォォォォォォ!』
エクゾディア・冥界神:ATK3500



これは、シンクロのエクゾディア!?
聞いた事もないカードだから、此のゲームのオリジナルカードなのか、或はあの前髪がシステムに干渉して生み出したカードなのか……其れは分から
ないけど、只ステータスの高いレベル10って言う訳ではなさそうね?



「行くぞ!エクゾディア・冥界神で、有翼幻獣 キマイラ・ガイストに攻撃!『滅びの業火 エクゾード・ブレイザー』!!」

「く、シルバー・ウィンドのモンスター効果発動!」

「無駄だぁ!!」



――バガァァァァァァァァアァン!!



遊里:LP4000→2600




え?シルバー・ウィンドの効果が発動しなかった?……まさか、そのモンスターは!!



「エクゾディア・冥界神が攻撃宣言をした場合、ダメージステップ終了まで、相手は罠及び、フィールドと手札のモンスター効果を発動出来んのだ。
 そして、エクゾディア・冥界神の攻撃力は、私のターンのスタンバイフェイズ毎に1000ポイントアップする!!簡単に倒す事は出来んぞ!!!」



戦闘時の罠と、手札と場のモンスター効果封殺に加え、自分のターンごとに攻撃力1000ポイントアップって、レベル10のシンクロでもやり過ぎでしょ?
もしもこの場にクロウが居たら『インチキ効果も大概にしやがれ!』って、盛大にブチ切れるのは間違いなさそうだわ。


だけど剛三郎、まさかこのモンスターを召喚した程度でアタシを倒せると思ってる訳じゃないでしょうね?



「なに?」

「デュエルって言うのは、たった1体のモンスターで決まるほど浅くはないのよ?
 確かにエクゾディア・冥界神は強力だけど、其の1体で決める事は出来ないって言う事よ!!其れを教えてあげるわ!!
 有翼幻獣 キマイラ・ガイストが破壊された時、アタシの墓地からこのカードのレベルと同じになるように、チューナーとチューナー以外のモンスターを特
 殊召喚する!
 この効果で、アタシが呼び出すのは『幻想の闇魔導師』『トゲクリボー』!!」
幻想の闇魔導師:ATK1500
トゲクリボー:ATK300




「モンスターを失いながらも、効果でこれ程の展開を……矢張り只者ではないな貴様は……カードを1枚セットしてターンエンドだ。」

「アタシのターン!」

さぁ、このデュエルは此処からが本番よ!
本物のデュエルと、そして本物のフィールって言うモノを、貴方に教えてあげるわ――精々、覚悟を決めておく事ね海馬剛三郎!……愚かなる亡霊よ!














 To Be Continued… 






登場カード補足




エクゾディア・冥界神
レベル10    闇属性
魔法使い族・シンクロ/効果
チューナー+チューナー以外のモンスター2体以上
このカードが攻撃宣言をした場合、ダメージステップ終了まで、相手は罠及び手札とフィールド上のモンスター効果を発動出来ない。自分のターンのスタン
バイフェイズ毎に、このカードの攻撃力は1000ポイントアップする。自分の墓地に「封印されしエクゾディア」「封印されし者の右腕」「封印されし者の左腕」
「封印されし者の右足」「封印されし者の左足」が存在する限り、このカードはカード効果によってはフィールドを離れない。
ATK3500    DEF3000



封印解放の巫女
レベル3    闇属性
魔法使い族・チューナー
このカードの召喚に成功した時、自分の墓地の「封印されし」モンスター1体を選択して、自分フィールド上に特殊召喚する。
ATK1000    DEF700