Side:乱堂
「こんなところか…?」
あれから俺は自分なりのデッキというものを模索し、その結果新しいデッキが組みあがった。
今まで使っていたデッキは所謂『武藤遊戯』のみが使いこなせるもの。
例え戦術を再現できたとしても所詮は模倣に過ぎない。
地力などどこかしらで本人のようにはいかず、しかも自分というものを出せなかった。
最強をコピーできても、その力を十二分に発揮できるかどうかは別問題なわけだ。
そもそも遊戯が活躍した時期と今の環境が違いすぎる根本的な問題があるのは内緒だ。
妙に神格化されているとはいえ流石にあの遊戯とて、今の環境で当時のデッキをそのまま使うわけにはいかないからな。
残念だが、俺の今までの研究はあまり意味がなかったらしい。
今度のデッキは遊戯の面影を残しつつ、俺に合ったように様々な要素を加えたもの…多分な。
今までとは違い、カード間のシナジーを考慮しているため取り回しやすさなどが大幅に違うはずだ。
結局のところ俺は神楽坂乱堂であって遊戯ではない。
最強のデュエリストのデュエルを極めるにしても、ただ真似るだけでは劣化にしかならず成長の余地はない。
そこで自分らしさを交えて昇華させてこそ初めて価値があるってことだ。
特にレーシャとのデュエルでそれを思い知らされた。
だが、このデッキはできたてほやほや。
本当に俺の思うように動けるかどうか、デュエルを通して確認したい。
そこから地道にミッドのキングとなるために研磨を重ねていきたいところだ。
道は果てしなく遠いけどな。
とはいったものの問題は…
「デュエルしそうな奴いる場所探さないとな…。」
そうなのだ、ここはホビーショップT&Hから離れた場所。
そのT&Hは大会だったり、人気ゲームの発売日だったりしてとてもじゃないが普通のデュエルができるような状態じゃないわけだ。
そのせいもあって、強そうなデュエリストを探すのは一苦労。
「はぁ…一癖や二癖あってもいいから、意外な強者が集まるような場所ねぇかな?」
「…ねぇ、あるとしたらどうするの?」
「そりゃもちろん、って…あ゛!?」
待って、何でこんなところにいるのさ!?
アンタ、かの有名なフェイト・テスタロッサじゃねぇか!!
「人の顔見て大声あげてさ…失礼だね、どこぞの自称遊戯(笑)くん?」
「う、すみません。」
なんだ…今「ふっ」と嘲笑されたような気がするな。
それに心なしか目が死んでないかこの人?
「今から友達のいるあるカード屋へ寄るところだけどね。
折角だから、君にも来てほしいんだ。対戦相手に困ってるんでしょ?」
「確かにそうだけど…。」
なんだろう、なんか嫌な予感がするんだが。
それにこの人の友達っていったら…はは、まさかな。
「それじゃ、早速いこうか?」
「え?待って、心の準備が!!」
そうして考える間もなく車に乗せられその場所に向かうことに。
ま、このデッキを試せるのは嬉しいことだがな。
遊戯王5D's×リリカルなのはViVid 絆紡ぎし夜天の風 Rainbow Out Story
『乱堂君、あの店へ』
車で走る事およそ数十分、その場所に到着した。
これは…見事なまでに黒の立方形の建物だな。
この中にどんなデュエリストが待っているのか、楽しみではある。
「着いたね、早速入ろうか?」
「ああ…!」
そして俺は覚悟を決め、フェイトさんに連れられて中に入った。
――――――
――ざわ、ざわ…
「いらっしゃい、ようこそブラック・キューブへ。」
「はん、ようやくお出ましか。辻デュエリストこと自称遊戯(笑)さんよぉ!」
「俺の息子を襲った落とし前はきっちりつけてもらうぞ。」
「うわぁ…どうなってんだ、ここ。」
想像の斜め上を突き進んでた。
世紀末なアレに出てきそうな奴だったり、どこかの変身ヒーローみたいな奴とか客の面子がどこかおかしいぞこの店!?
店長らしき人も燕尾服姿にシルクハットや仮面と突っ込みどころの多い格好だ。
それでいて、しれっと俺より小さい子も何人かいるのが恐ろしい。
しかも俺、明らかに目の敵にされてるし。
もっとも、あんな辻デュエルを繰り返していたらそうなってしまうか。
それはいいとして…
「なのは、例のあの辻デュエリスト連れてきたよ。」
「ありがとね、フェイトちゃん。これからどうする?」
「その子一人置いて帰るのもアレだし、終わるまで見ていくよ。」
予想はしてたけど何でここにいるんですかね、高町なのはさん!?
一見笑顔だけど、その裏から妙な威圧感を感じて怖いんだけど!!
「あ…自称遊戯君、私に関してはできるだけ内密にね。」
「あ、はい。」
やばい、逆らったら恐ろしいことになりそうだな。
そして誰からも本名で呼ばれない悲しい現実。
いや、この店じゃ知る人はあまりいなさそうだが。
「それじゃあ、この子の相手は…」
「遊戯を名乗ったそのふざけた根性…ン熱血指導ゥだ!」
「ねぷぷぷぷ、抜け駆けは許さないよ!ここは…」
「息子が襲われたんだ。俺がやるのが筋じゃないのか?」
しかも、デュエルの申し出が殺到してて収拾がついてないわけだが。
どうするんだ、これ?
しかし…誰であろうと相手にとって不足はない!
「みんな、落ち着こう?このままじゃ埒があかないから…」
「すみませんが、ここは是非ともわたしにやらせてください!」
ここで一人の女の子が俺の相手に立候補したようだ。
その姿は一見儚そうな妖精みたいな印象だが、その瞳や声からは力強い意志が感じられる。
もっともこの子もレオタードっぽい何かを基調とした奇抜な恰好だったりするので同じ穴の貉だろうがな。
「そんな、プラムちゃん…こんな自称遊戯の模倣デュエリスト相手にわざわざあなたが出ることなんて…。」
「いえ、譲れません。だって、わたしもなのはさんの決闘の模倣をしていた事があったから。
それに、一目見てわかったんだ。彼は今までの決闘スタイルの殻を破ろうとしてるってこと。」
「え…!?」
まさか、一目で見抜かれるとは思わなかった。
俺があんな模倣をやめて自分を交えたデュエルを始めようとしている事に。
彼女はプラムといったか…こりゃ、この面子の中でもかなり上位に入りそうな予感がするぜ。
「そう…それなら、こちらからもお願いしようかな。みんなもいいよね?」
「おう!プラムちゃんなら別にいいぜ。」
「ここに来てから早くも頭角を現したその実力、自称遊戯(笑)に見せてやってよ!」
すると、早速彼女はデュエルディスクを構えたので俺も同様に構える。
「いくよ、自称遊戯君!模倣ではないあなたの実力、しかと拝見させていただくよ!」
やはり彼女も俺の名前は知らないか。
いつまでも自称遊戯扱いされるのは癪だからそろそろ名乗っておくとするぜ。
「俺の名は神楽坂乱堂!!
あくまで俺自身として、お前にどこまで通じるか。いくぜ!!」
「「デュエル!!」」
乱堂:LP4000
プラム:LP4000
「先攻はいただくよ、ドロー!
モンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド。」
まずは動かず様子見か。
いったい何があるのか気になるところだが…。
「俺のターン!」
この手札なら…まず今は布石を打つとするか!
「モンスターをセット、カードを1枚セットしてターンエンドだ。」
――――――
Side:プラム
まずはわたしも彼も様子見。
お互いに場の状況は同じでまだまだ手の内は見えようがない。
だけど、そろそろ動こうかな。
「わたしのターン、ドロー!まずはセットモンスター『スターワンド・サーディン』を反転召喚!」
スターワンド・サーディン:ATK900
「サーディンの効果発動!このカードが召喚またはリバースした時、デッキから『星の痕跡』1枚を手札に加えるよ!
続いて、サーディンをリリースし『グリード・ジョーズ』をアドバンス召喚!」
『ギィィドジョォォォォゥズ!!』
グリード・ジョーズ:ATK1700
「攻撃力1700のモンスターをアドバンス召喚か。あまり攻撃力は高くはないようだが?」
確かにアドバンス召喚した割には攻撃力は低め。
けど、こういうモンスターは得てして便利な効果をもっているのが相場だからね。
「その分、効果は強いよ!グリード・ジョーズがアドバンス召喚に成功した時、手札の魔法1枚を捨てて2枚のカードをドローできます。
わたしは『星の痕跡』捨て、2枚ドロー!
さらに、魔法カード『
呼び出すのはこの子だよ、レベル5『黒き人食い鮫』!!」
『シャァァァァァ!!』
黒き人食い鮫:ATK2100
プラム:LP4000→3000
「レベル5のモンスターが2体…早速、上級エクシーズが来るか!」
早速だけど見せてあげる!わたしのエースの1体をね!
「いくよ!レベル5のグリード・ジョーズと黒き人食い鮫の2体でオーバーレイ・ネットワークを構築!!
妖しく煌めく灯火よ、宵闇を照らし降臨せよ!エクシーズ召喚!ランク5『ディザスターワンド・アングライタ』!!」
『ゴボボボボボボォォ!!』
ディザスターワンド・アングライタ:ATK2600
「出た、プラムちゃんの十八番!」
「さて、自称遊戯君…こいつを前にどう出る?」
これが魚族のレベル5モンスター2体を使って呼び出す、わたしのエースの1体――ディザスターワンド・アングライタ!
わたしが初めて当てたレアカードでもあるマイフェイバリットカード!
この子を相手にあなたがどう立ち向かうのかが楽しみにしてるから!
「バトル!アングライタでセットモンスターに攻撃!『ブライト・バーン』!!」
――ボォォォォォォォォン!!
セットモンスターは見習い魔術師…おっと、リクルーターを引いちゃったか。
「よし、戦闘で破壊された見習い魔術師の効果発動!デッキから魔法使い族・レベル2以下のモンスター1体をセットする!
この効果で『ティマイオスの末裔』をセットさせてもらうぜ!」
「ティマイオスの末裔…間違いなくあれは遊戯が使ったことのないカード。」
「だが、遊戯のエースモンスターとはかなり相性のいいカードのはずだ。
彼の戦術の研究をこういう形で生かしてきたか。」
ティマイオスの末裔――成程、あのギミックを取り入れているみたいだね。
「ただの模倣から脱却してそうだね。カードを1枚伏せてエンドフェイズ!
