Side:アインス


マーシア孤児院を後にして、改めてルーアンを目指す事になったのだが……



「……クローゼ姉ちゃん。」

「クラム君?」

「あ、イタズラ小僧!」

「もう……こんな所で遊んだらダメよ。魔獣に襲われたら如何するの?」



私達の前に、イタズラ少年のクラムが現れたか……クローゼの言う様に、街道には魔獣が多いから、一人でこんな所に居ると言うのはあまり感心
出来る事ではないぞ?



「その、オイラどうしてもクローゼ姉ちゃんに謝りたくってさ……何にもしてないなんて、嘘ついたりしてごめんなさい。」

「ふふ……怒ってないから安心して。――其れに、本当に謝りたい人は他にも居るんだよね?」

「そ、そんな事ないもんね!」

「貴方が良い子なのは私、よく知っているから。ね、ちゃんと謝ろう?」

「…………………クローゼ姉ちゃんの頼みなら仕方ないや……悪かったよ、遊撃士の姉ちゃん。ゴメン……なさい。」

「あ、あはは……アタシに謝りに来たんだ。素直なとこ、あるじゃない♡」

「か、勘違いすんなよ!クローゼ姉ちゃんに頼まれたからだってば!
 大体なぁ、遊撃士のくせに注意力が足りないんじゃないの?オイラみたいな子供に、簡単に盗られて如何するのさ!」

「うぐ……」

「バイバイ!精々修業しろよな!」

「……やっぱり可愛くない!」

「まぁまぁ、只の照れ隠しだってば。其れに、あの子の言う通り注意不足だったのは事実だしね。
 修業が必要なのは、確かだと思うよ。」



ヨシュア……其れを言われると私もエステルもぐぅの音も出ない――エステルが注意不足だっただけでなく、私も紋章を取られた事に気付く事が出
来なかったからな。
ただ、言われっ放しは性に合わないから、史上最年少最速で正遊撃士になって、更にA級遊撃士になってやろうじゃないか!



「しゅぎょー……あ、たきに打たれたり、ほのーのうえをはだしで走ったりするやつか!」

「其れは、何か違う様な気がするんだけどレヴィちゃん?」

「修業なのかしら其れって?」

「東方の国ではそんなモノがあるって聞いた事が……でも其れは修業と言うよりも、苦行や荒行って呼ばれてたような気がするなぁ?」



……レヴィよ、確かにそう言った精神修業は存在するが、其れは基本的に男の僧侶や山伏が行うモノであって、女性が行うモノではないから勘違
いするなよ?――寒中水業ならば、最近は女性が参加する事もあると主が仰っていたがな。










夜天宿した太陽の娘 軌跡47
到着!海港都市ルーアン!!』








改めてメーヴェ海道に出て、海岸沿いを進んでルーアンを目指す訳だが、街道でも海道でも魔獣は少なくないから如何したって戦闘は避けられな
いな?
私とエステルとヨシュア、レヴィだけならば兎も角、クローゼは丸腰の非戦闘員だから護りながら戦わねばだ……未来のリベール女王が魔獣に殺
されたとか冗談ではないからね。
ま、そんな心配は絶対に無いんだけれどな。



「あ~っはっは~~!くらえ~!雷神滅殺極光斬!!」



――ドッガーン!!



「……凄いねレヴィ?」

「アインスが『賢さを犠牲にしてステータスをパワーとスピードに全振りしたような子だ』って言ってたけど、確かに納得だわ……攻撃の仕方も全然
 考えてなくて、その場の勢いでやってるっぽいから、予測も付かないわよ!
 予測しようがないんじゃ、父さんでも苦戦するんじゃない!?」

「カシウスさんでも苦戦……するかもしれませんねぇ?全く予測の付かない攻撃と言うのは存外厄介ですから。」



はい、現状レヴィ無双状態。
海岸付近であるせいか、ここら辺の魔獣は水属性の奴が多いらしく、そいつ等はレヴィにとっては良いカモだろう――水、特に海水と言うか、塩水
は普通の水よりもより電気を通すからね。
水属性には雷属性……基本だな。



