『ななななんと〜〜!!チームEXALラストホイーラー、簪・J・雪花まさかのDホイールと合体〜〜〜!!
此れは夢か幻か〜〜!…いや、ほっぺたを抓っても痛いから此れは間違いなく現実だ〜〜〜!!
なんと言う衝撃、なんと言う戦術!!Dホイーラーの究極型を、我々は今目撃している〜〜!!!』
WRG1決勝戦の4thデュエル。
遊星vs雪花のデュエルだが、そのデュエル開始前の雪花とDホイールの合体に会場は驚きの渦に飲まれていた。
当然だ。
本来Dホイーラーが騎乗するべきDホイールと一体となるなど誰1人として予想など出来る筈も無い。
「合体ロボ使うだけかと思ったら、テメェがDホイールと合体だと!?マジかよ…」
MCと観客だけでなく、チーム遊戯王の面々も吃驚。
遊哉ですら驚きは隠せないようだ。
「ついでに簪はサイコデュエリスト……気をつけろよ遊星…!」
だが、それ以上に『只では済みそうにない雰囲気』は濃密だった。
遊戯王デュエルモンスターズ New Generation Duel65
『機皇帝・∞の3体目』
「Dホイールと合体…お前は一体?」
「ただの人間よ。そう、強大なサイコパワーを植えつけられただけのね。」
サーキットを疾走する2台…と言って良いのかはやや疑問だが、遊星と雪花はどちらも譲らぬデッドヒート状態になっていた。
勿論ルールの関係で、先攻は雪花からだ。
「サイコパワー…その力と機皇帝でお前は一体何を企んでいる?」
「聞かれて言うと思う?聞きたいならデュエルで私を倒すしかない。」
「言われなくてもその心算だ。」
挑発的な雪花の一言にも遊星は冷静そのもの。
静かに火花が散っている。
「ふふふ…やれるものならやってみなさい。」
「あぁ…行くぞ!」
「「デュエル!!」」
遊星:LP4000 SC9
雪花:LP4000 SC7
「私のターン!カードを1枚伏せ、モンスターを裏守備でセットしターンエンド。」
先ずは守備と伏せ1。
裏守備ということはリバースか或いはリクルーターの類だろうか?
正体不明だが何かを狙っている事は間違いないだろう。
「俺のターン!」
遊星:SC9→10
雪花:SC7→8
――裏守備…リクルーターかリバースの可能性が高いが…此処は臆せず攻める!
「手札からスピードスペル『Sp−シンクロ・バンカーストライク』発動。
俺のスピードカウンターが6個以上あるとき、俺のフィールド上のシンクロモンスターの攻撃力をエンドフェイズまで1000ポイントアップさせる。
更にこのターン、俺のシンクロモンスターが守備モンスターを攻撃したとき、攻撃力が守備力を超えていればその数値分のダメージを与える!」
『うん、力が漲る♪』
神水霊魔導師−エリア・ヘカーテ:ATK4600→5600
「バオォォォォ…!」
クリムゾン・ノヴァ・ドラゴン:ATK4400→5400
貫通効果をつけてのパワーアップ。
この攻撃力ならば守備モンスターのステータス如何によっては一撃で決着がつくレベルだ。
「バンプアップと貫通効果…成程、流石に熱いな不動遊星――そのデュエリストの魂は喰らうに値するわ。」
「褒め言葉と受け取っておく。だが、悪いがお前をデュエリストと呼ぶ事は出来ないな。
デュエルを利用して人を傷つけるような奴を、俺はデュエリストとは認めない!」
冷静な態度とは裏腹に、遊星はファントムに対して相当に腹に据えかねているようだ。
無理も無い。
Dホイーラーを手当たり次第に襲撃し、デュエルを強要しクラッシュさせて病院送り…許せるものではない。
「お前達の目的が何であろうとこれ以上の暴虐を許しはしない!バトル!
