Side:遊奈
さてと、取り敢えず此れまで分かってる事を纏めると――
・記憶障害を発症した生徒のデッキには、闇の力が宿ったカードが入っていた。
・ミスターTとか言う変態オヤジは、その闇と何らかの関わりがある。
・吹雪さんの同級生である『藤原優介』は、闇の力を何らかの形でその身に宿し、その影響で吹雪さんはダークネスと化した。
・私達の前に現れた『藤原優介』は、藤原が使っていたカードに宿っていた精霊『バルログ』が変身して居た物だった。
可也ザックリではあるけど、大体こんな所でしょ大まかにまとめると。細分化すれば、もっと色々あるんだろうけど、其れは幾ら何でも面倒くさいからね。
其れ以前に、細分化とかは私の性に合わねーし。
「その気持ちは良く分かるで遊奈……私も前世では、書類処理とかメッチャ嫌いで、殆どツヴァイに押し付けとったからなぁ……いいや、私だけやなく
なのはちゃんも書類処理は壊滅的に苦手で、殆どフェイトちゃんにやってもろてたからね!!」
「大きく間違ってなければ、適当で良いんじゃないか?細かく書くのも面倒だし。」
「其れでは駄目だろう!……と言いたい所だが、確かに細かい事を書くのは面倒だからな――寧ろ、此れが普通だと思うのが問題かも知れんがな。」
まぁ、四天王でも、アタシとはやてと十代は完全な『感覚派』だからしかたねーって。準は『感覚』と『理論』が良い感じで混ざってる感じだけどね。
兎に角、あの変態親父はまた現れるだろうから、出てきたら叩きのめしてやるわ!!
遊戯王×リリカルなのは×ネギま 夜天と勇気と決闘者 GX194
『Shall We Duel-ペアデュエルの招待状』
と、気合は入れたモノの、私が復活して数日が経つけど、今は平穏其の物ね。
何時も通りに授業を受けて、何時も通りにご飯を食べて、授業が終わったら店長の店に入り浸って夕食の時間まで仲間達とデュエルを繰り返すって言
う代り映えのない日常だけど、其れがとっても大切に感じるわ。
それに、放課後に店長の店に集まってのデュエルは一日の楽しみだからね!
「行くわよ!ブリザード・プリンセスで、磁石の戦士Σ+に攻撃!!」
「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
三沢:LP500→0
んでもって、今のデュエルは明日香が三沢を圧倒して大勝利!!
流石は明日香、準と肩を並べるオベリスクブルーのトップだけはあるわね?アカデミア女子でも5本の指に入る実力者なのは間違いないんじゃない?
「如何かしら?
己惚れる訳じゃないけど、私は弱くはないと思う――だけど、遊奈とはやてに勝てるかと問われたら、素直に首を縦に振る事が出来ないのも事実よ。
此れまでにも、こうして放課後にデュエルをする事はあったけど、貴女達2人には、1年の頃から1度も勝った事が無いんですもの。」
「そうは言っても、いっつも僅差の紙一重やん?
こう言っちゃアレやけど、ブリザードとサイバー・ガールって言う2種類のデッキを完璧に使いこなす事が出来る言うのは凄い事やと思うで?
私等やて、デッキはちょくちょく調整すれども、使うデッキは1種類やからなぁ?」
「其れは……だけど、そんな事を言ったら、三沢君なんて6種類ものデッキを使い熟してるのよ?私よりも凄いんじゃないのかしら?」
あぁ……まぁ、そうかも知れないけど、三沢の場合はタクティクスが上の下って所で、明日香の場合は上の上じゃない?その差ってデカいと思う訳よ。
もっと言うなら、ほら三沢の場合は存在感が薄いから、凄い事しても印象に残らないと言うか何と言うかね?
「酷いなオイ!!」
「あ、居たんだ?」
「居たよ!!って言うか今の今まで天上院君とデュエルをしていたじゃないか!!」
「なにぃ!明日香の相手は三沢君やったんか!」
「……実にワザとらしいが、此処までネタにされるとなると、ある意味で表彰モノだな三沢は……」
「そんな事で表彰されても嬉しくないよ!!」
だろうね~~~。
てかさ、アンタ決して弱くないんだから、もっとこう個性を磨け個性を。言うならばキャラ立てなさいって。
自分で言うのもなんだけどね、此れだけ個性の強い面子が揃ってるんだから、もっと強烈に自分を前面に押し出さないと、マジでアンタはエアーマンに
なっちゃうよ?只でさえ『三沢居たの?』が、アカデミア全体に広まりつつあるんだから!!
