「日常と試練と勉強会」

 

 

 

此処はとある世界の、とある街にある、とある学園。

そこの校門付近には何故か女子生徒が十数名、カメラを構えて待っていた。

その理由とは…

 

ィィィィィィィィィィン…

 

「あ! 来たわよ!」

 

ィィィィィィンッ ギュイッ!

 

「「「「「キャアアアアアアアアッ♪」」」」」

 

パシャッ パシャパシャッ!

 

「着いたぞ、スバル。」

「うん。ありがと、ユウ兄♪」

 

颯爽とD・ホイールで登場したのは学園女子生徒の人気ナンバーワン。不動遊星。

そしてその後ろに乗っていたのは、彼の妹(仮)のスバル・ナカジマ。

 

「(仮)ってどういう意味?」

 

地の文のツッコミ入れないでください。

大雑把に説明すると、遊星の両親は現在科学者として遠方に出張中であり、昔から縁のあるナカジマ家に居候しているのである。

昔ながらの付き合いなので、ナカジマ家6姉妹は遊星を兄と慕っている。

ナカジマ夫妻も長男が増えたと思っているため、7人兄妹と言う感じだ。

これは不動夫妻も同じ認識だ。

 

「父さんと母さんの出張はいつもの事だ。慣れている。」

 

だから地の文に割り込まんで下さい。

 

「でも相変わらずユウ兄は凄い人気だよね〜」

「良く分からない。俺の写真を撮ってどうするつもりなんだろうか…」

 

大方の予想通り、女子生徒達は遊星の写真を撮っていたわけで。

前述の通り、遊星は女子生徒に多大なる人気を持っているため、こんなことも珍しくは無い。

本人が知らないところでは『不動遊星ファンクラブ』なる物まで存在しているらしい。

だがそこは遊星。

そんなことは露知らず、本気で不思議がっている。

そこが遊星の遊星たる所以である。

 

『ユウ兄はあたし達のお兄ちゃんなのに…』

 

そんな兄の性格を知っていても、やはり自分の大好きなお兄ちゃんの写真を勝手に撮られるのは嬉しくない。

兄が人気と言うのは妹として喜ばしいが、やっぱり複雑な気持ちなのである。

それが妹心なのだろう。

 

「おい遊星! 毎回の事だが法定速度は守って登校しろ!」

 

ちょっと頬を膨らませてむくれているスバルが可愛かったが(イメージしてください)、そこに空気を読まずに現れたのはこの学園の教師、クロノ・ハラオウン。

 

「クロノか。大丈夫だ、その程度のスピードでイカレるようなエンジンではない。」

「誰がそんな心配するか! あと『クロノ先生』だ!」

「安心しろクロノ。スバルは軽い。こいつの馬力ならタンデムでも全く問題ない。」

「だからそんな事言ってるんじゃない! そして『クロノ先生』だ!」

 

ちょっと論点がずれている遊星。

ちなみにこのD・ホイール、全てが遊星の手作りである。

ホントにガラクタから作ったのか疑わしいほどの性能を誇り、普通に運転するだけでも時速300kmは余裕、本気を出せば音速突破できると言うシロモノである。

 

「? 学園長(リンディ)理事長(ゴドウィン)学年主任(ゲンヤ)の許可なら取っているぞ? クロノ。」

「知ってるよ! 良く許可出したなと毎回思うよ! だから『クロノ先生』だ!」

「法定速度は良いが、セキュリティから連絡でもあったのか? クロノ。」

「無いよ! と言うか君のスピードだと監視カメラにも映らないんだよ! 道路でアクセル・シンクロして光速を超えるな! 『クロノ先生』だっつの!」

 

人はそれをお笑い用語で『天丼』と言う。

それはともかく、基本的に遊星は他人を呼び捨てである。

たとえそれが年上だろうと教師だろうと。

だが不快感を感じないのも、遊星が遊星たる所以かもしれない。

 

「今日も懲りずに遊星に突っかかってるの? クロノ。」

 

そこに登校してきたのはクロノの義妹、フェイト・T・ハラオウンと、その親友である高町なのはと八神はやての3人組。

ちなみにこの3人は遊星のクラスメイトである。

登場早々、義兄へのセリフに容赦が無い。

 

「クロノ先生、毎回毎回よぉ飽きへんなぁ。」

「結局100%負けるのに。」

「ごめんね遊星、スバル…ウチの義兄が…」

「いや、気にしていない。」

 

何気になのはのセリフも辛口だ。

 

「君達まで…いいか、遊星は…」

「私も遊星みたいなお兄ちゃんが欲しかったなぁ。」

「グハァッ!!」

 

クロノ LP4000→0

 

「右に同じ。」

『なのはぁぁぁぁぁぁ!?』

 

? LP4000→0

 

どこか遠くの方からシスコン兄貴の絶叫が聞こえた気がするが放っておこう。

 

「ほな行こか。」

「ああ。それじゃあスバル、今日も頑張れよ。」

「うん。ユウ兄も。」

 

コツンッ

 

互いの拳を軽く突き合わせ、各々自分の教室へと向かう。

これが遊星とナカジマ姉妹、そして遊星を取り巻く者達のいつもの朝の風景である。

約1名が灰になっているがチャイムが鳴れば復活するので放っておく。

これもいつもと変わらぬ朝の風景である。

 

 

 

―――朝・中等部―――

 

「で、今日はどこまで行ったんだ?」

「サティスファクションタウンの新しいアイスクリーム屋さんまで。」

「アイス屋さんって…こんな時間にやってるの?」

「ユウ兄が鬼柳先輩経由で交渉してくれた♪」

「鬼柳先輩はあの街には顔利くからね…」

 

教室に着いたスバルに質問を投げかけるのは双子の妹であるノーヴェと、親友のティアナ。

ちなみに学園と満足街の距離はどのくらいとか思ってはいけない。

だがたとえ何百kmあろうともアクセル・シンクロを使えば数分なので気にしない方向で。

 

「あーそれ、あたしも行ってみたかったんだ、どうだった?」

「美味しかったよー。明日はノーヴェの番だし、行ってきたら?」

「そうするか。」

 

順番とはつまり、ナカジマ家6姉妹で決められた遊星との二人乗りでの登下校の順番である。

基本的に姉妹の上からなので、スバルの次はノーヴェなのだ。

 

「3人で何の話っすかー?」

「どわぁ! ひっつくなウェンディ!」

 

ノーヴェに後ろから抱きついたのは6姉妹の末妹ウェンディ。

双子じゃない妹なのに何故同じ学年なのかとか気にしてはいけない。

 

「ほらほら、先生来るわよ、席に戻る。」

「えーっ」

「後で教えてあげるからね、ウェンディ。」

「はーい…」

 

まとめ役なティアナ、お姉さんなスバル、ぶっきらぼうなノーヴェと天真爛漫なウェンディ。

中等部の朝は概ねいつも通りだった。

 

 

 

―――美術・高等部1年―――

 

シャッシャッシャッ…

 

「ねえチンク? ここはもっと…こうじゃない?」

 

シッシッ…

 

「ふむ、成程。 む? ディエチよ、ここは違うのではないか?」

 

カリカリカリッ

 

「うーん、そうだね…わぁ…お姉さん上手…」

「そう? フフフッ、ありがとう。」

「ねえ? 3人とも?」

「「「何(だ)? アキ(さん)?」

「今日のモデルは《スターダスト・ドラゴン》の銅像なのに、なんで遊星の絵を描いてるの?」

「「「………あれ?」」」

 

長女・次女・三女、ナカジマ家の頭脳派3人組も、お兄ちゃん大好きっ子なようで。

と言うか目の前にいない人物をそこまで詳細に描けるとは…

 

「兄さんだから。」

「兄上だからな。」

「お兄さんだから。」

 

だから地の文に…もう良いです。

 

「諦めないでよ…」

 

ナカジマ家6姉妹が遊星大好きっ子なのは仕方ないからね。

それに貴女もですよね?

 

「もちろん♪」

 

良い笑顔です。

 

「でもアキさん? アキさんの《スターダスト・ドラゴン》に所々傷があるのは何で?」

「………あれ?」

 

脳内に星屑VS黒薔薇(+《憎悪の棘》)が思い浮かんだ人は合格です(何にだ)。

結局4人とも書きなおし。

時間ギリギリで仕上がったそうな。

3姉妹が書いた遊星の絵はそれぞれが大事に持ち帰った事は追記しておこう。

 

 

 

―――休み時間・初等部―――

 

「《パワー・ツール・ドラゴン》に《ダブルツールD&C》を装備! バトルだ!

 《クリボン》に攻撃! クラフティ・ブレイク!!」

(トラップ)発動! 《次元幽閉》! 《パワー・ツール・ドラゴン》をゲームから除外するわ!」

「ちょっ!? 龍可!? 《次元幽閉》なんて持ってたっけ!?」

「昨日拾ったの。」

「マジ!?」

 

こちらの教室では双子のデュエリスト、龍亞と龍可がデュエルの真っ最中。

他の生徒達はそれを観戦している。

 

「う〜…カードを1枚セットして、ターンエンド!」

『《次元幽閉》は痛かったけど、セットしたのは《聖なるバリア-ミラーフォース-》だ。

これで次のターン、龍可が攻撃してきても…』

「私のターン。魔法(マジック)カード《大寒波》を発動して…」

「ちょっと待って!? 龍可!? そのカードは!?」

「今朝拾ったの。」

「マジで!? でも、まだ俺のライフは残るよ!」

「更に私は《レグルス》と《クリボン》をリリース! 来て!《青眼の白龍》!!」

「ちょおおおおおお!? それって世界に4枚しか無いカードだよね!?」

「ならば逆に聞こう。一体いつから…《青眼の白龍》が世界に4枚しか無いと錯覚していた?」

「なん……だと……?」

「そういうわけで、《青眼の白龍》でダイレクトアタック! 滅びの爆裂疾風弾!!」

「うわあああああああああ!!」

 

龍亞 LP3000→0

 

「う〜〜〜…負けた〜〜〜…」

「また次に頑張れば良いじゃないか。」

「龍可ちゃんもお疲れ様。」

「ありがとう、キャロ。」

 

デュエルを終えた2人に真っ先に駆け寄るのはクラスメイトのエリオとキャロ。

 

「龍可があんなカード拾ってるなんて…って言うか、なんでそんな強力なカードが落ちてるのさ。」

「気にしても仕方ないわよ。だって時械神や機皇帝だってそこらじゅうに落ちてるんだし。」

 

一応ボスのカードなんですがね。

 

「まぁそうだけどさ…」

 

納得しちゃった。

 

「やっぱりデュエルは面白いね。」

「うん。見てるだけでも楽しくなっちゃった!」

「そう? それじゃあ2人も始めてみない?」

「「えっ?」」

「そうそう! エリオもキャロも、デュエルやろうよ!」

 

いつだってデュエル大好き少年の龍亞にとって、友達がデュエリストになるのは大歓迎。

龍可も龍亞ほどではないが、友達とデュエルできるのがちょっぴり楽しみなので、一緒になって勧誘する。

 

「僕達に出来るかな…」

「大丈夫よ、龍亞だって未だにルール全部覚えてないんだから。」

「龍可酷っ!?」

「「ぷっ…」」

「2人まで!? う〜〜…」

 

龍亞の抗議の目線に3人は龍亞をなだめる。

 

「そうだ。私、キャロに似てるカード見つけたの。」

「そう言えば俺も! エリオみたいなカード見つけたんだ!」

「「?」」

「「これ!」」

 

そう言って2人が取りだしたのは《白魔導士ピケル》と《竜騎士ガイア》だった。

ほわほわした見た目とピンク髪の女の子は確かにキャロに似ているかもしれない。

ガイアの方は外見はともかく、フリードに乗っていたことから連想したのだろう。

 

「わぁ…可愛い〜!」

「カッコいい…」

 

なんにせよ、2人とも気に入ったようで。

初等部に2人のデュエリストが増えましたとさ。

 

 

 

―――体育・高等部3年―――

 

こちらは男女合同でバスケの授業。

4人対4人のチーム戦なわけだが…

 

「ふっ!」

「あっ!」

 

ダンッ

 

「よっと。」

「なっ!?」

 

ヒュッ

 

「ふんっ!」

「ああっ!?」

 

パシッ

 

「はっ!」

「くっ!」

 

ガコッ…パシュッ…

 

「「「「「きゃあああああああああ♪」」」」」

 

見事遊星がシュート。

その瞬間沸き上がるのは隣の女子コートからの歓声。

 

「流石やね…」

「うん。すっごく綺麗なパス回し、それに連携だった。」

「まあそんな事より…」

「「「遊星(さん)かっこいい〜〜〜♪/////」」」

 

その歓声の中で3人娘はぽわぽわしていた。

 

「はぁっ…はぁっ…いや…」

「はