Side:遊奈


あふ……と、今日から新学期か……最高学年と言われても何となく実感が湧かねーわね……
取り敢えずはやてを起こさねーと……

「はやて~~、朝だぞ起きろ~~~!
 そろそろ起きないと、寮の朝飯の準備間に合わないよ~~~?」

「……なんや、もうそんな時間か?……もう少し寝たい気分やなぁ……昨日は少しばかりヤり過ぎたわぁ……」


……妙な言い方するなって!
確かに色んなデッキを使っての『99連戦マラソンデュエル』はやり過ぎたと思うけどね!?つーか、アンタ分かって言ってるでしょ!?


「ん~~~?何の事か分からへんなぁ?
 私のセリフから遊奈は何を想像したんやろうなぁ~~?ちょ~~~~と、教えてくれへんやろか?」」

「OK、取り敢えず未だ寝ぼけてるみたいだからバッチリ目を覚ましといた方が良いよね?」

「すんません冗談です、少しばかり調子こきました。せやからその鉄拳を下ろしてくれるとありがたいです。」


宜しい。



まぁ、悪ふざけは此れ位にするとして、今日からの新学期……どんな新入生が来るか――そっちの方が楽しみだっぜ!!はやてもそうでしょ?


「勿論や♪
 早乙女レイちゃんの入学は確定やけど、それ以外に外部からどれだけのデュエリストが来るか楽しみやで?…姉妹校から来るデュエリストも居るしね♪」

「そう言えばそんな事言ってたね?」

だとしたら余計に楽しみ!
アカデミア最後の1年は、どうやら最高に刺激的な1年になるのは間違いなさそうだっぜ!!















遊戯王×リリカルなのは×ネギま  夜天と勇気と決闘者 GX121
『新学期!其れは新たな出会い!』











Side:はやて


てなわけで始業式&入学式な訳やけど……此れは此れは、今年の1年生の外部組は去年以上の粒ぞろいやなぁ?
去年は剣山君と岬ちゃんが特出しとったけど、今年の外部組は特出してるのはおらへんけど、全員が80点言うところ――高い実力者が集まってるな。


「――いつ何時でも相手をリスペクトする精神を忘れぬデュエルをする事を誓います!」


今入学の先生をしたレイちゃんを除いてやけどね。

ぶっちゃけレイちゃんは飛び級やけど、デュエリストとしての実力は並のデュエリストを凌駕する勢い……持ち上がりのブルーやったら瞬殺するやろね。


今年の台風の目になる事は間違いないな。



そしてそれ以上に気になるのが――


『では本年度より新たに仲間となる、姉妹校から出向して来たデュエリストと特別講師を紹介しよう。』


アカデミアの姉妹校からやって来たデュエリスト達――いずれも負けず劣らずの実力者なんは間違いないやろな。

加えて特別講師――恐らくは一筋縄ではいかないやろね。
先ず間違いなく、特別講師としての仕事以上のモノを考えてるとみて間違いない筈や――前世の記憶が『奴には油断するな』て警鐘鳴らしとるし。

てか、それ以前に何やねん、あのトンガリ頭!?
遊戯さんの四方八方に伸びた頭も大概やったけど、アイツのアレは最早凶器やろ!?やろうと思えばあの前髪の一撃でブロック塀でも粉砕できるで!?


「出来るだろうね~……取り敢えず渾名は『暗黒進化スネ夫』で!!」

「言い得て妙ですね……」

「悪くないわねその渾名も……
 まぁ、私的には、今年入学して来た坊や達が、なんとも『美味しそう』で堪らないんだけど……うふふ、たっぷりと可愛がってあげたいわぁ………」


…相変わらずぶれへんなぁ雪乃ちゃんは……この子ホンマに高校生なんやろうか?
この怪しい色気は、危険な香りのする魔性の媚薬そのものやろ……あ、新入生の居る席の一部が真っ赤に染まった――ご愁傷様やな……



まぁ、此れは雪乃ちゃん的には何時もの事やからそんなに気にせんとな。


にしても改めて見ると、姉妹校からは此れはまた層々たる面子を集めたもんやな?
ウェスト校屈指の実力者である『オースチン・オブライエン』。
サウス校チャンピオンの『ジム・クロコダイル・クック』。
2005年度のイースト校チャンピオンにして、ガラム財閥の御曹司の『アモン・ガラム』。


そして――アークティック校チャンピオンの『ヨハン・アンデルセン』。


この面子を見る限りでは、『アカデミア生徒の更なる躍進』を目指した……ように見える。
せやけど、ウェスト校だけがチャンピオンを送り出さずに、上位デュエリストを送り出して来たのには違和感や――コブラもウェスト校の教師やしな。

私の考え過ぎって事なら其れに越した事は無いんやけど……1年次の影丸事変、2年次の光の結社事件を考えると、如何にも何か起こりそうな感じや…



てか、間違いなく起こすやろな、コブラが。

でもって、そのコブラを招いたのは鮫島学園長で……よし、式が終わったらあのオッサンに一発かまして来よう!!


