Side:みほ


マークⅣ戦車の探索の為に学園艦の最深部にまでやって来たんだけど、件のマークⅣはアッサリと見つかったから、本来は通常授業に戻るべき
なんだろうけど……



「二番逸見エリカ!小梅とデュエットさせてらうわ!!そう言う訳だから来なさい小梅!!一緒に思いっきり歌おうじゃないの!!」

「そうですね……御一緒させていただきます!!」



私達は上には戻らずにバーどん底で暫しの休憩タイムって感じだね――本来なら午後の授業に戻るべきなんだろうけど、探索メンバーは公欠扱
いになってるからこんな事をしててもマッタク問題なし。
マークⅣを見つけたって事は上にも連絡入れてあるしね。



「何かサボってるみたいでドキドキだよねぇこう言うのって。」

「そうか、沙織にとってはドキドキする事なんだな……私にとってはそんなにドキドキする事でもないが、そど子に何か言われる事がない分、こっ
 ちの方が平和だな。」

「麻子、其れ根本的に間違ってるから!『授業はサボるのがデフォルト』ってオカシイから!風紀委員のブラックリストに載ってるの自覚しなよ!」

「ハハハ、隊長さんのお友達は愉快な子達だねぇ?」

「個性的であるのは間違い無いと思いますお銀さん。」

大和撫子な砲手に、ミリオタ全開の装填士、マニュアルを一度読んだだけで戦車の操縦を完璧に熟しちゃう操縦士、相手を挑発して煽りに煽りま
くってから食い殺す狂犬、大人しそうに見えて実は冷徹なまでの戦術眼を持つ隼……此れだけでも充分に個性的過ぎるからね。



「みぽりん、私は?」

「沙織さんは……こう、強烈な個性がある訳じゃないんだけど、アマチュア無線二級とコミュ力の高さを生かした通信士として信頼はしてるかな。」

「ぶ~~……私だけ無個性~~?」

「……如何してもって言うなら、婚活戦士ゼクシィ武部って言う称号を贈らない事も無いけど?」

「あ、其れはいらないかな。」

「だよね。」

尤も、悲しい事に一部の生徒の間では『ゼクシィ武部』だの『歩く婚活雑誌』だの言われてるらしいんだけど、沙織さんの為にも其れは伏せておい
た方が良いだろうね。
と言うか、沙織さんもすっかり戦車女子なんだから同性で妥協しても良いんじゃない?後輩受けもいいから、一年生の子達なら案外いけるんじゃ
ないかと思うんだけどなぁ……ま、その辺は沙織さん次第か。









ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer178
新たな仲間はサメチームです!』









そんな感じで小宴会は続いてるんだけど、そろそろ上からマークⅣを引き上げる為にレオポンチームの皆がやってくる頃かな?……学園艦の奥
底から戦車を船上に出すなんて言うのは難しい事だと思うんだけど、レオポンチームの皆は断崖絶壁の洞窟の中に隠された戦車とかも回収して
来たから、これ位の事は普通にやっちゃうはずだよ。
って言うか、そもそもにしてどうやって隠したんだって言う話なんだけどね。



「言われてみれば、こんなに大きな物を一体どうやってこんな場所まで運び込んだのか謎だねぇ?……如何考えたって通路を通って来たとは考
 えられないしねぇ?」

「分解して持って来たんすかね親分?」

「いやいやラム殿、其れならば此処で組み立てるよりも、分解して保存しておいた方が良いでありますよ?其方の方が、将来的に必要になった
 時に持ち運びも楽ですし。」

「此処に運び込まれた後で今の区画整理がされた可能性はあるんじゃない?
 大洗で見つかった戦車は、あくまでも表向きには『なくなった』事になってる訳だから、簡単には見つからないように色んな工夫をしたんじゃない
 かしら?」

「あ、其れ正解かも知れないねエリカさん。」

失くした事になってるから、簡単には見つからないように工夫を凝らしたって言うのなら、此処にマークⅣを運び込んだ上で新たに学園艦底の区
画整理をした可能性は充分にあるからね。
……だとしても、断崖絶壁の洞窟にはどうやって隠したのか謎なんだけど……戦車一台釣り上げるには相当に強力なクレーンが最低2台は無い
と無理なんだけど――まぁ、その辺は考えない方が良さそうかな?
当時の優花里さんのお母さんなら『テメェ等気合入れて隠せや!』とか言って、多少の無茶をしてでも大洗に残った戦車を隠したと思うしね。



