―WARNING!―
キャラ崩壊注意です。
こんななのはたち嫌だ!と感じた方は回れ右(ブラウザバック)なのです。
本日は機動六課の全員が休日となった珍しい日である。
遊星&はやて、クロウ&ノーヴェがミッドチルダ最大のホビーショップ『ホビーショップT&H』へ行った一方でなのは&テスタロッサ姉妹組はというと…
「フェイトちゃん、どっか行きたいところある?」
「え、実は考えてなくてこれといって思いつかないけど…」
「実は私も…」
どうやら、テスタロッサ姉妹は現時点ではどこへ行くのか決めていなかったようだ。
そこで、その返答を聞いたなのはが突如として黒い笑みを浮かべる。
「へぇ、じゃあ丁度いいや。ちょっと行きたいところあるのだけど、折角だし二人も行ってみようか?」
「!?」
「え、ちょ…あの?」
行きたいところのあるなのはから発せられた謎の瘴気にあてられた二人が思わず後ずさりするも…
「行くよね?」
「「あ、はい」」
拒否権はないとばかりのなのはの押しに負け、思わず二人は承諾してしまう。
そうして3人は車に乗り、なのはが運転する車が目的地へ向けて発進することになった。
二人はなのはから感じる何かよからぬ雰囲気に怯えながら。
そうして走る車に揺られて数十分、たどり着いたところはミッドチルダの郊外…
「さ、着いたよ。二人とも」
「ここが目的地?…oh」
「なぁにこれぇ?」
「ふふ、とりあえず入ろうか」
姉妹がドン引きしたそれは…『ブラック・キューブ』という店名で黒いキューブ状のいかにも怪しそうな建物であった。
三人はここに入店するも、いったいここで何が始まるというのだろうか?
遊戯王×リリカルなのは 絆の決闘者と夜天の主 外伝
『六課の休日なのは編!?』
―ざわ…ざわ…
「へぇ、中は意外と雰囲気は悪くないけど…客の雰囲気が…怖い」
「それになんか…気味が悪い」
そこはゴシック調の落ち着きつつも少し不気味さを感じさせる雰囲気で、シングルカードのショーケースやデュエルするための広い場が設けられているいわゆるカード専門のショップであった。
『ホビーショップT&H』はカード類だけでなく他のホビーも取り扱っているのもあり比較的一般的な層に受け入れられているのに対し、こちらはいかにもニッチな通好みといったところである。
そのためどうかはわからないが、全体的に客の雰囲気はピリピリとしているようだ。
そうして…シルクハットを被り、目の部分を隠す仮面を身に着けた燕尾服姿の怪しそうな20代程度の男が目に入る。
「いらっしゃい。おや…久しぶりですね、高町さん?」
「今まで時間が取れなくてね。久しぶりに予定が空いたから来させてもらったわけ」
どうやら彼は店長であり、なのはとは顔見知りであるようだ。
「成程。それと、連れの美しいお嬢様方は見ない顔ですが…まぁ、ゆっくりしていくといい」
「あ、ありがとうございます」
「折角だし、素の私の姿を見てもらいたくてね。勿論、大会にはエントリーさせていただくよ…」
そう言うと早速、なのはは手早く大会参加シートに必要事項を記入して店長らしき男に手渡す。
「へぇ、なのはって…デュエルモンスターズやってるんだね」
「デュエリストでもある事は教えてなかったからね…少なくとも身内で知ってるのは殆どいなかったと思う」
「それとね、あそこの人たちって…おふっ!?」
アリシアが指差したのは恐らくは大会の参加者たちであるが…
スキンヘッド、覆面を付けた男、前髪おじさん、変身ヒーローっぽい何か、ゆるキャラっぽい着ぐるみ、電波そうな少女など…まさしくカオスの極みであった。
なのははアリシアの手を『彼らに失礼だ』といわんばかりに軽く除けつつ…
「気持ちはわからないでもないけど、指差しはいけません。まぁ、一癖はある連中だよ…下手なことすると火傷するかもね。警告しておくよ」
なのははそう彼女たちを脅しつつ、不気味にほほ笑む。
フェイト達はいつもと違うなのはの様子に戸惑うも…
「…ねぇ、デュエルモンスターズやるなら『ホビーショップT&H』の方でもよかったんじゃないの?どうしてわざわざこんなところに…」
小声ではあるがフェイトはそうなのはに耳打ちする。
それに対し彼女は呆れたように…
「はぁ…わかってないなぁ。あっちは身内ばかりで気まずいの。それに、好きなんだよね…ここの張りつめた雰囲気がさぁ!」
「そ、そう…」
確かに大会に参加しそうな方々は張りつめた雰囲気で、独特の緊張感をかもしだしている者が多いようだ。
なのはにとってみればあっちは生ぬるいとでも言いたいのだろうが…もしもはやてや美由希たちに聞かれたらどうなることやら。
「それに…まさかのあいつが来てるみたいだからねぇ!」
そう語るなのはの視線の先には…黒ずくめの格好で無愛想な青年の姿があった。
彼は一瞬なのはの方を睨み付けると、すぐに元の所を見つめ直した。
―ふふ、挨拶は決闘する時のお楽しみにしておくか。
「あれ?もしかしなくても…」
そうして時は経ち、デュエルモンスターズの大会が始まると各々はデュエルディスクを構えてデュエルを開始するのであった。
まずはなのはの様子から見てみよう。
「これでトドメといこうか!モレイカノンでダイレクトアタック!『ブラスト・ディザスター』!!」
なのは:LP3200
ディザスターワンド・モレイカノン:ATK2400
星海龍ディバイン・レイ:ATK2200
「そう簡単にやらせないよっ!速攻魔法『エネミーコントローラー』発動!ABAB上下上下CC!このコマンドでモレイカノンを守備表示に変更するよっ!」
N:LP1800
なのはが操る紅く禍々しいウツボのようなモンスターことモレイカノンに対し、対戦相手の少女は速攻魔法で迎え撃つも…
「そんな!?…なんちゃってね!ここでモレイカノンの効果!魔法カードが発動した時、このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ使ってその発動を無効にし、このカードに魔力カウンターを1つ置くの!さぁ…目の前にはお前の好物だ、モレイカノン!」
ディザスターワンド・モレイカノン:ORU2→1 and 魔力カウンター0→1
その速攻魔法で呼び出したゲーム機のコントローラーらしきものを赤く光る球体とともにモレイカノンが大口を開けて飲み込んでしまったのだ。
デュエルにおける重要な要素である魔法を無力化する能力は脅威そのもの!
強制的に発動しなければならないことと自分のも無効にしてしまうのは玉に瑕ではあるが。
ちなみに魔力カウンターを2つ使うことで相手ライフに1000ダメージを与える能力もあり、ライフの少なくなった相手への引導火力としても優秀である。
「ねぷっ!?ちょっと待って!!!」
しかしながら、その少女にはもう対抗手段は残されていなかった。
無情にも少女の静止を待たず、モレイカノンの口から巨大な光線が放たれ…
『ゴォォォォォォ!!』
――バァァァァァン!!
「ねぷぅぅぅぅ!!」
N:LP1800→0
なのはは着実に勝利を収めたのであった。
魔法少女や六課のエースとしての今までからは考えられないほど顔が歪んでいるものの、とても楽しそうで何よりである。
一方、テスタロッサ姉妹は…端の方で椅子に座りながら豹変したなのはを呆然と見ていたようだ。
「なのはが…壊れた…?」
「あはは、楽しそうでなによりだね。顔とか怖いけど…」
「う、うん…私、なのはに対する印象が変わっちゃったみたい」
観戦していたところ、ヒャッハーしているなのはに引いてしまっているようだ。
それと対戦相手の少女は吹き飛ばされており、どうやらここでのデュエルは少なくとも生易しくはない衝撃を味わう事になるようである。
――――――
今度は黒ずくめの男の方を見てみよう。
―計画前の肩慣らしのはずが…!
「ありえん…この私がこんな奴に!?何かの間違いだ!」
ディなんとか:LP200
「見苦しい…神速の暗黒剣士よ、奴を斬り裂け。『秘奥義“閃”』!」
黒ずくめの男:LP3500
神速の暗黒剣士:ATK2700
機甲忍者ブレード・ハート:ATK2200
――ズバッ!!
「ぐあぁぁぁぁ!!」
ディなんとか:LP200→0
これは黒ずくめの男の圧勝。
哀れ、前髪おじさんは復讐計画を実行する前からこのような醜態を晒していたようだ。
そして彼は計画を実行するためであろうが、逃げるように店を後にしたのであった。
もっとも、こんなザマでは計画など上手くいくはずがないのだが。
その後、二人は順調に勝ち進んでいき…ついに決勝戦!
「さて、これから決勝戦を開始いたします。高町なのはさんと不破恭也さんは壇上に上がってください」
「はい」
「了解した」
「あ、やっぱり…え、不破?」
店長から名前を呼ばれた二人は一段高い壇上へと登り、相対することとなった。
黒ずくめの男の名は恭也…そう、何故か旧姓の不破を名乗っているがなのはの兄である。
ちなみに驚いているのはフェイトであるが、どうやら流石に旧姓はご存知でなかったようである。
「我がいも…いや、あえて高町なのはと呼ぼうか。噂には聞いていたが…やはり決勝の舞台へ上がってくるか」
「久しぶりだねぇ、おに…いや、不破恭也とでも言っておこうか。流行に疎そうで老成したあんたがよくもまぁこのデュエルモンスターズの世界に入り込んできたもんだ!」
「見ない間に口が悪くなったものだな、お兄ちゃんとしては悲しいものだ。だが、暴力ではない戦闘手段を模索した結果始めたまでのこと」
「流石、戦闘のプロは言う事違うねぇ!だけど、まったく禿同さ。魔法と武術…私たちがやってるのは手法は違えど所詮は暴力ってことだと考えているのでねぇ!早くこっちの世界でもデュエルモンスターズとかが主な戦闘手段な世界になってほしいもんさ」
―ほんと、私の根底にあったはずの『非暴力主義』はどこへやら…あれ、魔導師になる前からだ。
煽りあい…かと思いきや、なのははどうやら自らの使う魔法をも暴力と自嘲し理不尽な事への愚痴をこぼしているようだ。
魔法主義者らを敵に回しかねない危ない発言ではあるだろうが。
「とんだロマンチストなものだ…そう上手くはいかないのが現実なものだがな」
「わかってるつもり…まったく、こんなはずじゃないことばっかりだ。クロノくんの受け売りだけど」
―例えば、ティアナは兄の戦死とそれによる理不尽な兄への嘲笑の反発心で魔導士になった…それを踏まえると、彼女の立場に立ってみたらこの環境と今までの私の指導じゃそりゃ焦って無茶し暴走するわ。まったく我ながら情けないものだよ。
そして心の内ではティアナたちと揉めた事への自責と後悔がいまだにあるようだ。
―ざわ…ざわ…
「何話し合ってんだか。とっとと始めたらどうだ、おらぁ!」
「もう!早くしないと…上からくるよっ!」
とはいえ、負けた方々含む観客らにとってみれば話はいいから早く始めてほしいようだ。
それらの反応を見た二人は…デュエルを始めることにする。
「だそうだ…話はここまでだ。さっさと始めるぞ」
「どうしてわざわざこんな異世界へ来てるのか聞きたかったけど…まぁいいか」
そうして互いにデュエルの準備が完了し…
「「デュエル!!」」
なのは:LP4000
恭也:LP4000
今回のデュエルで先攻は…恭也のようだ。
「先攻はもらう。俺のターン、ドロー」
―この手札では先攻1ターン目から展開しても無駄…ならば!
「ふむ…モンスターをセット。カードを1枚セットし、ターンエンド」
最初のターン、恭也は1枚ずつのセットカードのみでターンを終える。
「まずはセオリー通り動きか…」
「まぁ、碌なもの立たせたところでヴォルカザウルスとかでお陀仏になりかねないからな」
このバーコードをモチーフにしたスーツを着た変身ヒーローっぽい誰かが言うように耐性もなく妨害もできないようなモンスターを立たせたところで最悪ただの的にしかなり得ない。
ちなみにヴォルカザウルスはレベル5モンスター2体で出せ、素材1つ使い自身の直接攻撃権を犠牲にすることで相手の表側モンスター1体を破壊してその攻撃力分もの大ダメージを与える恐ろしいエクシーズモンスターだ。
余談だがガイアドラグーンがあれば、直接攻撃できないデメリットを踏み倒して2600もの高い攻撃力で攻撃できるのは有名な話である…あくまで別の世界の話ではあるが。
それは兎も角、次はなのはのターンだ。
「セットのみね、まぁいい。私のターン、ドロー!まずはこれといこう…魔法カード『星なる光石』を発動!手札からスターワンド・サーモンを捨て1枚ドロー。その後、デッキから同名カードを手札に加えさせてもらおうか」
まずは手札交換から始まり出だしは好調だ。
ちなみに『星なる光石』は1ターンに1枚しか発動できないため、加えた同名カードは次のターン以降での発動となる。
「そして『スターワンド・サーディン』を召喚!」
スターワンド・サーディン:ATK900
「サーディンの効果を発動し、デッキから『星の痕跡』を手札に加え…そのまま発動!この効果により対象のサーディンの攻撃力は200ポイントアップするけど…この効果にチェーンする形で手札から『スターワンド・パラクダ』の効果発動!自分が通常魔法を発動した時、このカードを手札から特殊召喚できる!」
「出た!高町のマジックコンボだ!」
このように順調に彼女はデッキを回していく…しかし、恭也はこの瞬間を逃さない。
「やはり展開してくるか。だが、甘いな。手札から『増殖するG』を捨て、効果発動!このターン相手が特殊召喚する度、俺はカードを1枚ドローさせてもらう」
そう…そのいかにもな見た目こそ嫌悪感を抱かせやすいが、優秀なドローソースを差してきた。
出鼻を挫かれたなのはは悔しそうな顔だ。
「ちっ、握っていたか…まぁいいか。手札から『スターワンド・パラクダ』を特殊召喚し、サーディンの攻撃力を200ポイントアップ!」
スターワンド・パラクダ:ATK1200
スターワンド・サーディン:ATK900→1100
「そして俺は1枚ドローさせてもらう」
―さぁ、ここからどうでる…なのはよ。
ここでGを喰らったとはいえ、なのはの場にはレベル4のモンスターが2体が揃った。
ここは展開せずこれ以上のドローを阻止するか、それともエクシーズをするのか。
「まぁ、2枚くらいは仕方ない。永続魔法『強欲なカケラ』をあらかじめ発動しておき…私はレベル4のスターワンド・サーディンとパラクダでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築し、エクシーズ召喚!」
なのははドロー覚悟でもエクシーズ召喚を選択。2体のモンスターが黄色く光る球体となり、赤い渦に入り込み…それが弾ける。
「かの地の魔力を食らい尽くし、災禍の号砲を上げよ!『ディザスターワンド・モレイカノン』!!」
『グギュゥゥゥゥゥゥ!!』
ディザスターワンド・モレイカノン:ATK2400
そこから現れたのは、初戦でも使用した尾の部分が杖状になっており長大かつ獰猛な魚―ウツボを彷彿とさせる魚族エクシーズだ。
静かながら唸り声をあげており、敵である恭也に今にも襲い掛かりそうだ。
「…魔法を封じ込める戦略と来たか。Gの効果で1枚ドロー」
「その様子だと効果は説明するまでもないね。バトル!モレイカノン、奴のセットモンスターを撃ち抜け!『ブラスト・ディザスター』!!」
「怖気なく攻撃してくるか。ならば見せてやろう、セットモンスターはこいつだ」
