Side:みほ
カール自走臼砲とは、トンでもないモノを持ち出して来た物だけれど、正体が分かってしまえば幾らでも対処のしようはある――カールは、殺人的
な攻撃力を有してはいるけど、装甲は一切搭載されてない紙の防御力の車輌だから、撃破するのは難しくないからね。
「そうは言ってもみぽりん、カールの攻撃能力は凄いよ?
主砲の一撃を喰らったら、即撃破になっちゃうんだよ!!」
「うん、其れは分かってるよ沙織さん。」
だけどカールは、その強力さ故に小回りは効かないから、細かい狙いを付ける事は出来ない――だからこそ、此の部隊の出番なんだよ!!
「アンチョビさん、ミカさん、会長さん、磯辺さんの4チームで小隊を結成して、カールを撃破してください!!」
「任せろみほ!!」
「強風に乗ると言うのも悪くないね。」
『OK!派手に行こうぜ西住ちゃん!!』
「根性で、カールを撃破します!!行くぞお前等ぁ!!」
「「「はい、キャプテン!!」」」
CV33、BT-42、ヘッツァー、クルセイダーのフットワークの軽い4輌で編成した、その名も『ドングリ小隊』!最大攻撃力がヘッツァーの長砲身75㎜
だから火力は心許ないけど、その分小回りが利くから、愚鈍なカールの相手としては申し分ない。
何よりも、アンチョビさんとミカさんが一緒に居るなら、確実に何かしてくれると思う――私の勘が、そう言ってるよ。
ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer157
『撃滅!制圧!瞬獄殺です!!』
とは言え、カメチームはひまわり中隊だから別途合流しないといけないんだけど……まぁ、その辺は会長さんが上手くやってくれるから、きっと大丈
夫だね。
小山さんの操縦技術は、大洗の中でも麻子さん、クロエちゃんに次ぐレベルだし。――後は小隊長を任せたアンチョビさんが、どんな作戦を考えて
くれるかだね。
「あの小隊をカールに向かわせるとは、相変わらず大胆な事をなさるわねみほさん?ですが、それでこそ隻腕の軍神。
けれど、その一手が状況を大きく変える事を私を始め、このチームの皆さんが知っているわ――正に『状況とは私が作るモノ』ですわね?」
「ナポレオンの言葉でしたっけか?」
「流石はみほさん、知ってらしたのね?」
「ふふ、偶然ですよダージリンさん。
だけど此の一手がカール撃破に至る事を、私は確信しています――あの編成なら、火力も装甲も大した事が無いと言う事で、例え相手チームに
見つかったとしても放っておかれる可能性が可成り高いですから。
其れに、カールは車体構成の鉄板があるだけで装甲はありませんから、CV33以外の戦車なら、何処に当てても撃破は出来るんです。
なら、態々高火力の戦車を向かわせるよりも、カールを撃破出来る最低限の火力と高い機動力を持った戦車を集めて、優秀な指揮官を小隊長
にした、シンプルな構成の方が良いんです。
『シンプルとは、洗練の極み』ですよ。」
「レオナルド・ダヴィンチ……おやりになりますわねみほさん?」
此れ位は出来ないと、ダージリンさんに付き合う事は出来ませんから。
其れは兎も角、私達も動くとしようかな?――アサガオがひまわりの援護に入ったから、多少の被害はあってもひまわりの主力は撤退するだろう
し、アサガオだってケイさんに近坂先輩、西さんにエクレールさん、そして梓ちゃんは絶対に生き残ってくれるだろうから、一度皆と合流して次の作
戦の下準備をしないとだからね。
此処まではあくまでも大学選抜の力を見極める為の戦いに過ぎない……本当の戦いは、カールを撃破して、次のフィールドに移ってからだよ!
――バッ!!
「タンクジャケットの上着を肩に引っ掛けた『軍神モード』……生で見ると迫力がありますわね?――この状態のみほさんの相手をしなくてはならな
い大学選抜チームに同情しますわ。」
「ふふ、こうなった以上、私は無敵ですから♪」
とは言え、先ずはひまわり中隊が稜線から撤退して、アサガオ中隊もアシストを終えてその場から離脱しない事にはどうにもならない――でも、お
姉ちゃんとケイさんなら大丈夫!
最強の黒森峰を率いる隊長と、4強の一角であるサンダースの隊長であるケイさんなら被害を最小限に止めてその場から離脱する筈だから。
加えて、あそこにはプラウダの助っ人が全て集中してるから戦力的は充分だからね。
でもまぁ、カール撃破は確定事項だから……お願いして良いですか、天城さん?
『その言葉を待ってたわよみほちゃん……カールには、此処で退場して貰うとしましょうか?』
『あんなものは、戦車道には必要ないからね。』
あはは……天城さんだけじゃなくて、アールグレイさんもやる気満々だね?――其れだけ、カールの存在は許せないって事なんだろうけどさ。
何にしても、カールにはご退場願うよ?戦車道に、貴方の居る場所は無いからね。
「敵をも味方にしてしまうとは、本気で恐ろしいですわねみほさん?」
「戦車道を穢す兵器を破壊するのに、敵も味方も無いと思いませんか?」
「仰る通りですわね。『恋と戦いに手段は択ばない』と言いますし。」
「戦車道と言う競技に、悪意をもって土足で上がり込んで来た無法者を退治するのに、手段を選ぶ必要なんて有りませんから。」
どんな方法で大学選抜にカールを押し付けたかは知らないけど、其れを押し付けて使わせた事が間違いだったと後悔すると良いよ、モノクル銀髪
のおじさん。
――――――
No Side
まほ率いるひまわり中隊の撤退を援護すべく、ケイ率いるアサガオ中隊が、大学選抜中隊の1つであるメグミ中隊の前に躍り出たが、其れは期せ
ずして、サンダースの師弟対決と言う形になっていた。
現サンダースの隊長であるケイは、嘗てのサンダースの隊長であったメグミによってその才能を見出されてサンダースのエースに成長し、そして
隊長になったのだから。
だが、今のケイとメグミにはそんな事は関係ない。
嘗ての師弟関係であっても、戦車道のフィールドで相対した以上は、倒すべき敵でしかない――故に、師弟関係などと言うモノは、ブラックホール
の彼方に蹴り飛ばしてしまえだ。
戦車の性能的な事を言えば、チャーフィーとパーシングを有する大学選抜の方に分があるが、大洗連合には戦車の性能差を超える力がある。
「華、ぶちかまして!!」
『花を生ける時のように集中して……其処です!!』
――バガァァァァァァァァン!!!
――キュポン!!
『大学選抜チーム。パーシング、行動不能。』
其れを示すかのように、ナオミとトレードする形でファイアフライに乗り込んだ華が、ケイの号令と共に破壊力抜群の17ポンド砲を放ち、パーシング
1輌を滅殺!抹殺!!瞬獄殺!!!
的確に、パーシングの最も薄い後部装甲を狙った辺り、華には砲手としての天賦の才が有ったと言う事なのだろう。
ファイアフライの車長ではなく、M4のケイが指示を出したのは、ナオミとは違う華の砲手としてのクセを見極めようとしたからか……兎に角、今のタ
イミングはばっちりであった。
「Yes!BerryGoodよ華!」
『パンターとはまた違った砲撃の快感……うふふ、ファイアフライにも惚れてしまいそうです。』
賞賛するケイに対し、華が聞きようによっては若干危険な事を言った気がしなくもないが、此れで大学選抜は3輌が撃破された事になる。
数の上では大洗連合が2輌の有利状態なのだが、どんな時にも想定外の事態と言うのは起こるモノであり――
「此れは好機!此処は突撃で一気に仕留めましょうぞ!!」
「突撃上等であります!!お供いたします玉田先輩!!」
「あ、ちょっと待てお前達!!」
此処で知波単の福田と玉田が、西の制止も聞かずに無謀にも突撃!!
確かに、好機である事に変わりは無いのかもしれないが、その考えは些か浅すぎるとしか言いようがないだろう――如何に数の上では有利にな
ったとは言え、戦車の性能では大学選抜の方が上なのだから。
――ドッガァァァァァァッァァァン!!
――キュポン!
案の定、福田と玉田の戦車はアッサリと撃破され、此れで数の上では同数になってしまった……絹代の考えに賛同し、クーデターに参加した彼女
達だが、身体に浸み込んだ『知波単突貫魂』は、そう簡単になくならないようだ。
兎に角これで、数の差は無くなった訳だが、その程度は大洗連合には如何と言う事はない。
そもそもにして、アサガオ中隊の副隊長は、みほの一番弟子である梓で、ひまわり中隊とアサガオ中隊には、黒森峰時代に、みほ率いる遊撃隊
の隊員だったエリカと小梅と直下が居るのだから、此のままやられる事など有り得ない。
「この程度……私達を舐めるな!!」
「その首、貰いますよ?」
「西住みほ遊撃隊の名を、其の身に刻み込みやがれ!!」
期せずして再結成された黒森峰の遊撃隊の実力は凄まじく、夫々が所属する中隊を離れて3輌のチームを結成すると、ひまわりの撤退が円滑に
進むように立ち回る。
大学選抜の戦車を撃破こそしていないが、ひまわり中隊の撤退を最優先にしたその立ち回りは見事の一言に尽きるだろう。
「アズサ、キヌヨ、機動力で撹乱して!リンとエクレールは必殺の火力でBuster!」
「了解ですケイさん!」
「了解しました!!」
「任せなさい。虎殺しと呼ばれる存在が虎に殺されるって言うのは、果たしてどんな気分なのかしら?」
「フランスが誇る最強の火力、其の身で味わってもらいますわ。」
更に、ケイの的確な指示により、アサガオ中隊は見事な立ち回りを見せ、ひまわり中隊の撤退を阻もうとする大学選抜の中隊を――メグミ率いる
中隊を完全に抑え込んでいた。其れこそ、戦車の性能差など微塵にも感じさせない程にだ。
此れに驚いたのは、他でもないメグミだ。
メグミはケイの師匠とも言える戦車乗りであり、其れだけにケイの実力は誰よりも分かっている心算だった――故に、今のケイでは自分に勝つ事
はまだ無理だと考えていた。(今年の大会で、ケイ率いるサンダースがみほ率いてるとは言え、素人集団でしかない大洗に1回戦で負けたと言う
のがあるのかもしれないが。)
だが、蓋を開けてみれば如何だ?
知波単の戦車2輌を撃破したとは言え、メグミもファイアフライでパーシングを1輌撃破されて残存車輌数は同じになっただけでなく、現在進行形で
状況は大洗連合が有利に進めている。
「ケイ……貴女、私の前では実力を隔してたの!?」
「ん~~、其れは違うかな?
貴女に師事してた頃の私は、貴女の思う通りの戦車乗りだったと思うわうん――だけど、今年の大会でみほと戦った事で、自分で言うのも如何
かと思うけど、私は私の最後の殻を破る事が出来た。多分そう言う事。」
ケイが実力を隠していたのかと疑うメグミだが、ケイは其れを否定し、逆に好戦的な笑みを浮かべてメグミを見やる……その笑みに込められたモノ
を言葉にするのならば『御託は要らんからはよ掛かってこいや』と言った所だろうか?
