Side:エリカ


今回の合宿は、1週間の予定で、1日目と2日目は全員が熟したのだけれど、3日目に遂に脱落者が出てしまった……其れも黒森峰からだ。

3日目の午後に行われた『学年別バトルロイヤル』……其れを制したのは、矢張りと言うか何と言うか、西住みほのチームだった。
私と小梅も撃破数では負けていなかったけど、奮闘の末に撃破されてしまった訳だからね……本気で、あの子は今年の中学一年最強だと言
っても過言じゃないわよ。

だけど、其れだけの力があるが故に、黒森峰の1年生の一部の戦車乗りの自信を粉砕するには充分過ぎた。
如何して黒森峰がって思ったけれど、考えてみれば、明光大の1年は、西住みほのチームを除いて全員が戦車道未経験者だから、彼女の圧
倒的な実力を前にしても、『凄い』と思う事は有っても、其れに押し潰される事がないのよね。

逆に黒森峰の1年は、戦車道の名門に入学し、更には最初の『振るい落とし』を生き残ったって言う事から、己の腕に絶対の自信を持ってる。
だからこそ、西住みほとの圧倒的な実力差を見せられた時のショックはとても大きいのよ……口から、魂が抜けかけてた子すら居たからね。

だからこそ思い知った。
この合宿は、明光大にとっては間違いなく強化合宿だけれど、私達黒森峰の1年にとっては『二度目の振るい』にかけられているのだって。
西住みほとの力の差を思い知って、それでも尚潰れなかった者だけが生き残る事が出来る、メンタル世界のサバイバル……上等だわ!!



「確かに、此れで潰れてるようじゃ、成長は望めませんからね……頑張りましょう逸見さん!」

「言われるまでもないわよ小梅!!」

私も小梅も絶対に潰れたりしない……寧ろ、この合宿中に明光大から盗める物を全て盗んで、あの子と一対一で互角の勝負が出来る位のレ
ベルにやろうじゃない!!











ガールズ&パンツァー~隻腕の軍神~ Panzer20
『合宿は兎に角燃えています!』











Side:まほ


1人位は脱落者が出るとは思っていたが、まさか黒森峰から2チームが脱落するとはな…其れだけみほの実力が凄まじかったかと言う事か。
まぁ、姉としての贔屓目を無しにしても、みほの実力は同世代の中でも抜きんでている――黒森峰の期待の星である、逸見と赤星が連携して
挑んでも、撃破出来なかったのだからね。

恐らくは、その実力差に自信が粉砕されたのだろうが……だとしたら、如何せん甘すぎるな。
自ら去る者を追いはしないが、この程度の事で自信が粉砕されて戦車道を辞めるのならば、所詮はその程度であったとしか言いようがない。
此れで諦めてしまった者は、戦車道の名門に入学し、最初の振るい落としを生き残った事で、心の隙に慢心が生まれた者だと言っても過言で
は無いからね。



「やり過ぎちゃったかな?」

「いや、そんな事はない。
 寧ろ、あれ位やってくれた方が良い――あれ位の方が、訓練の効果もあるし、黒森峰の強さの質を保つ事が出来るだろうと思うからね。」

「そうかも知れないけど、辞めちゃった子達だって決して悪くなかったよ?
 其れに、戦車道の本当の楽しさを知らないまま辞めちゃったなんて言うのは勿体ないし残念だから……そう思うと、ヤッパリ如何してもね。」



ふふ、優しいなみほは。――だが、其処が黒森峰の難しいところでもあるんだよみほ。
高校ほどではないが、中学戦車道界隈でも『黒森峰』と言えば4年前から連覇を続け、今年で4連覇を達成した『常勝不敗』の学校故に、先ず
勝利ありきなんだ。
そして、一度でも常勝不敗のイメージが付いてしまうと、少なくとも公式戦での負けは校内では許されない物となって来るんだ……王者が負
けるとは何事だってね。

だからこそ、厳しいかもしれないが、一度の挫折で辞めてしまうような人間を置いておく事は出来ないんだよみほ。



「でも……」

「絶対王者の敗北は、盛者必衰では済まない物なんだ……黒森峰は負けたら其処で終わりなんだ。
 だが、そう言う意味ではみほと安斎の存在は、私にとっても黒森峰にとっても有り難い存在であると言う事が出来る――みほと安斎との試
 合は、何方が勝ってもオカシクない勝負になるから、負けてもせめてもの言い訳が出来る。」

少し話が逸れたが、みほの明光大は負けて失うものは何もないが、私の黒森峰は負けた時に失う物が大きい……だから、誰もが勝利に拘
って居るのさ。逸見と赤星はそうでもないようだけれどね。

だが、少なくともみほと戦って挫折しなかった子達は、将来が楽しみだ。折れない心を持って居たのだからね。



「厳しいね、黒森峰は。」

「そうだな……だけど、私は黒森峰に進んでよかったと思っているよ。
 黒森峰に進んだからこそ、お前と戦う事が出来た訳だからねみほ。正直、安斎が相手以外で、アレだけ心が躍った試合は久しぶりだった。」

「それは、私も結構必死だったから。
 其れに、お姉ちゃんと戦うのも久しぶりだったから、必死でも楽しかったんだよ?」

「其れなんだよみほ。」

「ほえ?」



必死でも、大変でも『楽しい』と思う心がなければ、私はどんな事でも続かないと思っている。
今回の合宿のプログラムは、ともすれば黒森峰の生徒でも根を上げかねない程にハードで濃密なスケジュールが組まれているが、明光大の
諸君に感想を聞いて、私は驚いたよ。

経験者である2年生は兎も角、みほのチーム以外は全員が素人の1年生達が『厳しいけど巧くなるのが楽しい』『キツイけど強くなってるのが
実感できるから、辞めたくない』と、必死で大変な練習の中に『楽しさ』を見出していた――素晴らしい向上心だと思う。

無論黒森峰の生徒とて、向上心では負けないだろうが、果たして訓練の中に『楽しさ』を見いだせている者がどれ程いるかは分からないな。
明確な目標を持っているらしい逸見と赤星は、この厳しい訓練も楽しんでいるのだろうけれどね。

私はねみほ、黒森峰の生徒にも『厳しさ』の中の『楽しさ』を見出せるようになって欲しいんだよ。
其れが出来るようになれば黒森峰は今よりもずっと強くなるだろうし、『只勝つ事』だけを重視する戦車道ではなくなるんじゃないかって思って
居るんだ――只勝つ事だけを目指して戦って居たら、間違いなく何時かは『武の心』を無くしてしまうだろうから。

戦車道は、あくまでも『武道』であり『スポーツ』だ。戦争じゃない。――だから、只勝てばいいと言うモノじゃないからね。



「其れは、全く持ってその通りだよお姉ちゃん。」

「お婆様は否定なさるだろうけれどね。
 だが、私は黒森峰の皆にそれを知ってほしい……願わくば、明光大との合同合宿で皆に其れに気付いてほしいと思っているんだよ。」

……まぁ、其れを考えると、脱落した者達は、なるべくしてなった結果だと言えるのかもしれんがな。
脱落しなかったメンバーは、逸見と赤星を筆頭にして、明光大の生徒達と積極的に交流して己の足りない所、或は明光大に足りない所を互い
に補強しようとしていた。相手の良い所を見習ってね。

だが、脱落した連中は其れがなかったからな……みほに負けて心が折れるのは必然だったのだろう。
黒森峰としてのプライドかどうかは知らんが、彼女達は明光大の生徒との交流を全くしていなかったのだからね…其れでは伸びる筈もないさ。
変なプライドは、己の成長を阻害し、最悪の場合は己の道を閉ざすと言う良い例だったのかも知れないね。

