Side:万丈目


神の激突に始まり、その後の息つかせぬ展開を経て、スターダストとオーガ・ドラグーンが帰還し……そして、この局面で2体の龍が進化した。
ある程度分かっていた事だが、遊奈とはやてには成長の限界と言うモノは存在しない――否、戦いの中で強くなっていくから限界などと言うモ
ノが存在する筈もないか。

否、成長の限界などは、デュエリストには存在しない――己が望むのならば、どんな高みにだって上る事は出来るのだからな……遊奈とはや
ては、単純に俺達よりも早く成長している、其れだけの事だ。



「だけどさぁこの展開は燃えるよな?
 3体のシンクロモンスターで呼び出されたはやてのドラゴンと、3体のチューナーを使って召喚された遊奈のドラゴン……どっちが勝ってもおか
 しくないしな?」

「其れは……確かにな。」

遊奈とはやても実力は五分。
それだけに、一瞬の判断ミスが其のまま敗北につながるのだろうが――このデュエルで、致命的な判断ミスが起きるとは考えられないからな。

だが、実に良いデュエルだ――果たして勝つのは遊奈か、それともはやてか……お前達のデュエル、この目に焼き付かせて貰うぞ!!
そして、見せ付くてくれ……卒業生最強であるお前達の最高にして最強のデュエルをな!













遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GXFinal
『夜天と勇気と決闘者――終わりなき道』











遊奈:LP1000
創世龍 シューティング・クェーサー:ATK4000


はやて:LP2900

煉獄帝龍 ハデス・ドラグーン:ATK6500
煉獄騎 リインフォース・アインス:ATK2700



Side:遊奈


この局面で、レベル12のシンクロをしてくるとは思ってなかったでしょはやて?ついでに言うと、トリプルチューニングの事に関してもね。



「完全に予想外やで!!
 やけどだからこそ楽しいて思えるんやけどね――しかも、相手が新たな戦術を繰り出して来たとなれば尚更や……其の力。見せて貰うで!」

「応!」

シューティング・クェーサーの効果発動!このカードのシンクロ召喚に成功した時、私は手札が4枚になるようにデッキからカードをドローする。
此れだけだと単純な手札強化だけど、勿論それだけじゃねーわ。
シューティング・クェーサーは、自分の墓地のシンクロモンスターの数だけ攻撃出来る!
私の墓地には、2体の『神』と『ニトロ・ウォリアー』『ターボ・ウォリアー』『天星龍 スターダスト』、合計5体のシンクロモンスターが存在してる!
よって、シューティング・クェーサーは、バトルフェイズ中に5回の攻撃が可能になる!



「連続攻撃……狙いはアインスか?
 せやけど、ハデス・ドラグーンは自身を除外する事で、相手の攻撃を無効に出来るんやで?」

「でも、その効果は発動出来ねーよね?
 その効果で無効に出来る攻撃は1度だけ……この局面で発動したら、残る4回の攻撃ではやてのライフは0になっちゃうわけだしね~~?」

「まぁ、そうやけど……お約束的に、言っておかなあかん気がしたんや!」



うん、その気持ちは良く分かるわはやて。デュエルしてる時って、こう『言っておかないといけない気がするセリフ』ってあるからね?
でもまぁ、アンタには悪いけど退場して貰うよアインス?
バトル!創世龍 シューティング・クェーサーで、煉獄騎 リインフォース・アインスに攻撃!『天地創世撃ザ・クリエイション・ブラスター』!!


――ドガァァァァァァァァァァァン!!!



はやて:LP2900→1600

「く……アインス――!
 今のは効いたで遊奈!!さぁ、残る4回の攻撃をしてみろや!無限煉獄を統べる龍神を超えられるならなぁ!!」



出来る訳ねーでしょうが!
シューティング・クェーサーの攻撃力は4000。対するハデス・ドラグーンの攻撃力は6500、なんぼ関西人だからって無茶振りすんなっての!
私はカードを2枚セットしてターンエンド!
さて、攻撃力では劣ってても、シューティング・クェーサーには私のフィールド上の表側表示で存在するカードを破壊から護る効果と、相手の攻
撃を無効にする効果もある――如何来るはやて?