更にそれだけではなく、ケイはパンツァージャケットの上着を脱ぎ、其れを肩に引っ掛ける――そう、みほの『軍神モード』と同じ格好になったので
ある。……ただ、サンダースのパンツァージャケットはアンダーが黒のタンクトップなので、ケイのモデル顔負けのプロポーションがバッチリになって
しまって、目のやりどころに困るのだが。
――色即是空、空即是色!試合に集中しよう。
アサガオ中隊のメンバーと、旧黒森峰遊撃隊の立ち回りで、ひまわり中隊は危なげなく撤退行動をとる事が出来ていた。
「姉住ちゃーん、西住ちゃんからの要請でカール撃破する事になったから、ちょ~っと行ってくるわ。無事撤退してね~~。」
「ふ、言われるまでもない。私を誰だと思っている?」
「そりゃもう言うまでもないっしょ?西住流の次期後継者にして、最強の一角である西住まほちゃん――通称『武神』!拍手打ってお賽銭供えたら
戦車道で勝てるかね?」
「賽銭を供えるなら、最低でもCoCo壱で1杯食べられるだけが望ましいな。」
「つまりは最低でも500円か……高くね?」
「大洗の廃校と天秤にかければ充分に安いと思うが?」
「そりゃそうだ。コイツは一本取られたよ姉住ちゃん!――絶対にやられないでよ?此の試合に勝つには、西住ちゃんと姉住ちゃんが最後まで残
ってないとなんだからさ。」
「言われるまでもなく分かっているさ。
だからお前は安心してカールの撃破に向かえ角谷――中隊長命令だ、必ず帰還しろ。」
「命令と有ればやるしかないよね!!小山、フルスロットルで行くぞ!!」
「了解です!!」
そんな中で、まほと杏子は若干コントのようなやり取りをしつつも、カメチームがカール撃破の為にこの場を離脱し、タンポポ中隊から分かれたアヒ
ルチーム、継続、アンツィオと合流せんとする。
普通ならば、ここでの離脱は困難を極めるモノだが、アサガオ中隊と旧黒森峰遊撃隊が見事な立ち回りを見せている事でカメチームは、苦労せず
に此処から離脱してカール撃破に向かう事が出来た。
此のままなら、無事に撤退出来るだろうが……
――バガァァァァァァァァァァァァァァァァン!!
「どりゃっせい!!?」
「直下!?」
「直下さん!!」
此処で再びカールからの爆撃が炸裂し、直下の乗るパンターが吹き飛ばされて行動不能に!――初撃では敵よりも味方を撃破する事になってし
まったカールだが、ここではキッチリと役目を熟して残存車輌を大学選抜有利へと傾ける。
更にカールからの爆撃は続ぎ、その爆撃はカチューシャに向かうが……
「逃げて下さいカチューシャ!!」
「クラーラ!?って言うか、貴女日本語喋れたの!?」
突如クラーラのT-34がカチューシャのT-34に体当たりする形でカールの着弾点から押し出し、カチューシャを護る。
クラーラの捨て身の行動によってカチューシャは撃破されずに済んだが、カールの爆撃が直撃したクラーラのT-38は一撃で撃破判定に……直下
に続いて、悪魔の犠牲者が出てしまったのだ。
「クラーラ……貴女の仇は必ず取るわ!!
カーベタン、状況は如何?」
『いや~~、此れは可成りキッツいべカチューシャ隊長?
アタシ等は、ここから離脱するのは無理っぽいから、せめて隊長の盾になるべさ……だから隊長は生き延びで、大洗の為に一仕事して欲しいっ
ぺ。……気張ってくれ、隊長。』
「カーベタン?そんな!!」
クラーラの思いに報いるべく、お気に入りの火力戦車KV-2に状況を聞くが、如何やら状況は芳しくないらしい。――機動力の低さが仇となり、撤退
が思うように行かないらしいのだ。
だが其処で諦めるような彼女達ではない――この程度で諦めていたら、プラウダで戦車道などやってられないのだ。
自分達の状況が芳しくないのならば、せめてカチューシャの撤退の後押しをすべく、KV-2が壁となって大学選抜チームの前に立ちはだかり、追撃
をシャットダウンせんとする!機動力の低いKV-2が此の乱戦状況から無事に離脱するのは困難だと考えた末の決断と言えるだろう。
『此処から先に進みてぇなら、アタシ等の屍超えていけぇ!!』
『舐めんでねぇぞ!!』
完全に足を止めたKV-2は、巨大な車体を盾に、破壊力抜群の主砲を剣にして迫りくる大学選抜チームを攻撃!――当たらなくても良い、僅かば
かりでも動きを止める事が出来れば良いとばかりに、限界を超えた速度で攻撃を行っている。
其れでも、動きを止めた戦車と言うのは相手からすれば完全な的だ。
――バガァァァァァァァン!!
――キュポン!!