「わぷ!つめたー……みずでっぽうだな今のは!ふっふっふ、この僕にちょーせんするとはいいどきょうだ!やきガニにしてやる!」



っと、如何やら水属性の攻撃を喰らってしまったみたいだな?……大したダメージではないみたいだが全身ずぶ濡れに――って、待てレヴィ!其
の状態で攻撃をしては駄目だ!!



「必殺!雷神封殺爆滅……みぎゃー!!」



――バリバリバリ!!



遅かったか……自分が濡れてる状態で雷属性の技使えば、其れは自分も感電するよなぁ?濡れた手で電源プラグの抜き差しをするべからずだ。
まぁ、レヴィが自爆しただけでなく、魔獣も確り倒しているから自爆損ではないのだけれどね……おーい、生きてるかレヴィ?



「す、すっごくしびれた……だ、だけどこの破壊力――やっぱり僕最強~~……」

「意外と余裕あるわね?」

「マテリアルの子って、普通の人間じゃないんだよね?だったら、僕達よりも頑丈なのかも知れないよエステル?」

「あはは……でも、このままと言う訳にも行きませんので、アーツで治療してあげましょう。」



如何やら無事だったみたいで、クローゼがティアで傷を癒して体力を回復し、レキュリアで麻痺状態を回復してくれたか……武器は持ってなくても
戦術オーブメントは持ち歩いていたみたいだな。
ティアの回復量は、私が表に出ている時と同じ位な事に驚きだが、回復量が増した代わりに火傷の治癒効果を失った私のティアとは違い、火傷治
癒効果は備えたままの様だ――アーツ発動時のエフェクトが変化した私とは違い、クローゼのティアは本来のエフェクトだったから多分な。
アーツ本来の性能を失わずに私と同様の回復量を誇るティアを使えるとは、クローゼはアーツに関しては可成り高い実力を有しているのかも知れ
ないな。

その後も魔獣を蹴散らしつつ海道を進んでいたのだが、浜辺の一角で民間人と思しき男性がサメ型の魔獣に襲われていたので、キッチリと倒して
救出してやった……何やら宝探しをしていたらしいのだが、一度海道や街道に出れば魔獣が徘徊しているのだから、遊撃士に護衛を依頼する事
をお勧めするよ。
更に、街道を塞いでいた魔獣を倒し、レヴィが『こっちに何かある気がする』と言うので、其れに付いて行ったら、古びた海図の切れ端と、スカルダ
ガーなる双剣を手に入れる事が出来た。



「双剣……ヨシュア、此れ使ってみたら?」

「此れは、中々良いモノだけどグリップが手に合わないな?
 ルーアンに着いたら、武器屋で今使ってる双剣のブレードの部分をこの双剣と交換して貰う事にするよ。」

「確かに、剣はグリップ部分が手に合わないと、少し使い辛いですからね。」

「そうかな?ぼくのバルニフィカスは、おの、かま、たいけんにへんけーするけど、どんなけーたいでも僕のてになじむぞ~~?」



お前のはデバイスだから、各形態がお前に合わせてグリップ調整をしてるんだよ……デバイスではない普通の武器では、中々そうは行かないモノ
なんだ。
エスエルの棒術具ならばグリップ部に巻くテープである程度の調節が出来るんだが、ヨシュアの双剣では其れは難しいからな……ブレード部分だ
け交換と言うのもある意味では当然の事であるかもだ。

で、そんなこんなでルーアンに到着だ。



「うわ~……此処がルーアンか。なんて言うか、綺麗な街ね。」

「海の青、建物の白、眩しいくらいのコントラスト――正に海港都市って感じだね?」

「かいこー?誰かとあうのか~~?」



レヴィ、其れは違う。確かに人と会う事も『邂逅』と言うが、ヨシュアが言ったのは海の港と書く『海港』だ。読みは合ってるが字が違うからな?琵琶
湖をびわ子って書くくらい違うから。