「このどん底のスペースも、その時に出来た可能性が有るって訳か。
 ところで隊長さんは隻腕だけど、フック船長みたいに義手は付けないのかい?片腕が無いと何かと不便なんじゃないかと思うんだけどね?余計
 なお節介かも知れないが。」

「ん~~~……片腕でも生活できるように練習したから、不便さは感じないかなぁ?
 其れに私の場合、肩からすっぱり無くなっちゃってるから、義手を付けたところでそんなに役に立つとは思えないんだよねぇ?肘から上が残って
 れば義手もあったかもですけど、左腕がマルッと無いんじゃ義手は逆に邪魔なだけだから。」

「成程、言われてみれば確かに其の通りだ……フック船長みたいな義手も良いかと思ったんだけどね。」



フック状の鉤爪が付いた義手よりも、刀とかマシンガンとかに変形するギミックアームの方が良いですねぇ?……某鋼な錬金術師さんが使ってる
機械義肢的な物でもあればそれを装備したかも知れませんけど。



「オートメイルを御所望なら作ろうか西住さん?」

「いえ、大丈夫ですナカジマさん……って、何時の間に現れたんですかナカジマさん!!マッタク気配を感じませんでしたよ!?」

「ごめんごめん、ちょっと驚かそうと思ってさ……其れで、あの奥にあるのが件のマークⅣだよね?――此れは、ポルシェティーガーをサルベージ
 した時よりも難易度が高そうだね。」

「やっぱりそうですか。」

そう言えば、此処に来る途中で危ない目に遭ったりしませんでしたか?大洗の学園艦の奥底の治安はアメリカのスラム並みなので、ちょっぴり心
配だったんですけれど……



「確かにおっかなそうな人達に通せんぼされちゃったけど、『西住みほ隊長に呼ばれた』って言ったらアッサリと道を開けてくれたから何も問題は
 なかったかな?
 こんな学園艦の奥底でも名前が知れ渡ってるなんて、やっぱり凄いよ隊長は。」

「私的には、秋も深まって来たこの時期にあっても尚、ツナギの上を脱いで、上半身はタンクトップ一枚でいるホシノさんの方が凄いと思います。
 って言うか寒くないんですか?」

「いんや、寒くないけど?」

「隊長、ホシノは此れがデフォだから突っ込んだらダメっしょ?ホシノはツナギにタンクトップがトレードマークだしね。」



スズキさん、そう言われたら何も言えませんって。
まぁ、そんな事よりもどうやってマークⅣを運び出しましょうか?通路を通る事は出来ないので、このままだと分解して持って行くって事になるんで
すけど、其れも手間ですよね?



「うん、凄く手間だから、此処は学園艦の機能を最大限に使おうかと思ってる――学園艦に備わってるこの機能は、学園艦で暮らしてる人でも知
 らない人の方が圧倒的に多いんだけどね。」

「学園艦の機能、ですか?」

「まぁ、其れは聞くより見る方が早いってね!
 此方ナカジマ、マークⅣまで辿り着いたので、船上までのルートを解放されたし。」



百聞は一見に如かずですか……でも、確かに其の通りかも――ナカジマさんが何処かに連絡を入れた次の瞬間に、どん底の天井が割れて船上
へと繋がる大きな穴が出来上がった訳だからね。
此れが学園艦の機能なんだ。



「大抵の学園艦には、大量の物資を船底に運び込むために船上から船底まで直通の穴があるんだよ、普段は閉じられてるけどね。
 だから、其れを利用すれば船底から大きなモノを運び出すのも難しくないんだよ――流石に、戦車を運び出したなんて言うのは大洗だけかも知
 れないけどさ。」

「間違いなく大洗だけですよナカジマさん。」

色々とあり得ない事だらけの大洗だったけど、大抵の学園艦に搭載されてる機能を戦車を運び出す事に使ったのも最初の学校になりそうだね此
れは。
だけど、お陰様で面倒な事なくサルベージできるから、この機能は有り難かったよ。
マークⅣの四隅にフックを引っ掻けて、後は船上に設置された超強力ウィンチで引き揚げればサルベージ完了だからね……お騒がせしてすみま
せんお銀さん。



