Side:はやて


よっしゃ!!デュエルは大勝利や!!――って、うん?



「美寿知……お前は――許してくれ、私は愚かな兄だった……妹を救う事も出来ず、闇の言いなりになってしまった、最低の愚者であった。
 だから……」

「其れだけで充分ですよ兄さん。
 今は彼女達に我等の思いを託し、未来を望みましょう……光を信じましょう――きっと、その先に、兄さんの進むべき道が有る筈ですから。」

「美寿知…」



あ~~~~~……何処から現れたかは知らんけど、此処で美寿知が登場して斎王を説得か……上々の働きやで。――やけど、なんか嫌な予感
がするなぁ?



――ドガァァァァァン!!!



って、爆発やと!?嫌な予感の正体は此れか!!
世界が終焉を迎えるからって事で、覚悟してたんやろけど、自分が負けたらビル爆破って、どんな自爆テロやねん!この最強のトンパチ野郎!!

取り敢えず、世界が元に戻った暁には、海馬社長にシバかれるのは間違いないやろな。――ともあれ、先ずは此処からの脱出やな!!












遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX208
『矛盾の襲撃~Time Paradox~』











Side:遊奈


と、取り敢えず避難成功だけど、KCビルは本格的に燃えてるから油断は出来ねーわね――負けた時には道連れにする心算だったて訳かい!!
ある意味で敵らしいと言えばそうだけど、此れ事が解決したら、斎王どうすんだろ?社長にシバかれるだけじゃなくて、相当額を弁償しないとなら
ねーと思うんだけど……まぁ、自業自得だから良いか。

「あ~~~……其れなりに煙吸っちゃったし、結構煤喰らったね此れは?」

「まぁ、誰も怪我せんと、服も燃えなかっただけ儲けモンやろ?
 卒業間近や言うのに、改めて制服買い直すなんて余計な出費以外の何モンでもないからなぁ?煤なら、洗濯すれば落ちるモンやしね。」

「でも、ビルの爆破に巻き込まれて、しかも脱出できるなんて、中々出来る体験じゃないよなぁ?ある意味で、貴重な体験だったんじゃないか?」

「いっそ、その能天気が羨ましいぞ十代。マッタク貴様と言う奴は。
 だが、斎王を倒した以上、俺達が此処に居る意味はないが、アカデミアに戻る前に、各自デッキを確認しておいた方がいいだろう。
 斎王は、はやてのデッキにアンチカードを仕込んでいた、なら俺達のデッキに、確認の際にアンチカードを紛れ込ませた可能性があるからな。」



其れは確かに。そんなモンが入ったままデュエルってのは危険だから、確認しときますか。
さて、ドレドレ……うげ、他のモンスターが出せなくなる『超魔神イド』かよ!此れを『転移の勅命』で出されたら堪ったもんじゃねーわ本気で!!
十代と準は如何だった?



「『融合禁止エリア』かよ!冗談じゃないぜマッタク………マスク・チェンジだけじゃ戦術が狭くなるじゃないか!」

「『生贄封じの仮面』か……モンスターの特殊召喚は出来るとは言え、事実上『光と闇の竜』が封じられるのは、流石に痛いモノが有るな。」



やっぱしアンチカードが入ってたか!……私のイド以外は、微妙に中途半端な気がしなくもないけどね。
取り敢えず、これらのカードはデッキから抜いて、アカデミアに戻ったら店長に渡してシングルカードとして売って貰うとしよう。其れが安全だし。

「んじゃ、アカデミアに――ん?」

「どないした遊奈?」



いや、なんか変な感じが……いや、何か強い力が近づいてる――其れこそ、神に匹敵するだけの力を持った何かが近づいてる!!……来る!



『ギシャァァァァァァァァァァァァ!!!』
サイバー・エンド・ドラゴン:ATK4000


『ガァァァァァァァァァァァァァァ!!』
オーロライト・ギャラクシー・ドラゴン:ATK4000



「な、此れは!!」

「カイザーとヨハンの最強モンスター!!何で其れがこんな所に!!」

「此れは……あそこを見ろ、誰か居るぞ!KCビルの青眼像の上に!!」



の野郎……行き成り何してくれんのよ!!
青眼の白龍の彫像の上に……居たーーーーー!!長身で、金髪で、白黒二色の仮面を装備した、見るからに不審人物な変態仮面1号が!!

おいコラ、テメェ、其のカード何処で手に入れた!返答次第じゃ容赦しないぜ!!



「……やれ!」

『ゴォォォォォォォォォオォォォォォォォォォ!!』

『ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァア!!』



うぇ~~い、話を聞かずに攻撃かい!人の話は聞かなきゃ駄目って、お母さんに教わんなかったのかアンタは!!てか、行き成り攻撃すんな!
つっても、流石に真面に喰らったらヤバそうだから、頼むよ朝倉!!



OK!任せなさいって!
ヴァルキリー・ジャーナリスト:ATK2700


「煉獄の祝福の力を見せたれや、アインス!!」

御意に!
煉獄騎 リインフォース・アインス:ATK2700


「HEROの力を見せてやる!ネオスを召喚!!」

好きにはさせないぞ!
E・HERO ネオス:ATK2500


「迎え撃て、光と闇の竜!!」

『グオォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!』
光と闇の竜:ATK2800



――バガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアァァァァァァァ!!!!