……其れを考えると、みほが考案したこのプログラムは最適だったのかも知れないな。



「お姉ちゃん?」

「いや、何でもない。
 この合宿は、黒森峰にも明光大にも、何方にもプラスになるだけだと改めて実感しただけだ。」

だから、今日も頑張って行こうか。








――――――








Side:みほ


合宿4日目は、午前中はポジション別に分かれての意見交換会。
私とお姉ちゃんは車長として其れに参加したんだけど……やっぱりと言うか何と言うか、車長は車長でそれぞれ異なった考えがあるみたい。
お姉ちゃんが『隊長とかそう言うのは考えないで、純粋に車長としての意見を』述べてくれって言ってくれたおかげかも知れないけど、車長の
心構えから、役柄、思考形態まで本当に色々出たね。

でも、だからこそ色んな考えを聞く事が出来て、自分の戦術の幅が広がったんじゃないかって思う――其れは、他のポジションに関しても同じ
だろうと思うけど。

尤も、車長チームの後半は、私とお姉ちゃんと、近坂部長と逸見さんと小梅さんの5人での意見交換会みたいになっちゃってたけれど。(汗)


で、午後の訓練は、明光大と黒森峰の隊長車のみを入れ替えての模擬戦。
つまり私が黒森峰を、お姉ちゃんが明光大を指揮しての模擬戦なんだけど……黒森峰の人達は、私の指示に従ってくれるかなぁ?
何て言うか、怨念に執念に嫉妬に羨望が入り混じった波動をひしひしと感じるんだけど…此れを纏め上げる自信は流石にないって言うか、先
ず無理なんじゃないかなぁ?――どうしたモンだろうね此れは。



「はい注目ーーー!!
 それぞれ思う所はあるだろうけど、西住妹に変なプレッシャーかけちゃダメよ?此れも訓練の内だし、隊長の命令は絶対なんだからね?」



と思ってたら、黒森峰の人が其れを抑えてくれた。
貴女は確か、三年生で副隊長の『天城春奈』さんでしたよね?……ありがとうございます。此のままじゃ纏まらない所でした。



「此れ位は、お安い御用よ西住妹。
 其れと、貴女は色々感じたのかも知れないけど、決してそんな事ないから。黒森峰は規律が厳しくて、模擬戦とかになると途端に戦闘モード
 に切り替わってピリピリしちゃうだけだから。」

「そうだったんですか?……でも、天城さんはピリピリしてませんね?」

「ピリピリギスギスは、ハッキリ言って私のキャラじゃないから。」

「成程、納得しました。」

そう言えば、天城さんはお姉ちゃんを隊長に推薦した人だったね。前に、お姉ちゃんがそう言ってのを思い出したよ。
確かに、此れだけの人だったら後輩であるお姉ちゃんを隊長職に推薦する事が出来るのかも知れないね?――多分、器量の大きさは、近坂
部長と同じかそれ以上かも知れないから。

……って、其れを考えると、私もお姉ちゃんも、本来隊長になるべき人から推薦されて隊長になったんだね?あはは、責任重大だよ此れは。
でも、だからこそ確りやらないとだけれどね!

では、本日の模擬戦の相手はお姉ちゃん――皆さんの隊長が相手ですけれど、気負わずに行きましょう。
お姉ちゃんは、確かに現在の中学校戦車道では最強で、ともすれば高校戦車道チームを相手に回しても勝ってしまうかもしれませんが、決し
て『完全無欠の無敵の戦士』ではありません。



「「「な!?」」」

「「隊長を馬鹿にする心算!?」」

「幾ら妹だからって、そんな事は!!」

「今の発言は取り消しなさいーーー!!!」



あ、ヤッパリと言うか何と言うか反発が起きちゃったね此れ。
……まぁ、聞きようによっては、お姉ちゃんの事を低く評価したように聞こえるかも知れないからねぇ?……如何しようか、青子さん、ナオミさ
ん、つぼみさん?