「そんな事言いなさんって。賑やかなのは好きだから問題ないさ。
 隊長さん達の事は何時でも此処に来られるようにしておくよ――いや、いっその事戦車やってる人達全員をフリーパスにしようか?隊長さんの
 仲間達なら、楽しい人が多そうだからね?……今来たツナギの人達みたいにね。」

「楽しいし、良い人ばかりだよお銀さん。
 どうせなら、私達と一緒に上に行きますか?戦車隊の皆と顔合わせをしておいた方が良いと思いますし。」

「お、其れは確かに其の通りだね?此れから一緒に戦う仲間の事を早めに知っておくに越した事は無いからね……お前達、上に上がるから準備
 しな!!」

「了解です親分!」

「ウッス!!」

「了解……♪」

「了解。」



で、マークⅣをサルベージする序に、お銀さん達も私達一緒に上に行って、戦車隊の皆に面通しする事に――新しい仲間の事は早めに伝えてお
いた方が良いし、これからには練習にも参加して貰わないとだしね。
華さん、お銀さん達の選択必修科目を戦車道にする事って出来ますよね?



「大丈夫ですみほさん。
 猫田さんも後から戦車道を選択していますから……うふふ、生徒会長としての最初の仕事になりますので確りと完遂させて頂きます。あと、新し
 い燻製器の方も予算から必要経費として出しておきますね。」

「華さん、頼りになるなぁ。」

杏さんはガンガン行くタイプの生徒会長だったけど、華さんの場合は押しは其処まで強くないけど、己の決めた事や信念には絶対に妥協しない静
かな強さがある感じだね。
で、そんな静かなる生徒会長を支える副会長と広報は動の優花里さんと沙織さんな訳だから、バランスのいいチームだよね此れ。

取り敢えず、私達はそのまま船上へ移動。
どうやって移動したかって、全員でマークⅣと一緒に巨大クレーンでサルベージされました♪いやぁ戦車と一緒に吊り上げられる経験なんて滅多
に出来るモノじゃないから楽しかったね。
動画も撮っておいたから、後でSNSにアップしてみようっと♪……此れは、間違いなくバズるだろうからね。



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で、船上に戻って、戦車隊の皆を集めてお銀さん達とご対面って事になったんだけど……



「おや、桃さんじゃないか?桃さんも戦車道をやってたのかい?」

「お、お前達なんで此処に!?」



如何やらお銀さん達と桃ちゃん先輩は知り合いだったみたい……って言うか、もう目覚めたんですか桃ちゃん先輩は――呆れた回復力だね。
其れは兎も角、マッタク接点なさそうなんだけど、如何言った経緯で知り合ったのか物凄く気になる所だよ此れは。
ま、まさか……桃ちゃん先輩は生徒会の広報に就任する前は、最深部の住人で、実はあのアウトロー軍団を纏め上げてた裏番長だった!?
そしてお銀さんはその頃のナンバー2で、桃ちゃん先輩が生徒会広報に就任した事で新たなリーダーになったとか、そう言う事だったりするんで
すかもしかして!?



「そんな訳があるかぁ!って言うか誰が裏番長か誰が!!」

「桃ちゃん先輩ですけれどそれが何か?
 そう言えば水戸市にあるカワシマ食品って言うキムチ製造会社が会社名が桃ちゃん先輩の名前と同じ事でコラボ商品を販売するらしいです。」

「うむ、『カワシマの桃ちゃんキムチ 桃ちゃんと言うなーー!』だな。1パック税込みで490円。カワシマ食品と大洗まいわい市場で販売予定だ!
 って、CMではないわーー!!」

「あっはっは、そうじゃないよ隊長さん。
 私等船底の連中は荒くれ者だらけのゴロツキ集団だろう?……そんな連中だから、学園艦の為にも居ない方が良いって思う大人達が私達を
 退学にしようとしたんだけど、桃さんは其れを止めてくれたのさ――『大洗の生徒に不要な人間など居ない!彼女達の様な人間が居たって良い
 じゃないか!こんな事が出来るのは高校生の今だけなんだから!』と言ってね。
 まぁ、私等にとって桃さんは恩人でもあるのさ。」



