Side:裕奈
「…で、『くず鉄のかかし』は又伏せられるわけよ。」
「そうなると相手は真っ先に此れを処理しようとするから、かかしは攻撃だけじゃなくて他の伏せカードも護る作用があるんすね?」
そう言う事。
翔君も制裁デュエル以来物凄く進化してるね。
この分だとイエローへの昇格も夢じゃないかもよ?
「そんな…。それに昇格する時は僕が僕を『強くなった』って思ったときっすよ。
僕はまだまだアニキやお兄さんにはおよばないっす。もっとガンバルっす!いつかアニキにもお兄さんにも勝てるように!」
「その意気やよし!」
私とはやての目は間違って無かったね。
――ピンポ〜ン
ん?お客さん?
「は〜い、今あけます。」
誰よ一体?
「こんにちは。あの…遊城十代君は居ますか?」
…なんと十代に女の子の客とは…
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX21
『HERO対決Round1』
てかこの子、確かブルー生徒の…
「宮田ゆまです。」
そうそう、ゆまちゃん。
どしたの、十代に何か用?言伝あるなら伝えとくけど?
…つーか何処行ったのよ十代?
はやても居ないし。
「『地上目』の捜索に行ったみたいなんだな。」
「そうなんだ。」
入れ替え戦後にどっか行っちゃったんだよねあいつ。
別に放っておいても良いと思うんだけど、あんな似非は。
『でも自棄になって何しでかすか分らないよ〜?』
大した事は出来んでしょ?
馬鹿な事したら、もれなくはやてとなのはからダブルで『O・HA・NA・SHI♪』されると思うし。
と、でさ十代は今は居ないんだけど如何すんの?待つ?
「う〜ん…はい、待ちます♪」
「じゃあ、中にどうぞ。良いよね翔君、隼人?」
此処十代の部屋だし。
「良いすよ?」
「構わないんだな。」
つー事でどうぞ。
レッド寮は狭いけど、掃除はちゃんとやってるから安心してね。
「はい、おじゃまします♪」
何か、ゆっくりした子だね〜。
で、待つ事20分!
「「ただいま〜!」」
おっかえり〜、エリート(笑)居た?
「「え?」」
「『え?』じゃなくて、地上目の事探しに行ってたんじゃないの?」
「「あ。」」
……もしかして忘れてる!?
いや、アンタ等何しに出掛けたんだよ!
つーか、何してたの!?
「デュエルしてた。」
「誰と?」
「サルや。」
「「「サル!?」」」
「おサルさんですか?」
何故にモンキャーとデュエルなんぞしてんの!?
てかサルってデュエル出来んの!?
「SAL研究所って所で人工的に改造されたデュエル猿やったのよ。
女子生徒人質にとって『脱走させろ』て……まぁ、十代がデュエルできっちり話しつけて野生に戻ってったけどな。」
「結構強かったぜ?」
「さいですか。」
動物の改造とか何してんのこの学園?
いや、アカデミアの設立者が『アノ人』だからある意味なんでもありか?
………うん、深く考えんのやめとこ。
時に十代、アンタにお客さん。
「俺に?」
「こんにちは、十代君。」
「おう!……って誰だっけ?」
――ドンガラガッシャ〜ン!
「なに王道なボケかましてんねん!」
「アニキ、其れはないっすよ〜〜!」
「お約束過ぎなんだな〜〜!」
「てか、同学年の人の名前くらいは覚えようよ!」
『十代…君って奴は本当にデュエル以外は仕方ない奴だね。』
『お前も大変なんだな…』
ユベルとリインも呆れてるって。
「宮田ゆまです。よろしくおねがいします♪」
「「「「普通に自己紹介した!?」」」」
ゆまちゃん…出来るな。
「十代のナチュラルボケを、ナチュラルに流すとは只モンとちゃうな…」
「出来るねマジで…。じゃなくって!何か用が有ったんでしょ!?」
「はい。あの…十代君、私とデュエルしてください。」
ようやく本題か…てかデュエルの申し込みだったのね。
まぁ、十代だったら…
「良いぜ!デュエルなら大歓迎だ!」
だよね。
デュエル脳(純国産・天然物)は24時間営業。
早速始める?
夕飯まではマダマダ時間あっからね?
「おう!早速始めようぜ!」
「はい、宜しくお願いします。」
取り合えず室内じゃ狭いから外出ようか?