フタクチリザード:DEF1200
恭也のセットモンスターの正体は口が二つあるトカゲのような黒くて小さいモンスターだが、モレイカノンの砲撃には成すすべもなく葬り去られる。
「フタクチリザード…これはまた厄介なモンスターを」
「よくわかっているようだ。ここで『フタクチリザード』の効果発動!このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、デッキから闇属性のデュアルモンスター1体を墓地へ送り、同じくデッキから闇属性の上級デュアル1体を手札に加える事ができる。墓地へ送るのは『頭巾忍者シンゾウ』…手札にはレベル8の『神速の暗黒剣士』を加えさせてもらう」
ここで恭也は墓地肥やしと同時に初戦でも使用したエースであろうモンスターを握ってくる。
―まぁいい。ここで手札にある罠対策のカウンター『ウオッ!』を伏せれば魔法を封じられている今…闇属性デュアルデッキではそう簡単に手を出せまい。
「メイン2、カードを1枚伏せ…エンドフェイズ!墓地の『星の痕跡』の効果発動!墓地のスターワンドかスターピクシーのモンスター…スターワンド・サーモンを除外し、デッキから同名カードを手札に加える!」
星の痕跡は攻撃力を微量に上げるだけの魔法ではない。
墓地の特定のカテゴリのモンスターを除外することでデッキか墓地の同名カードを手札に回収でき、手札コストとしても優秀なカードということである。
「ねぷっ!?どういうことなの…素材を使って魔法を強制無効化するモレイカノンがあるのに魔法が無効にされない?」
「はっは、馬鹿だなぁ!墓地からの発動は効果の発動であってカードの発動じゃない。モレイカノンで封じられるのはあくまで『カードの発動』のみ。よってこの効果は無効にされないんだぜ!」
そう…どこかの負けた参加者が言うようにこれは効果の発動であり、カードの発動ではないためモレイカノンでは阻止されないのも大きい。
「ここまでのプレイング…実に見事だ。しかし、詰めが甘いな。それならばここで使わせてもらうまでのこと。永続罠発動『二重の侵喰』!効果は…直に思い知ることになる」
「それはどうかねぇ?ターンエンド」
―拙い、恐らく伏せカードの正体を感づかれた…ここからどうする。
このままなのはのペース…とはいかないようで、彼女の伏せたカードをまるで見透かしたかのようにエンド時に永続罠を恭也は発動させてくる。
そのプレイングに彼女は表面上平静を装っているが、内面では多少は動揺を見せている。
その状態のまま恭也の番だ。
「俺のターン、ドロー。デュアルモンスター『蝋燭の斥候』を召喚!」
蝋燭の斥候:ATK300
頭部に青白い炎が灯り、カンテラを持っている者が現れる。
一応説明しておくと、デュアルモンスターとは場か墓地で通常モンスターとしても扱われ、再度召喚扱いすると効果モンスターとなり効果を得られるタイプの特殊なモンスターである。
「ここで二重の侵喰の効果だ。自分の場の闇属性デュアル『蝋燭の斥候』を再度召喚した状態にする!念のため言っておくが、これはカードの発動ではなく効果の発動だ」
蝋燭の斥候:ATK300(再度召喚扱い)
「くっ…」
―デュアルモンスターの再度召喚を許してしまった…回りだしてしまう。
『効果の発動』と強調していることと歯を噛みしめたなのはの表情から察するに、やはり伏せが読まれてしまったのだろう。
「再度召喚した蝋燭の斥候の効果を発動する。デッキからレベル5以上の闇属性デュアルモンスターを再度召喚扱いされた状態で特殊召喚し、このカードのコントロールを相手に移す」
「ほぅ?わざわざ私にモンスターをくれるとはね…その前に先ほどのターンのお返しと行きますか!この瞬間手札から『増殖するG』を捨て効果発動!効果は言うまでもなかろう?」
どうやらなのはも増殖するGを握っていたようだ。
相手の特殊召喚に反応してのドローでチャンスを狙っていく。
「ふん…予定は少し狂ったがまだ想定の範囲内だ。蝋燭の斥候の効果でデッキから呼び出すのは『分身忍者ウズマキ』!そして、お前の場に攻撃表示の斥候を送り付ける」
『ハァッ!!』
分身忍者ウズマキ:ATK1900(再度召喚扱い)
「妙に声が野太いとはいえ某NINJA漫画のキャラみたいなやつが出てきたね…あと、もっと忍べ。Gの効果で1ドロー」
「ご存知か。こいつのもっとも得意とする忍術を披露してやろう。再度召喚扱いのウズマキの効果発動!このカードが表側で存在する限り1度だけ、デッキから実体をもった自らの分身を生み出す!『影分身の術』!!」
そう…早い話が、同名モンスターをデッキから特殊召喚するという効果である。
『カゲブンシンノジュツ!』
――ドロンッ!
分身忍者ウズマキ:ATK1900
「…Gの効果で1ドロー」
ドローを許したとはいえ、これで恭也の場にはレベル5のモンスターが2体…!
「ん?それなら最初からあの効果でウズマキをサーチしておきゃよかったはず…」
すると参加者だった覆面の男が解せぬといった表情を見せる。
彼が言いたいことは初めからフタクチリザードの効果でウズマキを手札に用意すれば簡単にレベル5モンスター2体は揃ったということだ。
というのもウズマキにはデュアルモンスターでありながらリリースなしで召喚できる召喚ルール効果が付属しているため、召喚してから永続罠の効果で再度召喚するだけでいいはずなのだ。
「だのに相手にモンスターを送り付けてまで…まさか!」
「気付いたか…そのまさかだろう」
それなのにこんな回りくどく展開したのは…そう、相手の場にモンスターを送り付ける事こそが狙いであると考えるのが道理だ。
「覚悟するがいい、なのはよ。レベル5の分身忍者ウズマキ2体でオーバーレイ!」
『『イグッテバヨッ!!』』
2体のウズマキが野太い声を上げつつ、紫色の球体となって紅い渦に入り込む。
「2体の戦士族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!一騎当千の偉業を成し遂げた伝説の武将の魂が、飛竜となり現世に再び舞い降りる!いでよ『偃月飛竜リョウライ』!!」
『グアッシャアァァァァァ!!』
偃月飛竜リョウライ:ATK2600
空を裂くような咆哮をあげ現れたのは薙刀状の刃のような尾をもった長大な飛竜である。
「やはりそういうこと…Gの効果で1枚ドロー」
なのはの方も恭也の狙いに確信を持てたようだ。
「さらに手札から『エクシーズ・ブースター』を捨て効果発動!これによりエクシーズモンスター…リョウライの攻撃力をエンドフェイズ時まで800ポイントアップ!」
偃月飛竜リョウライ:ATK2600→3400
「そうか…リョウライは戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った時、素材を使って相手の効果モンスター1体の効果を無効にしもう一度攻撃できる効果がある。そして攻撃力を上げてきたことでこれによるダメージ合計は4100…!」
「決まれば1ショットキル成立だ。これで高町は手札か場に何か対抗できるカードがなければお陀仏というわけだ」
そう、これでなのはは窮地に陥ってしまったということだ。
「正直何が何だかわからないけど…拙そうだね」
「なのは…」
そして、よくわかってないフェイトたちからも心配の声がかかる。
「バトル。まずは厄介なものから始末するまで。リョウライよ、モレイカノンを斬り刻め!『飛竜円月斬』!!」
――ズシャァァッ!!
「うぐっ…!」
なのは:LP4000→3000
一回目の攻撃は成立。
とはいえ、なのはは本当にここで終わるのだろうか…否!
「けど、大人しくこのまま終わるとでも!戦闘ダメージを受けた時、手札から『星の痕跡』を捨て『デブリスバエナ』を守備表示で特殊召喚!さらにデブリスバエナがバトルフェイズ中に特殊召喚された時、そのバトルフェイズを強制終了させる!」
『シャァァァァァ!』
デブリスバエナ:DEF2500
身体の両端に頭をもつ翼が生えた双頭のトカゲが現れると二つの口から毒霧を吐き、このバトルフェイズを強制終了させる。
「流石に防がれるか。そうこなくては面白くない。カードを1枚伏せ、ターンエンドだ」
偃月飛竜リョウライ:ATK3400→2600
攻撃を凌がれるも、不敵に恭也はターンを終える。
「私のターン、ドロー!この瞬間、強欲なカケラに強欲カウンターが1つ置かれ…まずは『星なる光石』を発動。手札のスターワンド・ボニートを捨てて1ドローし、同名のカードを手札に加える」
強欲なカケラ:強欲カウンター 0→1
―さてと、送り付けてきたモンスターを利用させていただくとするか。
「そして…アドバンス召喚のお手伝い、ご苦労さん!送り付けられた蝋燭の斥候をリリース!『星海導士ネレイド』をアドバンス召喚!」
星海導士ネレイド:ATK1600
ここでなのはがアドバンス召喚したのは、尾が杖のような魚を携え、人魚のような印象を与える白い海竜。
上級モンスターの割には攻撃力は低めだが、これでなのはの場にはデブリスバエナと合わせてレベル5のモンスターが2体揃う。
「やはり利用してくるか…いいだろう」
「ネレイドが召喚した時、私はデッキから星海の魔法カードを手札に加える。この効果でサーチするのは星海の波導…今度はこっちの番だよ。レベル5のネレイドとデブリスバエナでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!」
ネレイドが黄色、デブリスバエナが黄緑に輝く球体となって紅い渦に入り込んでいく。
「災禍の星が告げる。刃向う者を噛み砕き、灼熱の炎でこの地を焼き払え!『ディザスターワンド・ウォルフレア』!」
『ゴボッゴォォォォォ…!』
ディザスターワンド・ウォルフレア:ATK2500
ここで現れたのは尾が杖状となっているオオカミウオの如き巨大な魚。
その迫力と禍々しさは並のデュエリストなら怖気づいてしまうほどだ。
「さて、高町は厄介なものを出してきたが…不破はこいつにどう立ち向かうのか」
負けた参加者の一人が言うようにこのモンスターには恐ろしい能力が備わっている。
「エクシーズ召喚成功時、素材となったネレイドの効果が発動するが…それにチェーンし、ウォルフレアの効果発動!1ターンに1度、このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ使い…手札から魔法カード1枚を捨て、フィールド上のカード1枚を破壊!当然、対象はリョウライ!『ブレイジング・バスター』!!」
ディザスターワンド・ウォルフレア:ORU2→1
そう、この誘発即時効果でのフィールド上のカード1枚を破壊する効果である。
普通のデッキならば魔法カード1枚の消費は決して軽いものではないにしろ1ターンに1度、任意のタイミングでの1枚除去は脅威そのものだ。
――ボシュォォォォ!
ウォルフレアの口から灼熱の光線が発せられリョウライは成すすべもなく破壊された。
ここでなのはが捨てたのは最後の星なる光石だ。
「リョウライが倒されたか…」
「さらにネレイドを素材としたエクシーズモンスター1体の攻撃力はエンドフェイズ時まで私の墓地の魔法カードの数×200ポイントアップ!墓地に落ちている魔法カードは5枚…よってウォルフレアの攻撃力は1000ポイントアップ!」
『ゴァァァァァァァ…!』
ディザスターワンド・ウォルフレア:ATK2500→3500
「ちっ…」
「きょ〜ちゃ〜ん、こんなザマじゃ守るべき人もすぐに守りきれなくなりそうだねぇ。例えば忍さんや娘の雫ちゃんとか…あんなことや、こんなことされてさ!あはははは!それじゃ1ショットキル狙いの攻撃をお返ししてあげるよ…バトル!ウォルフレアでダイレクトアタック!『ヴォルフ・バイト』!!」
舌打ちする恭也に対してなのはは顔を歪ませて煽る煽る!
現在ウォルフレアの攻撃力は3500だがなのはは星海の波導を握っており、これを使えば4000となり1ショットキルが成立してしまうためである。
これに対し恭也はなのはを睨み付けながら言い放つ。
「なのは、そこまでにしておけ…冗談でも怒るぞ?」
「お〜怖い、怖い…で?っていう」
恭也の凄みに対しても最早キャラ崩壊が深刻ななのははおどけてみせる。
恭也はここで負けるつもりはない。
「ふん…ならば攻撃宣言時に伏せていた速攻魔法『バウンド・シールド』発動!自分フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠カード…二重の侵喰を手札に戻し、その攻撃を無効にさせてもらうぞ!」
恭也を襲うウォルフレアの攻撃は突然現れた盾に弾かれ攻撃は無効。
互いの1ショットキル狙いの攻撃は共に防がれた事になる。
「あらら、防がれましたか…残念。カードを2枚伏せ、エンドフェイズ!墓地より2枚の『星の痕跡』の効果発動!墓地からパラクダとモレイカノンを除外!デッキと墓地から同名カードを2枚手札に加え…ターンエンド!」
ディザスターワンド・ウォルフレア:ATK3500→2500
「惜しい…もう少しで勝てたのに」
「ここまではお互い一歩も引いてないね…」
「だが、1ショットキルは不発とはいえ高町の伏せは3枚で任意のタイミングで発動できるウォルフレア…いくら不破といえどもこれを突破するのは難しいだろうな」
現時点で観客たちはなのはの有利だろうと考えているようだ。
とはいえ、どう転ぶかわからないのがデュエルモンスターズだ。
「何とでも言え。だが戦えば勝つ…それが御神流だ!例えデュエルモンスターズであろうと!俺のターン、ドロー!魔法カード『思い出のブランコ』を発動し、墓地より通常モンスター扱いとなっているデュアルモンスター『頭巾忍者シンゾウ』を特殊召喚!さあ、どうする」
『シンシンシンシン…いくよっ!』
頭巾忍者シンゾウ:ATK1600
赤い衣装で頭巾を被った元気そうな少女忍者が現れる。
―まずは蘇生と…様子見といこうかね。
「おや?チェーンはないけどそいつの元ネタって男だったような…」
「元ネタなど知らん。ならば装備魔法『スーペルヴィス』をシンゾウに装備!これによりシンゾウは再度召喚扱いとなる」
―スーペルヴィス握られてた!…これは判断を誤ったか。
「この瞬間、ウォルフレアの効果発動!このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ使い、手札から魔法カード1枚を墓地へ送り…シンゾウを破壊する!『ブレイジング・バスター』!!」
ディザスターワンド・ウォルフレア:ORU1→0
――ボシュォォォォ!
ウォルフレアの灼熱の光線がシンゾウに…しかし、光線が途切れたところから出てきたのはただの空蝉であった。
この時捨てたのは星の痕跡である。
「悪いが、場から離れたスーペルヴィスの効果で『頭巾忍者シンゾウ』は健在のままだ」
『残念でしたー!』
頭巾忍者シンゾウ:ATK1600
空蝉の術でかわしたような演出で再びこの場に少女忍者が現れる。
実際には破壊耐性を持たせたのではなくただ蘇生させただけであるのだが。
「それにスーペルヴィスはただの囮だと言っておこう。ここで魔法カード『龍の鏡』を発動!」
「龍の鏡…しまった!」
―あっちが本命か…!
