Side:はやて


十代とのデュエルで記憶を取り戻した吹雪さんが言うには、如何やら吹雪さんがダークネスと化してしまった事には、大徳寺先生が何らかの関係が有っ
たって言うのは間違いないやろね。

となれば、その本人に話を聞くのが筋ってモンや。
事情を知ってる或は知ってそうな奴に話を聞けってのは捜査の基本やからな!!前世でも、隊長として其れは徹底しとったしね!!!
先ずはファラオをとっ捕まえてからやけど――あのデブ猫、自由気侭にアカデミア島歩き回っとるから、捕まえるのは困難やで?……う~~む……?



「シャマルの旅の鏡でファラオを取り寄せすりゃいいんじゃないか?
 ファラオの魔力反応は兎も角として、大徳寺先生の反応だったら、シャマルなら分かると思うし、其れを手掛かりにファラオが何処に居るか見つけ出し
 て、此処に持って来た方が早くね?」

「……確かに理には適ってる。」

「――お前と言う奴は、本当にこう言う事になると知恵が回るな十代?……お前のような奴は、絶対に敵に回したくないモノだ。」



あはは……準の言う通りやな。
やけど、シャマルの旅の鏡でファラオを『お取り寄せ』するのは悪ないアイディアや。加えて、取り寄せたファラオから『旅の鏡』で、大徳寺先生の魂を抜
き出す事は至極簡単な事やろうからね。

まぁ、一体何が有ったかを知る為には必要な事やから、大徳寺先生――無駄な足掻きをせんと、大人しく出てこいや!!











遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX191
『三度潜入幽霊寮~Ghost dormitory~』










と言う訳で、シャマルの旅の鏡でファラオをお取り寄せして、更に旅の鏡でファラオの中に居る大徳寺先生の魂を取り出して、そしてクラールヴィントで
拘束して準備万端やね。

幾ら魂だけの状態とは言え、シャマルのクラールヴィントを使った拘束術から逃れる事が出来るのはなのはちゃん位やったからね。



『ひえぇぇえぇ~~~、暴力は反対なのにゃ!!平和に、穏便に済ませて欲しいのにゃ~~~!!』

「どうなるかはアンタの返答次第や大徳寺先生。」

吹雪さんが言うには、ダークネスと化してセブンスターズの一員となったしまったのには、アンタが関わってる線が濃厚なんや……って言うか、先ず間違
いなく関わってるやろうからね。

吹雪さんが闇の住人となってしまったその時、アンタは何をしようとしてたんや大徳寺先生?



『……セブンスターズの時にも言ったけど、僕には時間が無かったのにゃ……あのままでは、只『死』を待つだけの存在だったからにゃ。
 僕は、新たなる肉体であるホムンクルスを作る事に躍起なってたのにゃ――同時に、影丸理事長からの依頼も有ったのだけどにゃ。
 でも、何れにしても目的を達成するためには、必要な力が全く持って全然足りなかったのにゃ……僕の命を懸けても尚ね。』



そんな事が……想像するのも難しい事やで此れは。
せやけど、何だって吹雪さんがダークネスになったんやろか?其れが分からへんのよ。



『力が足りないならば如何するにゃ?……一番手っ取り早いのは、手近にあるモノを力として利用する方法にゃ。
 だから僕は吹雪君を選んだのにゃ…その頃の吹雪君は、高いデュエル能力と、僅かばかりの闇の力を有していたからね…其れを利用したのにゃ。』




つまり、吹雪さんは微弱な闇の力を持って居たけど、其れを大徳寺先生が利用して、その挙げ句に吹雪さんはダークネスと化してもうた訳か。……うん
普通に有罪(ギルティ)やな此れは。

まぁ、とっくに魂だけの存在になって、成仏も出来んでいるから、其れで刑の執行とのバーターって事にしとくけどな。
せやけど、そん時には既に吹雪さんには闇の力が僅かでも巣食ってたって言うのは如何言う事や?藤原が関係してるて言ってたけど……?



「其れに付いては断片的にしか思い出せていないんだけど、ダークネスの仮面は藤原から貰った物だったのは思い出したよ。
 そして、僕が其れを手に入れたあの日に藤原はアカデミアから姿を消し、そして特待生寮は不吉な噂が飛び交う『幽霊寮』となってしまったんだ。」

「そうだったのか……って、ちょっと待てよ?それじゃあ、俺達の前に現れた藤原は一体何モンなんだ?
 はやてや万丈目の話を聞く限り、只の人間じゃない事は分かるんだけど、吹雪さんが1年の時に居なくなった奴が、何で今頃現れたんだろうな?」



まぁ、確かに謎やけど、あの藤原はホンモンの藤原やないんとちゃうかな?
あの人外の力を考えると、カードの精霊か、或はそれに準ずる存在が『藤原優介』っていうアカデミアの生徒の姿を模して行動してる可能性は充分にあ
ると思うで?――何が目的かは知らへんけどね。