ん?そう言えば…
「ゆまちゃんのデッキって確か…」
「そう言えばそうやったな?ふむ…こら中々面白いデュエルになるかもな?」
だね、期待大でしょう!
さて、十代はどんな顔するかね?
――――――
Side:十代
へへ、態々デュエル申し込んで来るなんて面白いじゃないか。
どんなデュエルを見せてくれるのか楽しみだぜ。
「デュエル!」
「でゅえるっ!」
十代:LP4000
ゆま:LP4000
「先攻は貰いますね十代君。私のターン!私は…『E・HERO バブルマン』を守備表示で召喚します。」
E・HERO バブルマン:DEF1200
「E・HERO!?」
ゆまもヒーローデッキなのか!
「はい。同じヒーローデッキ使いとして、一度十代君とは戦ってみたかったんです。」
「そうだったのか。」
此れは負けられないぜ!
「バブルマンの効果発動。召喚成功時に私のフィールドにバブルマン以外のカードがない場合2枚ドローできます。
この効果で2枚ドローして…行きますよ。魔法カード『融合』!手札のエッジマンとワイルドマンを融合。
融合召喚、お願いしますね『E・HERO ワイルドジャギーマン』♪」
「ウオォォォォォ!」
E・HERO ワイルドジャギーマン:ATK2600
バブルマンのドロー効果で手札増やして、融合で行き成り上級モンスターか。
そうこなくっちゃな!
「カードを1枚伏せてターンエンドです。」
「俺のターン!」
へへ、良い手札だ。行くぜゆま!
「『E・HERO エアーマン』を召喚!」
E・HERO エアーマン:ATK1800
「『HERO』を手札に加える効果を選択して、エアーマンの効果発動!デッキから『E・HERO ウェイブマン』を手札に加えるぜ!」
HEROの戦いなら此れはやっぱり外せないぜ!
「魔法カード『融合』!手札のウェイブマンとブルーメの2体を融合!
乾いた大地より現れしヒーローよ、大いなる力を今こそ揮え!融合召喚『E・HERO ガイア』!」
「ムォォォォォォォ!!」
E・HERO ガイア:ATK2200
「来ましたね、十代君の融合HERO!」
「お前が融合HERO見せてくれたんなら、俺だって負けてられないさ!行くぜ、ガイアの効果発動!
融合召喚に成功したとき相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を半分にしその数値分パワーアップ。
この効果でガイアが攻撃力の半分を吸収するのはワイルドジャギーマンだ!」
「く…矢張りガイアは強力ですね…。」
E・HERO ガイア:ATK2200→3500
E・HERO ワイルドジャギーマン:ATK2600→1300
へへ、融合なら負けないぜ!
「更にウェイブマンが墓地に送られた事で効果発動!デッキから『融合』を手札に加えるぜ!」
行くぜ、バトルだ!
「ガイアでワイルドジャギーマンに攻撃!『コンティネンタルハンマー』!」
「ウオォォォ!」
――ドガシャァァ!!
「きゃぁぁぁ!!流石は十代君…行き成り強力です…!」
ゆま:LP4000→1800
「HERO同士のデュエルなんてそれだけでワクワクして来ないか?テンションがあがるぜ!」
「それは、そうですね。私もワクワクドキドキです。」
だよな!
「まだ行くぜ!エアーマンでバブルマンに攻撃だ!」
――ズバァァァ!
「バブルマンは守備表示なのでダメージは受けません。でもこれで此れが使えます!トラップカード『ヒーロー・シグナル』!
私の場のモンスターが戦闘破壊されたとき、デッキからレベル4以下の『E・HERO』を特殊召喚します。来て下さい『E・HERO フェザーマン』!」
「ハァ!」
E・HERO フェザーマン:ATK1000
ヒーロー・シグナルか。
1回目の時に発動させなかったのは確実にフィールドにモンスターを残す為…へへ、やるじゃないか!
「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ。」
「私のターン!魔法カード『融合』!」
お、又『融合』か!?
引きも強そうだな。
「フィールドのフェザーマンと、手札のバーストレディを融合します。お願いしますね『E・HERO フレイム・ウィングマン』!」
「オォォォォォ…ハァ!!」
E・HERO フレイム・ウィングマン:ATK2100
「更に魔法カード『H−ヒートハート』を発動。この効果でフレイム・ウィングマンの攻撃力を500ポイント上げ、貫通効果をつけます。」
フレイム・ウィングマン:ATK2100→2600(貫通効果)
返しでガイアを超えてきたか。
それに『フレイム・ウィングマン』…相手にとって不足は無いぜ!