なのはは恭也の狙いに気付くも時すでに遅し。
「ウズマキと蝋燭の斥候を墓地から除外し、2体のデュアルモンスターで墓地融合!ドラゴン族融合モンスター『超合魔獣ラプテノス』を融合召喚する!」
『グォォォォォォ…!』
超合魔獣ラプテノス:ATK2200
いくつもの生物が混じったような外見のキメラというべき魔獣がここに現れる。
「知っているだろうがラプテノスが存在する限り、フィールド上のデュアルモンスターは再度召喚された状態となる」
頭巾忍者シンゾウ:ATK1600(再度召喚扱い)
そう、デュアルデッキのアクセントとして差しておくと非常に優秀な働きができるモンスターといえる。
「ここで再度召喚されたシンゾウの効果!手札を1枚捨て、デッキから忍者と名のつくレベル4以下のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。『頭巾忍者カンゾウ』を特殊召喚!」
『忍者カンゾウ、只今参上!』
頭巾忍者カンゾウ:DEF1000(再度召喚扱い)
どんぐり眼に「へ」の字口の紺色の衣装で頭巾をかぶった忍者が上から現れる。
ちなみに捨てたのはバウンド・シールドで回収した二重の侵喰である。
「さらにシンゾウの効果でカンゾウが特殊召喚に成功した時、相手フィールド上の表側表示のカード1枚を破壊する。この効果でウォルフレアには退場してもらうぞ」
『シンゾウ、行くでござる!』
『うん、兄ちゃん!』
――ズバッ、ドカッ…ザシャァァァ!!
頭巾忍者兄妹の連携攻撃によりウォルフレアは無残な姿となってしまう。
―これは拙い…けど、カケラを狙われなかったのは幸いだろうか?
「くっ…」
「ここで再度召喚したカンゾウの効果を発動し、デッキから2体目のシンゾウを手札に加える。さらに、まだ通常召喚権を残している…いくぞ、シンゾウをリリース!深淵の暗黒より神をも跪かせる速さで現れろ『神速の暗黒剣士』!!」
『フンッ…!』
神速の暗黒剣士:ATK2700(再度召喚扱い)
初戦で前髪おじさんを倒した二振りの小太刀を携えた黒ずくめの剣士がここに現れる。
「神速の暗黒剣士はレベル8だが、闇属性のデュアルモンスター1体のリリースでアドバンス召喚できるルール効果を持つ変わったデュアルモンスターだ。バトル!神速の暗黒剣士よ、なのはに直接攻撃!『秘奥義“閃”』!」
――ズバァァァ!
「がぁぁぁぁ…ぐふっ!」
なのは:LP3000→300
まるで暗黒剣士に斬られたかのように後方に吹き飛ばされてしまう。
「なのは!?」
その姿を見たフェイトは思わず声をあげてしまう。
しかし、なのははすぐに立ち上がり…
「くくく…この衝撃はここでもないとそう簡単には味わえないものだねぇ。こうでなくては面白くもなんともない」
「うわぁ…」
「頭打っておかしくなっちゃったのかなぁ?」
まるでこの衝撃を楽しんでいるような彼女に二人はドン引きである。
「だが、この一撃で終わらせてやろう。ラプテノスでトドメだ…『超融解閃』!!」
とはいえ、なのはのライフはもはや風前の灯でありこの一撃を受ければ終わってしまう。
「おや、私の伏せカードが3枚もあることお忘れで?手札の魔法カード、星の痕跡を墓地へ送り…セットされた速攻魔法『星海の導き』を発動!デッキからスターワンド2体を効果を無効にして特殊召喚させてもらう。『スターワンド・サーディン』2体を守備表示で特殊召喚!」
スターワンド・サーディン:DEF1800(×2)
すると、なのはを守るように2体のサーディンが現れラプテノスの攻撃を阻む。
「む、仕留めきれなかったか…ならばサーディンのうち1体に攻撃!」
するとラプテノスの光線がサーディンのうち1体を仕留める。
とはいえ、2度も倒しきれなかったのは恭也にとっては結構キツいかもしれない。
「あらら、サーディンは1体残ってしまったみたいだねぇ…さ、どうするの?」
「く…カードを1枚伏せ、ターン…エンドだ」
苦々しく思いつつもここで恭也はターンを終える。
「ミスした時はどうなることやらと思ったが…」
「意外となんとかなるものだよね…」
「しかし、恭也の場と墓地には厄介なものがいる。そう簡単にひっくり返せると思わない方がよさそうだがな」
「そうは思わんぞ、次のターンで高町は強欲なカケラの効果を使えるからな」
負けた参加者たちは冷静にそれぞれの思うところを述べているようだ。
ちなみに恭也の場の神速の暗黒剣士と墓地のリョウライ…それぞれ厄介な効果を持っている。
「まぁ、このターン中に3体のモンスターを処理できないと勝ち目なさそうだけどねぇ…さて、どうしようか。私のターン、ドロー!この瞬間、強欲なカケラに2つ目の強欲カウンターが乗る」
強欲なカケラ:強欲カウンター 1→2
ここで強欲なカケラのカウンターが2つ乗ったことで2枚のドローが可能になる。
なのはがこの危機を乗り越えるにはこのドローに賭かっているといってもいいかもしれない。
「強欲カウンターが2つ乗った強欲なカケラを墓地へ送り、さらに2枚ドロー!…まずはチューナーモンスター『スターピクシー・クリル』を召喚…さて、どうします?」
スターピクシー・クリル:ATK200
ここでなのはの場にはオキアミの妖精のような小さいモンスターが出てくる。
「召喚は通そう」
「へぇ?それじゃ…効果発動!このカードが召喚に成功した時、墓地のスターワンド1体を守備表示で特殊召喚できる!対象はボニート!」
「流石にそこまではさせん!墓地のリョウライを除外し、効果発動!これにより相手のレベル4以下の効果モンスター…クリルの効果を無効にする。リョウライの名は死してなお下級モンスターを黙らせる。これぞ正に『泣く子も黙る遼来来』といったところだ」
なお、正確には「張遼が来るぞ!」という意味での『遼来遼来』である。
それほどまで元である張遼の鬼神の如き戦いぶりが相対した者にトラウマを与え、これが「泣いていると張遼がやってくるぞ」と子供を静かにさせる際に言い聞かせた言葉の由来である。
「そんな、リョウライにはそんな効果があったなんて…なぁんちゃって。この瞬間を待っていたの!カウンター罠『透破抜き』を発動!墓地か手札から発動するモンスター発動を無効にし除外する!」
伏せカードのうち1枚は墓地及び手札の効果モンスター対策のカードであった。
これによりリョウライの効果は無効にされてしまう。
「何だと?く…流石に星海産物相手でそれは読めん」
「普通はより範囲の広い『ギョッ!』を入れるのがセオリーだからねぇ…あれがないと思わせてこれを使った時の相手の顔ときたらもう最高だよ」
ギョッ!は除外された水族・魚族・海竜族のうち1体をデッキに戻す事で効果モンスターの効果を無効にし破壊するカウンター罠でありなのはの使う、モンスターを除外しやすい星海産物と相性がいいカードである。
これを踏まえてあえて除外できる代わりに範囲は狭くなった透破抜きを使うことで見事に意表をつけたというわけである。
「いずれにしろこれでクリルの効果は成立…甦れ『スターワンド・ボニート』!!」
スターワンド・ボニート:DEF1600
これでチューナーとチューナー以外のモンスターがなのはの場に揃う。
ちなみにこの効果で呼び出したモンスターの効果は無効にならない。
「では…レベル4のサーディンにレベル1のクリルをチューニング。星の海より出づる者よ、空間をも貫く聖なる光で愚か者共を跪かせよ!シンクロ召喚…『星海龍ディバイン・レイ』!」
――ズバッシャァァァァ!!
