Side:アインス


ボースを出発して、歩く事凡そ三十分でヴァレリア湖畔に到着――毎度の事ながら道中の魔獣とか全然問題なかった。
シェラザードの鞭に、風属性アーツを応用して雷を纏わせたら結構な威力になっていたな……其れを見たオリビエが『僕の導力銃にも、属性付与は
出来るのかい?』って聞いて来たので、取り敢えず火炎弾が出るようにしてやった……ウォーターカッターの方がインパクトあったかもだが。



「此処がヴァレリア湖の北岸か……中々雰囲気が良い場所ね。」

「そうだね、宿も立派そうだし。」



到着したヴァレリア湖畔は確かに良い雰囲気の場所だな――ヨシュアの言う通り、湖畔の宿も立派だしね。木造二階建て、湖側にはテラスと、釣り
が出来そうな場所があるみたいだ。
シェラザードが、前に仕事で泊まった事があると言ってるな……酒も美味しいし部屋も良いか。未成年だから酒は兎も角、部屋が良いってのは嬉し
いポイントだな。



「う~ん、遊びに来たんだったら文句なしだったんだけど……」

「アレ、違うのかい?僕はその心算だったけど。
 昼はボートに揺られうたた寝し、夜は酒と料理に舌鼓を打つ――これぞバカンスと言うやつだね。」



……エステル、此のお馬鹿をやってしまえ。アーツを利用して、拳に炎と電撃纏わせるから。



《了解。》
「……オリビエ、爆死と感電死、どっちが良いか選ばせてあげるわ。右手は燃える炎のパンチ、左手は痺れる雷パンチ、さぁどっちが良いかしら?」

「爆死は粉々になってしまうから御勘弁願いたいかな?……なんて、少し悪ふざけが過ぎたね、流石にジョークさ。
 バカンスは何時でも楽しめるが、空賊退治は今しか楽しめない……このオリビエ、優先順位はちゃんと弁えている心算だよ。」

「楽しむ、楽しまないの問題じゃないと思うんだけど……」



マッタクだ……だがまぁ、本気でやってくれるのならば細かい事は不問にしておこう。この男のやる事に、一々突っ込みを入れていたら、きっと此方
の方が参ってしまうだろうからね。
早速御老人が言っていた、釣り好きの滞在客を探すとしよう。



「だってさ。」

「おとといの夜、怪しい人達を目撃したって言うお客さんだね。」

「ちょっと待って、エステルの今ので分かったのヨシュア?」

「何となくですよシェラさん……五年も一緒に居れば、何となく分かる事だってあるモノなんです。」



そう言うモノか?と言うか、今のは絶対にヨシュアにしか分からないと思うな……其れこそカシウスだって『エステル、お前さん何言ってんだ?』って
なる可能性が高いからね。
取り敢えず先ずは、聞き込みからだな。










夜天宿した太陽の娘 軌跡39
やって来ましたヴァレリア湖畔!』









件の客は名前も容姿も分からないので、先ずは宿の店主に話を聞いたのだが、一発目からビンゴだったな――釣り好きの客は大勢居るとの事だ
ったが、シェラザードが『昨日ここに泊った御老人の釣り仲間だと聞いた』と言ったら、その客は『ロイド』と言う人物だと言う事が分かったからね。
何でも王都からの客で、プロのアングラーで、『釣公師団』なる王都の団体のメンバーらしい……何だろう、何時の日かエステルがその団体の名誉
団員になる様な気がしてならない。
其れは兎も角、店主の話では、裏の桟橋に居るとの事だったので、早速やって来たのだが……目の前にいる男性はマッタク全然、此方の声に反
応してくれないな?
其れだけ集中してると言う事なのだろうが……釣りって言うのは、此処まで集中力が必要な物なのかエステル?



《まぁ、確かに集中力は必要だけど、此れは幾ら何でも集中し過ぎじゃない?アタシだって、流石に話し掛けられたら反応するわよ?》

《だよな……彼は一体どれだけ集中しているのやらだ。》

ヨシュアも『魚以外目に入らないみたいだ』と言っているしな……で、此処でオリビエが『僕の出番だね』とか言って動いたんだが、何をする気だアイ
ツは?