「カチコミかけて黙らせる!」

「止めろアホ。」

「あら、見事な卍固め♪」



……いい案は出そうにないね。







「隊長は、決して超人なんかじゃなくて、私達と同じ人間であるという事でしょう、『西住隊長』?」

「人間であるから、最強であっても無敵ではなく、完全無欠ではないという事ですね西住さん?」


「「「「「「!?」」」」」」



だけど、援護射撃はまさかの黒森峰から……はい、其の通りです逸見さん、赤星さん。
お姉ちゃんは最強だけど、あくまで人間だから完全無欠なんて言う事はあり得ません。だから、その僅かな隙を突けば、勝つ事は充分に出来
るんです。

明光大の部隊を指揮する場合、多くの指示をする必要がないので、きっとお姉ちゃんも指示に回す能力の幾らかを自分の戦車の運用に回し
て来ると思うんですけど、其処につけ入る隙があります。

隊員の地力では黒森峰の方が上なのは覆しようもない事なので、今回は其れを利用しようと思います。
部隊を私が率いる部隊と、天城さんの率いる部隊、そして逸見さんと赤星さんが夫々率いる部隊の4つの部隊で、お姉ちゃん率いる明光大を
4方向から包囲して、一気に勝負を決めたいと思います。



「大胆な戦術だけど……面白いじゃない、私は乗るわよ西住みほ!!」

「私も了解したわ西住妹!」

「此れなら、行けるかも知れません……了解しました西住さん!」



ありがとうございます、逸見さん、天城さん、赤星さん。
皆さんが賛成してくれたおかげで、黒森峰の皆さんも納得してくれたみたいだから……必ず勝ちましょうね、この模擬戦は!!








――――――








Side:まほ


みほから聞いてはいたが、予想以上に『緩い』な明光大は。
普通は、自分達の隊長が敵に回り、敵方の隊長が味方になるとなると何らかの不安を感じたり、反発が出たりするものなのだが、そう言う物
が一切ないと来たのだからね?
尤も、逆に其れが余計な力を抜いて、自然体で行動できる明光大の強さの基盤になっているのかも知れないけれどね……或は、この緩さこ
そが、黒森峰に必要な物であるのかも知れないな。

とは言え、殆ど素人集団と言っても過言ではない明光大を準決勝まで連れて来たみほが、黒森峰を指揮するとなったら『鬼に金棒』以外の何
物でもないだろうねきっと。
その、みほ率いる黒森峰に勝つには何時もの様な蹂躙戦法では駄目だろう。と言うか、ティーガーⅠが一時的に3輌になっているとは言って
も、明光大の攻撃力では蹂躙戦法など不可能だからな。

となると重要なのはチーム内でのコンビネーションだが……此れは、私が指示するまでもなく夫々が旨くやってくれるだろう。
だから凛、其れと東雲には敢えて個別に指示を出しておく。

「凛は、私と共に行動し、ティーガーⅠの攻守力に物を言わせて敵部隊への攻撃をお願いしたい。
 そして東雲には、その攻撃の隙をついて敵フラッグ車――恐らくはみほの乗るブルーのパンターだと思うが、其れを撃破、或は移動を不可
 能にしてほしいんだが……出来るか?」

「任せなさいまほ。やってやろうじゃない!!」

「隊長に突撃……やってやるわよ!!」



その意気があれば大丈夫だな。では、お願いする。
しかしみほが率いる黒森峰か……此れは若しかしなくても、私のこれまでの戦車道人生の中でも間違いなく最強の相手だろうね………








――――――








No Side


そうして始まった模擬戦だが……結果だけ言うのならば、勝ったのはみほだった。

みほは、開始早々に偵察を出してまほの動きを察知すると、天城、エリカ、小梅が其れそれ率いる部隊を移動させて4方向からの包囲を完成
させ、其処から一気にプレッシャーをかけての速攻に出たのだ。

其れは非常に有効であったが、明光大とて只ではやられない。
まほと凛は、ある程度の事は予測していたので慌てる事なく部隊を展開してこれに応戦し、状況は乱戦の様相を呈して行った。

が、それでもアドバンテージはみほ率いる黒森峰にあったのは間違いないだろう。
如何に明光大の回避能力が優れているとは言っても、4方向から包囲されて、動ける範囲が限られている中では、自慢の回避能力を十二分
に生かす事は出来ないのである。

