Side:みほ
今年も大学選抜との試合が組まれたので、高校側はチーム編成なんかを決める為に、主要校の隊長と集まって緊急会議――副隊長が参加してるとこ
としてないとこがあるのは、夫々の事情って事かな。……聖グロの場合、副隊長まで不在になるとローズヒップさんとルクリリさんを抑えておける人が居
ないって言う、割と洒落にならない理由なのかもしれないけどね。
会議の会場は、大洗にあるお好み焼き屋の『道』さん……戦車道のブームに乗っかって、店名の頭に『戦車』をくっつけたお茶目なお店だね。
「ぶっちゃけ、今年の大学選抜は去年とは比べ物にならない位に強敵よ。
ケイ前隊長をはじめとした四強の隊長が居る上に、あの西住まほが生涯唯一のライバルとして認めた安西千代美も居る訳だからね……其れこそ、戦
車道のゴールデンチームと言っても過言じゃないわ。」
「アリサ様、其れは間違いないと思います。
戦車道関連の雑誌でも、今年の大学選抜チームは『過去最強』と言われていますからね。」
「だが、其れをぶっ倒すってのが美味しいんだよなぁ。
今年の大学選抜が過去最強なら、今年の高校連合は戦車道史上最強だぜ?みほと同世代であるアタシ等が頭張ってんだからな!!」
ふふ、言うねペパロニさん?……だけど、其れは間違ってないよ。
今年の大学選抜が過去最強なら、今年の高校連合は戦車道史上最強だよ――私をはじめとして、隊長陣にはペパロニさん、理子さん、アリサさん、西
さん、エクレールさん、クラーラさん、アキさん、ペコちゃんと一流所が揃ってるだけじゃなく、各校の副隊長も一線レベルだからね――中でも、梓ちゃん
とツェスカちゃんは頭一つ抜きん出てる感じだしね。
そして何よりも、この大学選抜戦では、天下無敵の『青パンターチーム』が復活するからね……一年ぶりの結成だ、精々派手に楽しもうか?
「精々?最大にの間違いだろみほ?」
「そうだね、最大に楽しもうか。」
「Guaracha!そう来ないとな!」
高校と大学のオールスターゲームってのは、ある意味で戦車道のお祭りみたいなものだから、最大に盛り上げて、そして思いっきり楽しまないと損って
モノだからね。
ふふ、楽しませてもらうよ愛里寿ちゃん、お姉ちゃん!!
ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer219
『戦車道のAll Star Gameです!』
そんな訳で、会議は結構スムーズに進んだね――所々でお好み焼き談議が挟まれたけど、それが却って会議にプラスになってた訳だから、此処を会
議場所に選んだのは正解だったかな。
「それにしても、今更かもしれないけど、アンタよく片手でお好み焼き返せるわね?ヘラ一つで引っくり返すのって難しくないの?」
「そこは慣れだよアリサさん。
右腕一本になって早六年、其れだけ経てば右腕一本でも大概の事は熟せるようになるモノだって。球技だってやろうと思えば片腕でも割と出来る訳
だし。」
「其れはそうかもしれないけど、流石に片腕じゃドッジボールは無理でしょ?」
「地元のクラブチームに所属してる子の球を片手でキャッチできますけど何か?」
「剛速球を片手でキャッチするとか、アンタはHunter×Hunterのレイザーか!?アンタが投げたボール喰らったら死ぬの!?脳みそ出ちゃうの!?」
「流石にそこまでは行かないよ?……ただし、脳みその代わりに潰されたヒキガエルみたいな声が出ちゃうかも知れないけど♪」
「風の噂では、西住隊長の球を喰らった生徒は、『一瞬意識が吹っ飛んだ。』、『なんで自分が場外になったのか記憶が無い。』、『戦車に攻撃されたと
錯覚した。』、『綺麗なお花畑のある河原の向こうで死んだお爺ちゃんが手を振ってた。』とか言ってるとかなんとか……」
「約一名死に掛けてんじゃないのよ~~~~!!」
「アリサ殿、少し落ち着かれては如何でしょう?」
「確かに衝撃的な内容とは思いますが、あまり大きな声で叫ぶと言うのははしたないと思いますし、お店にも迷惑になりますわ。ねぇ、ペコさん?」
「そうですね、エクレール様。」
まぁ、私は色々と人間辞めてる部分があるのは事実ですので。
其れは其れとして、今日集まったメンバーは全員出るとして、それ以外のメンバーは如何しようか?去年は大洗の廃校が懸かってたから、大洗の戦車
は全部出たけど、今年はそうじゃないからバランスよくチームを組みたいよね?
「だな。
取り敢えずみほと梓は確定として、大洗は他に誰を連れてくる心算なんだ?」
「火力面でエリカさんとエミちゃん、機動力面で小梅さん、絡め手その他要因で歴女の皆さんかな。」
「と言う事は確定は六輌って事か。
そうなると黒森峰からは私のティーガーⅠとツェスカのパンターは確定だから、火力もあって待ち伏せ作戦も出来るヤークトパンターとラングを二輌ず
つ持ってく事にするわ。」
「でしたら私の所は、私のチャーチルとローズヒップ様のクルセイダー、ルクリリ様のマチルダの三輌で。
ローズヒップ様はみほ様のチームに行ってしまわれますが、麻子様の操縦技術ならばクルセイダーも十分に生かせると思いますし。」
「ウチはシャーマン三輌とファイアフライ一輌を持ってくわ。
ナオミはみほと同じチームになっちゃうけど、去年と同様に代わりに華が来てくれるだろうからファイアフライの力も存分に発揮出来ると思うしね。」
「プラウダはT-34/76とIS-2を一輌ずつ、そしてT-34/85を二輌出しましょう。」
「ならアンツィオはP-40一輌とカルロヴェローチェを二輌だな。
カルロヴェローチェは戦車戦能力は皆無だけど、相手部隊を撹乱するには持って来いだしな。」
「では、我が知波単は私と玉田が参加させて頂きます!」
「となるとマジノは私のARL-44と言う事になりますわね?」
「継続は私のBT-42ですね。」
でも、そのチーム分けもアッサリと決まっちゃった……夫々が、自分の戦車隊が保有してる戦車の特性を理解しているからこそ、高校オールスターに最
適な戦車を選ぶ事が出来た訳だね。
……まぁ、私が居なかったらペパロニさんはカルロヴェローチェを選びはしなかっただろうけど。
「チーム編成は此れで良いね。
其れじゃあ最後に、高校オールスターの隊長だけど……」
「其れはみほ以外に居ないっしょ?」
「寧ろみほ様以外に誰がやれと?」
「Пожалуйста, Михо.(お願いします、みほさん。)」
「隊長はみほでしょ?ってか、他に居ないし。」
「みほ一択だな。」
「それ以外の選択肢が存在するのでしょうか?」
「しないでしょうね。」
「そう言う訳なので、よろしくお願いしますみほさん。」
「ですよねー。」
自惚れてる訳じゃないけど、私が隊長に選ばれるって事は予想はしてたんだよね……ぶっちゃけ、此処に居るメンバーで私に勝った人は居ない訳だし
ね。
でも、選ばれた以上は確りとその務めは果たすよ?……って言うか、そもそもにして皆が選んだ戦力って私が隊長になる事が前提だったからね。
そうなると次は副隊長だけど、其れは隊長権限で決めさせてもらうよ――高校オールスターチームの副隊長は、梓ちゃん、君に決めた!
「アニポケのサトシですか?」
「ちょっと真似してみたけど、梓ちゃんは私にとってはサトシの最強ポケであるリザードンに等しいから、副隊長を任せるに相応しいんだよ――受けてく
れるよね?」
「はい!謹んで副隊長を拝命させて頂きます……!」
うん、良い返事だね。
一切の迷いが無いその眼光はとっても良いよ……闘気も充実してるみたいだからね――しかもその闘気は、今の私に匹敵するレベルと来たからね。
私の不敗伝説を終わらせる戦車乗りは、もしかしたら梓ちゃんかも知れないね。
此れで、隊長と副隊長も決まった訳だけど、会議はまだ終わりじゃないんだよね此れが。
お好み焼きを追加注文するのは当然として、今度はサイドメニューの鶏の唐揚げやイカの唐揚げなんかも注文だね……道さんはお好み焼き以外のサ
イドメニューも充実してるのが特徴だよ。
その追加メニューが運ばれて来た中での最後の議題は、ずばり『ユニフォーム』!