クリムゾン・ノヴァ・ドラゴンで守備モンスターに攻撃!『クラッシュ・オブ・バーニングフォース』!」
「そちらか。確かにその龍の効果を持ってすれば、守備モンスターは効果破壊できるし、モンスターが破壊できなくとも魔法・罠の破壊が出来る。
だが甘い!トラップ発動『シンクロ・エフェクトクリア』!このターンのみフィールド上に表側表示で存在するシンクロモンスターの効果を無効にする!」
「なに!?」
神水霊魔導師−エリア・ヘカーテ:ATK5600→4200
クリムゾン・ノヴァ・ドラゴン:ATK5400→4500
攻撃に対してのトラップ。
其れはシンクロモンスターの効果無効化。
それでも遊星が従えたモンスターの攻撃力は凄まじいが、此れではクリムゾン・ノヴァの効果は使えない。
「だが、シンクロ・バンカーストライクの効果までは消せない!クリムゾン・ノヴァの攻撃は守備を貫いてお前にダメージを与える!」
その言葉通り、クリムゾン・ノヴァの攻撃は守備モンスターを焼き尽くし、その余波が雪花に向かう。
だが、その余波は寸でで掻き消えてしまった。
「!?」
「良い攻撃だわ不動遊星。でも残念…攻撃対象になった『メカニクルガードナー』の効果。
このカードが攻撃対象にされた場合、その戦闘で発生する私への戦闘ダメージは0。
更にこのカードは戦闘で破壊されたとき、デッキからレベル1の機械族モンスターを特殊召喚出来る。」
「レベル1の機械族…そういう事か…!」
「お察しの通りよ。私がこの効果デッキから特殊召喚するのはレベル1の『レギス・コア』!」
レギス・コア:DEF0
シンクロの効果を無効にし、戦闘ダメージも0にしてのコア召喚。
この辺りは中々の戦術だ。
「こんな方法で…だが、コアの守備力は0、エリア・ヘカーテの攻撃が貫通して終わりだ!
頼むぞエリア・ヘカーテ、レギス・コアに攻撃!『激流のダイヤモンド・スプラッシュ』!」
『此れで…吹き飛べぇぇ!!』
だが怯まない。
もとより、雪花のフィールドの伏せカードはもう無い。
更にレギス・コアの守備は0、貫通効果を得たエリア・ヘカーテの攻撃が通ればそれで終わりだ。
「確かに其れが通れば私の負けだが残念だわ、手札から『マシンナーズ・バリヤード』の効果を発動。
手札からこのカードを捨てることで、このターン1度だけ私への戦闘ダメージを0にする!」
「今度は手札から…」
しかし、その攻撃も手札からのモンスター効果でダメージ0に。
しかも機皇帝のコアは1ターンに1度だけ戦闘破壊されないのだから性質が悪い。
「ダメージを無効にするカードは持っていたのか…」
「当然ね。そうでなければコアを呼び出したりはしないわ。」
此処は雪花の読み勝ちといったところか。
――コアが無事と言う事は次のターンで機皇帝が展開されるのは間違いない。
そして恐らく、クリムゾン・ノヴァとエリア・ヘカーテのエスケープ効果に対しても何らかの対策があるはず…
スピードワールド2の効果でアイツのフィールドのカードを1枚破壊する事は可能だが、今スピードカウンターを減らすのは得策じゃないな…
「…ターンエンド。この瞬間、シンクロ・バンカーストライクの効果はなくなるが、2体の効果は復活する!」
クリムゾン・ノヴァ・ドラゴン:ATK4500→3500→4400
神水霊魔導師−エリア・ヘカーテ:ATK4200→3200→4600
流石に機皇帝の降臨を許してしまうのは辛いものがあるだろう。
恐らくは進化したシンクロに対する何らかの手段を講じているのは確実なのだ。
とは言え、矢張り攻撃力4000オーバーのモンスターが2体という状況は頼もしいのだが。
「私のターン。」
遊星:SC10→11
雪花:SC8→9
「先ずは絶望への序章…スピードスペル『Sp−テイク・オーバー』を発動。
私のスピードカウンターが4つ以上あるとき、私のフィールド上のカウンターが乗っているカード1枚を破壊する。
そして、破壊したカードに乗っていたカウンターの数×100ポイントのライフを回復するわ。
この効果で『無限霊機』を破壊し、そのカウンターの数103個×100…10300ポイントのライフを回復するわ。」
雪花:LP4000→14300
「ライフが一気に1万を超えた…!?」
「マダよ?破壊された『無限霊機』の効果発動。
このカードが破壊されたとき、このカードに乗っていたカウンターの数×100ポイントのライフを回復する。」
「何だと!?」
「カウンターの数は103個、つまり更に10300ポイントのライフが回復する!」
雪花:LP14300→24600
恐ろしいまでのライフ回復。
此れを削りきるのは相当に骨が折れそうだ。
「続いて絶望の第1幕。スピードスペル『Sp−ライトニング・ロッド』発動。
スピードカウンターが2つ以上あるとき、私のフィールド上のモンスター1体を破壊する。破壊するのは当然『レギス・コア』!」
続けざまに今度は機皇帝を展開する一手。
先の2人とは違い、隙という物が今のところまるで見当たらない。
「矢張りきたか…!」
「ふふふ…レギス・コアが効果で破壊されたとき、自分フィールド上のモンスターを全て破壊し、デッキか手札から『機皇帝レギアス∞』!」
機皇帝レギアス∞:ATK?
「『レギアスA』」
レギアスA:ATK1500
「『レギアスG』」
レギアスG:DEF1400
「『レギアスC』」
レギアスC:DEF800
「『レギアスT』を特殊召喚。」
レギアスT:ATK700
「そして…合体せよ『機皇帝レギアス』!」
機皇帝レギアス∞:ATK?
レギアスA:ATK1500
レギアスG:DEF1400
レギアスC:DEF800
レギアスT:ATK700
↓
機皇帝レギアス:ATK?
現れた5体のモンスターが合体し、1体の巨大なモンスターへと姿を変える。
先の2体の機皇帝よりも更に巨大なその体躯、恐らく海龍を機械化したらこの様な容姿になるだろう。
「?合体しても攻撃力と守備力は不明のままなのか?」
だが、遊星の言うように合体しても攻守の値は『?』のままだ。
先の2体のステータスはパーツのステータスの合計値で決定されていたのだが…?
「焦るな不動遊星。絶望の第2幕…機皇帝レギアス∞の攻守は私のフィールド上のカードと手札の合計枚数×1000ポイントになる。
私のフィールドのカードと手札の合計枚数は10!よってレギアスの攻撃力は10000ポイントになる!」
機皇帝レギアス:ATK?→10000
「攻撃力10000…」
恐るべき攻撃力だが、仲間に『攻撃力馬鹿』が居るせいか余り驚きはしない。
寧ろ攻撃力10000は割りと体験しているのだろう。
「…流石に1人で攻撃力13万オーバーをやる馬鹿がチームに居ると驚かないか?」
「悪いけれどな。」
どうやらそうだったらしい。
「尤も此れで驚いたら困るけれど…手札からスピードスペル『Sp−天よりの宝札』発動。
スピードカウンターが6つ以上あるとき、互いに手札が6枚になるようにカードをドローする。」
「更に攻撃力を上げる気か?」
「勿論だ。此れで私の手札は6枚!フィールドとの合計枚数は14枚になる!」
機皇帝レギアス:ATK10000→14000
更なる攻撃力上昇だ。
完全に攻撃力だけは優位に立っただろう。
「マダマダよ?スピードスペル『Sp−ショックパルス』!
スピードカウンターが7個以上あるとき、エンドフェイズまで相手フィールド上のモンスターの効果を全て無効にするわ。
そしてこのカード発動時にスピードカウンターが相手より少ないとき、このカードに対して相手はカード効果を発動できない!」
「2体のエスケープ効果を読んでいたか…」
クリムゾン・ノヴァ・ドラゴン:ATK4400→3500
神水霊魔導師−エリア・ヘカーテ:ATK4600→3200
機皇帝レギアス:ATK14000→13000
「当然。アクセルシンクロとダブルチューニング…その結果であるモンスターが持つ厄介な効果は既に分っているわ。
さて、お前のシンクロモンスターを頂くとしようか?機皇帝レギアスの効果発動!エリア・ヘカーテを吸収する。」
「そうはさせない。手札から『エフェクト・ヴェーラー』の効果発動!
このカードを手札から捨て、相手モンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にする!」
「なに!?」
機皇帝レギアス:ATK13000→0
雪花の効果無効に対し、遊星もまた機皇帝の効果を無効に。
今度は遊星の読みの方が勝ったようだ。
「私の効果無効を読んでいたのか…カードを2枚伏せてターンエンドよ。」
「エンドフェイズ、俺とお前のモンスターの効果は復活する。
そして、俺の墓地にエフェクト・ヴェーラー…魔法使い族のチューナーが増えた事でエリアとクリムゾンの攻撃力は更に上がる!」
クリムゾン・ノヴァ・ドラゴン:ATK3500→4700
神水霊魔導師−エリア・ヘカーテ:ATK3200→5300
機皇帝レギアス:ATK0→13000
「其れを踏まえてか…だが、レギアスの攻撃力はお前のモンスターの倍は有る。如何する不動遊星!」
「迦神の残してくれたエリア・ヘカーテが俺に力を与えてくれる!俺のターン!」
遊星:SC11→12
雪花:SC9→10
「行くぞ!エリア・ヘカーテの効果発動!エンドフェイズまで相手モンスター全ての効果を無効にする!」
『ドライバーやスパナ持って来た方が良かったのかなぁ?』
機皇帝レギアス:ATK13000
↓
機皇帝レギアス∞:ATK?