ここでなのはが選択したのはレベル5のシンクロである。
しかし、シンクロ召喚の光が収まった時、そこから出てきたのは一振りのスターワンドを持つエイのような意匠の海竜戦士が無残にも切り刻まれた姿であった。
「流石にそれを通すわけにはいかん。この瞬間、神速の暗黒剣士の効果を発動していた。手札のデュアルモンスター1体を捨て、相手モンスターの召喚・特殊召喚を無効にし破壊する…『奥義“薙旋”』!」
演出としては神速の名の通り、召喚前にディバイン・レイを切り刻んだわけである。
凄まじいほどの早業といえよう。
コストにしたのは頭巾忍者シンゾウである。
「そうせざるを得ないでしょう?こいつのシンクロ召喚を許したら神速の暗黒剣士と言えども破壊されてしまう運命だったからね…もっとも端からそれは承知の上だけどね!」
一方でなのはの方は特に驚きもせず、正に想定通りと言いたげな表情と台詞である。
そう、ディバイン・レイは手札とデッキの魔法を1枚ずつ墓地へ送る事で相手の表側モンスター1体を破壊する効果を持っていた。そのため恭也は暗黒剣士の効果を使わされたということである。
「そう、今のはあくまでこのカードを発動するための下準備に過ぎなかったわけだよ!魔法カード『ミラクルシンクロフュージョン』を発動!このカードは場か墓地から融合素材を除外し、シンクロモンスターを素材とする融合モンスター1体を融合召喚するカード」
「馬鹿な、シンクロ融合…だと?」
「あれ、いたっけ?」
なのはの狙いはシンクロ融合!
しかし、他の観客含め…どうやらなのはの使う星海産物で出せるモンスターがいた覚えがないらしい。
「…私は墓地から海竜族シンクロのディバイン・レイと魚族エクシーズのウォルフレアを除外し、墓地融合!神聖なる星の光と災厄の星の輝きが混じる時、混沌の炎を操る槍術士がこの地に舞い降りる!融合召喚、降誕せよ『災星海龍ヴァールハイ・ブレイザー』!!」
『ヌゥウォォォォォォォォォォ!!』
災星海龍ヴァールハイ・ブレイザー:ATK1500→3300
聖なる星海と禍々しい災星の二振りの大槍の如きスターワンドを携えた迫力のあるジンベエザメのような意匠の魚海竜の槍術士がここに降誕!
「そ、そういえばそんなのいたぁぁぁぁ!!」
「あ、あいつか…!融合条件の割に元々の攻撃力が低くて見向きもしてなかったが…まぁ、出せれば中々に強いわな」
どうやら単に見向きもされていなかったらしい。
実際には墓地さえ整えれば特定の融合魔法カード1枚の消費のみで展開でき、切り札に相応しく効果も強力なものを備えているのだが、特定の種族のシンクロとエクシーズの両方を要求する一見面倒な融合条件と元々の攻撃力の低さから敬遠されがちだったようだ。
「ヴァールハイ・ブレイザーの攻撃力は私の墓地の魔法1枚につき200ポイントアップ。さらにヴァールハイ・ブレイザーが融合召喚に成功した時、デッキから星海と名のついた魔法1枚を手札に加えられる。この効果でサーチするのは星海の障壁だよ…」
「融合召喚時のネレイドと同様のサーチ効果か…」
「ここまでいけばこちらのものさ。ここで魔法カード『廃家解体』を発動!自分のセットカード…ウオッ!を破壊し、デッキから1枚ドロー…さらにこの効果で破壊したカードがカウンター罠の場合、もう1枚ドロー!」
災星海龍ヴァールハイ・ブレイザー:ATK3300→3500
「やはり罠対策を伏せていたか…」
なのはは罠カード対策のカウンター罠を伏せていたが、それをドローカードで2枚ドローに変換する。
そしてなのはの展開はまだまだ止まらない。
「さらにここでボニートの効果発動!手札から魔法カード1枚を墓地へ送り、デッキからスターワンドかスターピクシーのモンスター1体を守備表示で特殊召喚する」
災星海龍ヴァールハイ・ブレイザー:ATK3500→3700
「この効果で『スターワンド・サーモン』を特殊召喚!」
スターワンド・サーモン:DEF1100
これでなのはの場に再びレベル4のモンスターが2体揃う。
この効果を発動するために捨てたのは星海の障壁である。
「ここで、レベル4のボニートとサーモンをオーバーレイ!2体の魚族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築し、エクシーズ召喚!」
2体のスターワンドモンスターが黄色に輝く球体となり紅い渦に入り込んでいく。
「紅く煌めく星より授けられし災禍の槍は空間をも引き裂く!現れろ『ディザスターワンド・セイルスピア』!」
『シャァァァァァァァ!!』
ディザスターワンド・セイルスピア:ATK2200
カジキを彷彿とさせる鋭利な槍のような吻が特徴のスターワンドが現れる。
「セイルスピアの効果!このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ使い、2つの効果から1つ選択して発動できる。私は後半の効果を選択し、除外されたスターワンド1体を効果を無効にし特殊召喚する!」
ディザスターワンド・セイルスピア:ORU2→1
「空間の裂け目より帰還せよ『ディザスターワンド・ウォルフレア』!」
『ゴボッゴォォォォォォ!』
ディザスターワンド・ウォルフレア:ATK2500
セイルスピアが吻で空間を引き裂くと、そこからウォルフレアがこの場に舞い戻る。
これで3体の上級クラスのモンスターが出そろい、恭也のモンスターを全て戦闘で破壊できる事となる。
「ま、このターンでトドメは無理そうだけど…バトル!ヴァールハイ・ブレイザー、神速の暗黒剣士を攻撃!」
「だが、そのカウンター罠を自ら破壊したのは失敗だったようだな!罠カード『宵闇の奈落』を発動!自分の闇属性・レベル5以上のデュアルモンスター1体を手札に戻し、相手の特殊召喚したモンスターを全て墓地へ送らせてもらうぞ!」
恭也もこの時を待っていたとばかりに罠を発動する…しかし、ヴァールハイ・ブレイザーの更なる効果を失念していた。
「私がこの状況で失敗ねぇ?返してあげるよ、とんだロマンチストとね。ヴァールハイ・ブレイザーは1ターンに1度だけ手札の魔法カード1枚を墓地へ送り、相手の魔法・罠カードの発動を無効にする!手札の星海の波導を捨て…喰らえ『イグニション・バニッシュメント』!!」
災星海龍ヴァールハイ・ブレイザー:ATK3700→3900
すかさずヴァールハイ・ブレイザーの能力で罠の発動を無効にする。
手札に戻る能力ごとである。
「何、そんな能力までも!!」
「失念していたか。形勢逆転だな…」
これで魔法・罠を1ターンに1度であるが封じられ、今度は恭也が窮地に陥った事を観客は悟った。
「よって戦闘は続行。しかもこれでヴァールハイ・ブレイザーの攻撃力は3900!暗黒剣士を焼き払え『ハイペリオン・ブレイザー』!!」
――ピカァァァ!ゴォォォォ!
「ぐあぁぁぁぁぁ…!」
恭也:LP4000→2800
ここでようやく恭也に初のダメージを与える事に成功する。
「続いてセイルスピアでカンゾウを攻撃!『パイロ・スティンガー』!!」
――ドスゥ!!
『うぐ…無念でござる…』
カンゾウの脇腹に炎を纏ったセイルスピアの吻が突き刺さり呆気なく散った。
守備表示のため貫通でもないこの攻撃では恭也にダメージはない。
「最後にウォルフレアで…!?」
『なのはちゃん!フェイトちゃん!』
なのはがウォルフレアに攻撃宣言をしようとしたまさにその時…突然通信が入り、この決闘に水を差されてしまう。
通信相手は八神はやてだ。
―く、よりにもよってこんな時に…
突然の友人からの通信に焦るなのはだが、すぐに気持ちを切り替えて壁の方を向き話の内容を聞く。
まさか、はやてはなのはがこんなところで兄とデュエルしているなど夢にも思わないだろう。
フェイトら姉妹の方にも同じ通信が認識できている状態だ。
「こちら、なのは。はやてちゃん、どうしたの…?」
『街中にガジェットが出現した!被害が拡大する前にすぐに掃討せなアカン…出れるか!』
―こんな時に限ってガジェット…このデュエルを放棄しないといけないのは嫌だけど仕方ないか!