墓地から『星の痕跡』の効果発動!墓地からスターワンドと名の付くモンスター――サーディンを除外し、デッキから同名カードを手札に加えターンエンド!」
星の痕跡によって魔法カードの手札コストを確保しやすいのも、星海産物の魅力なんだよね。
それはさておき、彼のターンだね。
「俺のターン、ドロー!まずはセットモンスター『ティマイオスの末裔』を反転召喚!」
ティマイオスの末裔:ATK200
「効果発動!このカードが召喚・リバースした時、デッキから『ティマイオスの眼』を手札に加えるぜ!
そして俺はティマイオスの末裔をリリース――幼き黒魔導師『ブラック・マジシャン・ロリータ』をアドバンス召喚!!」
『……ふふっ。』
ブラック・マジシャン・ロリータ:ATK1500
「ねぷっ!?」
「ロリータだと?」
「( ゚∀゚)o彡°ようじょ!ようじょ!」
「可愛い…!あ、そこのロリコン自重しろ。」
それはいいとして、攻撃力1500のモンスターをアドバンス召喚か。
「どうやら可愛いだけではなさそうだね。」
「ああ、そういうわけで効果を発動するぜ!
ロリータがアドバンス召喚した時、手札かデッキから彼女の師?を特殊召喚できる!
デッキより弟子?の導きに応え現れろ『ブラック・マジシャン・ガール』!!」
『あたしに弟子なんていたかな…?』
ブラック・マジシャン・ガール:ATK2000
疑問形なんだ!?
あくまでロリータはブラマジガールの『自称』弟子っぽいね。
レベルが違うとはいえ、デッキからの特殊召喚が弱いわけがないけどね。
それは兎も角あなたが特殊召喚する度、この子の効果も使わせてもらうよ!
「おっと!あなたがモンスターを特殊召喚したこの瞬間、アングライタの効果を発動するよ!
このカードのオーバーレイユニットを1つ使い、デッキから『星海』と名の付く魔法1枚を手札に加える!『スターライト・サーチ』!!」
ディザスターワンド・アングライタ:ORU2→1
「へぇ、俺が動く度に2回までお前の撃てる手が増えるというわけか。
面白いじゃねぇか。それでこそ乗り越え甲斐があるものだぜ!」
いいね、漲る闘志がこっちにも伝わってくる!
だけど、そう簡単に乗り越えさせるつもりはないよ!
手札に加えるのはこの状況なら…このカードにしよう!
「この効果で『星海の相殺波』を手札に加えるよ。」
「だが、速攻魔法であろうと手札にあっては相手ターンでは使えないよな?」
確かに普通ならそうだよ…普通ならね。
「ならば、このまま行かせてもらうぜ!俺は『ティマイオスの眼』を発動!
このカードは俺の場の『ブラック・マジシャン』と名の付くモンスター1体と融合し、そのモンスターを融合素材に指定した融合モンスターを融合召喚する!」
ここで発動してきたか、ティマイオスの眼を。
その力、しかと拝見させていただこうかな。
「俺はこのカードとブラック・マジシャン・ロリータを融合するぜ!
現れよ、伝説の竜の力を纏いし乙女『竜装天子ドラグメイデン』!!」
『はぁぁぁぁあっ!』
竜装天子ドラグメイデン:ATK2000
ここで出てきたのはドラグメイデン…こんなのもあるんだ。
攻撃力がそこまで高くはないということは…。
「ドラグメイデンの効果発動!このカードが特殊召喚された時、相手フィールドの表側表示モンスター1体を装備カード扱いで装備する!
これでアングライタを吸収させてもらうぜ!『ソウル・リザーブ』!!」
やっぱり、強力な効果を持っていた!
これを通したら拙いかな…ここでアレの出番だね!
「厄介な効果ですが、そうはいかないよ!
言ってなかったけど、アングライタのもう一つの効果を適用!
エクシーズ召喚されたこのカードが存在する時、わたしは相手ターンでも手札から速攻魔法カードを発動できるんだ!」
「相手ターンに手札から速攻魔法を使えるだと!?」
驚いているようだね。
そう、アングライタの真価は相手ターンでも速攻魔法を手札から使える事!
もちろん、さっきサーチした速攻魔法も発動できるから様々な局面に対応しやすいのが魅力なんだ!
「これにより手札から速攻魔法『星海の相殺波』を発動!
わたしの場のスターピクシーかスターワンドと名の付くモンスターが相手のモンスター効果の対象となった時、その効果の発動を無効にするよ!」
――シュゥゥゥゥン…。
「くっ、ドラグメイデンの効果が阻止されちまったか!
これではもう一つ、装備カード1枚をコストにフィールドのカード1枚を破壊する効果も使えないか。」
まずは厄介な効果を阻止。
正直、通してたら危なかった。
「さらに相手がモンスターを特殊召喚した時、アングライタの効果発動!
オーバーレイユニットを1つ使い、デッキから『星海の導き』を手札に加える!『スターライト・サーチ』!!」
ディザスターワンド・アングライタ:ORU1→0
これでサーチ効果の方は使い切っちゃった。
問題は…彼の場にレベル6のモンスターが2体揃ってしまったこと!
これがただの模倣なら何も問題はない状況だけど、今の彼は違う…同時に楽しみだけどね。
「だが、俺の場にはレベル6の魔法使い族のモンスターが2体。
今までの俺ならここで止まっていたが、マダマダ行くぜ!
俺はレベル6のブラック・マジシャン・ガールとドラグメイデンをオーバーレイ!
美しき魔女よ、その美貌であらゆる敵を闇に墜とせ!エクシーズ召喚!いでよ『マジマジ☆マジシャンギャル』!!」
『うふふふふ…』
マジマジ☆マジシャンギャル:ATK2400
やっぱり来たね、エクシーズ召喚!!
