Side:十代


はぁ~~~負けちまったか!!やっぱ万丈目は強いぜ!!ま、負けぱなしってのは性に合わないから、何時か必ずリベンジしてやるけどな。
んで、戻って来たんだけど遊奈とはやては何処だ?

あの二人が、俺と万丈目のデュエルの途中で退席したとは思えないんだが……岬は何処に行ったか聞いてないか?



「悪いが、姉御とはやて先輩が何処に行ったのかは俺も分からねぇよ十代先輩。
 てか、ちょっと目を離した隙に居なくなっちまったから、追跡するって言っても方法がねぇんだ――PADにはGPS機能がついてないからな。」



遊奈の妹分の岬でも分からないか。…それじゃあ――



――ドクン!!


「!?」

な、何だ今のは……心臓に直接伝わって来た鼓動は?
いや、確認するまでもないぜ……此れはデュエルの鼓動だ!!でもって、此れだけの鼓動は、きっと遊奈とはやてがどっかでデュエルを始め
てるんだ!!



「その根拠は?」

「ない!てかぶっちゃけ勘だぜ万丈目!!」

「適当極まりないがお前が言うのならばそうなのだろうな…純国産天然デュエル脳の勘と言うモノは存外馬鹿に出来るモノではないからな。」



だろ?だからこそこのデュエルは見過ごすことが出来ないじゃないか!!
アカデミアの全生徒を引き連れて行っても良いじゃないかと思う位のデュエルが展開されるだろうからな…遊奈とはやては、マジ強いからな。
最高のデェエルを見せてくれ!!












遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX225
『裏卒業デュエル開幕!!』











Side:はやて


スポットも何もないけど、寧ろこっちの方が落ち着くなぁ遊奈?
私等に必要なんは、己の力を限界まで引き出した其の力や……其れが勝負の明暗を分けるとも言えるからなぁ。



「だね…てか、其れは常識なんだけどさデュエルでは。
 此れから行われるデュエルは、スポットも観客も必要としない、私とはやての意地のぶつかり合いにのデュエル――ガチのデュエルだぜ!」

「分かっとるよ……手加減不要、情け無用、求めるべきは己の全力をぶつける相手と、己にぶつけられる相手の全力、只それだけやで!!」

「そんじゃ、まぁ……」

「始めるとしよか?」

ほな行くでぇ?デュエ――



――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!



な、なんやこの物凄い数の足音は!?まるで地響きやないの此れ!?
え、なに?如何言う事や此れ?まさか、敵襲?敵襲か此れ!?だとしたら一体誰や!?ダークネスは倒したし……まさか、ハゲ校長が乱心
して、アカデミアを乗っ取ろうと挙兵したんか!?



「いや、其れはぜってーねーわはやて。
 仮にあのハゲが挙兵した所で、今のアカデミアの生徒内に、アイツについて行こうと思う奴は存在してねーっての。」

「其れもそやな……やったらこの足音は一体……?」



「居たドーーーーーーン!ホントにアニキの言う通り、火口の所に居たザウルス!!」

「遊奈もはやても、なんで2人だけで始めようとするんだよ!
 最高のデュエルを2人だけで楽しむなんて酷いじゃないか~~~!このデュエルを見逃しちゃったら、卒業しても悔いが残るんだぜ!!」

「定期考査のシングル戦で当たる事もなければ、ジェネックスでもデスデュエルでも……少なくとも校内公式記録ではお前達2人は1度も戦っ
 て居ないんだ。
 俺や十代は兎も角、他の生徒がお前達のデュエルを見たいと思っていた事くらいわかるだろう?」

「幾ら何でも、仲間外れは酷いわよ二人とも?」

「そうだぜ姉御!」



ありゃりゃ、上手く抜け出したと思ったのに、皆来てもうたで此れ。
てか、こんな場所やったら絶対にばれへんと思って、此処選んだのに何だって分かってもうたんやろか?誰かエスパーでも居ったんかいな?



「いや、デュエルの鼓動を感じてさぁ?
 其れを強く感じる方向に向かって行ったら遊奈とはやてが居たんだよ。道の途中から、絶対此処に居るって確信はしてたけどな。」

「十代アンタ、何それ怖い。」

「恐るべし純国産天然デュエル脳……の特Aランク品。流石やな。」

十代に隠れてデュエルは無理言う事か。少なくともこのアカデミア島ではな。
全く、スポットも観客もない、私と遊奈だけのデュエルの心算やったんやけど……どうも、私等はそう言うのは許されへんみたいやで遊奈。



「だね。
 だけどさ、逆に言うなら、私等のデュエルを見る為にこれだけの人が集まってくれた訳だよね?――そう考えると、やっぱ嬉しいもんだわ。」

「せやな……ほな、改めて始めようか遊奈!!手加減なしの、自分の全力を120%出した、最高のデュエルってモンをなぁ!」

「おうよ!行くぜ……」


「「デュエル!!」」


遊奈:LP4000
はやて:LP4000




先攻は貰うで!私のターン!
チューナーモンスター『インフェルニティ・リベンジャー』を守備表示で召喚や!


インフェルニティ・リベンジャー:DEF0


カードを1枚セットして、魔法カード『煉獄の契約』を発動。
手札が3枚以上ある時、手札を全て捨て、捨て札の中から『インフェルニティ』を特殊召喚する。出番やで『インフェルニティ・ジェネラル』


インフェルニティ・ジェネラル:ATK2700



「行き成りレベル8のモンスターをシンクロ召喚する気?可成りな大盤振る舞いじゃん、はやて?」

「手加減なしの全力やからな?
 私は、レベル7のインフェルニティ・ジェネラルに、レベル1のインフェルニティ・リベンジャーをチューニング!!
 煉獄の奥底で胎動する黒き力よ、その封印を打ち破りここに顕現せよ!シンクロ召喚、『煉獄魔龍 ワンハンドレッド・アイ』!!」

『グガァァァァァァァァァァァァァ!!!』
煉獄魔龍 ワンハンドレッド・アイ:ATK3000



そして、ワンハンドレッド・アイの効果発動!墓地の『インフェルニティ・ガーディアン』をゲームから除外して、その効果を得る!
これで、私の手札が0枚である限り、ワンハンドレッド・アイは、破壊されない無敵のモンスターになったで?私は此れで、ターンエンドや!!








――――――








Side:遊奈


初手から、ワンハンドレッド・アイを呼び出して、更に無敵状態にしてくるとはやってくれるじゃないのよはやて。
なら、私も其れに応えねーと嘘だわね……私のターン!!

手札を1枚捨て、『THE トリッキー』を特殊召喚!


THE トリッキー:ATK2000



でもって、チューナーモンスター『ファイターズ・シンクロン』を召喚し、その効果で墓地の『マッシブ・ウォリアー』を特殊召喚するぜ!!



ファイターズ・シンクロン:ATK800
マッシブ・ウォリアー:DEF1200




「レベル合計10……まさか遊奈、アンタ――!!」

「手加減なしでしょこのデュエルは?大体にして、はやてがイキナリの上級モンスターを展開してくれたんだから、其れには応えねーとだしね。
 行くぜ!レベル2のマッシブ・ウォリアーとレベル5のTHE トリッキーに、レベル3のファイターズ・シンクロンをチューニング!
 集いし魔導と雷鳴が、空より無限の力を呼び起こす。光射す道となれ!シンクロ召喚、舞い降りよ『天竜神 オシリス』!!!」

『グガァァァァァァァァァァァァァ!!!』
天竜神 オシリス:ATK X000



「うおぉぉぉぉぉぉ!遊奈がイキナリ神を召喚しやがったぁ!!」

「正に手加減なしだな……幼馴染相手でも容赦なしか。」



まぁ、そう言うこってすよ。
さて、オシリスの攻守は私の手札×1000ポイント……私の手札は3枚だからオシリスの攻守力は3000になる。


天竜神 オシリス:ATK X000→3000


だけど、此のままだと攻撃力はワンハンドレッド・アイと同じだし、無敵状態のワンハンドレッド・アイが相手じゃ相討ちも狙えねーわよね?
そこで、魔法カード『死者からの贈り物』
私の墓地に3種類以上のモンスターが存在する時、デッキからカードを2枚ドローする!
私の墓地には『THE トリッキー』『ファイターズ・シンクロン』『マッシブ・ウォリアー』の3種が存在してるから条件は満たしてるからね。
これで、私の手札は4枚となり、オシリスの攻撃力は4000となる!



天竜神 オシリス:ATK4000



「バトル!!天竜神 オシリスで、煉獄魔龍 ワンハンドレッド・アイに攻撃!!『超電導波サンダー・フォース』!!!」

「リバースカードオープン『インフェルニティ・ベール』
 私の手札が0枚で存在する場合に発動!エンドフェイズまで私が受ける戦闘ダメージは0になる!」



破壊できないならダメージをと思ったけど、そのダメージを逃がして来たか……なら、カードを1枚セットしてターンエンド。



天竜神 オシリス:ATK4000→3000



「私のターン!!……此れは良いカードを引いたなぁ?この局面では最高のカードやで。」

「最高のカードって、何を引いたのよはやて?」

「ふっふっふ……驚くで遊奈!!
 私は手札から、魔法カード『煉獄の同調壱式・奪取調律』を発動!
 私の手札が0の時、相手のエクストラデッキのシクロモンスター1体を選択して発動する。
 選択したモンスターのレベルと同じになるように、自分のフィールドまたはデッキからチューナーとチューナー以外のモンスターをゲームから
 除外して、選択したモンスターをシンクロ召喚する!」



私のモンスターをシンクロ召喚するって事か其れは!!――ってまさか、はやてアンタ!!



「私は遊奈のエクストラデッキの『破潰神 オベリスク』を選択!
 でもって、フィールドのワンハンドレッド・アイと、デッキの『インフェルニティ・エクソシスト』とチューナーの『インフェルニティ・ルーク』をゲーム
 から除外してチューニング!
 煉獄の使者の魂が、神の力を引き寄せる!奪取シンクロ!叩きのめせ『破潰神 オベリスク』!!」

『ムオアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』
破潰神 オベリスク:ATK4000




「うおわぁぁぁ!今度ははやてが、遊奈から神を奪って召喚したぜ!!」

「神と神……只で終わるとは思えんな。」



私のエクストラデッキからオベリスクを持ってくとは……やってくれるじゃないのよ?
てか、味方ならこの上なく頼もしい『神』だけど、こうして敵として対峙すると威圧感がハンパねーわ此れ。

でもさ、此れってある意味最高の状況じゃない?
オシリスとオベリスクが対峙するこの状況は、伝説のバトルシティの準決勝の、遊戯vs海馬状態その物だからね……此れは燃えて来たぜ!











 To Be Continued… 






*登場カード補足





死者からの贈り物
通常魔法
自分の墓地にモンスターが3種類以上存在する場合に発動できる。デッキからカードを2枚ドローする。



煉獄の同調壱式・奪取調律
通常魔法
自分の手札が0枚の時に、相手のエクストラデッキのシンクロモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターと同じレベルになるように、自分のフィールドまたはデッキからチューナーとチューナー以外のモンスターをゲームから除外
し、選択したモンスターを自分フィールド上にシンクロ召喚する。



インフェルニティ・ベール
通常罠
自分の手札が0枚の時に発動できる。
エンドフェイズまで、自分が受ける戦闘ダメージは0になる。