「もちつけはやて、あのオッサンをブッ飛ばしてもどうにもならないし、下手したら退学になるだけで一利なし!
 むしろ、コブラが何か画策してるんだったら、其れを受けた上で完全粉砕してやるのが良いと思います八神最高司令殿!!!」


其れもそうやな?
奴さんが何を考えてるかは知らんけど、面倒な事仕掛けてきたら、全力全壊のカウンターで返り討ちにしたれば良いだけや!!

「んでもって、最終的には『高町式肉体言語術』で頭冷やしたれば万事解決や……」

「おっそろしい事考えてるねぇ……?」

「綺麗事だけやったら、世の中は渡って行けへんのやで遊奈?」

「クックック………お主も中々の悪よのう?」

「いえいえ、お代官様には敵いまへんなぁ?」

「「ふわ~~~~っはっはっはっはっはっは!!!!」」


「この場で時代劇ごっことか、正気かお前等?」

「2人とも面白れぇ♪」


……うおっほん!まぁ、冗談は此処までや準、十代。
せやけど、アイツが何か仕掛けてきたらその時は、全力全壊でブッ飛ばす言うのは冗談やない――平穏を乱されるのは何よりもお断りやからな。


まぁ、着任早々面倒事を引き起こすなんて事はないと思うんやけど――


『……よって今年1年間、諸君等の実技は全て私が担当させてもらう。
 更に此処からは私からのサプライズ――アカデミア本校と、姉妹校代表から各2名ずつを選出してのエキシビジョンタッグデュエルを行う!!』



――予想に反して、仕掛けて来たな行き成り。
アトランダムでに選出とは思えん……略間違いなく、コブラの思惑通りの組み合わせになるんは目に見えとる――と言うかバレバレや。

姉妹校代表は兎も角、本校からの代表は、私、遊奈、十代、準の何れかである事は間違いない。
自慢やないけど、此れでも『アカデミア四天王』て呼ばれとるからなぁ?寧ろその中から選出せんのはかえって不自然やからね。


オーロラヴィジョンに展開されてるルーレットは果たして誰を選ぶんやろか?



――ヴィン……



「へ~~~……此れは中々面白そうじゃん?」

「お、遊奈とのタッグか!!此れは燃えて来たぜ!!!」

「…暫定とは言えアカデミア最強タッグが選出されたか……負けるなよ、十代、遊奈!!」


選ばれたのはアカデミア最強タッグ(暫定)か!!『神』を操る遊奈と、高位の精霊を従える十代が選ばれたとは如何にも勘ぐってまうけど……


やけど、選ばれた以上は――


「最高のデュエルをするだけっしょ?
 其れに、姉妹校のチャンピオンとデュエル出来るなんて最高じゃん?――勝って来るぜ!!」

「俺と遊奈のタッグならそう簡単には負けないからな!!」


『アカデミア本校のタッグは明石遊奈と遊城十代!姉妹校タッグは、ヨハン・アンデルセンとジム・クロコダイル・クック!!
 選ばれた4名は、デュエルフィールドに集合せよ!!』



どうにも陰謀の匂いがプンプンやけど、デュエルになったらそんなモンは気にしてられん。
新年度1発目のデュエルや、弩派手にかましたれ、遊奈、十代!!








――――――








Side:遊奈


まさか、行き成り全校生徒の前で姉妹校のチャンピオンタッグを相手にデュエルする事になるとは思わなかったわ。
ま、私と十代のタッグは相性抜群で、暫定とは言え『アカデミア最強タッグ』の呼び名も高いから、早々やられてやる心算はないけど――

「思いっきり楽しめそうだよね此れは?」

「遊奈もそう思うか!?……だよな……寧ろ楽しまなきゃ損だぜ!!」


私達の相手であるヨハンとジムからは紛れもない『強者』のオーラを感じるからね……相手にとって不足はないわ!!