「ふざけるな!俺たちのブラマジガール達がどうしてこんなことに!?」
「自称遊戯、許せねぇ!」
「貴様ら、こういう色気のある女の良さがわからないというふざけた根性…ン熱血指導ゥだ!」
「喧嘩はやめなよ、みんな!」
「お、おう…。」
煩い野次馬はそっとしておこう。
だいぶ濃いのが来たけど、まだこちらのほうが攻撃力は上。
そうすると問題はまたも効果の方…!
「そしてマジシャンギャルの効果発動!このカードのオーバーレイユニットを1つ使い、俺の手札1枚を除外し、2つの効果から1つを選んで適用する。
俺が使うのは1つ目の効果!これにより、相手モンスター1体を選択してエンドフェイズまで俺の手中に収めるぜ!
対象はもちろんアングライタ!『ダークネス・チャーム』!!」
マジマジ☆マジシャンギャル:ORU2→1
今度はコントロール奪取!!だけど、今度も通さない!
「この瞬間、わたしは手札から『星海の相殺波』を発動!マジシャンギャルの効果の発動を無効にするよ!」
「またお前か!だが、2度目のそいつを通すほど俺は甘くないぜ!
この瞬間、カウンター罠『抹消の融解呪術』を発動!
俺の墓地から魔法使い族の融合モンスター――ドラグメイデンを除外し、魔法・罠・モンスター効果の発動を無効にするぜ!」
魔法使い族融合を利用したカウンター罠、先ほどの素材使用で条件を満たしていたのか!
拙いことに、これは防げない…!
「うっ…!」
「なら、これでマジシャンギャルの効果は成立!アングライタは頂くぜ!」
アングライタが彼の下へ…!
ここからは分が悪くなりますが、こういう状況もわくわくする。
「さらに!このカードはランク6の魔法使い族エクシーズ――マジマジ☆マジシャンギャル1体を素材にエクシーズ召喚できる!
古の魂を継ぎ、今こそ甦れ!エクシーズ召喚!いでよ『幻想の黒魔導師』!!」
『ハァァァァァアッ!』
幻想の黒魔導師:ATK2500
「エクシーズに直接重ねての更なるエクシーズ召喚…!」
今度はブラック・マジシャンによく似たエクシーズモンスター。
まさか、マジシャンギャルに直接重ねて出してくるなんて…!
「驚くのはまだ早いぜ。幻想の黒魔導師の効果発動!このカードのオーバーレイユニットを1つ使い、デッキから魔法使い族の通常モンスター1体を特殊召喚する!
とくと見よ!俺が呼び出すのはこいつだ!いでよ『ブラック・マジシャン』!!」
『ハァァァァ!!』
ブラック・マジシャン:ATK2500
幻想の黒魔導師:ORU2→1
「やっぱり出てきたね、ブラック・マジシャン!!」
「ああ、やっぱり俺にはブラック・マジシャン関連しかないと思ったからな。」
やってくれますね、ここまでの上級クラスの展開力…流石と言わざるを得ないね。
これでいて、手札消費はそれほど多くはない。
そう、これでこそ血沸き肉踊るというものだよ!
だからといって、ここで負けるつもりはないけどね!
「このターンで決めてやるぜ!まずはブラック・マジシャンでダイレクトアタック!
この瞬間、幻想の黒魔術師のもう一つの効果を発動するぜ!
俺の場の魔法使い族の通常モンスターの攻撃宣言時、相手フィールドのカード1枚を除外できる!
これによりお前から見て左のセットカード1枚を除外させてもらおうか!『ブラック・バニッシュメント』!」
伏せていた『ガード・ブロック』が除外されちゃった。
そして、この攻撃は受けざるを得ないか。
「まずは一発目『
――ドガァァァァン!!
「きゃぁぁっ!」
プラム:LP3000→500
「てめぇ!よくも俺たちのプラムちゃんを!」
「はいはい、まだデュエルは終わってないし落ち着いてね?」
なのはさんの言う通り、わたしは大丈夫!
これは手痛い一撃ですが、ここで終わるつもりは毛頭なし!
あ、実のところ魔力維持の練習を兼ねてバリアジャケットを纏っているので衝撃は大して感じてませんが。
そして、目先の障害に囚われてはわたしに勝つのは程遠いことを思い知らせてあげる!
「ここで戦闘ダメージを受けた時、手札から『クレセントドローン』を特殊召喚!」
『キュゥゥウゥゥン!』
クレセントドローン:DEF2000
そう、この子を呼び出すためにも自らの身を危険にさらしたわけだよ。
「だが、それだけじゃ守り切れないだろ?このまま押し通らせてもらうぜ!
幻想の黒魔術師でクレセントドローンを攻撃!『
確かにこれだけじゃわたしの負け。
だけど、もう1枚の伏せカードがある!本命はこっち!
「させない!リバースカード発動!速攻魔法『スイミー・ウォール』!
このターン、わたしの場の魚族モンスターは戦闘では破壊されないよ!」
無数の小さい魚が大きな魚を形どりクレセントドローンを守る!
少々危なかしいけど、こういう分の悪いコンボが上手くいくと爽快だ。
「くっ、決められなかったか!」
「目の前の障害に囚われるあまり、手札誘発への警戒が少し薄い…多分そこが乱堂君、あなたの弱点じゃないかな?
先にブラック・マジシャン以外で攻撃してたら多分負けてたからね。」
まだ自分のスタイルを確立しようとがんばっているところだろうけど、伸びしろは十分。
だからこそ目についた点は今のうちに言っておかないと。
「う、それは……だが、まだ勝負はこれからだ!
カードを2枚伏せ、エンドフェイズ!一先ずアングライタはお前に返すぜ。」
マジシャンギャルの効果はこのターン限り。
アングライタの洗脳が解け、わたしの下に戻る。
彼は自分のデッキを作ったばかりだろうから、それをリリースなどに利用するのはまだ難しかったみたいだね。
「これはご丁寧に。アングライタが戻ったことにより、わたしは再び相手ターンに手札から速攻魔法を発動できるようになる!
この瞬間、手札から魔法カード――星の痕跡を墓地へ送り、手札から速攻魔法『星海の導き』を発動!
デッキから『スターワンド』と名のつくモンスター2体を効果を無効にして特殊召喚するよ!
これにより『スターワンド・フラティ』と『スターワンド・サーディン』を特殊召喚!」
スターワンド・フラティ:DEF1800
スターワンド・サーディン:DEF1800
「ターンエンドだ…!それにレベル4のモンスターが2体…。
たがどんな手で来ようとも、お前のターンを耐えて押し切ってみせるぜ!」
いい心がけだね、それなら…。
「受け止めてみせてよ、わたしの全力全壊を!!
わたしのターン、ドロー!まずはフラティとサーディンの2体でオーバーレイネットワークを構築!
翼を授けられし緑の鉱石、生誕せよ!エクシーズ召喚!ランク4『ダイガスタ・エメラル』!!」
『ハァァァァアァァッ!!』
ダイガスタ・エメラル:ATK1800
「エメラルの効果発動!このカードのオーバーレイユニットを1つ使い、2つの効果から1つを選択して使用できる!
2つ目の効果により墓地の効果モンスター以外のモンスター『黒き人食い鮫』を蘇らせる!!『イノセント・リザレクション』!!」
『シャァァァァ!!』
黒き人食い鮫:ATK2100
ダイガスタ・エメラル:ORU2→1
「これで準備は整った、いくよ!レベル5のクレセントドローンと黒き人食い鮫でオーバーレイネットワークを構築!
煮えたぎる溶岩の力をその身に纏い、戦場を蹂躙せよ!エクシーズ召喚!ランク5『No.61 ヴォルカザウルス』!!」
『グオォォォォォオォォ!!』
No.61 ヴォルカザウルス:DEF1000
「ライフが残り少ないとはいえ、ヴォルカザウルスを守備表示だと?」
「プラムちゃん…プレミかな?」
「いや…多分わざとやってるんじゃないか、ありゃ。」
色々言われてしまってますが、弁解すると効果を使ったら直接攻撃できないからというのと…。
それは今はいいとして、まずは…!
「クレセントドローンを素材としたエクシーズの効果により、1枚ドロー!」
そして、この一撃をお見舞いしてあげる!
「そしてヴォルカザウルスの効果発動!このカードのオーバーレイユニットを1つ使い、相手フィールドの表側表示モンスター1体を破壊し、その攻撃力分のダメージをあなたに与える!
対象は幻想の黒魔導師!食らえ『マグマックス』!!」
No.61 ヴォルカザウルス:ORU2→1
――ジュドォォォォォン!!
「うわあぁぁぁぁぁあ!!」
乱堂:LP4000→1500
よし、まずは幻想の黒魔導師を撃破!
ドローカードも合わせ、そろそろ決めにいくよ!
「バトル!ディザスターワンド・アングライタでブラック・マジシャンに攻撃!!」
「この時を待ってたぜ!罠発動『聖なるバリア−ミラーフォース』!これでお前の攻撃表示モンスターは全滅だ!」
やっぱりそういうのだと思った。
だけど、それが来るのは織り込み済み!
「そう来ると思った!この瞬間、墓地からアングライタを対象に『星海の相殺波』を除外して効果発動!」
「何、墓地から速攻魔法だと!?」
「星海と名のつく魔法カードにはこういった墓地発動も割とあるんだ!
これにより、対象のモンスターを1度だけ戦闘・効果で破壊されないよ!
スターワンドか星海と名のつくモンスターにしか使用できず、自分のターンにしか使えないけどね!」
「破壊耐性付与効果…!だが、エメラルだけでも破壊させてもらうぜ!」
――シュゥゥゥンドォォォォン!
アングライタへ向かったミラーフォースの一撃は相殺できたけど、エメラルまでは守り切れない。
だったら、このアングライタの一撃を増幅させて決めにいくまで!
「アングライタの攻撃は続行し、ダメージステップ!手札から速攻魔法『ハイペリオン・ブレイカー』を発動!
わたしの墓地の星の痕跡1枚を除く魔法カード5枚を除外し、スターワンドと名の付くモンスター――アングライタの攻撃力をこのターン倍にする!」
ディザスターワンド・アングライタ:ATK2600→5200
「ここにきて攻撃力5200だとっ!?」
「これがわたしの全力全壊!『ハイペリオン・ブレイカァァァァァァァアァァ』!!」
――ズドォォォォォォォオォォォォン!!!