大学選抜チームにはお揃いのユニフォームがあるのに、高校オールスターには其れが無い……各校が夫々のパンツァージャケットでってのも悪くない
けど、高校オールスターチームを謳っている以上はチームユニフォームが欲しいよね?
だけど、だからと言ってそう簡単に用意出来る物でもないし……
「ガッデーム!そう言う事なら俺に任せとけみぽりん!」
「なんか出たー!?」
何処に居たんですか黒のカリスマさん……って言うか、俺に任せとけって如何言う事ですか?
「アリストトリストブランドで、高校オールスターのユニフォームを作ってやるぜ!
俺のカミさんはデザイナーだから、ユニフォームの一つや二つデザインするくらいは朝飯前だぜ!俺の入場コスチュームや試合のコスチュームのデザ
インもカミさんのアイディアだからな!」
「そう言う事ですか。」
黒のカリスマさんの奥さんはドイツでは有名なデザイナーで、アリストトリストブランドの商品の多くは奥さんが手掛けてるって事を考えると、高校オール
スターチームのユニフォームをお願いしても良いかもだね。
きっと、いい感じのユニフォームになると思うからね……お願いします。
「任せとけ!最高のユニフォームを作ってやるぜ!!
大学選抜との試合、楽しみにしてるぜ!!」
「楽しみにしていて下さい。
私の戦車道は、武藤さんのプロレスと同様に『一瞬たりとも目が離せない』モノですから……武藤さんの正統派なプロレスだけじゃなく、グレート・ムタ
張りの裏技も満載ですからね。」
「だからこそ、最高だぜ!」
取り敢えず、ユニフォームの方は何とかなりそうだね。
アリストトリストブランドのユニフォームって言うのは、間違いなくダークなモノになるんだろうけど、大学選抜が正統派なら、高校オールスターは搦め手
上等のヒールって感じだからアリストトリストブランドはピッタリだよ。
まさかの黒のカリスマとのエンカウントだったけど、高校オールスターのユニフォームが決まったって事を考えると良かったよね――序に、その場にいた
全員がサインを貰えたからね。
サイン入りのパンツァージャケットのインナーは、一生モノだよ。
そんな訳で会議は無事に終わったんだけど、各校の隊長が一堂に会する機会は滅多にないって言う事で、大洗アクアワールドに行って日本最大級の
サメの展示を楽しみ、かねふくの明太パークで工場見学をして、そして最後にカラオケのBig Echoでカラオケを楽しんだ――皆とっても上手かったけど、
アリサさんの『God knows...』は全国ランキングぶっちぎりの九十九点だったからね。……流石です涼宮団長。
「誰が涼宮団長か!」
「お前だお前。」
アリサさんと涼宮団長は中の人が同じだからね……と、メタ発言をしてみると。
でもそれ以上に、私と梓ちゃんのマクロスFのオープニングの『ライオン』のデュエットは、評価限界を超えた∞だったのには驚いたね……梓ちゃんは私
のハーレム要員じゃないけど、私と梓ちゃんの関係は、友情や愛情なんかを遥かに超越した関係なのかもしれないね。
「其れってつまり、とっても純粋な関係って事ですか。」
「だね。
分かり易く言うなら、涼宮ハルヒシリーズのキョンと長門の関係に近いかも。」
「成程、納得です。キョンと長門の間には、友情とか愛情をも超越した、純粋な信頼関係を感じますから。――そして、私と西住隊長がそう言う関係であ
ると言うのは、私にとってはとても嬉しい事ですよ。
ある意味では、逸見先輩よりも上の関係って言えますからね。」
其れは、確かにそうかもしれないね……友情も愛情も超越した関係って言うのは、ある意味で無敵で最強だからね。
そんなこんなで良い時間になったので、今日は皆で大洗で一泊する事に。
宿泊先は、最早大洗では知らない人は居ないであろう、聖グロに突撃されるのが当たり前みたいになっちゃった例の旅館……旅館のご主人は、何か
思う所があるのか、店先に大後さんもといダージリンさんのスタンドポップが置かれてるのがちょっとアレだね。
そして、試合当日までは何度か合同練習をするって言うのが普通なんだろうけど、私達は一切其れは行わずに夫々の学校での練習に留めておく事に
した……チームとしての練度では如何やったって大学選抜には敵わないし、だからと言って短期間で付焼刃的なチーム練習をしても成果は望めないし
ね。
だったら拙い連携をするよりも、大隊長である私が指示を出す事はあっても、基本は夫々が夫々の裁量で動く『大洗流』の方が本来の力を発揮出来る
だろうし、私もそっちの方がやり易いからね。……去年の大学選抜戦も、遊園地に入った後の大洗流の方が戦果は良かったし。
そんなこんなで時は過ぎ、あっと言う間に試合の日がやって来た!
