Side:???
享年101歳…随分長生きしたなぁ。
…魂になると外見は若返るんだ。
この道を抜ければ、所謂『あの世』なのかな?
――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「はわっ!?」
な、何ですか?
ふぇ、ぶ、ブラックホール!?
如何してこんなところにこんなものが発生するんですか〜〜!
――ズゴォォォォォォ!
ふえぇぇぇ!!吸い込まれる!!
こ、このままじゃ私成仏できないよ〜!
――ギュゴォォォォォォ!!!
きゃぁぁぁぁぁぁ!!
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX22
『参上!サイコ・ショッカー』
Side:はやて
「「「「「「精霊召喚?」」」」」」
「あぁ、オカルト研究をしている一部のブルー生徒がそんな事をしようとしてるらしい。」
「そんな事出来るのか?」
「まぁ、不可能ではなかろうな。」
場所は毎度お馴染み『札屋・吉良アカデミア店』。
最近はすっかり溜まり場になっとるね。
ついこの間冬休みに入ってもうたから校内にはあんまし人がおらへん。
殆どの生徒はこの機会に帰省してるらしいし。
残ってるのは私と裕奈と十代と翔君、雪乃ちゃんと麗華ちゃん、そして準位のモン。
ま、何時もの面子やね
店長とエヴァちゃんは居るけど、此処からなら簡単に童実野町には行けるから問題ないやろ。
しっかし、
「精霊召喚て…不可能やなくても簡単には出来へんやろ?」
「大体其れで何呼び出すってのよ…」
「いや、其処までは分からないが何かきな臭い感じがしてな。」
そらそやろ?
私や裕奈、十代と準みたいに常時精霊見れるんやったらアレやけど、無理矢理呼び出して逆鱗にでも触れたらどないすんねん…
「話して分ってくれんなら良いけど、そうじゃなきゃデュエルでお帰りいただくしかないっしょ?」
「せやな。」
この面子なら誰が出ても負けそうには無いし。
「It approaches at a high speed.」
ん?レイジングハート誰か来てるん?
てか如何して分ったん?
「Area Search.Was it unnecessary?」
「いんや、ご苦労さんや。」
「Thank you.」
ホンマに良く出来た子やね。
しかしレイジングハートが『高速接近中』言うなんて一体誰や?
――バガン!
「た、助けてくれ!!」
「うおっと!誰!?てかどしたの血相変えて!?」
ホンマに来たねうん。
てか扉突き破って入ってくんなや。
「It's a direct hit?」
「其れは微妙にちゃう気がする。」
大間違いとも言えへんけど。
で、誰やったっけこの人?
「高寺…何事だ?」
「た、助けてくれ万丈目!さ、サイコ・ショッカーが!!サイコ・ショッカーが俺を狙ってるんだ!!」
「「「「「「「サイコ・ショッカー!?」」」」」」」
「又個性的な者に追われてるなこの小僧も…」
「だが何でサイコ・ショッカー?」
余裕のエヴァちゃんは何時もの事や。
せやけど、店長言うようになんでサイコ・ショッカーなんかに…ん?サイコ・ショッカー!?
「てかサイコショッカーって…精霊呼び出そうとしてのはアンタなわけ!?」
「そんで失敗したんかい!!」
裕奈も気付いたか、流石やな。
いや、普通に考えたら到底行き着かん考えやけど『精霊召喚を試みてる』『サイコ・ショッカーに狙われてる』って揃えば分る人には分るわな。
マジで禄でもない事起きたな〜…何で要らん嫌な予感はあたんのやろ?
「世の中そんなものではないでしょうか?」
「嫌な予感が当たるのも、危機察知能力が高いと思えば良いのよ?」
「成程。」
そういう考え方もありやな。
で、一体サイコに何したんや?どして狙われてるん?
「よ、呼び出す事は出来たんだ。でも不完全で、完全になる為に俺を生贄にするって!!」
要するに失敗したと。
「アホかい…」
「確認不要っしょ。」
「つまりアホと言う事ね…」
「確かに同情の余地は何処にもありませんね。」
「I think so.」
はい、女子4人&レイジングハートは容赦なしや!
てか、このアホンダラ!!何中途半端な呼び出しかたしてんねん!!
今が冬休みで生徒が殆ど居らんから良かった様なものの、そうじゃなかったら大惨事や!!
「こ、こんな事になるなんて思わなかったんだ…!」
「其れで済むと思うな。最悪の状況になった時の事など考えていなかった責任は重いぞ。」
準の言うとおりやで?