「ふぅ~~~~……」



って、耳に息を吹きかけるな?
女性が男性にやる場合には、色々とアレな効果も期待できるかもしれないが、野郎が野郎にやるとか絵面的にも見たくない。そんなのを見て喜ぶ
のは、一部の腐った女子だけだ……そして何故だろう、成長した我が主の敵に、眼鏡の腐女子が居る気がしてならない!



「ひゃぁぁぁあ!?な、何だね君達は!!い、何時から其処に?」



だが、効果はあったみたいだな。釣りに無中だった男性は、私達に気付いてくれたからね……しかし、『何だね君達は』と来たか。其れを聞くと、偉
大なお笑い芸人のあのキャラを思い出すな。そう、『変なおじさん』だ。――因みに、研ナオコが『変なおばさん』として一緒に登場した事もあったらし
いな。(此れはマジです)



「え、エゲツな~~……」

「見ているこっちも、思わず鳥肌が立っちゃったわね……」

「やぁ、ごきげんよう。先程から声を掛けていたんだが、流石はプロ、凄い集中力だねぇ。」



そして、此の状況で普通に話し掛けるオリビエの精神が凄いな……矢張りコイツの心臓には毛だけじゃなくて、カビとか苔とか冬虫夏草とか生えて
るんだろうな。……冬虫夏草どころか、ナッシー(アローラの姿)が生えてる可能性すらあるな。



「貴方がロイドさんですか?」

「あぁ、その通りだが。はて、どうして私の名前を?」



で、ヨシュアが続いて話し掛け、彼がロイドである事が確定した訳だ。
ロイドは、自分の名前を知ってる事に疑問を抱いたようだが、其れはとある御老人から、貴方の名前を聞いたからだ。



「ボースのクワノお爺さんから、貴方の事を聞いたの。少し時間を貰えるかな?」

「ん、其れは中々良い対応の仕方よエステル。十点満点評価で、九点をあげるわ。」

「満点じゃない理由は?」

「有望な新人にこそ、満点の評価はくれてやるな……満点の評価をしたら、其処で満足して自己研鑽を怠る可能性があるが、満点の評価をしなけ
 れば、足りない部分を何とかしようと努力して、より自己研鑽に励むようになる――先生の言葉よ。」

「父さんの……深い言葉ですね。」



だな……世の中には『褒めて伸ばす』と言う言葉があるが、其れは決して百点満点の評価を下してやる事ではない――褒めるべき所を褒めながら
も、満点の評価はせずに課題を残してやるのが褒めて伸ばすの真骨頂だからね。
褒めて認められて、其れでも課題があるのならば其れを何とか解決して更に褒められたいと思うのが人の性だからな――エステルみたいな、天性
の才能に恵まれた人間を育てるにはうってつけの方法だろう。

で、ロイドの話だと、確かにおとといの夜に奇妙な連中を見かけたらしい――詳しい事を知りたかったが、ヨシュアが『自分達は遊撃士で、事件の可
能性がある』と言ったら詳しい事を教えてくれる事になった。GJだなヨシュア。
話を纏めると、ロイドがおとといの晩、ボートで夜釣りに出て、ヌシとの格闘でくたくたになって宿に戻って来て、夜も更けて宿の人達全員が夢の中
だったらしく、ボートを戻して宿に入ろうとしたが、奇妙な二人組が宿の敷地から街道に出るのを見た、か。……クサいな。
途中、シェラザードがマニア心に火をつけてしまって脱線したが、此れは中々大きな情報だぞ?