「行きますよ十代君!バトルです。フレイム・ウィングマンでガイアに攻撃!『フレイム・シュート』!」
――ゴォォォォォ!
「うわっ!!」
十代:LP4000→3600
「そして、フレイム・ウィングマンの効果発動です。
相手モンスターを戦闘で破壊し墓地に送った時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与えます!」
「のわっ!!く〜〜〜結構効くぜ…!」
十代:LP3600→1400
ライフを逆転されちまったけど…簡単には行かないぜ!
「トラップ発動『ヒーロー・シグナル』!この効果でデッキから『E・HERO ワイルドマン』を特殊召喚!」
E・HERO ワイルドマン:ATK1500
「十代君もそのカードを…!なら、カードを1枚伏せてターンエンドです。フレイム・ウィングマンの攻撃力も元に戻ります。」
E・HERO フレイム・ウィングマン:ATK2600→2100
強ぇ…!
コイツ、のんびりとした話し方やおっとりとした見た目からは想像出来ないほど強い…!
『ふふ、楽しんでるね十代?』
当然だろユベル、こんなデュエルは楽しまなきゃ損だぜ!俺のターン!
「マジックカード『融合』!フィールドのワイルドマンと、手札のオーシャンを融合!
荒波を超えた戦士よ、大海の息吹を世界に示せ!融合召喚『E・HERO ワイルド・フィッシャーマン』!」
「ヌオォォォォ!」
E・HERO ワイルド・フィッシャーマン:ATK2500
コイツならフレイム・ウィングマンにも勝てるぜ!
「バトル!ワイルド・フィッシャーマンでフレイム・ウィングマンに攻撃!
そしてこの瞬間にワイルド・フィッシャーマンの効果発動!攻撃対象にしたモンスターの攻撃力を800ポイントダウンさせる!」
「そんな!」
E・HERO フレイム・ウィングマン:ATK2100→1300
「バトル!ワイルド・フィッシャーマンでフレイム・ウィングマンを攻撃!『フィッシャーマンバスター』!」
「其れは通しません!カウンタートラップ『攻撃の無力化』。これでバトルを終了です。」
止められたか。
フィッシャーマンの効果が消えてフレイム・ウィングマンの攻撃力も戻っちまった。
E・HERO フレイム・ウィングマン:ATK1300→2100
「カードを1枚セット。エアーマンを守備表示にしてターンエンドだ。」
E・HERO エアーマン:ATK1800→DEF300
「私のターン。魔法カード『融合回収』を発動して、墓地から『ワイルドマン』と『融合』を手札に加えますね。
そして『融合』を発動。フレイム・ウィングマンと手札のスパークマンを融合します。」
!その融合は…!!
「融合召喚、来て下さい『E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン』!」
「ハァァァァァァァァ!!!」
E・HERO シャイング・フレア・ウィングマン:ATK2500
「おぉ!来たか『シャイニング・フレア・ウィングマン』!E・HERO屈指の火力モンスターじゃないか!」
「これが私のデッキの最強のモンスターです。当然効果は知ってますよね?」
勿論だぜ。
シャイニング・フレアは…
「フレイム・ウィングマンの効果に加え墓地の『E・HERO』1体に付き攻撃力が300ポイントアップだろ?」
「はい♪私の墓地のE・HEROは6体ですから、攻撃力は1800ポイントアップです。」
「ムオォォォォォ!」
E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン:ATK2500→4300
攻撃力4300――こいつは強いぜ!
来い、ゆま!
「行きますよ十代君!シャイニング・フレア・ウィングマンでワイルド・フィッシャーマンに攻撃『シャイング・シュート』!」
――ガァァァァン!!