興味本位でそないな事するからアカンのやで?
せやけど捨て置く事も出来ひんし…しゃー無い、サイコを何とかしに行こか?
「だね。話が通じると一番楽なんだけど…」
「無理ならデュエルで白黒つければ良いぜ!」
うん、十代の考えはある意味で話し合いに次ぐ平和的解決やな。
案外そっちの方が上手く行くかも知れへん。
まぁ兎に角や、
「サイコ呼び出したとこに案内してもらおか?」
「せめて其処までの案内位してもらうぞ?」
「わ、分ってるよ…」
さて、何が出たモンやろな…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「マジで居るし…」
「初見だったら自分の精神を疑いそうな光景です…」
「まぁ、そうやろな。」
案内された怪しげな部屋のど真ん中で腕組して仁王立ちしとる『人造人間−サイコ・ショッカー』とかどないやねん…
しかも口から蒸気出とる上に…
「…コハー…コハー…コーホー…ゴハァァァ…!」
メッチャこわ!!
何がっては言えへんけど、言いようが無い怖さやで此れ!?
「口から怪光線とか出さないよね?」
「如何かしらねぇ…目からビームは出すけれど…」
ちゅーか此れ如何考えても話し通じへんよね?
ドナイしたもんやろ…
「話は通じそうに無いな…デュエルで帰ってもらうしかない。
今回は俺がやろう。事を起こしたのはブルーの生徒だ、尻拭いを他のクラスに頼むのは流石に気が引ける。」
「俺は別に構わないけど…そう言う事なら今回はお前に譲るぜ。負けんなよ万丈目!」
「ふん、誰にモノを言っている。不完全な精霊になど負けはせん!」
準…そやな、任せるで!
「不完全やけど、油断せんといてな?」
「精霊世界に送り返しちゃってよ!」
「任せておけ。…オイ、貴様が完全になるには俺に勝たねばならない。意味は分るな?」
「オマエヲ?…ナラバ、タオスマデダ!!」
話が通じよったな…サイコは片言やけど。
てかあのサイコは回路とか大丈夫やろかね?
「口から蒸気でてる時点で壊れてるっしょ?」
「せやな。」
――――――
Side:万丈目
「「デュエル!!」」
万丈目:LP4000
サイコ・ショッカー:LP4000
全く高寺の奴、面倒な事をしてくれたな…よりにもよって精霊とは。
正直まったく未知の相手だが――負ける気は無い!
「センコウハワタシカラ。ワタシノターン!『怨念のキラードール』ヲショウカン!」
怨念のキラードール:DEF1700
「サラニ、エイゾクマホウ『エクトプラズマー』ヲハツドウ。」
キラードールとエクトプラズマー…直接火力型のコンボか。
しかもキラードールはエクトプラズマーの無限弾丸となるモンスター…長引くと不利だな。
「カードヲ1マイフセ、エンドフェイズニ『エクトプラズマー』ハツドウ。
キラードールヲリリースシ、ソノコウゲキリョクノハンブンノダメージヲアタエル。」
万丈目:LP4000→3200
キラードールの攻撃力は1600だから800ポイントのダメージか、安くないが…
「俺のターン!」
この手札なら潰せる!
「『バスターソウルドラゴン』を召喚!」
バスターソウルドラゴン:ATK1800
「そして速攻魔法『竜の魔眼』を発動。俺の場に存在するドラゴンの数だけ相手フィールド上の魔法・罠カードを破壊する!
俺のフィールドのドラゴンは1体、よって1枚の破壊が可能だ!破壊するのは当然『エクトプラズマー』!」
――バリィィィン!
「ムグッ…!」
よし、此れでバーンコンボは崩した、だがもう1枚のカードは…
「バトル、バスターソウルドラゴンでダイレクトアタック、『バスターフレア』!」
「ソウハイカナイ。カウンタートラップ『攻撃の無力化』。コレデコウゲキハトオラナイ。」
矢張り、エクトプラズマーコンボの弱点『フィールドが空になりやすい』事への対策カードだったか。
不完全体とは言え、上級モンスターの精霊だけはあるな。
「カードを1枚伏せてターンエンド。」
次のターンにはキラードールが自己蘇生する。
恐らくは上級モンスターをアドバンス召喚――リリース1体なら『帝』か『デーモン』か或いは…
「ワタシノターン。スタンバイフェイズ、『エクトプラズマー』デシャシュツシタ『怨念のキラードール』ヲトクシュショウカン。」
怨念のキラードール:ATK1600
「ソシテキラードールヲリリースシ『人造人間−サイコ・ショッカー』ヲアドバンスショウカン!!」
「ムゥゥゥゥン!」
人造人間−サイコ・ショッカー:ATK2400
「サイコ・ショッカーだったか…!」
自身を召喚してくるとはな。
此れで互いにトラップカードは使用できなくなったと言う訳か…
「バトル。サイコ・ショッカーデ、バスターソウルドラゴンニコウゲキ『サイバー・エナジー・ショック』!」
――バガァァァァン!!