――モクモク
モクモクと上がる煙の演出でよく見えないけど、攻撃そのものは通ったかな。
「決まったぜ、プラムちゃんの全力全壊が!」
「あれを食らって無事なら大した奴だがな。」
とはいえ彼の伏せカードは1枚あり、手札も残っているからね。
もしかしたら…ということもあり得るかも。
そして、煙が晴れて状況が見えるようになりましたが…。
乱堂:LP100
「ふぅ…なんとか凌げたぜ!」
「うぅ…そう簡単にはいかないか。」
よくみたら、伏せカードオープンされてる…成程、やるね。
――――――
Side:乱堂
これは効いたぜ…だが、耐えてみせるって言っただろ?
「この戦闘でのダメージ計算時に『瀬戸際の奇跡』を発動していたのさ!
俺のライフが2000以下の時にライフを100になるように払うことで、この戦闘での俺へのダメージを0にし、カードを2枚ドローさせてもらった!
しかも、ターン終了時まで俺は効果ダメージを受け付けないぜ!」
しかし、これで俺のライフは風前の灯で場はがら空き。
この状況で何を成すかで模倣ではない俺の真価が試されるわけだ。
「どんな形でもわたしの全力全壊を耐えきったのは見事だよ。
となると、このターンはここまでかな。
カードを1枚伏せて、エンドフェイズ!
墓地の『星の痕跡』を墓地のサーディンを除外して手札に戻し、ターンエンド!」
ディザスターワンド・アングライタ:ATK5200→2600
よし、無事に俺のターンを迎えられた。
今の手札から考えて、守備力の低いヴォルカザウルスの存在が勝利のカギになりそうだ。
しかし、まだ手札にはあのカードが足りない。
今の手札ではどうにもならない以上、次のドローで俺の命運が決まる!
だが、今度こそレーシャに勝つためにも…まずはお前から乗り越えなきゃならないからな。
「なんとか作り出せたチャンスだ。このターンで決めなきゃな!
このドローでお前に勝利できるカードを引き当てて見せるぜ!俺の…ターン!!」
ドローカードは…来た!
「いくぞ、プラム!!」
俺が引いたカードは『ネクロの魔導書』!
俺の墓地の魔法使い族1体を除外してから魔法使い族1体を蘇生して装備、除外したモンスターのレベル分そのレベルを上げる装備魔法だ。
手札にはトーラの魔導書とガガガマジシャンはあるから、これで貫通能力を持った『ダウナード・マジシャン』を呼び出せる!
アングライタは手札から速攻魔法を発動できる能力、そして星海と名のつく魔法カードの多さで手を出すのはやや難しいかもしれない。
「あ、手が滑っちゃった♪ごめんね、ヴォルカザウルス。」
「うわぁ…ここで『エクシーズ・エクスプロージョン』って、えげつないね。多分終わっちゃったかな。」
「自分の場のエクシーズ1体を破壊し、そのランク×300倍のダメージを相手に与える。
そこでミラフォに巻き込まれないようにヴォルカザウルスを守備にしてたのか。」
だが、守備力たった1000のヴォルカザウルスなら比較的安全に手を付けられるはずだ。
しかもトーラの魔導書のおかげで魔法か罠、どっちかの耐性を魔法使い族1体に与えられる!
よし、いけ…ってなんかヴォルカザウルスの様子がおかしいぞ!?
げ、その罠は!?待て待て待ってぇぇぇぇえ!!
『グオォォォギャァァァァアアァァ!!』
――ドカァァァァアァァン!!!
「うわぁぁぁぁあぁぁぁっぁぁぁ!!」
乱堂:LP100→0
そういえばバーン対策手札になかったんだった!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
はぁ…逆転の一手を始めようとした時に焼かれて悔しいなぁ。
だが、このデッキの手ごたえはいい感じだった。
もう少し突き詰めれば、プレイング次第でいい線いけそうな気がするぜ。
「ごめんね。ブラック・キューブの常連としての意地、そしてかつてなのはさんのデッキを模倣していた事もあるわたしとしては負けるわけにはいかなかったから。
でも、ブラック・マジシャン関連のデッキで魔法使い族縛りランク6を出しやすくする工夫とかすごくよかった!」
それはありがたい言葉だ、素直に受け取っておくぜ。
それと、かつて模倣したもの同士…ということか。
そこから自分を築き上げてきた時期の差が大きい事が敗因かもな。
あと、それと…。
「ところでカードショップT&Hは知っているか?」
「勿論。だけどわたしの自宅からちょっと遠いというのもあって行けてないんだ。
それになんだかんだでここの雰囲気が気に入っているから。」
「成程、だがたまになら出張してもいいんじゃないか?
お前はこんな辺境で埋もれるのにはもったいない強さを誇っていると俺は感じたしな。
特にレーシャ・Y・不動とは一度はデュエルするといいと思うぜ。
恐らくお前以上の強さを持っていたからな。」
「それは聞き捨てならないよ。何事もやってみないとわからないからね。
機会があったらその子とはデュエルしてみたいけど、その時は倒すつもりだから!
それと乱堂君、さっきのここを馬鹿にしたと誤解されるような発言は怒るからね。」
あ…しまった。なんてこと言ってんだ俺は!?
あまり有名なところじゃないからって、そんなこと言っちゃダメだろ!
「おいこら、舐めた口は塞ごうぜ?
いくら模倣をやめたとはいえ、辻デュエルの件で俺たちの怒りはまだまだ収まってないんだ。」
うげ、後ろには…やばいこれ…!