レギアスA:ATK1500
レギアスG:DEF1400
レギアスC:DEF800
レギアスT:ATK700
もう何度目かも数えるのが面倒なほどの機皇帝分解。
しかしながらこの効果は機皇帝には効果覿面。
分解されては只の弱小モンスターの集まりに過ぎないのだ機皇帝は。
「更にスピードスペル『Sp−エンジェルバトン』発動。
俺のスピードカウンターが2個以上あるとき、デッキからカードを2枚ドローし、その後手札を1枚捨てる。
2枚ドローし…『マジック・ヴェーラー』を捨てる。今捨てたマジック・ヴェーラーはチューナーで魔法使い族!
クリムゾン・ノヴァとエリア・ヘカーテの攻撃力は更に上昇する!」
『今の私は神にも勝てる気がする…』
神水霊魔導師−エリア・ヘカーテ:ATK5300→6000
「ガァアァァァァ!」
クリムゾン・ノヴァ・ドラゴン:ATK4700→5000
この局面で更なる攻撃力の上昇。
機皇帝の効果が無効の今、雪花の莫大なライフを削る絶好の好機だ。
特に、機皇帝を破壊できれば雪花の場はがら空きになり一気に流れを引き寄せる事ができる。
「バトルだ!クリムゾン・ノヴァ・ドラゴンで機皇帝レギアス∞に攻撃!『クラッシュ・オブ・バーニングフォース』!」
闇色の炎が機皇帝を滅さんと放たれる。
この攻撃が通れば雪花はライフは兎も角、一気に劣勢は間違いない。
「そうは行かないわ。トラップ発動『ドレイン・シールド』。相手モンスターの攻撃を無効にし、その攻撃力分のライフを回復する。」
雪花:LP24600→29600
だが、その攻撃は防がれる。
雪花のライフは削られるどころか更に増大してしまった。
「更なるライフゲイン…だが、エリア・ヘカーテの攻撃はまだ残っている!頼むぞエリア!」
『任せて遊星!吹き飛べ…『激流のダイヤモンド・スプラッシュ』!』
しかし、攻撃を無効にされたとて更なる攻撃は可能。
吸収された攻撃力を上回る一撃だが…
「実に素晴らしいわ不動遊星。でも其れも無駄よ…永続トラップ『機皇帝の呪縛』!
機皇帝が表側表示で存在する場合にのみ発動出来る。相手モンスターの攻撃を封じ効果を無効にする!」
其れすらも防ぐ。
神水霊魔導師−エリア・ヘカーテ:ATK6000→3200
此れだけのモンスターを従えつつ、互いにライフは無傷。
上位デュエリストの戦いと言うのはいやでも理解できるレベルだ。
「攻撃を無効に…バトルフェイズを終了してメインフェイズ2に移行。
『スピードワールド2』の効果発動、スピードカウンターを10個取り除き、フィールド上のカード1枚を破壊する!
俺が破壊するのは『機皇帝の呪縛』!」
遊星:SC12→2
――バリィィン!
フィールド魔法の効果で永続罠を破壊しエリアを解き放つ。
この辺の判断力は見事だ。
神水霊魔導師−エリア・ヘカーテ:ATK3200→6000
「カードを1枚伏せてターンエンド。」
機皇帝レギアス∞:ATK?