「そんなの嫌すぎる~~~!!」
「だから頑張らなあかんよ三沢君!!」
「いや~、盛り上がってるザウルスな?」
「やっぱり此処に居たんだな姉御。」
何てバカをやってたら、現れたのは剣山君と岬。
如何したのよ?今日はデュエルに誘っても『他にやる事が有るから』って、2人にしては珍しくキャンセル入れて来たのに。やる事が終わったって事?
「まぁ、そうとも言えるぜ?
実はさ、3学期の一大イベントを考えてて、今日は其れの開催許可を学園長に貰いに行ってて、其れでデュエルには参加しなかったんだよ姉御。」
「そうだったんだ?
でも、其の3学期の一大イベントって言うのは気になるじゃない?学校行事として卒業デュエルは決まってるけど、何を企画してくれたのかしら?」
「よくぞ聞いてくれたドン!!
今度の土曜日、午後5時から、講堂で『デュエルパーティ』を開く事になったザウルス!!」
「「「「「「「「デュエルパーティ?」」」」」」」」
何それ、めちゃそそられる響きなんですけど!?
「基本的には立食式のパーティなんだけど、その中のイベントとして『ペアデュエル大会』を企画してんだ。
コンセプトは『卒業生vs在校生』で、卒業生は卒業生としか、在校生は在校生としかペアを結成できないルールで、ペアそのものも当日にパーティの
参加者がイベント前に自分で見つけるって言うルールで!」
「其れで、流石にアニキ達四天王が全員参加したら、誰も勝てなくなっちゃうから、四天王の中から参加できるのは1名のみで、一番先に他の参加者
から指名を受けた人だけが参加できるザウルス。」
へ~~?其れは其れは……中々面白い事を考えたじゃないの岬と剣山君は?此れは、私達卒業生にとってはとっても良い思い出になると思うわよ?
流石は卒業アルバム政策実行委員会の委員長と副委員長、粋なイベントを企画してくれるじゃないの♪
「確かに面白そうだぜ!!!俺達は確実にデュエル出来る訳じゃないけど、面白いデュエルは見るだけでも価値があるから、楽しめそうだぜ!」
「在校生が、ドレだけレベルアップしたのかを知る事も出来るからな。」
「誰が選ばれても恨みっこなし。選ばれたら、最高のデュエルをするだけやな♪」
勿論その心算よ!!今度の土曜日が楽しみになって来たじゃない!!
願わくば、強化完全復活を果たした、此の遊奈ちゃんが選ばれて欲しいもんだけど、其れは時の運だからねーーー?まぁ、楽しみにしておきましょう!
「………」
「ん?どったの明日香?」
「あ……うぅん、何でもないわ。ちょっと考え事をしてただけ。」
そうなの?まぁ、悩みがあるなら遠慮しないで相談しなよ?
的確なアドバイスが出来るとは限らないけど、聞いてやる事で悩みを軽減させてやる事は出来ると思うからさ――何よりも、私等は友達なんだからさ。
「そうね……如何にもならなくなりそうだったら頼らせて貰うわ。」
「OK!ガンガン頼ってきなさいって!!」
事と次第によっては、私の元気を分けてやっからさ!!
元気は最強!!元気が一番!!元気が有れば何だって出来る!!――此れってある意味で、人生の真理だって思ってるからね、私は♪
――――――
Side:明日香
はぁ……遊奈にはあぁ言われたけど、将来の進路の事って言うのは中々相談できない物よね?
卒業後、アカデミアに研修生として残るのか、それとも北米のデュエルガレッジに留学するのか……どちらとも決められないでいるのが現実なのよね。
デュエリストとして高みを目指すなら間違いなく留学なんだけど、其れと同時に私の中には『後人を育成したい』って言う思いもあって、其れだと研修生
としてアカデミアに残るのが最上……正直選ぶ事が出来ないわ。
そしてそんな状態のまま、土曜日になり、デュエルパーティが開催された。
此れに参加すれば、気持ちが吹っ切れるかと思ったけど、如何やら其れも期待できなさそうね……ソロソロ、メインイベントのペアデュエルの時間か。
『さぁて!!其れでは此れより、今宵のパーティのメインイベントである『ペアデュエル大会』を開催するザウルス!!