だからと言って一方的にならなかったのは、偏にまほと凛のティーガーⅠコンビの存在が大きいだろう。
機動力は高くなくとも、最強クラスの攻守力を備えているティーガーⅠならば、多少の被弾は無視して攻撃する事が出来る故に、白旗判定に
ならない攻撃は完全に無視して攻撃し、黒森峰の車輌を撃破していたのだ。

そして、其れで出来た僅かな隙を狙って、椿姫が『おんどりゃぁぁぁぁぁぁ!!』と突撃したのだが……其れは敢え無く、エリカのパンターに撃ち
抜かれて撃沈してしまった。

其処からはもう、みほの思う壺だ。
攻守力では劣るパンターだが、機動力でティーガーⅠを翻弄し、更に天城の乗るティーガーⅠがプレッシャーをかけ、みほとエリカがまほ車の
動きを止め、最後は小梅のパンターがまほのティーガーⅠの後部装甲を撃ち抜いて勝負を決めたのだ。

勝ったのはみほ率いる黒森峰だった訳だ。

が、この模擬戦が明光大と黒森峰の双方にとってプラスであったのは間違いないだろう――隊長が入れ替わった事で、此れまでとは違う戦
術を行う事になったのだから。

もっと言うのならば、この模擬戦は勝敗は二の次であり、本当に大事なのはこの模擬戦で何を得るかだったのだ。
そう言う意味では、この模擬戦は大成功だったと言えるだろう――模擬戦後に、誰に言われるまでもなく、両校での意見交換が行われてい
たのだから。








――――――








Side:しほ


「黒森峰が、弱小校と合宿を行っている様じゃが……如何言う心算かえしほよ?」

「弱小校とは心外ですねお母様。明光大は、準決勝で黒森峰と互角に戦った学校です。最早弱小校等ではないと思うのですが?
 そして、如何言う心算かと問われれば、この合宿は黒森峰にとってもプラスになると考えたからに他なりませんよ……特に、お母様の言う弱
 小校を準決勝にまで連れて来たみほの戦術は、黒森峰としても学ぶところがあると思うのですが?」

「……ふん、まぁえぇわい。其れが西住流に泥を塗る事にならぬのならばな。」



はぁ……マッタク持って、前時代的の思想を持った石頭の相手は疲れるわ。
そもそもにして、自分の西住流の考え方が大間違いだという事に如何して気付けないのかしらねお母様は……其れは、明らかに歪んだ物で
あると言うのは間違いないのに――或は、其れが正しいと信じて生きて来たからこそ分からないのかも知れないのだけど。

でも、このままだと、折角切磋琢磨してる明光大と黒森峰に悪影響を与える事をしかねないわ……菊代!



「お任せ下さい奥様。
 かほ様は、それとなく合宿に近寄らない様にしておきます。」

「そう、頼むわよ。」

「御意に。」



お母様の歪んだ西住流の在り方は、あの子達にはマイナスにしかならない……ともすれば、あの子達の未来を潰してしまいかねないから絶
対に接触させる訳にはいかないわ。

何よりも、私の娘達を、あの人の歪んだ思想に染める訳には行かないわ――まほもみほも、将来は日本戦車道を背負って立つ存在になるの
は、間違いないのだから。

時に菊代、合宿メンバーは今日は……



「泥の様に眠っていますよ奥様。」

「死んだように眠っているから、大分進歩したわね。」

合宿は残り3日……其れで、互いにどれだけ進歩することが出来るのか――西住流の師範としても、西住しほ個人としても、実に楽しみね。










 To Be Continued… 




キャラクター補足




西住かほ
現西住流の家元にして、みほとまほの祖母。
大戦期に歪められた西住流の在り方を本道と信じているために『勝利至上主義』の権化と化してしまっている。
それ故に、娘のしほとは折り合いが悪く、対立をする事も珍しくない。
みほの才能は認めているらしく、何とか引き入れようとしているが、みほがかほを苦手と思っているせいで、事あるごとに避けられている。