アカデミアの一角。
割と開けた場所でデュエルを始めようとしている人物。
1人は霧恵、そしてもう1人は…?
「校長の依頼で出てみたけど、君みたいな子と闘えるなんて、僕は幸せ者だね♪」
アカデミアのOB…天上院吹雪。
遊戯王デュエルモンスターズ New Generation Duel8
『魔術師vs真紅眼』〜霧恵VS吹雪1〜
「光栄よ天上院吹雪さん。アカデミア時代は『キング』と称された実力、見せていただくわ。」
此の言葉に吹雪は『ちっちっち』と指を振り…
「『キング』じゃなくて『吹雪ング』と呼んでくれたまえ。」
――ひゅぅぅぅぅぅぅぅ〜…
…空気が凍った。
「…ださ。」
「そのネーミングはいただけないわ…」
「冗談だよ。」
その言葉と同時に吹雪からチャラけた雰囲気が消失した。
「デュエルは常に真剣勝負。」
「同感。」
「かつて『キング』と呼ばれた僕の実力をお見せしよう!天上院吹雪、参る!」
「「デュエル!!」」
霧恵:LP4000
吹雪:LP4000
「僕の先攻、ドロー!『黒竜の雛』を召喚!」
黒竜の雛:ATK800
「そして効果発動、黒流の雛を墓地へ送り、手札の『真紅眼の黒竜』を特殊召喚!」
「ガァァァァ!!」
真紅眼の黒竜:ATK2400
「そして魔法カード『黒炎弾』!相手に真紅眼の元々の攻撃力分のダメージを与える!行け真紅眼!『黒炎弾・零式』!!」
――ゴァァァァァァ!
「きゃぁぁぁ!」
霧恵:LP4000→1600
「カードを1枚伏せてターンエンドだ。」
流石にかつては『キング』と呼ばれたデュエリスト。
1ターン目から強力なコンボを仕掛けてきた。
「った〜…1ターン目から何てコンボよ…あたしのターン!魔法カード『相対する力』。相手モンスター1体を選択し、
選択したモンスターと同じレベルのモンスター1体をデッキか手札から特殊召喚する。あたしが選ぶのは当然『真紅眼の黒竜』。
そしてデッキから真紅眼と同じレベル…レベル7のモンスターを召喚する、来なさい『ブラック・マジシャン』!」
「ハァッ!」
ブラック・マジシャン:ATK2500
「更に装備魔法『魔術の呪文書』を装備。ブラック・マジシャンの攻撃力を700ポイントアップさせる。」
ブラック・マジシャン:ATK2500→3200
「バトル!ブラック・マジシャンで真紅眼の黒竜に攻撃!『黒・魔・導』!」
「くっ…!」
吹雪:LP4000→3200
「カードを2枚伏せて、ターンエンド。」
霧恵とて、伊達に童美野町のリーダー的デュエリストではない。
ライフポイントの差は大きいが、状況では優位に立った。
「僕のターン。手札より魔法カード『思い出のブランコ』発動。墓地の通常モンスター1体を特殊召喚する。蘇れ『真紅眼の黒竜』!」
真紅眼の黒竜:ATK2400
「更に真紅眼の黒竜を墓地へ送り、『真紅眼の闇竜』を特殊召喚!」
真紅眼の闇竜:ATK2400
「真紅眼の闇竜…」
「そして、闇竜は自分の墓地のドラゴン族モンスター1体につき攻撃力が300ポイントアップする!」
「ショアァァァァァァァ!!!」
真紅眼の闇竜:ATK2400→3000
「攻撃力3000…でも、まだブラック・マジシャンの方が攻撃力は上よ?」
「そうなんだけど…吹雪さんのコンボ、未だ終わってないよ。」
響に霧恵は努めて冷静に返す。
「その通り!魔法カード『ドラゴン・ソウル』発動!此のターン通常召喚を行わない代わりに、デッキからドラゴン族モンスター3体を墓地に送り、
場のドラゴン1体の攻撃力を1000ポイントアップさせる!」
「やっぱり…!」
「そして墓地のドラゴンが増えた事により、攻撃力は4900に上昇!」
真紅眼の闇竜:ATK3000→4900
ブラック・マジシャンと真紅眼の闇竜の攻撃力の差は1700。
この攻撃を喰らえば霧恵の負けである。
「真紅眼の闇竜でブラック・マジシャンを攻撃!『ダークネス・ギガ・フレイム』!」
ただし、攻撃が決まれば…だが。
「伏せカードオープン!速効魔法『魔法の学校』、そして罠カード『伏兵』!」
「なに!?」
流石に唯では終わらない。
此の展開を霧恵は完全に読みきっていたらしい。
「『魔法の学校』の効果でブラック・マジシャンをリリースしデッキから『ブラック・マジシャン・ガール』を特殊召喚!」
「えへっ♪」
ブラック・マジシャン・ガール:ATK2000
「魔法の学校の効果で特殊召喚されたマジシャンはレベルが2つ上がり攻撃力が500ポイントアップ。
加えてブラック・マジシャンが墓地に送られた事で、ブラック・マジシャン・ガールの攻撃力は更に300ポイントアップする。」
ブラック・マジシャン・ガール:ATK2000→2800 Lv6→8
「そして『伏兵』の効果でデッキからレベル4以下のモンスターを特殊召喚出来る。
デッキから『マジシャンズ・ヴァルキリア』を守備表示で特殊召喚!
更に『魔術の呪文書』が墓地に送られた事であたしのライフが1000ポイント回復!」
「はっ!」
マジシャンズ・ヴァルキリア:DEF1800
霧恵:LP1600→2600
「マジシャンズ・ヴァルキリアが存在する限り、相手はマジシャンズ・ヴァルキリア以外の魔法使いには攻撃できないわ。」
「ならば、先に片付けるまで!闇竜よマジシャンズ・ヴァルキリアに攻撃!『ダークネス・ギガ・フレイム』!」
――ゴォォォォォ!
守備表示ゆえダメージは無し。
しかも、霧恵は『してやったり』とでも言うような笑みを浮かべている。
「此の瞬間、『伏兵』のもう1つの効果発動。」
「もう1つの効果?」
「伏兵の効果によって特殊召喚されたモンスターが戦闘で破壊されたとき、
破壊されたモンスターより低いレベルの同種族モンスターをデッキから特殊召喚出来る。」
「!!!」
「デッキより、チューナー・モンスター『マジカル・フィシアリスト』を特殊召喚!」
マジカル・フィシアリスト:ATK800
「此のターンのエンドフェイズ、ドラゴン・ソウルの効果は無くなり闇竜の攻撃力は3900にダウンする…」
真紅眼の闇竜:ATK4900→3900
「僕はカードを1枚伏せて、ターンエンド。」
「あたしのターン…!」
「来るか…!」
「レベル8となったブラック・マジシャン・ガールにレベル2のマジカル・フィシアリストをチューニング。
大いなる魔術師の魂よ、古の力を我が前に示せ。シンクロ召喚…裁け『聖霊魔導師−アリオス』!」
聖霊魔導師−アリオス:ATK3000
「攻撃力3000…」
「これで、全ての準備が整った…壮大なマジック・ショーの幕開けよ!」
共に最上級クラスのモンスターを従えた霧恵と吹雪。
霧恵の言うとおり、今此処からが真のデュエルの始まりだ…
To Be Continued… 