レギアスA:ATK1500
レギアスG:DEF1400
レギアスC:DEF800
レギアスT:ATK700
↓
機皇帝レギアス:ATK12000
「私のターン。」
遊星:SC2→3
雪花:SC10→11
機皇帝レギアス:ATK12000→13000
「『スピードワールド2』の効果!スピードカウンターを10個取り除きフィールド上のカード1枚を破壊する!砕けろクリムゾン・ノヴァ・ドラゴン!」
雪花:SC11→1
「無駄だ。クリムゾン・ノヴァ・ドラゴンの効果発動!相手ターンに1度ゲームから除外できる。
そしてこの効果を使った場合このターン1度だけ相手モンスターの攻撃を無効に出来る!」
破壊を狙ってきた雪花には効果で対処。
どちらも一歩も退かない。
「逃げたか…だが、絶望の第3幕!レギアスTとレギアスAをリリースし、手札の『レギアスT3』と『レギアスA4』を特殊召喚。」
レギアスT3:ATK1000
レギアスA4:ATK1900
「新たな機皇帝のパーツか?」
「その通りよ。そしてレギアスA4の効果!レギアスA4が表側表示で存在する限り、機皇帝レギアス∞の攻撃力は私のライフポイント分アップする!」
「何だと!?」
機皇帝レギアス:ATK13000→42600
己がライフをも攻撃力に変える恐るべき効果。
これ程の攻撃力上昇は普通なら目玉飛び出るレベルだろう。
「更にレギアスの効果発動!エリア・ヘカーテは頂くわ!」
「そうはさせない!エリア・ヘカーテの効果発動!」
『異次元に〜〜…ってアレ?』
機皇帝の効果を回避しようとするがエリアが消えない。
「エリア?」
『ご、ゴメン遊星逃げられない…!』
「レギアスT3の効果よ。このカードが表側で存在する限り、相手はレギアスの効果に対してカード効果を発動できないわ!」
「そんな効果が…!く…エリア・・・!!」
「エリアを吸収した事で私のフィールドのカードが増え、攻撃力は1000ポイントアップ…尤も既にお前を倒すには充分すぎるほどの攻撃力だがな。」
効果封じの一手。
パーツ進化で一気にレギアスも強化されたようだ。
機皇帝レギアス:ATK42600→45800
機皇帝から伸びた光の縄にエリアに絡め取られそのまま吸収。
更にその力を増してきた。
「ふふふ…終わりよ不動遊星!機皇帝レギアスでダイレクトアタック!!」
「確かに追い込まれたがマダだ!クリムゾン・ノヴァの効果でその攻撃を無効にする!」
窮地であるがこの効果だ。
ライフさえ残れば返しのターンで反撃はまだ出来る。
「其れは勿論分っている。だが、レギアスA4の効果!このカードが表側で存在する時、機皇帝はバトルフェイズ中に2回攻撃できる!!」
しかし、其れをも読んだ連続攻撃。
この攻撃を喰らったら一撃だ。
――連続攻撃だと?だが、迦神が残してくれたカード…『ロスト・スター・ディセント』を使えばこの攻撃はかわせる。
だが、今の俺の手札にはレギアスに抵抗できるカードが無い…
故に遊星は考える。
この攻撃を防いでも反撃できなくては意味が無い。
タイマンデュエルならば攻撃を防ぐ手立てを使うだろうか、此れはチーム戦だ。
この攻撃を防いだとて次に繋がる一手が無ければ意味は無い。
――チーム戦で自分の運に頼る戦い方は使えないな…頼むぞ緋渡…!
「砕け散れ不動遊星!『アビス・キリングバスター』!」
放たれた凄まじいビーム攻撃。
――ドゴォォォォン!
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
遊星:LP4000→0
一撃でライフ0。
更に雪花の力でダメージは現実のものに…
その衝撃で遊星のDホイールは凄まじい大スピン。
マシンコントロールを取り戻せなければ壁に激突してクラッシュは免れない。
「く…だが、バトンは繋ぐ…!トラップ発動『ロスト・スター・ディセント』!」
それでもコントロールを取り戻し、最後の足掻きを試みる。
今の一撃で遊星のヘルメットには皹が入り、ライディングスーツもところどころ裂けている。
Dホイールも傷つき走行がやっとの状況だ。
「この効果で墓地の『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を呼び戻す。
但し…この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効となり、レベルも1つ下がって守備力は0に、表示形式の…変更も出来ない。」
レッド・デーモンズ・ドラゴン:DEF2000→0 Lv8→7
「さ、更に永続トラップ『エンジェル・リフト』…!墓地からレベル2以下のモンスターを攻撃表示で…特殊召喚する。
こ、この効果…で、俺…は、墓地から…シンクロチューナー…『フォーミュラ・シンクロン』…を呼び戻す…!」
フォーミュラ・シンクロン:ATK500
「そ、そしてクリムゾン・ノヴァ・ドラゴンはエンドフェイズに舞い戻る…!」
クリムゾン・ノヴァ・ドラゴン:ATK3500
ライフは尽きたがそれでも次に繋がるフィールドは整えた。
飛びそうになる意識を気合で繋いだ遊星の意地の賜物だ。
「馬鹿な…何故そのカードを?発動すればこの攻撃は防げたはず。」
「た、確かにな…だが、此れはチーム戦だ。お、俺1人…が勝手な事はできないさ。
それ…に、俺の手札にはお前の機皇帝に対抗出来るカードは無かった…なら次に託すのもチームの闘い方だ…。」
遊星のDホイールはどんどん減速し、チームピットに向かう。
「チームで闘う時は時に『勝利の為の敗北』を選ぶ事も重要だ……だが、流石に効いたな…後は頼むぞ緋渡…・」
そのままチームピットへ。
『なんと言う結末〜〜!!圧倒的な攻撃力で簪・J・雪花、不動遊星を大粉滅!!