「私のターン!……良い引きやな此れは。
 遊奈のシューティング・クェーサーも、私のハデス・ドラグーンに負けず劣らずの弩チートモンスターみたいやけど、勝つのは私やで!!
 手札から装備魔法『インフェルニティ・ヴェール』を発動!
 『インフェルニティ』または『煉獄』モンスターのみが装備できるこのカードは、装備モンスターの攻撃対象になったモンスターの効果を無効に
 する効果がある!
 このカードを、ハデス・ドラグーンに装備するで!」

「って、事はつまり、シューティング・クェーサーの効果で、ハデス・ドラグーンの攻撃を無効にする事は出来ない……!!」

「そう言う事や遊奈!つまり、此のバトルでアンタは2500のダメージを受ける事になる。
 其の2枚の伏せカードが、仮に攻撃モンスター迎撃系のトラップであったとしても、ハデス・ドラグーンには通じへんから、恐れる事もない!!
 楽しいデュエルやったけど、其れも此処までや!
 煉獄帝龍 ハデス・ドラグーンで、創世龍 シューティング・クェーサーに攻撃!『煉獄のインフィニティ・バァァァァァスト』!!」



此処で社長風攻撃宣言かよ!!いや、迫力あるから良いけどさ!?
でも、はやて……悪いけどこのカードは、攻撃モンスター迎撃系のトラップじゃねーんだわ?……伏せたカードの1枚は此れよ!
トラップカード『ハイ・アンド・ロー』
このカードは、自分のモンスターが攻撃対象になった時に発動出来る。
デッキの一番上のカードを墓地に送り、其のカードがモンスターカードだった場合、攻撃対象になったモンスターの攻撃力を墓地に送ったモンス
ターの攻撃力分アップする。
この効果は3回まで繰り返せるけど、対象モンスターの攻撃力が相手の攻撃モンスターの攻撃力を超えた場合、対象モンスターは破壊される。



「なんやと?……狙いはダメージ軽減か!?」

「さて、如何だろうね?……行くぜ!1回目の効果!……モンスターカード!『ソニック・ウォリアー』の攻撃力は1000!」

『クァァァァァァァァァ!』
創世龍 シューティング・クェーサー:ATK4000→5000



2回目の効果、ドロー!……モンスターカード!『ジャンク・アーマー』の攻撃力は600!!


『クォォォォォォォ!』
創世龍 シューティング・クェーサー:ATK5000→5600




「攻撃力5600……!
 此れで、シューティング・クェーサーが破壊されても、アンタのライフは100ポイントだけ残るけど、アンタはそんな一手は打たんやろ遊奈!!」

「おうよ!ハイ・アンド・ローの3回目の効果発動!」

「やろな……やけど、此処で攻撃力が900より高いモンスターを引いたら自滅やで?」



らしくねー事言うなよはやて。
リスク無くして勝利を得る事は出来ないし、何のリスクも負わずに得た勝利には何の意味もない……でしょ?
なにより、私のデッキは応えてくれるって信じてっから!……3回目、ドロー!――モンスターカード!『スピード・ウォリアー』の攻撃力は900!


『クォアァァァァァァァァァァァァァ!』
創世龍 シューティング・クェーサー:ATK5600→6500



「攻撃力が、ハデス・ドラグーンと同じになったやとぉ!?」

「これで、双方相討ち……って所だね!」


――ドガァァァァァァァァァァン!!


「まさか、相討ちに持ち込まれるとは思ってなかったで。
 やけど『インフェルニティ・ヴェール』がフィールドから墓地に送られたターンのエンドフェイズに、『煉獄龍 オーガ・ドラグーン』が復活するで!」



マジか!?
でも、私ももう1枚のカードを発動するぜ!トラップカード『クラッシュ・スター』
私のシンクロモンスターが破壊された時、手札と墓地から1体ずつ、攻撃力1000以下のモンスターを守備表示で特殊召喚する!
頼むよ『ソニック・ウォリアー』『パワード・シンクロン』


ソニック・ウォリアー:DEF0
パワード・シンクロン:DEF700




「此処でモンスターを……ターンエンド!そして、オーガ・ドラグーンが復活する!」

『グオォォォォォォォォォォォォ!』
煉獄龍 オーガ・ドラグーン:ATK3000




相手にとって不足なし!行くぜ、私のターン!!――此れは、最高の引きだね!
チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚!