「……だったら、フブキが闇の力を宿し、そしてフジワラが消えてしまったと言う幽霊寮を捜査してみるのは如何かしラ?
 直接的な手掛かりを得る事は期待できないかもしれないけれド、何らかの痕跡みたいな物は見つかるかも知れないシ、どんな些細な事であっても情
 報を得ておく事は決して無駄にならないと思うワ。」

「私もマックの意見に同意するわ。
 兄さんがダークネスの力を得る事になった発端である幽霊寮は捜査すべきだと思うわ。」

「私もそう思う……如何するはやて?」



まぁ、私もそう思ったから捜査する方向でいこか――あそこの立ち入りには学園長の許可が必要やから、立ち入り認証を貰う所からになるけどな。

しっかし幽霊寮とは……私等はトコトンあの場所と縁があるみたいやね。――でもって、早い所遊奈が元に戻って欲しいわぁ~~~(切実)



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「幽霊寮への立ち入り許可ですか……」

「無理を言っとるのは承知しとります。
 せやけど、アカデミアで起きてる異常事態を解決するためには、幽霊寮の捜査が絶対必要なんです…やから、何とか許可して貰えへんでしょうか?」

「……分かりました。一般生徒ならば許可しかねますが、君達ならば大丈夫でしょう。
 ですが、生徒だけというのは宜しくないので、引率として教師を1人同行させましょう……お願いしても良いですかなクロノス先生?」

「勿論です~ノ!
 大事な生徒達~が、危険な場所に向かおうとしているのに、教師が高みの見物なんて言う事はしていられないの~ネ。」



で、立ち入り許可を申請しに行ったら、思った以上にアッサリと通ったな~~~?しかも、引率にクロノス先生を付けてくれるって言う破格の対応やで。
まぁ、学園が其れだけ今回の事態を重く見てるって言う事の裏返しかも知れへんけどね。

ほな、早速幽霊寮に行こか?
この面子やったら何が有っても如何にか出来ると思うけど、もしもの場合には頼りにしとるからなクロノス先生?



「任せるの~ネ!
 いざという場合に~は、誰が相手であっても私がデュエルで相手をしてあげるの~ネ!!!」

「そら頼もしいなクロノス先生♪」

実際、クロノス先生が本気出した場合の『古代の歯車』はおっそろしい展開力で、攻撃妨害の出来ない攻撃力3000が此れでもかって言う位に並ぶか
らなぁ……実技担当最強の名は伊達やないね。

ともあれ幽霊寮にカチコミかけるで……準備は良いかぁ!!!???



「おう!!!準備万端だぜ!!」

「今更それを聞くな、俺達は前に進むだけだろ?」

「何時でも行けるわ、問題なしよ。」

「OK、何時でも行けるワ。System All Greenヨ♪」

「あぁ、僕も何時でも行けるさ。」

「準備は万端……行こう、はやて。」



ふ……聞くだけ愚問やったな。
ほな行くで幽霊寮に!!!欠片ほどでも、何らかの手掛かりを掴んでやろうやないか!!!!








――――――








Side:遊奈


そんな訳で、やって来た幽霊寮……何度来ても此処は不気味だわ。
早速手分けして捜査開始だけど、目ぼしい物が見つかる確率は凄く低い筈――其れこそ、手がかりらしき何かを見つける事が出来れば僥倖っていうレ
ベルだと思うしね。

十代、何か見つかった。



「見つけたと言えば見つけたけど、3年前のカップラーメンなんてのは手掛かりにはならねぇよな?賞味期限切れてるし。」

「其れは手掛かりにはならないわね。……賞味期限切れてても未開封なら熱湯注げば食べられると思うわよ?

こんな感じで出て来るのは手掛かりに鳴りそうにないガラクタばかり。
でも時たまお宝もあって、初期版の『女剣士カナン』と『ホーリーナイト・ドラゴン』を発掘できたから、あとで店長の店に寄贈しておこうね。

其れは其れとしても、手掛かりに成りそうなものは無さそうだけど……ん?この箱は何だろう?
少しだけ土に埋もれてるけど、箱そのものは其処まで傷んでいない……と言うか、金属製で外が錆びてる以外は全然大丈夫そうだから開けて見ます
かね……中に有ったのは一枚のモンスターカードだったか。

だけどどうしてこれがこんな所に――



「来たか、招かれざる客よ!!」



……この声は……



「藤原!!」

「現れたか、藤原優介――否、その姿を騙った者よ!」

「ちょ~~~っと、O・HA・NA・SHIさせてもろても良いかなぁ?まぁ、アンタに拒否権は無いけどな!!」



はやて其れは何処の肉体言語よ?

けど、其れとは別に現れたね藤原……はやてが物騒なのはこの際無視するけどさ。

だけど、そろそろ正体を明かしても良いんじゃないのかな藤原――否、カードの精霊『バルログ』。
言い逃れは出来ないよ?見つけ出した箱の中からでてきた『バルログ』のカードと、貴方からは同じ波動を感じるから、貴方はバルログで間違いない。

何が目的だったのか、先ずは聞かせて貰おうかな。











 To Be Continued… 






*登場カード補足