「あまりここのデュエリストを舐めてると痛い目見るよ!順番にかかって、みんな!!」
「「「「「「「「おおぉぉぉぉぉお!!!!」」」」」」」」
「いやぁぁぁぁあぁぁぁ!!ごめんなさぁぁぁぁぁぁいいっ!!」
「何事も程々にね。」
――――――
Side:なのは
今回のデュエルはプラムちゃんの勝利だったけど、自称遊戯だった神楽坂君もいい線言ってたと思うな。
まだまだデッキの改善が必要そうだけど、あのプラムちゃんをここまで追い込んだのは見事だよね。
ちなみにそもそも彼女が私を模倣してたのはデュエルそのものとアングライタの属する星海産物の動きに慣れるためであって、乱堂君とは理由が大きく違うんだよね。
でも、その時は本気でデュエルでのO・HA・NA・SHIが必要だと思った。
もっとも自然と今のようなデッキ構築に近い形になり、大会で優勝するほどに頭角を現してきたから問題なかったんだよね。
「プラムちゃん、今回は彼の実力を確かめてくれてありがとね。
有利不利がめまぐるしくて見ててもいいデュエルができたんじゃないかな?
最後の終わり方はかなり残念だったような気がするけどね。」
「ありがとうございます、なのはさん。
今回は何とか勝てましたが、大分追い詰められちゃって、まだまだわたしも未熟なのだと思い知りました。
わざわざ彼と先陣切ってデュエルさせていただいたのにあんな終わり方になってしまってごめんなさい。
それもあって、改善できるカードがないかちょっとシングルを探してきます。」
そういう向上心と素直さは大切だよね。
乱堂君もプラムちゃんも伸びしろはまだまだありそうで楽しみ。
「はい、いってらっしゃい。」
一方で乱堂君側は…あはは、大変なことになってるね。
いつ順番を決めたのか彼らとのデュエルに揉みくちゃにされてるね。
大変そうだけど、辻デュエルの件で全面的に彼が悪いから文句は言えないよね。
わざわざ乱堂君を連れてきたのだって、彼らが怒ってる気持ちが理解できたから。
身内が襲われたとあっては、私だって気が気でないからね。
もっとも、乱堂君にとっても色々と経験が積めるから悪いことではないと思うけどね。
それはそうと…アレが終わるまでフェイトちゃんは帰らないよね?
「あ、フェイトちゃん…折角だしアレが終わるまで私たちもデュエルやる?」
「いいよ。今度こそなのはから勝ち星をもぎ取りたいと思ってたところだしね。」
「いくらフェイトちゃんでも、そう簡単に勝利を譲らないから!」
「望むところ!」
ちなみに、フェイトちゃんも付き合いのつもりなのかどうなのかわからないけどいつの間にかデュエルを始めてたみたいなんだよね。
とはいっても現時点では全戦、私の白星なんだけどね。
そういえばレーシャちゃんか…。
まだ最近の彼女とは本気でデュエルしたことはないけど、凄まじい伸びを見せているみたいだね。
もし機会があったらプラムちゃんたちここの常連と一緒にいずれT&Hに襲撃…ではなく出向いて、彼女たちと本気のデュエルをしてみるのも一興かな。
少なくとも経験の豊富さでは年季の違いもあって勝っていると自負してるし、他の面でも負けたくはないからね。
それとメタみたいな発言になるけど前回私がキャラ崩壊してたのは、日頃のストレスと店の雰囲気に合わせようとした結果生じたものだからね。
あれは例の事件の解決と年月の経過もあって落ち着いて、収まったから安心してね。
Out Story END
登場カード補足
ディザスターワンド・アングライタ
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/炎属性/魚族/攻2600/守1900
魚族レベル5モンスター×2
相手がモンスターの特殊召喚に成功した時、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除いて発動できる。
デッキから「星海」と名のついた魔法カード1枚を手札に加える。
エクシーズ召喚されたこのカードがフィールドに表側表示で存在する限り、自分は相手ターンに手札から速攻魔法カードを発動できる。
スターワンド・サーディン
効果モンスター
星4/光属性/魚族/攻 900/守1800
このカードが召喚・リバースした時に発動できる。
デッキから「星の痕跡」1枚を手札に加える。
このカードが特殊召喚に成功した時、自分フィールドの「スターワンド」または「スターピクシー」と名のついたモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターのレベルを2つまで上げる。
スターワンド・フラティ
効果モンスター
星4/光属性/魚族/攻1000/守1800
このカードが召喚・リバースした時に発動できる。
デッキから「スターピクシー」または「スターワンド」と名のついたモンスター1体を墓地へ送る。
このカードが海竜族モンスターのシンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「星海」と名のついた魔法カード1枚をセットする。
「スターワンド・フラティ」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。
クレセントドローン
効果モンスター
星5/光属性/魚族/攻1100/守2000
自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
このカードを素材としてエクシーズ召喚したモンスターは以下の効果を得る。
●このエクシーズ召喚に成功した場合に発動する。
自分はデッキから1枚ドローする。
グリード・ジョーズ
効果モンスター
星5/水属性/魚族/攻1700/守1200
自分フィールドにモンスターが存在しない場合、
このカードはリリースなしで召喚できる。
このカードがアドバンス召喚に成功した時に発動できる。
手札から魔法カード1枚を墓地へ送り、自分はデッキから2枚ドローする。
竜装天子ドラグメイデン
融合・効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻2000/守1300
「ブラック・マジシャン・ロリータ」+ドラゴン族モンスター
このカードは上記のカードを融合素材とした融合召喚または「ティマイオスの眼」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカードが特殊召喚に成功した時、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
1ターンに1度、このカードに装備された装備カード1枚を墓地へ送り、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。