「そんな真夜中に、街道にですか?」

「ああ、間違いない。アンセル新道に出て行ったよ。
 最初は、街から遊びに来た連中が戻るところなのかと思ったけど……流石に時間が遅すぎるし、次の日、宿の人間に聞いたらそんな連中知らん
 と言うじゃないか。
 幽霊でも見たんじゃないかって、思わず背中がゾ~~っとしたもんさ。」

「ゆ、幽霊!?そ、そんなの出るの此処!?」



あ~~……そう言えばエステルは昔から幽霊とかお化けが大の苦手だったな。



「はは、何せその二人組、若い男女のカップルだったからね――若しかしたら、周囲に認められずに心中したカップルだったのかも。」

「あうぅぅぅ、止めてよぉ~~。」



其れは今も変わらずか。
そのくせ、怪談とか世にも不思議な話を聞きたがるのだから謎だな――所謂怖いもの見たさ……ならぬ、怖いもの聞きたさか?



「ふふ、エステル君も、そうやって怖がってる分には、何とも可愛らしいじゃないか。寒さに震える子猫の様だよ。」

「ふー!!!噛みつくわよ!!」

「ははは……まぁ、幽霊って言うのは冗談さ。
 だが、訳ありのカップルと言うのは、もしかしたら本当かも知れないんだ――女の子が、変わった服を着てたからね。」

「変わった服……と言うと?」

「後ろ姿しか見ていないから確実とは言えないんだが……学生服を着てたみたいなんだ。」



学生服、だと?其れはまさか……



「もしかして其れって……」

「ジェニス王立学園ですか?」

「ほう、良く知っているね。私の姪も通っているんだが、其れにソックリだったよ。」



ふむ……目撃証言だけで断定するのは危険かも知れないが、こんな場所、其れも夜遅くに王立学園の生徒が居るとは考え辛いから、高確率で空
賊のアホの子だろうな。
こんな場所に女子生徒の格好で居たら、逆に目立つとは思わないのか?……或はそんな事にも気付かない真正のアホの子なのか、エステルはド
ッチだと思う?



《どっちでも良いけど、これもう確認するまでもなく、絶対あの生意気娘だって!》
「とうとう尻尾を掴んだわよ!」

「何だ、君達の知り合いだったのか。だったら、あの二人が思い詰めて早まった事をしない様に注意してやってくれ――確か、今夜あたりにまた来
 るような事を話していたからね。」



また、途中から声に出ていたが、あんまり不自然じゃない所で出たせいか、ヨシュアが『またか』と言う顔をする事もなかったが……期せずして貴重
な情報ゲットだな。
ヨシュアがロイド氏に確認したところ『二日後にまた来る』と、男の方が話していたとか……其れがおとといの出来事で、其れから二日後なら確かに
今日だな。



「成程……貴重な情報、感謝するわ。
 後は我々に任せてちょうだい。――大丈夫、絶対に悪いようにはしないから。」

「そうか……そう言ってくれると助かる。何だか、肩の荷が下りた気分だよ。……安心したら、今度はボート釣りがしたくなってきたな。
 こうしちゃいられん!君達、私は此れで失礼するよ!」



安心したらボート釣りがしたくなる……どんな理屈だ其れは。
エステルも相当な釣りバカだと思ってたが、彼に比べたらマダマダ足元にも及ばないのかも知れないな……『ロイドの釣りバカ日誌』とかな。
王都にある釣公師団……どんな集まりなんだろうか?――王都に行ったら足を運んでみようか、エステル。



《そうね、行ってみましょう。》

《決まりだな……で、此れから如何する?》

《そうねぇ……》



「それで結局、そのカップルがどう事件に絡んで来るんだい?事情を知らない僕にも、懇切丁寧に教えてくれたまえ。」



そう言えば、オリビエには詳しく話していなかったな……エステル、少し代わってくれ。試したい事があるんだ。



《え?良いけど……》



――シュン……



「あら、貴女が出て来るなんて、如何したのアインス?」

「なに、かいつまんで説明するのも面倒だと思うから、説明するよりも簡単な方法を少し試してみようかと思ってね……少しばかり見た目がアレなの
 だが、巧く行けば口で説明するよりも早い。」

「巧く行かなかったらどうなるのさ?」

「其れはオリビエがちょっと痛いだけだから問題ない。」

「ちょっと待ってくれたまえアインス君?君は僕に何をする心算だい?と言うか、その僕に向かって真っすぐ伸ばされた指はなに!?」

「……Bang.」

掛け声と同時に、指先からアーツを利用した魔力弾を撃ち出して、オリビエの額にヒット……さて、巧く行ったかな?――少しばかり痛かっただけか
オリビエ?