そうなんだ……やっぱり桃ちゃん先輩は、根は良い人だったんだ――其れが、生徒会広報として色々やって行く内にその権力に胡坐をかく様に
なっちゃったのかも。
権力は時として人を腐らせるって言うけど、桃ちゃん先輩はその悪い例になっちゃったのかもね――まぁ、今は面倒見とノリのいい先輩だけど。



「其れにしてもお前達が戦車道に係わる事になるとは思わなかったが……一体如何言う風の吹き回しだ?」

「何、隊長さんの人柄に惚れたのさ……この戦車を売って、その金で新たな戦車を買うって事みたいだけど今は人員が足りないらしいから、私等
 で良ければ力になろうと思ってね。
 それと、予想外ではあったけど桃さんが戦車道をやっているのなら、参加する事であの時の恩を返す事も出来るからね。」

「そうか……まぁ、新たな仲間として歓迎しよう。
 だが一つだけ聞かせてくれ、お前達は大洗が廃校になった時何処にいたんだ?私が知る限り、お前達船底のメンバーは只の一人も転校先が
 決まるまでの間過ごす場所に移動する為のバスに乗って無かった筈だが?」

「え?大洗は廃校になったのかい?」



――散り逝くは叢雲…咲き乱れるは桜花…今宵、散華する武士が為、せめてもの手向けをさせてもらおう!秘技!桜花残月!!



はい、お銀さん達を除いたこの場にいた全員がリシャール大佐の必殺技を喰らいました!
夏休みの頃の話なんですけど、文科省の特別顧問の白髪モノクルの謀略で、大洗女子学園は廃校に追い込まれたんだよお銀さん――杏さんが
あらゆる手を使って漕ぎ付けた大学選抜チームとの試合に勝った事で廃校は完全撤廃されたけど、一度は廃校が決定して学園艦は解体が決定
してたんだよ……まさか、その時もずっと船底に居たのかな?



「あぁ、廃校の事なんて全く知らなかったから、何時も通り過ごしてたよ。」

「解体業者がビックリ箱な状態だったこれ!!」

まさか廃校の事を知らずに船底で暮らしていたとは、大洗のアンダーグラウンド恐るべし……って言うか其れは解体業者の人達が船底に到達し
た時点でゲームオーバーじゃないかな?
あの荒くれ者達が、勝手に入って来た外部者を無事で済ますとは思えないし。



「……その可能性は否定できないわみほ――如何足掻いても問答無用のフルボッコになって、良くて長期入院、悪くて再起不能、最悪の場合は
 海の藻屑になるで間違いないわ。」

「其れを踏まえると、大洗女子学園を廃校にするって言うのはそもそも無理ゲーだったって言う事ですよね……」

「うん、結果論だけどそうなるね小梅さん。」

詰まるところ、あの白髪モノクルの謀略はどうあっても成功しなかった事になる訳だね……マッタク持って、呆れる事しか出来ないとはこの事かも
知れないよ。
廃校にしたい学校の事を細部まで調べずに廃校を強行した訳だからね……ま、その結果として今現在かな~り厳しい事になってるみたいだから
『m9(^Д^)プギャーWW』なんだけどさ。
って言うか、大洗を廃校にしようとした輩は滅殺一択!ぶっちゃけて言うのなら黒のカリスマに、ケンカキック→マンハッタンドロップ→STFの殺人
コンボを入れて欲しかったからね。

ともあれ、私達大洗の戦車隊は貴女達を歓迎するよ!!無限軌道杯、頼りにさせて貰うからね?



「その期待に応えられるように頑張るよ隊長さん――大会までの期間、私達をみっちり鍛えておくれ。」

「無論、その心算だよ!!」

その後、お銀さん達のチームは『サメチーム』になったんだけど、これはとってもピッタリだと思ったね――船乗り然としておきながらもアウトローな
感じのお銀さん達は、海の獰猛なハンターであるサメが良く似合うと思ったし。
大洗に誕生した11個目のチーム……頼りにさせて貰うよ!!