ジャンク・シンクロン:ATK1300


でもって、その効果で、墓地の『スピード・ウォリアー』を守備表示で特殊召喚するぜ!


スピード・ウォリアー:DEF400


更に、私のフィールド上にチューナーが存在する時、手札の『ブースト・ウォリアー』を特殊召喚出来る!


ブースト・ウォリアー:ATK300


でもって、ブースト・ウォリアーの効果で、私のフィールド上の戦士族の攻撃力が300ポイントアップ!!


ジャンク・シンクロン:ATK1300→1600
ソニック・ウォリアー:ATK1000→1300(守備表示)
パワード・シンクロン:ATK800→1100(守備表示)
スピード・ウォリアー:ATK900→1200(守備表示)
ブースト・ウォリアー:ATK300→600


「此れは……この布陣はまさか!!」

「そのまさかよはやて!!
 私は、レベル2のソニック・ウォリアーに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!
 集いし星が、新たな力を解き放つ。光射す道となれ!シンクロ召喚!!出でよ、『ジャンク・ウォリアー』!!」

『フゥゥゥゥ……デヤァァ!』
ジャンク・ウォリアー:ATK2300



「ジャンク・ウォリアー!……遊奈のデッキの特攻隊長でありながら、フィニッシャーにもなり得るシンクロモンスター!」



此れが、私の切り札にして、最強のコンボよはやて!
ソニック・ウォリアーが墓地に送られた時、私のフィールド上のレベル2以下のモンスターの攻撃力は500ポイントアップする!!


パワード・シンクロン:ATK1100→1600(守備表示)
スピード・ウォリアー:ATK1200→1700(守備表示)
ブースト・ウォリアー:ATK600→1100


そしてブースト・ウォリアーの効果で、ジャンク・ウォリアーの攻撃力は300ポイントアップする!


ジャンク・ウォリアー:ATK2300→2600


そしてジャンク・ウォリアーの効果発動!ジャンク・ウォリアーはシンクロ召喚に成功した時、
自分フィールド上のレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分、攻撃力がアップする!『パワー・オブ・フェローズ』!!


『ハァァァァァァァ!!』
ジャンク・ウォリアー:ATK2600→7000



「攻撃力7000!!」

「此れでラストバトルだはやて!
 ジャンク・ウォリアーで、煉獄龍 オーガ・ドラグーンに攻撃!!『スクラップ・フィストォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ』!!!」

『フゥゥゥゥゥゥゥ……ダァァァァァァァ!!!!』



――ドッガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!




「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
はやて:LP1600→0



私の……勝ちだ!!初めて、勝ち越してやったぜはやて!!



「は~~……清々しい位に負けたわ~~~……今度は私が追う立場やね?」

「追う立場を味わいなってね?今度は私が、引き離させて貰うよ!」

でもまぁ、良いデュエルだったのは間違いねーんじゃないかな?



「うおぉぉぉぉぉ!スゲェデュエルだったぜ遊奈、はやて!!
 アカデミア生活の最後の最後で、こんなスゲェデュエルが見れるなんて……やっぱり、お前達は最高のデュエリストだぜ!!」

「良いデュエルだった……文字通りの頂上決戦、堪能させて貰った。」

「デュエルには限界はない……このデュエルで、其れを教えて貰ったわ。」



私達のダチ公が、こう言ってくれてるんだからね?
何よりも、実際に戦った私等が、この上ない満足感を感じてるんだから、このデュエルが最高のデュエルだったのは間違いないし、誰にも否定
させないってのよ!

ま、此れがアカデミアのラストデュエルかと思うと、少し寂しい気もするけど、デュエルを続けてる限り、私等の道は何時かどこかできっと交わる。
卒業して、夫々の道に進むとは言え、アカデミアで紡いだ縁が切れる事はない――だから、己の道を踏みしめて行こうぜ皆!!