試合会場は、去年と同様に北の大地の北海道!
広大な土地がある北海道は、まさに戦車道の試合会場として打って付けだよ!丘陵地もある平原と林、そしてその自然の中に造られたレジャー施設
と、大体の戦車道要素も抑えてあるしね。
「……で、やっぱりアンツィオは皆で来たんだ?」
「そりゃあな?こんだけの大舞台で屋台出さねぇとか有り得ねぇし。」
その会場で屋台を展開してるアンツィオ勢はぶれないよねぇ……なんて事を言いながら、私も私で確りと『アンチョビとペパロニのハンディピザ』を食べ
てたりするんだけど。
うん、濃厚なチーズとアンチョビのコクをペパロニの爽やかな辛さが纏めてて良い感じだね。トマトソースを塗ってない辺りにイタリア風に拘ってる感じを
受けるよ。
「やっぱそこは拘らねぇとな……にしても、華の奴は相変わらずスゲェな?いや、アタシ等としては屋台の儲けに貢献して貰ってるから有り難いけど。」
「華さんの胃袋はブラックホールだからね。」
さっきから屋台を梯子してるからねぇ……此れは会場の屋台のフルコンプリートもあり得るかも知れないね。
さてと、試合前の腹ごしらえはこの辺にして、そろそろユニフォームに着替えて試合の準備をしないとだね。
黒のカリスマ監修のアリストトリストブランドの高校オールスターのユニフォームが出来上がったのは試合当日の三日前だったんだけど、此れが中々良
いデザインだった。
インナーは白地に黒の十字模様が入ったシャツで、上着は黒のジージャンタイプで右胸と背中に『hAs』と『high school Allstar senshadoh』が銀の糸で
刺繍され、スカートは黒地に斜めに赤いラインの入ったミニスカートで、黒のハイソックスと黒のブーツのセット……オプションでサングラスも有ったのが
印象的だったね。
ナオミさんのサングラスは似合い過ぎだよ。
「華、如何かな?」
「とてもよくお似合いですわナオミさん。素敵です。」
華さん的にも良かったみたいだしね。
でもって、遂に試合開始の時間になり、試合前の挨拶だね。
高校オールスター、大学選抜共に隊長と副隊長が挨拶の場に出てくる訳だけど……
「愛里寿ちゃんが隊長なのは当然として、副隊長はお姉ちゃんだったんだ……」
「ドイツに留学して実力を高めたまほさんが隊長の方が良いかと思ったんだけど、『大学戦車道では私は若輩者だから、隊長は島田の方が良い』って
言われてこうなった。
けど、まほさんの実力は本物だから、私が隊長権限で副隊長に指名したの。」
「私としては安斎を推したかったのだが、隊長に直々に指名されたのを蹴っては隊長の顔に泥を塗る事になるし、彼女から指名されたと言うのは実力
を買われての事だと思ったから副隊長を拝命したんだ。」
そうだったんだ。――お姉ちゃんはずっと『隊長』のイメージだったから、誰かの下で戦うって言うのはちょっと新鮮……って、去年の大学選抜戦の時は
私の下についてたんだっけか。あまりにナチュラル過ぎて忘れてたよ。
ん?でもお姉ちゃんが副隊長って事は、中隊長の一人って事なんだろうけど、去年の中隊長の三人はどうなったんだろう?少なくとも一人は中隊長か
ら外された事になるよね?