「少しばかり痛かったが……成程、そう言う事か――確かに其れならばビンゴだね。」

「え?」

「一体何を言ってるんです?……と言うか、何をしたのアインス?」

「アーツで作った魔力弾に、今回の事件における私とエステルの記憶を練り込んでオリビエに撃ち込んでやったんだ――巧く行けば、私とエステル
 が持って居る、事件の記憶をオリビエにマルっと渡せると思ってね。」

《其れ、確かアインスが居た世界の創作の中に出てくる能力じゃなかったっけ?確か、念能力。》

《正解、よく覚えていたな。因みに今のは特質系に属する能力だった筈だ……アーツ利用で出来るんじゃないかと思ったが、案外出来るモノだな?
 見ろ、あまりの事にヨシュアもシェラザードも驚いて声も出ないみたいだぞ。》

《ヨシュアのあんなに驚いた顔は滅多に見られないわね……オーバルカメラがあったら絶対に激写してるわね。》



其れは、流石に止めておいた方が良いと思うが……何だろう、カシウスも似たような事を思いつく気がしてならない。……此れも遺伝子か。



「いやぁ、実に素晴らしい技だね此れは……難点は、やられた方が少々痛い事だが――治癒系のアーツも混ぜ込んで、当たった時のダメージを軽
 減してみては如何かな?」

「成程、参考にさせて貰うよオリビエ。」

「いやぁ、アインス君に褒めて貰えるとは恐悦至極かな?……まぁ、其れは兎も角として、つまりは今夜と言う訳か。」

「えぇ。念のため、アタシ達も部屋を取った方が良さそうね。真夜中まで待つ必要があるし。」

「うん。宿の受付で、部屋を取りましょ。」

「そうだね……って、何時の間に代わったのさエステル?」

「ふっふっふ、此の超高速人格交代は、ヨシュアでも見切る事は出来ないみたいね?……今度父さんに、此れで人格替えながら話し掛けてみよう
 かしら?
 此れなら流石の父さんも、少しくらい混乱――しないか、やっぱり。」



しないだろうなぁきっと。
カシウスはあらゆる状態異常が聞かないだけじゃなく、『ほろびのうた』、『ヤドリギのタネ』、ゴーストタイプが使った『のろい』ですら効かないと思う。
下手したら裏ソフトである『ポケモン黒』のゴーストの『のろい』の即死すら無効にするだろうなぁ……カシウスは冗談抜きで、あらゆる漫画やアニメ
のヤバすぎるラスボスでも簡単に倒してしまう気がしてならない。
『最強お父さん決定戦』で、ドラゴンボールの孫悟空と決勝戦を争わせたら面白い事になりそうだな。



さてと、そんな訳で宿の部屋を取ったのだが、此れは中々良い部屋だな?――急だったから二人部屋を二つ取る事は出来ず、四人部屋しか取れ
なかったけれどね。
寝心地の良さそうなベッドに、シンプルながらもデザインの良いランプ、テーブルや椅子、調度品や壁の絵などもセンスが良いな。
取り敢えず、夜が更けるまではゆっくりすると言う事に……私もエステルもゆっくりして良いのかと思ったのだが、シェラザードが言うには『休める時
に休んでおくのも遊撃士の仕事』らしい。成程ね。
プロであるのならば、休める時に休んで、必要な時に十全の力を発揮出来るようにするべき、と言う事なんだろうなきっと。

で、自由行動と言う事で、エステルは釣りをする事にしたみたいだが、ヨシュアは如何するんだ?