『大洗女子学園。KV-2、行動不能。』
奮闘敵わず、KV-2は此処で退場――だが、カチューシャをはじめとしたひまわり中隊のメンバーを離脱させる為の時間を稼いだと考えれば、充分
な仕事をしたと言えるだろう。
合理的な判断だったとは言え、自らを犠牲にして己を生かしたチームの判断に、カチューシャは目に涙を湛えていた。
一見すれば、只の暴君でしかないカチューシャだが、その実態は誰よりも隊員の事を思っている隊長なのだ――故に、味方が撃破された事に依
る動揺は大きくなる。
「クラーラ、カーベたん……」
「泣くな。泣くのは試合が終わってからにしろ。」
「泣いてないわよマホーシャ!!クラーラ、カーベたん……必ず仇は取るわ!!」
「その意気や良しだ――行くぞカチューシャ!!」
「了解よマホーシャ!!行くわよノンナ!」
「何処までも御一緒します、カチューシャ。」
だが、動揺しようとも闘志は消えない。仲間の仇は必ず討つと誓い、勝利の為の撤退を続行。
其処に至るまでに、合計3輌の戦車を撃破された大洗の方が不利に見えるが、そうではない――3輌が撃破される隙にひまわり中隊はその場か
らの離脱に成功した。
ひまわり中隊を壊滅させたかったメグミと、ひまわり中隊を撤退させる事が目的だったケイ……この場での戦いの勝者が何方であったのかは、言
うまでもないだろう。
「そんな、しまった!!」
「私達に集中し過ぎたわねメグミ隊長?~~アディオース!!」
更に、目的は果たしたとばかりにアサガオ中隊もその場を離脱してターンエンド。
カールの爆撃で2輌のビハインドを背負った形になったが、その程度のビハインドは隻腕の軍神の前にはあってないようなものだ――それだけに
此の試合が荒れるのは間違いないだろう。
――――――
Side:しほ
如何やらみほは、カールの撃破を最優先に考えたみたいね……まぁ、あんな戦車とも呼べない車輌は真っ先に撃破する以外の選択肢はないの
だけれど、貴女ならば其れが出来ると信じてますよみほ。
文科省が無理矢理押し付けて来た違法兵器を完膚なきまでに破壊しなさいみほ――あんなモノを、戦車道の世界で認める訳には行かないのだ
から徹底的に破壊してあげないとね。
だけど、本当に馬鹿な事をしたモノね白神文部科学省名誉顧問殿?
貴方は『解釈の違い』とか言っていたけれど、カールは誰がどう見たって戦車ではないわ……規格外の攻撃力で圧倒する心算だったのでしょうけ
れど、あんなモノはみほの前では塵芥に等しいわ――覚悟は出来てるわね白神名誉顧問?
「何の覚悟かな?
島田愛里寿率いる大学選抜が、大洗に負ける確率は1%未満――故に大学選抜に負けはない。」
「みほが勝つ確率が1%未満とは大きく出たわね?だけど、その程度の予想能力では、天気予報すら当たらないと思うわ。」
と言うかみほならば、下馬評を引っ繰り返す位はやるでしょうからね――だから、其れを踏まえると貴方は此処で終わりよ白神名誉顧問?
カールとはトンデモナイ物を持って来てくれたみたいだけれど、その程度で揺らぐほど、みほは柔じゃないわ――隻腕の軍神の実力を、其の身で
味わい、そして後悔なさい――自分が、誰にケンカを売ってしまったのかをね。
取り敢えず――
「グァッデェェェェェェェェェェェェェム!!
大学選抜チーム!テメェ等にゃプライドってもんがねぇのかオラァ!!戦車じゃねぇモン使って勝って、其れで満足か!如何なんだファッキン!」
「極悪兵器持ち出して勝った気になってるってのか?
ハッ、だとしたらテメェ等大洗を、みほちゃんの戦車道が生んだ高校戦車道連合を舐め過ぎだぜ?
高校戦車道黄金世代連合の力をその身に刻み込んで逝っちまいな!!」
試合後に黒い集団+好子にキッツイお仕置きされる事を覚悟しておくと良いわ。
勿論そのお仕置きには、私とちよきちも参加する心算だからその心算で。――戦車道を穢した罪は、とても重いのだからね。
To Be Continued… 
キャラクター補足
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