攻撃力4000を2体従えたからって良い気になるなよ変態仮面?
悪いけど、私等のカードに宿った精霊は、ステータスでは負けても、精霊の格としては、其の2体よりもずっと上だから正規のデュエルじゃ無けれ
ば負ける事はねーよ。



「成程な……ならば、此れは如何だ?」

『ショアァァァァァァァァッァアァァアァァァ!!!』
スターダスト・ドラゴン:ATK2500




んな!?スターダストですってぇ!?
私のデッキの中核を成す、神をも超える守護の龍を!?……うぅん、似てるけど同じじゃないわ。だけど、スターダストである以上その力は!!!
星の力を宿した龍が相手じゃ、朝倉達じゃ太刀打ちできねぇっての!!――スターダストに打ち勝つには、コイツしかねぇ!

「迎え撃て『破潰神 オベリスク』!!」

『ムゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!』
破潰神 オベリスク:ATK4000



「破潰神 オベリスク?………ククククク……クハハハハハッハハハハハハハハハハ!!!
 カードを奪う心算で襲った相手の1人が、まさか未来に名を残す伝説のデュエリストの1人だったとは、嬉しい誤算だ――初代決闘王・武藤遊戯
 以外で、唯一三幻神全てを従えたデュエリスト、明石遊奈よ!」



は?未来に名を残す伝説のデュエリストって、私ってそんな有名人になってんのかい!
ってーと、目の前のコイツは未来からやってきた未来人で、その目的は過去に干渉して未来を変えようとしている……OK、有罪確定、断罪上等。
過去を変えるとか言語道断だけど、其れ以前にアカデミア四天王の私等に、喧嘩売った時点で撃滅一択!!



「やってみろ!薙ぎ払えスターダスト!!」

『コアァァァァァァァァァァァ!!!』



上等!叩き潰せオベリスク!ゴッドハンド……



「其処までだパラドックス!トラップ発動『くず鉄のかかし』!スターダストの攻撃は無効にさせて貰うぞ!!」

「……はい?」

「バイクにデュエルディスクが搭載されてるのかアレ?」

「何者だ?」

「分からんけど、ヘルメットの下の素顔は、メッチャイケメンな気がする。てか、絶対イケメンで間違いやろな。」



はやて……まぁ、確かに声を聞く限りイケメン系なのは否定しないけど、誰この人?――此の変態仮面1号と知り合いみたいだけど……



「フン……赤き竜の力で時を超えて来たか、不動遊星。
 まぁ良い、此れ位の事は想定内であるし、この時代での最低限の目的も果たした。――この場は退散させて貰うぞ、不動遊星。」

「待て、パラドックス!!」



――シュン!



消えた!?……いや、別の時間軸に移動したのね。何を企んでるのかは知らないけど、間違いなくとんでもない奴なのは確定してるわアレ!!
それで……アンタは?あ、ヘルメット取ったらマジでイケメンだ此れ。



「俺は、不動遊星。奴を追って、未来からこの時代に来ました。」

「未来からって本当か!?だとしたらスゲぇ!!
 俺は遊城十代!宜しくな、遊星!!」

「万丈目準だ。」

「八神はやてや、よろしゅうな♪」

「明石遊奈、宜しくね遊星――って、如何したの?」

「八神はやてと明石遊奈……まさか、遊奈とはやての若い頃なのか!?」



へ?私等の事知ってるの遊星は?



「子供の頃から随分と世話になったし、遊奈からはデュエルを教えて貰ったからな。俺にしてみれば、マーサ同様母親みたいなモノだ。
 ……尤も、如何言う訳か、見た目が今とあまり変わらないんだけどな。」

「……なんか、私等歳とっても若いままみたいっすよはやてさん?」

「年相応に老いない……其れはリリカルキャラと赤松キャラの常識やで遊奈さん。」



サイですか、でもってメタ発言をどうも。
そんで、遊星は何で此処に?パラドックスとか言う変態仮面を追って来たみたいだけど、未来で何かトンデモナイ事が起きたとか、そんな感じ?



「アイツが使ったスターダスト・ドラゴンは、元々俺のカードだったんだが、奴に奪われてしまった――そして、未来では世界が崩壊を始めたんだ。
 俺は其れを止め、スターダストを取り返す為に赤き竜の力で時を超えて来たと言う訳だ。……何よりも、アイツは『デュエルモンスターズを抹殺す
 る』って言う、危険な事を言っていたからな。」



知り合いどころか敵だったか此れ!!
しかもデュエルモンスターズ抹殺って、確実に嫌な予感しかしねーんだけど……準、万丈目グループのデータバンクにアクセスして、ペガサス会長
が過去でどうなったか調べて!



「あぁ、任せろ。データの蓄積量ならば海馬コーポレーションに引けは取らないからな。
 ペガサス会長は………馬鹿な、此れは一体如何言う事だ!?――此れが事実なのだとしたら、俺達の前に現れた会長は一体何者だ!?」

「まさか、既に過去は書き換えられてもうた!?」

「そんな、冗談じゃないぜ!!」



確かに冗談じゃねーよ……ペガサス会長が、過去に事故で死亡していたなんて言うのはね!!
もしも此の過去が現実になったら、ネオスもオベリスクも存在しない事になっちゃうじゃんよ!!そんなのは、絶対に御免だっての!ガチでね!!

だけど、其れを阻止するには過去に遡らなきゃなら無い訳だけど……上等だっぜ黒白変態仮面!!絶対にアンタの思惑通りにはさせねーよ!!


遊星と一緒に過去に飛んで、そんでもって叩きのめす!!


デュエルモンスターズは抹殺させねーよ、絶対にね!!













 To Be Continued… 






*登場カード補足