事前に公表しておいた通り、出場者には、此れからペアを決めて貰うザウルス!!』
『どんなペアが出来上がるのかワクワクだが……卒業生の中で、一番の注目株と言えば、やっぱりこの人だろ!!『天上院明日香』先輩だ!!』
……え?
『ルールにより、四天王は1人しか参加できないザウルスから、そうなると明日香先輩が、一体誰をパートナーに選ぶのかに興味が湧いて来るドン!
さぁ、明日香先輩は、一体誰をパートナーに指名するザウルス?』
『コイツは興味津々だぜ!!』
あ、私!?私なの!?
そんな、行き成り注目されても困るわ!!それに、誰をパートナーにって……ペアデュエルに出場するかも決めてないのに……スポットが当てられて
此れは、どうやっても参加するしかないじゃない!!
しかも私が誰をパートナーに選ぶ事に興味があるなんて……此れじゃあ下手な相手は選べないわね。
でも、そう言う事なら、私のパートナーは――
「Shall We Duel Yu-na?(デュエルして貰えるかしら遊奈?)」
「I'm enough by all means.(私で良いならば、是非。)」
貴女以外には居ないわ遊奈。
様々な効果を持ったシンクロを使い熟し、更には神と邪神をも従えた、アカデミア最強のデュエルリスト――卒業までに、一度タッグを組みたかった。
その夢が、今叶ったわ。
――――――
Side:遊奈
まさか、明日香から直々に指名を受けるとは思って居なかったわうん。兎に角そんな訳で、四天王の代表として行ってくるわね♪絶対勝って来るわ!
「あ~~~遊奈だったか!!俺もデュエルしたかったぜ!!」
「まぁ、天上院君が選んだのが遊奈だったんだ、だったら俺達は2人のデュエルを楽しませて貰おうじゃないか。」
「遊奈ちゃんと明日香のタッグ……何やろう、途轍もない強さを発揮しそうな気がするわ!!」
ま、私も明日香と組むのは初めてだから、ワクワクしてるけどね――取り敢えず、此の大会の間は宜しくね明日香!
それと、私を選んでくれた事には感謝してるよ。
「……其れを聞いて安心したわ。
若しかしたら、私のエゴで、貴女に負担をかけてしまったんじゃないのかって思いは有ったのよ。」
そんなの気にすんなって!
寧ろ、私としては明日香が選んでくれてよかったとすら思ってるんだよ?――だって、意外と楽しめそうだからねこのデュエルは。
だからさ、楽しんで行こうよ明日香?デュエルは楽しむのが基本だぜ?
「其れは――そうかも知れないわ。
だったら、尚の事最高のパフォーマンスをしなくてはならないわね……貴女となら、其れが出来ると思うわ遊奈。最高のデュエルを魅せましょう!!」
「言われるまでもねーっての!!」
『明日香先輩が選んだのは、何と遊奈の姉御!!なんだこの最強タッグ!!』
『果たして、この最強ユニットを止めるペアは存在するのか!?兎に角、ペアデュエル大会始まりザウルス!!』
そして大会開催!!
そんでもって、私等の初戦の相手は……
「ありゃまあ、遊奈ちゃんと明日香ちゃんが相手かい?」
「此れは此れは、ある意味で素晴らしい相手ですね。」
「学園長!?」
「其れにトメさん!?」
なんと、鮫島学園長とトメさんのオジサンオバサンタッグ!!――幾ら何でも、このタッグは予想してなかったわ~~~。ってか予想できるかっての!
明日香だって、余りの想定外の事態に『目が点』になってるじゃないの!!何考えてんの、此の熟年タッグは!!
まぁ良いや、私と明日香のペアの前に立ち塞がる相手は、粉砕して進むだけだからね。そうでしょ、明日香?
「そうね……折角参加した以上は、優勝したいですもの。」
「つまりはそう言う訳で、負ける心算は毛頭ねーので覚悟してね、学園長とトメさん?」
神と邪神を宿した私と、氷の女王たる明日香のタッグがどれ程か、その身で味わって貰おうじゃないの?特に学園長にはタップリ味わって貰うわよ?
兎に角まぁ、始めましょうか?
行くよ!!
「「「「デュエル!!」」」」
遊奈&明日香:LP4000
鮫島&トメ:LP4000
さぁて、闇の力とか、ミスターTとか全く関係ない、純粋なデュエルを始めましょう!!心底楽しませて貰おうじゃないの♪
To Be Continued… 
*登場カード補足
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