「く…!!!」
万丈目:LP3200→2600
「ワタシハコレデターンエンド。」
流石に罠封じの効果を持った上級モンスターは少々厄介だな。
だが、既にお前を倒す手は揃っている!
「俺のターン!行くぞ、マジックカード『融合』!手札の『光と闇の竜』と『バーニング・ドラゴン』を融合!
現れろ光と闇の力受けし轟炎の竜よ、融合召喚『カオスブレイザー・ドラゴン』!」
「ショォォォォォ!!」
カオスブレイザー・ドラゴン:ATK2900
「おぉ!上級の融合ドラゴン族か!!」
「此れは準お得意の大型ドラゴンコンボが来るか!?」
「やっちまえ準!」
無論だ!
「カオスブレイザー・ドラゴンが存在する場合、俺の場のドラゴンの攻撃力は全て500ポイントアップする。」
カオスブレイザー・ドラゴン:ATK2900→3400
「バトルだ!カオスブレイザー・ドラゴンで人造人間−サイコ・ショッカーに攻撃!『カオティックミーティア』!」
――ドゴォォォォォン!
「ムオ!」
サイコ・ショッカー:LP4000→3000
「此れで終わりだ!トラップカード『不死の竜』!墓地のドラゴン1体を特殊召喚する!
俺が墓地より呼び戻すのは『バーニング・ドラゴン』!」
「グルルルル…!」
バーニング・ドラゴン:ATK2500
バーニング・ドラゴンは召喚・特殊召喚に成功したとき、フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。
尤も破壊できるカードは無いが…
「カオスブレイザーの効果でバーニング・ドラゴンの攻撃力は500ポイントアップする!」
バーニング・ドラゴン:ATK2500→3000
貴様のライフも残り3000、此れで決まりだ!
「バーニング・ドラゴンでダイレクトアタック!焼き尽くせ『バーニング・ブレス』!」
――ゴォォォォォォ!
「ムオォォォォォ…バカナァァァァ!!」
サイコ・ショッカー:LP3000→0
不完全な精霊などに負けはしないと言ったはずだ。
…無理やり呼び出した高寺の非礼は詫びよう、大人しく眠っていろ。
「ウグゥゥゥ…!」
――シュゥゥゥゥ…
消えた…ライフが0になって自身を維持できなくなったのか?
ともあれ此れで一件落着………ん?
――キィィィン…
「な、何だ此れは!?」
床に描かれた魔法陣が光っている?
「あーーーー!サイコの登場に驚いて精霊召喚の魔法陣消すの忘れてた!!」
「「救い様が無いほどにアホーーーー!!!」」
まったくだ!!貴様は…本気で。
一体何が現れようとしている…!!!
――――――
Side:裕奈
デュエルは準の余裕勝ちだったけど、サイコ呼び出したアホのせいで又なんか来そうだよ!
つーか光強いな…何にも見えねーじゃん…!
――ドスンッ!
え?何今の音…
『い、痛いです…』
精霊出て来た…?
もしかして今の音って着地失敗して尻餅でもついたわけ?
うん、光が弱くなってきたから、此れなら見える。
ん〜っと…何の精霊だろ?声は女の子っぽい感じ…つーか何か聞いたこと有る声だったけど。
『ふぇ!?あ、あの此処は一体何処ですか!?』
へ?
え、ちょ、何で!?
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」
「裕奈、エヴァちゃんどないした!?ちゅーかあの子なに?あんなカード有ったっけ?」
いや、カードかどうか分かんねーけど、私とエヴァちゃんはそりゃ驚くよ…
だってこの子…
「本屋ちゃん!?」
「宮崎のどか!?」
『ふえ?ゆ、ゆーなさんとエヴァンジェリンさん!?』
何で!?一体何がどうなってんのよ!?
To Be Continued… 
*登場カード補足
竜の魔眼
速攻魔法
自分フィールドのドラゴン族モンスターの数だけ、相手フィールド上に存在する魔法・罠カードを破壊する。