「…何時でもいけるよ!」
無論、本心ではない。なのはの本音としてはその前に恭也と決着をつけておきたいところであるが、はやてたちとの『管理局の闇を討つ』約束を果たすためにそうも言ってられない。
『折角の休暇に水を差しちゃったことになるけど…行くで!』
「了解!」
そう答えると通信は切れる。
するとなのはは恭也の方に向き直るとデッキの上に手を置いた。
この行為はすなわち降参を意味している。
すると、なのはのモンスターたちが消えていった。
そして、その行為により辺りはざわつく。
―ざわ…ざわ…
「ようやく話が終わったかと思えばこの局面でサレンダーだと…何の真似だ?」
「急な仕事がきてしまった以上は仕方ないでしょう?今日の所は不破恭也…あんたの勝ちにしておいてあげるけど、覚えておいて!こっちの事情が片付いた時、果たし状を送るつもりだから!その時こそ本当の決着を付けましょうか、精々首を洗って待っていて!」
「…納得はいかんが仕方ない。その時は善処しよう」
なのははこの結果に納得のいかない恭也に一方的な捨て台詞を言い放ち壇上を降りる。
とはいえ、恭也の方も物わかりはいいようだ。
そして瞬時に普段のなのはに戻ると、燕尾服姿の店長の方へ向く。
「店長さん…突然、急な仕事が入ってしまいました…ごめんなさい」
「…謝ることはないさ。こういう時もあるものだろう?」
すると、店長はなのはに景品である特製カードパックを1つ手渡す。
「2位入賞の景品だよ。こんなことになったのは不本意だろうけど、やるべき事がんばっておいで!」
いかにも怪しそうな風貌ではあるが、客の気持ちを考えて気配りできるいい店長であるようだ。
「はい、ありがとうございます!フェイトちゃん、アリシアちゃん、行くよ!」
「了解、行こう!」
「うん!」
―この来襲で一番堪えたのは遊星とのデートを潰されたはやてちゃんだろうなぁ…
舞台はミッドチルダ市街上空…いざ出動!!
「そういえば、なのはの使ってたモンスターだけど…あれ、どちらかといえばシュテルの方が似合いそうなイメージがあるよね?」
「…確かに言われてみるとそう思う気がする」
――――――
「も〜、あんな状況でサレンダーするなんて!デュエリストとしてどうなの!今度会った時はねぷねぷにしてやんよ!」
「だがな、マジな話本当に忙しいみたいだぜ?あの顔からして不本意そうだったし。あと、その…なんだ…まぁ、ガンバレ」
なのはたちはこの場を後にしたが、他の観客は彼女を罵ったり庇いあったりとしていた。
その一方で恭也は次のドローカードを確認していた。
―次のドローカードは『デュアル・スパーク』…!どうやらこのまま続行していた場合、俺の負けだったようだ。
実は恭也の残りの手札ではこの状況を打破できず、ドローカードもあの状況を突破できるものではなく負けを悟ったようだ。
そのため恭也は試合にこそ勝ったことになるが、勝負には負けたという事だろう。
悔しいところではあるが、すぐに気持ちを切り替える。
景品を店長から受け取り、身支度を整えていく。
「さて、忍たちを待たせてしまったな…そろそろ此処を出るとしよう」
―――――――
そうして緊急事態だったガジェット襲来の一件が済み、運命的な出会いの後でヴィヴィオと初めて同室となった真夜中…部屋でなのはは一人こっそりとブラック・キューブの店長から手渡されたカードパックを開封していた。
「ほうほう、サイレント・オナーズ・アーク・ナイト?…これは!!?」
3枚入りのカードパックであるのだが、その中に入っていた1枚のエクシーズモンスターがなのはの目に入る。
そこに記述されたテキストは…なのはの度肝を抜くとんでもない代物であった。
そのカードの名は…『
―ふふ、これはすごい!でも、なんだろう?妙な感じがする。後で遊星にでも見せたほうがいいのかな…?
「ママ…なにこそこそしてるの?」
「!?」
絆の決闘者と夜天の主の本編へ続く…の蚊ァ?
※登場カード補足
災星海龍ヴァールハイ・ブレイザー
融合・効果モンスター
星11/炎属性/海竜族/攻1500/守2800
海竜族シンクロモンスター+魚族エクシーズモンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
このカードが融合召喚に成功した時、
デッキから「星海」と名のついた魔法カード1枚を手札に加える事ができる。
このカードの攻撃力は自分の墓地の魔法カードの数×200ポイントアップする。
また、1ターンに1度、相手が魔法・罠カードを発動した時、
手札から魔法カード1枚を墓地へ送る事で、その発動を無効にし破壊する。
星海龍ディバイン・レイ
シンクロ・効果モンスター
星5/光属性/海竜族/攻2200/守1700
光属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、手札及びデッキから魔法カードを1枚ずつ墓地へ送る事で、
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊する。
ディザスターワンド・セイルスピア
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/炎属性/魚族/攻2200/守1900
魚族レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、
次の効果から1つを選択して発動できる。
●このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで自分の墓地の魔法カードの数×200ポイントアップする。
●ゲームから除外されている自分の「スターワンド」と名のついたモンスター1体を選んで特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
ディザスターワンド・モレイカノン
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/炎属性/魚族/攻2400/守2000
「スターワンド」と名のついたレベル4モンスター×2
魔法カードを発動した時に発動する。
このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、その魔法カードの発動を無効する。
その後、このカードに魔力カウンターを1つ置く。
1ターンに1度、このカードに乗っている魔力カウンターを2つ取り除く事で、
相手ライフに1000ポイントダメージを与える。
ディザスターワンド・ウォルフレア
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/炎属性/魚族/攻2500/守1300
レベル5モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、
フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。
手札から魔法カード1枚を墓地へ送り、選択したカードを破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
偃月飛竜リョウライ
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/闇属性/ドラゴン族/攻2600/守1600
戦士族レベル5モンスター×2
このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
相手フィールド上の効果モンスター1体を選択してその効果を無効にし、
そのモンスターにもう1度だけ続けて攻撃できる。
また、相手ターン中に、墓地のこのカードをゲームから除外し、
相手フィールド上のレベル4以下の効果モンスター1体を選択して発動できる。
その効果をターン終了時まで無効にする。
「偃月飛竜リョウライ」のこの効果はデュエル中に1度しか使用できない。
スターピクシー・クリル
チューナー(効果モンスター)
星1/光属性/水族/攻 200/守 800
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の
「スターワンド」と名のついたモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚できる。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。
このカードをシンクロ素材とする場合、海竜族モンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。
スターワンド・サーディン
効果モンスター
星4/光属性/魚族/攻 900/守1800
このカードが召喚・リバースした時、デッキから「星の痕跡」1枚を手札に加える事ができる。
また、このカードが特殊召喚に成功した時、自分フィールド上の「スターワンド」または
「スターピクシー」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターのレベルを2つまで上げる。
スターワンド・サーモン
効果モンスター
星4/光属性/魚族/攻1800/守1100
1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を墓地へ送る事で、
デッキから「スターワンド・サーモン」以外のレベル4以下の「スターワンド」または
「スターピクシー」と名のついたモンスター1体を手札に加える。
スターワンド・パラクダ
効果モンスター
星4/光属性/魚族/攻1200/守 800
自分が通常魔法カードを発動した時、このカードを手札から特殊召喚できる。
「スターワンド・パラクダ」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
スターワンド・ボニート
効果モンスター
星4/光属性/魚族/攻1100/守1600
1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を墓地へ送る事で、
デッキから「スターワンド・ボニート」以外のレベル4以下の「スターワンド」
または「スターピクシー」と名のついたモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する。
星海導士ネレイド
効果モンスター
星5/光属性/海竜族/攻1600/守2100
このカードが召喚・反転召喚に成功した時、
デッキから「星海」と名のついた魔法カード1枚を手札に加える事ができる。
また、このカードを素材としたエクシーズモンスターは以下の効果を得る。
●このエクシーズ召喚に成功した時、
このカードの攻撃力はエンドフェイズ時まで自分の墓地の魔法カードの数×200ポイントアップする。
デブリスバエナ
効果モンスター
星5/風属性/爬虫類族/攻1000/守2500
自分が戦闘ダメージを受けた時、手札を1枚捨てて発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