尚、マークⅣはオークションに掛けたら約3億で落札された……Ⅳ号F2を3輌買ってもまだ余裕があったから、パンターとティーガーⅠも購入で。
今年はもう出番がないかも知れないけど、来年以降の戦力を確保できたって言うのは嬉しい誤算だったね。



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そしてその夜――



『そうか、新たなチームが誕生したのか……大洗に新たなチームが誕生したというのは、無限軌道杯に参加する他校にとっては驚異以外の何
 者でもないだろうな。
 この事を知ったら、カチューシャ辺りは憤慨しそうだな?』


「ふふ、其れは言えてるかも。」

お姉ちゃんと電話。
大学選抜戦が終わって、二学期になったと同時にお姉ちゃんはドイツに留学しちゃったから、大学選抜戦の後でお姉ちゃんとは会ってないから、
何と言うか久しぶりに声を聞いた気がするよ。
だけど、元気そうで安心した――ドイツでの暮らしは如何?巧く行ってる?



『戦車道における西住の名は海外にも知れ渡っているからプレッシャーもあるが、逆に私を気遣ってくれる人も居るから其れなりに巧くやってやっ
 ているよ。
 私自身も西住流から離れた事で見えて来たものも多いからな……お母様も、其れを見越して私を留学させたのだろう。』


「かもね。」

だけど、お母さんはお姉ちゃんにもっと戦車道の深さを知ってほしくて留学を薦めたんだと思う――お姉ちゃんは、私が知る中では最強の戦車乗
りだから、もっと強くなって欲しいって私も思うから。
そして、その強くなったお姉ちゃんは私が倒すからその心算でいてね?



『言うじゃないかみほ……全国大会ではやられたが、次は負けないぞ?
 私にとってお前は妹であると同時に永遠のライバルであると思っているからね――次にやる時は私が勝つ。そして、無限軌道杯も黒森峰が優
 勝する。
 私の後任は直下だが、凜はギリギリまで副隊長として残るみたいだから、直下も隊長として成長する事だろう。
 組み合わせがどうなるかは分からないが、大洗を倒すのは黒森峰だ――だから、黒森峰が大洗を倒すその時まで、絶対に負けてくれるなよ。
 約束してくれるかみほ?』


「うん、約束するよお姉ちゃん。」

私が隊長を務めている限り、大洗は絶対に負けないって約束する――ううん、私の後を継ぐであろう梓ちゃんが隊長を務める事になっても大洗に
負けはないよ。
――其れよりも、お姉ちゃんの方こそドイツで頑張ってね?――私が大洗を卒業するまでに、ドイツのメジャータイトルを一つは得てね?



『分かった。頑張ってみよう……約束だ。』

「うん、約束。」

そうして、私とお姉ちゃんは画面越しに指切りをして通信終了……自分でも結構無茶ぶった感がしなくもないけど、お姉ちゃんならきっと出来る筈
だから信じてるよ。

……で、エリカさんと小梅さんは何で下着姿で迫って来てるのかな?



「何でって……私達って恋人同士になった訳でしょ?」

「なら、やっておく事はやっておいた方が良いと思いまして……みほさん、食べちゃってください。」



ウワォ、そう来たか!!って言うか小梅さん、表現が生々しいから!!――でも、そう言う事なら有り難く頂くとしようかな?戦車道には、『据え膳
喰わぬは戦車乙女の恥』って言葉があるくらいだからね。
そんな訳だから、覚悟は良いかなエリカさん、小梅さん――西住の女は戦車道だけじゃなく、夜の戦車道も叩き込まれるから知識はバッチリだか
らね!!
後悔するなら、私の劣情に火を点けた己自身を後悔するんだね。――この日、私とエリカさんと小梅さんは、少女から女になったと言っておくよ。



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そんなこんなでやって来ました無限軌道杯のトーナメント抽選会!!
全国大会に出場したチームが全部参加してるのは当然として、全国大会では見なかった学校も参加してるのは見逃せない点だね――隠れた強
豪が居る可能性がゼロじゃないからね。
だからこそ、1回戦で何処で当たるのかが楽しみでならないよ……尤も、何処と当たる事になるかは私のクジ運次第なんだけどさ。

だけど、此の抽選会で懐かしい人と再会する事になるとは思ってなかったよ――まさか、こんな所で再会する事になるとは夢にも思ってなかった
からね。











 To Be Continued… 





キャラクター補足