「「「「「「「「おーーーーーーー!!!」」」」」」」」



忘れないよ、アカデミアの3年間を。――いつの日か、必ず再会しようぜ皆!!



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そして、時は流れて――


――西暦2021年:ネオ・ドミノシティ



何だかんだで時が流れて、私はアカデミア卒業後もはやてと一緒に暮らし、『ゼロ・リバース』って言う厄災の後には孤児院を設立して、親を亡く
した子達の面倒を見て来た。
その子供達の中に、遊星を見つけた時には思わず笑みがこぼれちゃったけどね。

で、何だかんだでシティとサテライトが1つになり、世界の危機的な事を遊星達が解決してくれたおかげで、今のシティは平和そのものだわ。
そして、その平和な街のハイウェイを、はやてとモーニングドライブしてたんだけど……


『此れより、此処はデュエル専用レーンとなります。一般車両は退避して下さい。』

「ちょお待てや!誰やねん、こんな朝っぱらからデュエルしとるのは!!」



突然のデュエル専用レーンが起動して、一般車両の私等は強制的に別レーンに移されちまったわね。
でもまぁ、カリカリしなさんなはやて。大体にして、シティでは何よりもデュエルが優先――でしょ?



「そらま、そうやけど……」

「だったら、四の五の言いっこなし!それに、このデュエルを行ってるのはきっと――」


――バヒュン!!


「遊星!それに、ジャックも!!」



シティのトップ2の遊星とジャックだろうからね?
よっしゃ、ギア上げて2人を追うよはやて!遊星とジャック、此の2人の最高のデュエルを見逃すなんて、そんな事は出来ねーからね!!



「是非もないで遊奈!
 このデュエルを見届けることが出来なかったら、きっと一生後悔するやろうからな……スピード違反がなんぼのモンや!道路交通法上等や!
 見届けるで、このデュエルを!!」

「OK、アンタならそう言ってくれると思ったぜ!!」

そしてきっと、このデュエルも未来を紡いでいくのは間違いないわ。
決してゴールのないデュエルの世界……だけど、それがある限り、デュエリストは無限に絆を紡ぎ、何処までも強くなれる訳だから――私もはや
ても、そしてきっと十代達も、一生デュエルの道を駆け抜けていくんだろうね。

私達の道は、永遠に終わらない――行くぜぇ?『デュエル』!!










 THE END






*登場カード補足





インフェルニティ・ヴェール
装備魔法
「インフェルニティ」または「煉獄」モンスターにのみ装備可能。装備モンスターが相手モンスターを攻撃する場合、攻撃対象になった相手モンス
ターの効果は無効になる。
このカードがフィールドから墓地に送られたターンのエンドフェイズに、自分の墓地の「煉獄龍 オーガ・ドラグーン」1体を特殊召喚する。



ハイ・アンド・ロー
通常罠
自分フィールド上のモンスター1体が相手モンスターの攻撃対象になった時に以下の効果を発動できる。
●デッキの一番上からカードを1枚めくり墓地へ送る。
そのカードがモンスターカードだった場合、 そのモンスターの元々の攻撃力分だけ対象モンスターの攻撃力をアップする。
この効果を3回まで任意でくり返す事ができる。
対象モンスターの攻撃力が相手攻撃モンスターの攻撃力を超えた場合、対象モンスターを破壊する。



クラッシュ・スター
通常罠
自分フィールド上のシンクロモンスターが破壊された時、手札・墓地の攻撃力1000以下のモンスターをそれぞれ1体ずつ選択して発動できる。
選択したモンスターを守備表示で特殊召喚する。




夜天と勇気と決闘者

原作:魔法先生ネギま、魔法少女リリカルなのはシリーズ、遊戯王デュエルモンスターズGX

STAFF



企画・原案:吉良飛鳥&神の電波



ストーリー構成:吉良飛鳥&kou



文章更生:kou



オリジナルカード設定:吉良飛鳥&kou&オリカ投降版に投降してくれた皆さま



Specialthanks:読んでくださった読者の方々。



Thank you For Reading



Presented By 自由気侭



あとがきへ