アインハルト:LP5200
クラッシュエミュレート:左右中腕軽度打撲 全身打撲


コロナ:LP3500




Side:ヴィヴィオ


此れは、予想外の展開になってきたかな?
ゴーレム創成を成せればコロナが優位に立てるけど、アインハルトさんがその気になれば、ゴーレム創成の時間を与えずにKOすると思ってた。

だけど、ふたを開けてみれば、コロナはアインハルトさんの猛攻を耐え抜いて、その上でゴーレムを創成して、アインハルトさんに大ダメージを与えた。
其れでもライフはアインハルトさんの方が上だけど、クラッシュエミュレートの有無を考えれば殆ど五分だって言っても良いかもしれないよ――!!


「確かに五分かも知れないけど、アインもコロナも、まだ己の切り札は切ってない――この戦いはまだ終わらないよヴィヴィ、リオ。」

「だよね!!そう簡単に終わる筈がないって!!」


うん、簡単に終わる筈がない!
レーシャの言うように、コロナもアインハルトさんも未だ切り札は切っていない――つまり、マダマダ今の状態でやれるって言う事に他ならないからね。


コロナも、アインハルトさんも同じチームで、二人とも私の大切な友達だから、どちらかだけを応援する事は出来ないけど、二人とも頑張って!!
どっちが勝っても、せめて悔いの無いように、此の一戦を戦って――それが、私のせめてもの願いだから!!











遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow36
『Schwanken Sie Kampf』











Side:アインハルト


私の慢心が招いた結果とは言え、ゴーレムを従えたコロナさんは一筋縄でいく相手ではありませんね――其れほどまでの技量を有していますので。
並のゴーレムマイスターならば、覇王流の敵ではありませんが、コロナさんのゴーレム創成技術は既に超一流の域に有ると言っても過言ではありませ
ん……先の一撃で、ライフを7000ポイント以上持って行った事からも、その威力と精度は計り知れない物がありますから。


ですが――

「アインハルト・ストラトス、参ります。」

其れで退くなどと言う事は絶対に有り得ない事です。
もっと言うならば、如何に強力と言えども相手はゴーレム……ならば、対抗策は幾らでも思いつきます!!


「ゴライアス、其のまま叩き潰せ!!」

『グガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』


そして、ゴーレム創成を成功したコロナさんは、確実にゴーレムを主戦力として戦いに臨む――其れが、私にとっての最大の好機です!!


――ひょい


「え!?」

「実に見事な速度と精度を持ったゴーレム操作術ですが、その巨大な拳を見切るのはそれ程難しい事ではありません。
 まぁ、以前の私であったら見切る事など出来なかったもしれませんが、ですが『今の私』ならば、此れを見切る事くらいはさして難しくもありません!」

「そんな!!……でもゴーレム自身に乗っかってくるなんて!!」


其れもまた作戦です。
ゴーレムの身体に乗っかってしまえば、ゴーレムからの攻撃は完全シャットダウン出来ます――誰だって自分自身を攻撃したくはありませんからね。


故に、ゴーレムに上った私への攻撃は、僅かばかりにタイムラグが生じます。
そして、そのタイムラグを見逃す程、覇王の拳は甘くありません!!

「此れだけの巨体でありながら精密な動きと、大きさからは考えられないスピードは脅威ですし、其れは相当なアドバンテージになるでしょう。
 ですが、そうであるならば、そのアドバンテージを無くしてしまえばいいだけの事!!覇ぁぁぁぁ……空破断!!


――バァァン!!


「く……!!」
コロナ:LP3500→1300


そして、此れで……力を借りますよ、ティオ!


『にゃっ!!』


覇王流――破城槌!!


――ビキ……ビキビキビキ……バガァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!



『なななななんとーーーーー!アインハルト選手、ゴーレムを一撃の下に完全粉砕!!
 覇王の拳は、巨神をも屠る破壊力を秘めて居るのか!?そして、此れを喰らったコロナ選手は無事なのかーーーーーー!?』



コロナさんの残りライフは1300………普通ならば、此れで落ちてもおかしくないレベルですが――


「ま、まさか一撃でゴライアスを砕かれるとは思いませんでした……」
コロナ:LP1300→200
クラッシュエミュレート:両肩部及び右大腿部中度打撲


矢張り耐えきりましたか。
先程、私のラッシュを受け乍らゴーレム創成を行った時にも感じましたが、コロナさんはギリギリで致命傷を避ける――点をずらすのも巧いようです。

今も、破城槌の直撃を受ける刹那にゴーレムから離脱して、落下による追加ダメージを防いだわけですから。


「でもアインハルトさん、私はゴライアスが砕かれる事は『予想していました』よ?」

「え?」

「デュエルディスクはデバイスではないので持ち込む事は出来ませんが、ブランゼルにカードを仕込む事は反則じゃありません。
 そして、ブランゼルに仕込んだカードをゴライアスに再仕込みするのも反則じゃありません……そう、ゴライアスへの攻撃によってトラップ発動です!」


!!


――ドガァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!


「くあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
アインハルト:LP5200→1100
クラッシュエミュレート:右腕強度火傷及び強度裂傷



「トラップカード『破壊輪』……流石に此れは効きましたよね?」

「えぇ………恐ろしい位に効きましたよ……まさか、ゴーレムにデュエルモンスターズのカードを仕込むとは、思っても居ませんでした。」

……コロナさんは創成魔導師故に、その発想力は無限大であるのかもしれませんね。
しかし、ゴーレムにカードを仕込まれるとなると相当に厄介なのは否めません――下手に攻撃すれば、其れだけ此方がダメージを喰らう訳ですから。


『ぬわぁんとぉぉぉぉ!!コロナ選手、ゴーレムにカードを仕込むと言う、ルールの穴を点いた戦術でアインハルト選手に痛烈なカウンター!!!
 と言うか、破壊輪とか手加減も何もないガチンコのトラップカード!!同門であっても手は抜かないと言う意思の表れなのか~~~~!!!
 一進一退どちらも退かない見事なバトルだが、此処で第1ラウンド終了のゴングーーー!決着は第2ラウンド以降に持ち越しだーーー!!!』



ですがここでゴングですか……決着は次ラウンドですね。



「か~~~~……やるじゃねぇか、コロナの奴も!
 まさか、ゴーレムにカードを仕込んで来るとは思いもしなかったぜ!!」


「実力で言うならばアインハルトの方が上だが、コロナはその差を技術で補おうと言う所なんだろうな。
 まぁ、実際あの子のゴーレム創成技術は並外れてるし、操作性も群を抜いていると言って良い――得意分野に関してはSランクってところだろうな。」


えぇ、コロナさんの創成魔導師としての実力は、ともすればそのまま管理局の即戦力として使えるレベルであるかも知れません。
加えて、ゴーレムにカードを仕込むと言う発想の広さは、並の魔導師では到底思いつかない事でしょう――恐らくは、まだ隠し玉も有るでしょうからね。


「だろうな……アイツは、格闘家であると同時にデュエリストでもある――なら、切り札はまだ持ってる筈だ。」

「とは言え、ゴーレムに仕込まれたカードを警戒し過ぎると此方が防戦一方になる……対策は有るのか、アインハルト?」


有ります。と言うか、今『思い出しました』。
クラウスが生きた時代に於いて、戦場に罠が張り巡らされている事など当たり前でしたから、其れを砕く術をクラウスは身に付けていましたから。

次ラウンドで其れを試してみます。


「その意気っすよアインハルト!!罠なんて『盗賊の七つ道具』で、カウンターしてやるっす!!」

「いやいや、ライフコストのない『トラップ・スタン』の方がカウンターじゃないが使い勝手は良いかもだぜウェンディ?」

「メンドクサイから『王宮のお触れ』で罠そのモノを無効にしてしまえ。何だったら『サイコ・ショッカー』も連れて来ちまえばいいだけの事だ。」

「「それだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


え~と、何やら盛り上がっているようですが、そろそろ第2ラウンドが始まりますので、セコンドアウトをお願いしてもよろしいでしょうか?


「ウィ、了解っす。
 けどまぁ、取り敢えずアインハルトは自分の思うように思い切りやって来ると良いっすよ!!アンタは強い、其れはクロニィニィも保証するっす!!」

「俺もかオイ!!……まぁ、確かにオメェは強いからな……テメェの力を出しきりゃいいだろ?
 格闘は良く分からねぇが、デュエルも格闘も、詰まる所は魂のぶつかり合いなんだ、お前さんの魂の力をコロナにぶつけてやりな!!」


はい、行ってまいります!!


アインハルト:LP1100→8500(インターバル回復+7400、クラッシュエミュレート完全回復)





「次のラウンドは、私の全てを出し切ります。」
コロナ:LP200→10600(インターバル回復+10400、クラッシュエミュレート完全回復)





如何やら、インターバルでの回復はコロナさんの方が多かったようですが、2100ポイント程度のビハインドは、ハンデにすらなりません!!




――カーン!!




第2位ラウンド開始……!!


「行け、ゴライアス!!!」

『グオォォォォォォオオォォォォォォォォォォォォォォォ!!!』


矢張り、即時ゴーレム創成に打って出ましたか――再構成だけに創成も早いようですね……ですが、その攻撃は見えています!!
更にゴーレムに攻撃する事で、トラップが発動すると言うのならば、トラップが発動出来ない程の一撃て吹き飛ばす以外に方法はありませんからね。


故に、覇王の拳に迷いはありません!!
如何なる罠が仕込まれていようとも、其れを砕いて進むのが覇王流ですから!!――覇ぁぁぁ……覇道拳!


――バガァァァッァッァァァァァァァァアアン!!!



「!!?そんな、ゴライアスに仕込んだカードが発動しない!?――うぅん、発動したのに、効果を発揮できずに弾き飛ばされた!?」
コロナ:LP10600→10000


ゴーレムにカードを仕込む戦術は見事ですが、其れを超える一撃ならば砕く事も可能でしょう。
故に、此れは好機!!このラウンドで終わりにさせて頂きますよコロナさん!!てやぁぁぁぁぁ……翔龍拳!!!!


「………我が身を守れ、ゴーレム。」



――ガキィィィィン!!!



え?……翔龍拳は、確かにコロナさんに当たった筈ですが、其れでいながらダメージは0?……此れは一体?



「ギリギリ……本当にギリギリで間に合った――此れが私の切り札です!!!」


―ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………



こ、此れは――まさか、コロナさん自身がゴーレムの核となったと言うのですか!?
此れは本当に、予想すらしていませんでしたが、まさかコロナさん自身がゴーレムと化すとは――望むところです…その巨躯を破壊して魅せましょう!


此の第2ラウンドが事実上のファイナルラウンド――アインハルト・ストラトス……全力を持って応えます……応えて見せる!!


力を貸してくださいティオ、此れが事実上のファイナルラウンドです――覇王の拳で、ゴーレムを制し、そして押し切って見せます!!

さぁ、行きますよコロナさん!互いの全力を尽くしましょう!!!


「はい!行きますよ、アインハルトさん!!」


コロナさんは強い……其れは素直に認めるしかないでしょうが、其れでも私は負ける事は出来ません。
ですが、戦いに於いては最後に立って居たモノこそが勝者――故に、私は何があっても自分からは倒れない……この戦い、勝利はもぎ取りましょう!









それが、覇王の戦いですから――!














 To Be Continued… 








*登場カード補足