「へへ~~、行き成り名高いアカデミア四天王の2人と戦えるとは、俺も運が良いぜ♪」

「最高のデュエルにしようぜ、ジューダイ、ユーナ!!」


言われなくてもその心算!
最高のデュエルをしようじゃない♪


「「デュエル!!」」



遊奈&十代:LP4000
ヨハン&ジム:LP4000



「先攻は俺達が貰うぜ?俺のターン!!
 俺は、『オーロライトの爛漫 ティファ』を攻撃表示で召喚!!」
オーロライトの爛漫 ティファ:ATK1700


「カードを1枚セットしてターンエンドだ。」


向こうはヨハンから来たか……オーロライトとは初めて聞くモンスターだわ。
な~~~んか、気になるなあのモンスター?……十代、こっちは私から行かせて貰っても良い?


「おう!派手に一発頼むぜ遊奈!!」

「OK、任しときな!私のターン!!
 手札からマジックカード『エンジェル・バトン』を発動!!
 デッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる。私は2枚ドローして、手札の『スピード・ウォリアー』を墓地に送る。
 でもって、チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を攻撃表示で召喚!!」
ジャンク・シンクロン:ATK1300


でもって、その効果で墓地の『スピード・ウォリアー』を守備表示で特殊召喚するぜ!!


スピード・ウォリアー:DEF400


更に、私のフィールドにチューナーが存在する時、手札の『ブースト・ウォリアー』は特殊召喚できる!


ブースト・ウォリアー:DEF200


ブースト・ウォリアーの効果で、私の場の戦士族モンスターの攻撃力は全て300ポイントアップする!!


ジャンク・シンクロン:ATK1300→1600
スピード・ウォリアー:ATK900→1200
ブースト・ウォリアー:ATK300→600



行くぜ!!私はレベル2のスピード・ウォリアーに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!
集いし星が、新たな力を解き放つ。光射す道となれ!シンクロ召喚、出でよ『ジャンク・ウォリアー』!!


『ムオォォォ……ハァ!!!』
ジャンク・ウォリアー:ATK2300


「此れが噂に聞いたシンクロ召喚……行き成り魅せてくれるぜ!」

「ジャンク・ウォリアー……何ともカッコ良いモンスターを呼び出して来てくれたぜ♪」


お?ジャンク・ウォリアーのカッコ良さが分かるとは、流石だねヨハン!!
ジャンク・ウォリアーは、私のデッキの特攻隊長兼切り込み隊長!効果の方も其れに相応しいモノってね!!

先ずは、ブースト・ウォリアーの効果で、戦士族のジャンク・ウォリアーの攻撃力は300ポイントアップする!!


ジャンク・ウォリアー:ATK2300→2600


「そして、ジャンク・ウォリアーはシンクロ召喚に成功した時、自分フィールド上のレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計値分、攻撃力がアップする!
 私のフィールドに存在するレベル2以下のモンスターはブースト・ウォリアー……よって攻撃力は600ポイントアップ!『パワー・オブ・フェローズ』!!」

『ムオォォォォォォ!!!』
ジャンク・ウォリアー:ATK2600→3200



「行き成り攻撃力3200!!!」

「此れ位は普通だよ?……寧ろ本番は此処からでしょ?だけど先ずは弩派手な挨拶を一発かまさせてもらうぜ!!
 ジャンク・ウォリアーで、オーロライトの爛漫 ティファを攻撃!!叩き込め『スクラップ・フィスト』!!!!


――バガァァァァァン!!



「ぬおわ!?」

「これは、結構な衝撃だ……」
ヨハン&ジム:LP4000→2500


「だけど此れで終わりじゃないぜ?俺はトラップカード『オーロライトの祝捷』を発動!!
 俺の場のオーロライトが破壊された時、デッキからレベル4以下の『オーロライト』1体を特殊召喚する!!頼むぜ『オーロライトの閃光 フェイル』!!」
オーロライトの閃光 フェイル:ATK1900


「そしてオーロライトは破壊されても墓地には行かずに永続魔法扱いで俺のフィールドに留まるぜ♪」


!!と言う事は、ヨハンとジムのフィールドにカードがなくなる事態って言うのは早々起こり得ないと言う事よね!?
此れは面白いわ……このデュエル、勝利は絶対に渡さないよ!!!


さぁて、新学期早々だけど、全力全壊でやってやんぜ!!















 To Be Continued… 






*登場カード補足



オーロライトの祝捷
通常罠
自分フィールド上の「オーロライト」と名の付くモンスターが破壊された場合に発動できる。
自分のデッキか手札からレベル4以下の「オーロライト」と名の付くモンスター1体を選択して、自分フィールド上に特殊召喚する。