「アズミとルミとメグミは全員中隊長から外して一般隊員に降格した。
去年の試合、私が動くまでのあの三人の体たらくは目に余るものがあったから……あの三人に代わって、今年の中隊長はまほさん、安斎さん、蛍さ
んに務めて貰う事にした。」
「まさかの大規模人事案件だった!」
まるッと中隊長を入れ替えてくるとは予想外だったよ……しかも、新たな中隊長はお姉ちゃんと安斎さんと蛍さんと来たからね?……此れは、可成りの
強敵だね今年の大学選抜は。
だけど、負ける心算はない――高校オールスターは私が大隊長で梓ちゃんが副隊長兼中隊長、更にアリサさんと西さんを中隊長にしてるからね。
梓ちゃんは私の一番弟子だから私の戦車道を誰よりも受け継いでるし、アリサさんの緻密で計算しつくされた戦術と、西さんの『機を得たらガンガン行
こうぜ』な戦車道は相性バッチリだと思うからね。
だから、今年も勝たせて貰うよ愛里寿ちゃん。
「同じ相手に二度負けるのは好きじゃないから、今年は私達が勝たせて貰うよみほさん……!」
「其れは同感だ……同じ相手に二度負けるなど、西住流の汚点になり兼ねんからな――大事な妹とは言え勝負では手加減なしだ。私の持てる力の全
てを持って、みほ……お前を倒す。」
「ふふ、そう来なくっちゃ!なら私も、私達も!!」
「全力で、貴女達を倒します!!」
――轟!!
私も梓ちゃんも闘気が高まって、ダブル軍神招来!!その闘気で、地面が抉れちゃったのは仕方ないよね♪――と言うか、闘気の爆発でクレーターが
出来なかったのが不思議だよ。
『独眼の龍は天を目指す。』
『心の臓、止めてくれる!』
で、私が宿したのは伊達政宗だったんだけど、梓ちゃんが宿したのは殺意の波動に目覚めたリュウ……うん、どう考えても英雄じゃないよね其れは。ど
ちかって言うと、闇落ちした主人公だからね其れは。
其れを宿しちゃう辺り、梓ちゃんは『ダークヒーロー』の素質があるのかもね……まぁ、私もどっちかと言えばダークヒーロー系だから、その弟子の梓ちゃ
んもダーク寄りになるのはある意味では当然か。
「其れでは、此れより大学選抜チーム対高校選抜チームの試合を開始する!お互いに、礼!!」
「「「「よろしくお願いします!」」」」
そして、審判長である蝶野教官の号令で試合前の挨拶。
挨拶は大事だ、戦車乙女の礼儀だからね……でも、挨拶が終われば後はもう戦うだけだから、私達高校戦車道の全てをもってして大学選抜チームを
倒すよ。
『同じ相手に二度は負けない』って言ってたけど、愛里寿ちゃんにもお姉ちゃんにも悪いけど、同じ相手に二度負けて貰おうかな?
今年の大学選抜が過去最強なら、今年の高校オールスターは戦車道史最強と言っても過言じゃないからね……タップリと味わって貰うよ、今年の高校
戦車道の底力って言うモノをね。
「そんじゃ、行こうぜみほ?」
「遠慮しないで命令しなさい?貴女の命令なら、どんな相手でも狙い撃つわ。」
「お~っほっほ!やってやりますのよ!!ダージリン様におっこーちゃをこぼして差し上げますわ!」
そして何よりも、最強って言われた伝説の青パンターチームが再々結成された訳だからね。――だから、覚悟してね愛里寿ちゃん、お姉ちゃん?二人
には、もう一度私の戦車道をゲップが出るレベルで味わって貰うから。
其れじゃあ始めようか……戦車道の夏の一大イベントをね!!
「Panzer Vor!!!」
「「「「「「「了解!!!!」」」」」」」
To Be Continued…
キャラクター補足
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