ブラック・マジシャン・ロリータ
効果モンスター
星5/闇属性/魔法使い族/攻1500/守1300
相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から守備表示で特殊召喚できる。
このカードがアドバンス召喚に成功した時に発動できる。
手札・デッキから「ブラック・マジシャン・ガール」1体を特殊召喚する。
このカードをリリースして「ブラック・マジシャン・ガール」のアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。
手札・デッキ・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を特殊召喚する。
ティマイオスの末裔
効果モンスター
星2/光属性/魔法使い族/攻 200/守1400
このカードが召喚・リバースした時に発動できる。
デッキから「ティマイオスの眼」1枚を手札に加える。
このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「ブラック・マジシャン」モンスター1体を手札に加える。
「ティマイオスの末裔」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
星の痕跡
通常魔法
自分フィールドの「スターワンド」または「星海」と名のついたモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで200アップする。
自分エンドフェイズにこのカードが墓地に存在する場合、自分の墓地の「スターワンド」または「スターピクシー」と名のついたモンスター1体を除外して発動できる。
デッキ・墓地から「星の痕跡」1枚を選んで手札に加える。
「星の痕跡」のこの効果は1ターンに2度まで使用できる。
星海の相殺波
速攻魔法
自分フィールドの「スターピクシー」または「スターワンド」と名のついたモンスター1体を対象とするモンスターの効果が発動した時に発動できる。
その発動を無効にする。
また、自分の墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの「スターワンド」または「星海」と名のついたモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターはこのターンに1度だけ、戦闘・効果では破壊されない。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できず、自分のターンにのみ発動できる。
スイミー・ウォール
速攻魔法
このターン、自分フィールドの魚族モンスターは戦闘では破壊されない。
また、自分の墓地のこのカードを除外し、自分フィールドのレベル4・攻撃力1000以上の魚族モンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターとの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できず、自分のターンにのみ発動できる。
星海の導き
速攻魔法
このカードは相手ターンでのみ発動できる。
手札から魔法カード1枚を墓地へ送って発動できる。
デッキから「スターワンド」と名のついたモンスター2体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、効果は無効化される。
ハイペリオン・ブレイカー
速攻魔法
自分の墓地の魔法カード5枚を除外し、自分フィールドの「スターワンド」または「星海」と名のついたモンスター1体を対象として発動できる。
ターン終了時までそのモンスターの攻撃力は倍になる。
「ハイペリオン・ブレイカー」は1ターンに1枚しか発動できない。
エクシーズ・エクスプロージョン
通常罠
自分フィールドのエクシーズモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、破壊したモンスターのランク×300のダメージを相手に与える。
抹消の融解呪術
カウンター罠
魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、自分の墓地の魔法使い族の融合モンスター1体を除外して発動できる。
その発動を無効にする。
瀬戸際の奇跡
通常罠
自分ライフが2000以下の場合、
相手ターンのダメージ計算時にライフを100になるように払って発動できる。
その戦闘で発生する自分へのダメージは0になり、
自分はデッキから2枚ドローする。
その後、ターン終了時まで自分が受ける効果ダメージは0になる。
「瀬戸際の奇跡」はデュエル中1枚しか発動できない。
後書き座談会
乱堂「お、今回の話は模倣から脱却したばかりの俺の話だな。」
なのは「舞台は私がいつもお世話になってるアレだけどね。」
yatume(以下Y)「というわけで誰が得するかわからないけど、乱堂君のその後ということで今回書かせていただきました。」
乱堂「俺の新デッキはいわゆる『ブラマジ軸魔法使い』だぜ。ティマイオスの眼による特殊な融合や高ランクの魔法使いエクシーズを出しやすいのが魅力だ。」
Y「遊戯を研究してきた事を生かし、かつ模倣とはいえないデッキというとこれがすぐ思いつきましてね。」
なのは「ちなみにビッグ・アイを出させようとしたらしいけど、やめたみたいだね。」
Y「ガガガマジシャンはその名残だったり。いずれにしろトドメは変わりません。」
なのは「やっぱりあの残念な終わり方なんだ。」
Y「すみませんねぇ。ところで、前のアレの果たし状の件は…。」
なのは「結局デュエルして今度は勝てた。でも、あんなことした私痛過ぎたとしか言いようがないんだ。」
乱堂「あのなのはさんでも、黒歴史ってあるんだな。意外だぜ。」
なのは「正直、あの時の私は本当にどうかしてたと思うの。それと乱堂君、後でO・HA・NA・SHIね。」
乱堂「」
Y「あ、固まった。」
なのは「それとプラムちゃんや乱堂君にはいずれレーシャちゃん達のライバルとして立ちはだかれる程の決闘者になってもらいたいな。」
Y「特に乱堂君にとってはリベンジマッチであり、今度は彼女に一矢報いたいところだね。」
乱堂「その時こそ勝ちに行かせてもらうぜ!いつになるかわからないけどな。」
Y「お、復活した。では、その時はがんばってください。」
乱堂「ああ!それじゃ、そろそろ閉めようぜ。」
Y「こんなものですが、最後まで読んでくださりありがとうございました。」
以上、後書き座談会でお送りしました。