「やりました!攻撃が通りました!私の勝ちですか?」
「いや、其れはどうかな?」
十代:LP1600
E・HERO ワイルド・フィッシャーマン:ATK2500
「え?如何して無事なんですか?其れにライフが…」
「このカードを発動したのさ。トラップカード『エレメンタル・チャージ』。自分フィールド上の『E・HERO』1体に付きライフを1000ポイント回復する。
俺のフィールドの『E・HERO』は2体、2000ポイントのライフを回復したんだ。
更に手札から『E・HERO ガード・マスター』の効果を発動し、ワイルド・フィッシャーマンを戦闘破壊から護ったのさ!」
「ふわぁぁ…凄いです!こんなにワクワクするデュエルは初めてですよ!」
そうか?なら良かったじゃないか!
デュエルは楽しまなきゃ!
「そうですね。私はこれでターンエンドです。」
「俺のターン!魔法カード『壷の中の魔術書』、互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする。
…行くぜゆま!今度は俺の番だ、魔法カード『二重融合』発動!ライフを500ポイント払い融合を2回行うぜ!」
十代:LP1600→1100
「連続融合ですか!」
「おう!先ずは手札のバーストレディとレディ・オブ・ファイアを融合!来い『E・HERO ヒート・ヴァルキリー』!」
「はぁぁぁぁぁ!」
E・HERO ヒート・ヴァルキリー:ATK2000→3200
更にもう1発!
「そしてヒート・ヴァルキリーと手札のスパークマンを融合!
今、光の衣を纏い炎熱と雷光を宿すヒーローが降臨する!融合召喚、現れろ『E・HERO シャイニング・ヒート・ヴァルキリー』!」
「てやぁぁぁぁぁ!!」
E・HERO シャイニング・ヒート・ヴァルキリー:ATK2500
シャイング・フレアに真正面から対抗するにはお前しか居ないぜ!
シャイニング・ヒートの効果!
「俺のフィールドと墓地の『HERO』1体に付き攻撃力が200ポイントアップ!
俺のフィールドと墓地の『HERO』は合計11体、よって攻撃力は2200ポイントアップ!」
「ふぅぅぅぅ…!」
E・HERO シャイニング・ヒート・ヴァルキリー:ATK2500→4700
「攻撃力がシャイング・フレアを超えました!…凄いです。本当に凄いですよ十代君!」
「へへ、お前もな。けど、此れで決めるぜ!
シャイング・ヒート・ヴァルキリーでシャイング・フレア・ウィングマンを攻撃!『シャイニング・ドライブ』!」
――ドゴォォォォォン!
「きゃぁぁぁ!!」
ゆま:LP1800→1400
「シャイニング・ヒートの効果!戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターのレベル×200ポイントのダメージを与える。
シャイング・フレア・ウィングマンのレベルは8、1600ポイントのダメージを与えるぜ!」
「ふえ!?え、きゃぁぁぁ!!」
ゆま:LP1400→0
「いよっしゃ〜〜〜!!」
激・勝利!!
楽しいデュエルだったぜ!
「はぅ…負けちゃいました…。でも、凄く楽しかったです。ありがとうございました♪」
「おう!また何時でもデュエルしようぜ!」
「はい。」
――――――
Side:はやて
「いや〜見事なデュエルやった〜。如何でした解説の裕奈はん?」
「息もつかせぬ目まぐるしい展開に、互いに『E・HERO』を使いつつもミラーマッチでないデュエル…非常に素晴らしかったと思います。」
「…2人とも何してんすか…」
いや〜、あんましにも良いデュエルやったからつい『解説ごっこ』を。
翔君も良いデュエルやったと思うやろ?
「そうっすね。アニキは勿論だけど、ゆまさんもアニキに引けを取らないほど強かったし『HERO』同士の戦いは見応えがあったっす!」
「それに、さっきも言ったけどミラーじゃないからよけいにだよね。同じコンセプトでも全然違うデッキになるし。」
それが個性って奴や。
十代には十代の、ゆまちゃんにはゆまちゃんの『ヒーローデッキ』がある。
せやからデュエルは面白いんや。
時に地上目はどないしたろ?
放置しとくと碌な事が無い気がするんやけど…
「放置で良いんじゃね?つか、少し荒波に飲まれたほうがいいと思うんだけどあいつは…」
「まぁ、言えてるわな。ほな放置でえぇか。」
アノ手の輩はしぶとく生きるのが世の常やからな…
To Be Continued… 
*登場カード補足
二重融合
通常魔法
500ライフポイントを払って発動する。このターン下記の効果を2回行う事ができる。
手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた 融合素材モンスターを墓地へ送り、
その融合モンスター1体を エクストラデッキから特殊召喚する。