バトルフェイズ中にこのカードが特殊召喚に成功した時、そのバトルフェイズを終了する。
エクシーズ・ブースター
効果モンスター
星2/光属性/機械族/攻 800/守1000
自分のメインフェイズ時、このカードを手札から捨て、
自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。
このターンのエンドフェイズ時まで、選択したモンスターの攻撃力は800ポイントアップする。
また、自分がランク5以上のエクシーズモンスターのエクシーズ召喚に成功した時、
墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。
デッキからカードを1枚ドローする。
「エクシーズ・ブースター」のこの効果はデュエル中1度しか使用できない。
フタクチリザード
効果モンスター
星4/闇属性/爬虫類族/攻1100/守1200
このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、
デッキから闇属性のデュアルモンスター1体を墓地へ送る事ができる。
その後、デッキから闇属性・レベル5以上のデュアルモンスター1体を手札に加える事ができる。
蝋燭の斥候
デュアルモンスター
星4/闇属性/炎族/攻 300/守1900
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。
フィールド上に存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、
このカードは効果モンスター扱いとなり、以下の効果を得る。
●このカードが表側表示で存在する限り1度だけ発動できる。
デッキから闇属性・レベル5以下のデュアルモンスター1体を特殊召喚し、
このカードのコントロールを相手に移す。
この効果で特殊召喚したデュアルモンスターは再度召喚された状態になる。
頭巾忍者カンゾウ
デュアルモンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1800/守1000
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。
フィールド上に存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、
このカードは効果モンスター扱いとなり、以下の効果を得る。
●自分のメインフェイズ時に発動できる。
デッキから「頭巾忍者カンゾウ」以外の闇属性のデュアルモンスター1体を手札に加える。
この効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り1度しか使用できない。
頭巾忍者シンゾウ
デュアルモンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1600/守1200
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。
フィールド上に存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、
このカードは効果モンスター扱いとなり、以下の効果を得る。
●1ターンに1度、手札を1枚墓地へ送って発動できる。
デッキからレベル4以下の「忍者」と名のついたモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターが「頭巾忍者カンゾウ」の場合、
相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選んで破壊する。
分身忍者ウズマキ
デュアルモンスター
星5/闇属性/戦士族/攻1900/守1200
相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
このカードはリリースなしで召喚できる。
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。
フィールド上に存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、
このカードは効果モンスター扱いとなり、以下の効果を得る。
●自分のメインフェイズ時、手札・デッキから「分身忍者ウズマキ」1体を特殊召喚できる。
この効果はこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り1度しか使用できない。
神速の暗黒剣士
デュアルモンスター
星8/闇属性/戦士族/攻2700/守1900
このカードは闇属性のデュアルモンスター1体をリリースして表側攻撃表示でアドバンス召喚できる。
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。
フィールド上に存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、
このカードは効果モンスター扱いとなり、以下の効果を得る。
●1ターンに1度、手札からデュアルモンスター1体を捨てる事で、
モンスターの召喚・特殊召喚を無効にし破壊する。
星の痕跡
通常魔法
自分フィールド上の「スターワンド」または
「星海」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで200ポイントアップする。
また、自分のエンドフェイズ時にこのカードが墓地に存在する場合、
1ターンに1度、自分の墓地の「スターワンド」または
「スターピクシー」と名のついたモンスター1体をゲームから除外する事で、
自分のデッキ・墓地から「星の痕跡」1枚を選んで手札に加える。
「星の痕跡」のこの効果は1ターンに2度まで使用できる。
星なる光石
通常魔法
手札から「スターワンド」と名のついたモンスター1体を捨てて発動する。
デッキからカードを1枚ドローする。
その後、自分のデッキから「星なる光石」1枚を手札に加える事ができる。
「星なる光石」は1ターンに1枚しか発動できない。
星海の波導
速攻魔法
自分フィールド上の「スターワンド」または
「星海」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。
このターン、選択したモンスターの攻撃力は500ポイントアップし、
戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、デッキからカードを1枚ドローする。
星海の導き
速攻魔法
このカードは相手ターンでのみ、手札から魔法カード1枚を墓地へ送って発動できる。
デッキから「スターワンド」と名のついたモンスター2体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、効果は無効化される。
星海の障壁
速攻魔法
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターが攻撃対象に選択された時に発動できる。
その攻撃モンスター1体を守備表示にする。
また、自分フィールド上に「スターワンド」または「星海」と名のついたモンスターが存在する場合、
墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。
相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。
廃屋解体
通常魔法
自分フィールド上にセットされた魔法・罠カード1枚を選択して破壊し、デッキからカードを1枚ドローする。
このカードの発動に対して、自分は魔法・罠・効果モンスターの効果を発動できない。
また、この効果で破壊したカードがカウンター罠だった場合、さらにデッキからカードを1枚ドローする。
「廃屋解体」は1ターンに1枚しか発動できない。
バウンド・シールド
速攻魔法
自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、
自分フィールド上に表側表示で存在する魔法・罠カード1枚を選択して発動できる。
選択したカードを手札に戻し、そのモンスターの攻撃を無効にする。
ウオッ!
カウンター罠
ゲームから除外されている自分の魚族・海竜族・水族モンスター1体を墓地に戻して発動できる。
罠カードの発動を無効にし破壊する。
二重の侵喰
永続罠
1ターンに1度、自分フィールド上の闇属性のデュアルモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターは再度召喚した状態になる。
発動後2回目の自分のエンドフェイズ時にこのカードを墓地へ送る。
宵闇の奈落
通常罠
自分フィールド上の闇属性・レベル5以上のデュアルモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターを持ち主の手札に戻し、
相手フィールド上の特殊召喚されたモンスターを全て墓地へ送る。
後書き座談会
yatume(以下Y)「というわけで六課の休日のなのは編を書かせていただきましたyatumeです」
フェイト「なのはが壊れたぁぁぁぁ!…どうしてこうなった」
Y「だいたいベクターのせい」
フェイト「誰よ、それ。適当な事言わないでよ…」
Y「…冗談は兎も角、最初に何を思ったか『ブラック・キューブ』に入った時に客から発せられた空気からこうなってしまったみたいです」
フェイト「つまり空気を読みすぎてああなっちゃったってこと?」
Y「そうなります…ただ、日頃のストレスの憂さ晴らしという一面もあるかも」
フェイト「でも『素を見てほしい』と言う意味のセリフもあったけど…?」
Y「『こんなことやってたけど、私のもう一つの素の一面でもあるしフェイトちゃんたちなら信用できるし折角だから見てほしい』ということかと」
フェイト「わけがわからないよ…とりあえず色々な面持っているのね」
タブンネ「タブンネ」
Y「おらっ!経験値を出せ!(ゲシッ、ゲシッ!)…ちなみになのはと恭也は異母兄妹で美由希とは本当は従兄妹の関係なのです…」
フェイト「(どうしてミッドにいたかはさておき)恭也さんが旧姓の不破を名乗っていたのは…」
Y「表に出せないような仕事や公の場では家族を巻き込みたくないという想いから『不破』を名乗ることも多いはず。もっとも今の姓は婿になる関係で月村の可能性が高い」
フェイト「リリカルからは明確な描写はないはずだけどね(見落としあるかも)…最後にNo.101を出した真意って…?」
Y「白いカラーリングと要塞っぷりがなのはに似合いそうだから…というのは置いといてヴィヴィオ経由で敵勢力に渡り、聖王のゆりかごと融合して大変なことになるなんて発想を思いついたり」
フェイト「ッ!?貴様、私たちがエクシーズ素材として吸収されるかもしれないとかなんておぞましい事を…!」
Y「ぐふぐふぐふ…全ては吉良様次第なのです。今回はこんなふざけた文を読んでいただき、誠にありがとうございました!!」
座談会終了