「この場合のかいこうは、人と会う事じゃなくて、海の港の事なんですよレヴィちゃん。」

「おぉ、そうだったのか!うんうん、またひとついい事をおぼえたぞ!エルトリアにかえったら、おーさま達に教えてあげないとな!」



お前が教えずとも、王やシュテルならば知っているだろうがな。
しかし、本当に良い街だな此処は……ロレントの様な静かさはないが、街全体が賑わっているし、海からの潮風も心地いいからね――この街はど
んな街なのだろうな。



「クローゼ、アインスが『此処はどんな街なのか』だって。」

「どんな街、ですか?……そうですね、色々と見どころの多い街ですね。
 直ぐ近くに灯台のある海沿いの小公園もありますし、街の裏手にある教会堂も面白い形をしているんですよ――でも、やっぱり一番の見所は『ラ
 ングランド大橋』かしら?」



ラングランド大橋……日本語に訳せば、長い街の大橋か。
クローゼが言うには、今私達が居る場所と、川向こうの南街区を結んでいる大橋で、巻き上げ装置を使った跳ね橋との事……跳ね橋が下りたり上
がたりする様は、きっと壮観なのだろうな。
そして、遊撃士協会の支部は表通りの真ん中にあるとの事なので早速行ってみた――転属届けをしなければ仕事をする事は出来ないからね。
だが……



「あれ、受付の人は?」



ギルドの受け付けが居なかった……参ったな、此れでは転属手続きが出来んぞ?



「おや、お嬢ちゃん達、何か依頼でもあるのかい?」



と思っていたら、濃紺の髪を一つに纏め、額に赤いバンドを巻いた女性が声をかけて来た……うん、只者ではない?恐らくは、可成り高ランクの遊
撃士と見て間違い無いだろうね。



「受付のジャンは、二階で客と打ち合わせ中なんだ。困った事があるなら、アタシが代わりに聞くけど?」

「えっと、客じゃないんだけど……」

「ん?その紋章……何だ、同業者じゃないか。アタシの名はカルナ。このルーアン支部に所属してる。見かけない顔だけど、新人かい?」

「うん、アタシは準遊撃士のエステル。」

「同じく、準遊撃士のヨシュアです。宜しくお願いします。」

「エステルとヨシュア……そうか、アンタ等がロレントから来た新人だね?エステルには、アインスって言うもう一つの人格があるんだろ?
 ボースではシェラザードと大活躍したそうじゃないか!」



コイツ、何故私の存在を……って、ボースのルグラン爺さんが、ルーアンの受付に連絡を入れ、其の受付がカルナに話したのだろうな――守秘義
務等と言う気はないが、あまり大っぴらにしないでくれ。――まぁ、『有望な新人が来る』と言ってくれたのには悪い気はしないがな。
とは言っても、転属手続きをするのならばジャンとやらの用事が終わらなければダメなので、暫く街の見物をして時間を潰す事になった。
そして、街のガイドはクローゼが引き受けてくれた……マッタク持って狙ったような事だが、きっとこれも偶然なのだろうな。


そんな訳でルーアン観光になった訳だが、先ずはラングランド大橋にだな。
今は橋が下りている状態で南街地区と繋がっているが、此れは確かに可成り大きな橋だ……其れこそ、クルーズ船が楽々通れる程の幅の運河
をキッチリ繋いでいるのだからね。