「ヨシュアは如何するんだってアインスが言ってるわ。アタシも聞こうと思ったんだけど。」

「僕は、そうだな……読みたい本もあるし、其処の席でゆっくりするよ。」

「も~、ジジくさいなぁ。男の子だったら、もうちょっと身体を動かさないと!」

「あはは……そう言うのは君に任せるよ。」

「ちぇ、付き合いが悪いんだから……まぁ良いや。早速場所を決めようっと。
 うーん……其処の桟橋あたりが良さそうだけど……」



おやおや、今回もヨシュアに巧く躱されてしまったな――ヨシュアは身体を動かすのが苦手ではなく、逆に運動神経は良いんだが、あまりアウトドア
的な事には積極的ではないんだよなぁ?
やれば出来るのだが、積極的にやる事はない……インドア派の陰キャではないのだが、此れもまたヨシュアの過去が関係しているのだろうか?
……もしかしたら『身体を動かす楽しさ』が分からないのかも知れないな。――だとしたら、逆に何とかして教えたいモノだが、無理にやらせてでは、
逆効果だろうから、此ればっかりはヨシュアの方からエステルの誘いに乗って来るのを待つしかないか。

そんな感じで釣りを始めたのだが……以下、本日のエステルの釣果。



・ヴァレリアバス:三匹
・ロック:五匹
・レインボウ:五匹
・スネークヘッド:四匹
・ガーウェルズ:三匹
・地球:一匹(釣り人の間では、岩に針を引っ掻けたのを『地球を釣った』と言うらしい……中々洒落の聞いた粋な言い方だと思う。)



見事に大量だな。
釣った魚はリリースせずに食べるのが礼儀とは言え、この量は全部食べ切れないので宿の主人に引き取って貰うか。宿で出す料理に使ってくれる
だろうからね。
……ガーウェルズはナマズっぽかったから、天婦羅にすると美味いだろうな。

さて、釣りに無中になって居たら何時の間にやらそらが茜色だ。



「ふ~~、もう夕方か……うん、中々の戦果ね!見て見てヨシュア、こ~んなに釣っちゃったわよ!……あり?……ヨシュア?」



其処の椅子で本を読んでいた筈だが、居ないな?……ん、この本は?



「アレ、此れって……『実録・百日戦役』?ヨシュアの忘れ物かな?」



多分そうだろうな……普段は澄ましている感じだが、こう言った小さなミスをする事があるんだよなヨシュアは――尤も、それがヨシュアに『人間味』
を与えているのだけれどね。
こう言ったちょっとしたミスすらなかったら、ヨシュアは本当に非の打ちどころのない奴になるんだが、完全な存在は逆に不気味だ――何処か不完
全な所があるから、人は親しみを覚えるのだからね。
取り敢えず、届けてやろうかエステル?



「そうね、そうしましょアインス。……それにしても、ヨシュアってばどこに行っちゃったのかな?」



さてな……だが、ヴァレリア湖畔から離れたと言う事はあるまい。此処で私達はアホの子達を待ち伏せるのだからね――それ程広い場所でもない
から、宿内をはじめとして行ける所をくまなく探せば見つかるだろうさ。
黒髪琥珀眼の貴公子は、何処に行ったのか……探すとしますか。



《貴公子って、ヨシュアが?》

《イケメンで、無自覚気障、そして武の心得もある上にマナーも会得していて女性には優しい……此れを貴公子と言わずに何と言うのか!
 黒髪琥珀眼の貴公子と書いてヨシュア・ブライトとルビを振る!》

《強引すぎるわ!》



その後、互いにヒートアップして精神世界のバトルに発展した結果……


○アインス(5分14秒 7000万パワーマッスルスパーク)エステル●


と言う結果になった……同年代ではチートレベルの強さとは言え、私に勝つにはまだまだ修行が足りなかったなエステル――まぁ、精神世界だとは
言え、私相手に五分以上持ったのは大したモノだけれどね。
そう言えばヨシュアは読書をしていたが、シェラザードとオリビエは何をしてるのか……二人して酒を飲んだ挙げ句、シェラザードがオリビエを酔い潰
してないと良いのだが――もしも酒を飲んで居た場合、其れは望み薄だろうな。
取り敢えず、もしそうだった場合は頑張れよオリビエ。(棒読み)










 To Be Continued… 





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