此れで決勝戦の行方はラストホイーラー同士のデュエルに託される事になった〜〜!!』
「「「「「遊星!!」」」」」
MCの解説もそこそこに、チーム遊戯王の面々は戻ってきた遊星をすぐにDホイールから引き剥がす。
戻ってきた遊星を見ると、ヘルメットやライディングスーツのみならずリアルに身体に傷が…!
「救護班!大至急遊星っちの手当てだよ!」
レンが逸早く手当てを命じる。
其れほどまでに酷いのだ遊星の傷は。
それだけの傷を負いながらもフィールドを整え、バトンを繋いだのは遊星のデュエリストの魂の強さに他ならない。
「ひ、緋渡、フィールドは…整えた…頼むぞ…!」
「ったりめーだ!お前がそんな状態になってまで繋いでくれたバトン…折らせはしないぜ!」
ピットクルーの手でカードの移し変えは終わっている。
後は発進するだけだ。
「あぁ…お前に任せるぞ…緋渡…」
それだけ言うと遊星は気を失った。
矢張りギリギリの線で保っていたのだ。
「あぁ…受け取ったぜ遊星、オメェのデュエリストスピリッツを!!」
自身のDホイールのエンジンを全開にし、遊哉も準備完了。
「ファントム…クソ野郎が!俺のダチ公に上等働いてくれた礼は万倍にして返してやる…!
何処までもふざけやがって…!俺は…俺は本気で怒ったぞファントムーーーーー!!」
遊哉から立ち昇る紅蓮の『デュエリストのオーラ』。
鋼鉄ですら溶解しそうなその熱気に反応するが如くDホイールも大加速。
WRG1の決勝戦はいよいよファイナルデュエルに突入した…!
To Be Continued… 
*登場カード補足
メカニクル・ガードナー
レベル1 地属性
機械族・効果
このカードが攻撃対象になった時、その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
このカードが戦闘で破壊され墓地に送られた時、デッキからレベル1の機械族モンスター1体を選択して特殊召喚出来る。
ATK0 DEF0
マシンナーズ・バリヤード
レベル4 水属性
機械族・効果
ダメージステップにこのカードを手札から捨てて発動する。自分が受ける戦闘ダメージを0にする。
ATK1000 DEF1800
Sp−シンクロ・バンカーストライク
スピードスペル
自分用スピードカウンターが6個以上ある場合に発動する事ができる。
エンドフェイズまで自分フィールド上に表側表示で存在するシンクロモンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。
また、相手の守備表示モンスターを攻撃した場合、攻撃力が守備力を超えていればその数値分の戦闘ダメージを相手に与える。
Sp−テイク・オーバー
スピードスペル
自分用スピードカウンターが4つ以上ある場合に発動する事ができる。
カウンターが乗っている自分フィールド上のカード1枚を破壊し、 そのカウンターの数×100ポイントのライフを回復する。
Sp−ライトニング・ロッド
スピードスペル
自分用スピードカウンターが2つ以上ある場合に発動する事ができる。
自分フィールド上に存在するモンスターを1体選択して破壊する。
Sp−ショックパルス
スピードスペル
自分用スピードカウンターが7個以上ある場合に発動する事ができる。
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターの効果をエンドフェイズまで無効にする。
また、このカードの発動時に自分のスピードカウンターの数が相手より低い場合、相手はこのカードの発動に対してカード効果を発動できない。
シンクロ・エフェクトクリア
通常罠
エンドフェイズまでフィールド上に表側表示で存在するシンクロモンスターの効果を無効にする。
機皇帝の呪縛
永続罠
自分フィールド上に「機皇帝」と名の付くモンスターが表側表示で存在する場合に発動できる。
相手フィールド上のモンスター1体を選択し、選択したモンスターの効果を無効にし、攻撃できなくする。
選択したモンスターがモンスターゾーンから離れた場合このカードを破壊する。