「うわぁ……此れがラングランド大橋か。……やっぱり大きいわね。ヴェルテ橋の倍くらいはありそう。」

「この橋が作られたのは、四十年ほど前の事だそうです。其れまでは、渡し船を使って両岸を行き来してたんですって。」

「あっれー?なんで、はしつくらなかったの?はしがあったほーが便利じゃん。」

「此のルビーヌ川は、海と湖を結ぶ唯一の川だからね。
 湖畔にある王都に向かう船が通れないと困る事になるからじゃないかな。」

「ん~~?どゆこと?」

「え~っとね……先ずはこの川が海と湖を結んでるたった一つの川だってのは分かった?」

「うん、其れは分かった。」

「で、湖がある方には、レヴィが言う王様みたいな偉い人が住んでるの。」

「うんうん。」

「でも、この川に橋を架けると、その偉い人とその偉い人がいる国の人達に食べ物とかお薬とか、服とかを最短で届ける事が出来なくなっちゃうの
 よ?だから橋を架けなかったんじゃないかってヨシュアは言ったの。」

「おー、成程そう言う事か!」



……レヴィのアホの子が加速してる気がするが、今のは中々良い説明だったぞ?一つずつ理解させていくと言うのも大事な事だからね。

ヨシュアの言っていた事は正解だったらしく、クローゼによれば半世紀ほど前の導力革命によって、此れだけの大規模な跳ね橋を建造可能になっ
んだそうだ。
エステルも言ってるが、オーブメント様々だ……導力革命と言うのは、主の世界で起きた『産業革命』に近いモノがあるのかも知れないね。
で、当然の流れとして、エステルは『跳ね上がる所を見てみたい』と言ったのだが、クローゼが言うには、跳ね橋が上がるのは日に三回と決められ
ていて、今からなら夕方には見られるとの事だった――絶対に見逃さないようにしなくてはな。



「そうね、絶対に見逃さないようにしないと!!」

「……その癖、未だ直ってないんですね、エステルさん?」

「あ……またやっちゃったわ♪」

「マッタク……だけど、僕もエステルの意見には同意するよ。此れだけ大きな跳ね橋が上がる所なんて、中々見られるモノじゃないからね。」

「はねばしがバーンってはねあがるの、僕も見てみたい!」

「レヴィちゃん、そんなに勢い良くは跳ね上がらないですよ?」



レヴィの中では、跳ねると言うと、スーパーボールが跳ね上がる様なイメージなのだろうな……あんな勢いで跳ね橋が上がったら大事故に繋がっ
てしまうだろうにな。
取り敢えずラングランド大橋を渡って南街区にやって来たのだが……



「何か、大きな建物が一杯並んでるわね?」

「此処は倉庫区画ですね。外国から運ばれた荷などが保管されているんです。」

「ふーん……少し、寂しい場所ね。」

「飛行船が普及してから、水の上に浮かぶだけの船は少なくなりましたから……昔と比べると荷下ろしの量も減ってしまったそうです。」



陸路よりも水路、水路よりも空路か。
主の居た世界の様に、石油に頼っているのならば、一度に大量輸送が出来るタンカーの様な船のおかげで水路での荷の行き来も有るだろうが、
導力が発達し、油に頼らないこの世界では水路での輸送は衰退の一歩を辿っている訳か。
其れでも無くならないのは、空路が完全に絶たれた時の非常手段としてマダマダ使えるからと言った所か。



「シュテルンがそーこのなかにはレアなおたからがあるって言ってたけど、このそーこにもおたからがあるのかな?」

「如何かな?昔ならあったかも知れないけど、今は使われてない倉庫もありそうだからね。お宝は難しいかも知れないよ。」

「ないのか、ざんねん。」



倉庫にはレアなお宝って、シュテルよ、其れは一体何のゲームの話だ?確かに、主やヴィータがやっていたゲームでも、倉庫や廃屋にある宝箱か
らはレア度の高いアイテムが手に入ったりしてたがな?
その後もクローゼの案内でルーアン市内を観光したんだが、クローゼには観光ガイドの才能があると思ったよ……市内の名所を歴史も交えて詳し
く説明してくれるし、口調も穏やかながら確りしてるからとても話が聞きやすいし――何よりも、絶世の美少女だからな!!



《アインス、ちょっと落ち着きなさいよ?確かにクローゼは美少女だけど!》

《ジェニス王立学園の制服を着たクローゼがルーアン市内を観光案内してくれるとか、其れだけで大抵の男は陥落する……そして、クローゼクラス
 の美少女ならば、男でなくても陥落する!私もちょっと陥落し掛けたからな!》

《其れって堂々と言う事!?》

《お前以外には聞こえてないからギリギリセーフだと思うんだが如何だろう?》

《アタシに聞こえてる時点で、なんかアウトな気がしなくも無いわ……でもまぁ、アインスの言う事も分からなくはないわよ?アタシが男だったら、絶
 対にクローゼの事を放っておかないと思うから。》

《私は女であっても放っておかないがな。》

《知ってる。クローゼも同性なのにアインスにお熱みたいだからね……『愛に性別は関係ない』だっけか?……分かる様な分からないような……》



真の愛の前に性別だとか歳の差とかは余り意味が無いのだろうな。……だが何故だろう?女性同士の恋愛はOKでも、男性同士の恋愛を受け入
れる事が出来ないのは?
高町なのはとフェイト・テスタロッサ、我が主と将……うん、アリだ。クロノ執務官とユーノ……うん、ないな。BLは本気で分からん。

さて、市内観光の合間に小腹もすいたので、船着き酒場で健康おじやと魚卵の酒蒸しを食べる事にしたんだが、此れが中々の味だった。
健康おじやはその名の通り、滋味に満ちていながらも深い味わいで、魚卵の酒蒸しはシンプルながらも魚卵の濃厚なコクが楽しめた……欲を言う
のならば醤油が欲しかった。醤油があれば、もっとおいしく食べられただろうね。
そんなこんなで南街区の観光を終えたから、そろそろ来た街区に戻ろうか?受付のジャンとやらの用事も、終わって居る頃だろうからね。



「アインスが、『そろそろ北街区に戻ろうか』って。」

「そうだね、そろそろ戻っても良いかも知れない。」

「大分時間が経ちましたから、ジャンさんの用事も終わって居るかも知れませんからね。」

「よっしゃー!きたくにもどろー!!」



と、言う訳で北街区に戻る為に、ラングランド大橋までやって来た――



「待ちな、嬢ちゃん達!」



ところで、誰かに声を掛けられた。
そしてやって来たのは、ガラも悪ければ頭も悪そうな男三人組……髪の色は、緑、紫、赤――ほうれん草、紫キャベツ、赤かぶと言った所かな?
見るからにロクデモナイDQNに目を付けられるとは、何とも運が無いとしか言いようがないが……取り敢えずは適当にあしらってやればいいか。
……尤も、クローゼに手を出したその時は、問答無用で『愚かな……失せよ!我こそ、拳を極めし者!』を叩き込むがな。
場合によっては、代わって貰うぞエステル。



《OK。な~んか、嫌な感じがするからねコイツ等って。……ところでDQNって何?》

《分かり易く言えば、人の迷惑を考えない馬鹿だな。》

《……最悪ね。》

《あぁ、最悪だ。》

DQNにはDQN返しが有効とも言われてるが、真相は分からんさ。
其れは其れとして、声をかけて来た此の三人組を先ずは如何するかだな……只のナンパなら適当にお断りするだけだが、断られた事に逆上して
襲い掛かって来たその時は、キッチリとお仕置きをしてやらねばならないかもだな。――頼むから、私を怒らせるなよ馬鹿共。












 To Be Continued… 





キャラクター設定



カルナ

・ルーアン支部に所属している女性遊撃士。
 濃紺の髪を一つに纏めて額に赤いバンドを巻き、シェラザード程ではないが露出度の多い服装が特徴。
 姉御肌な性格で、ルーアン市の人々からも頼りにされている。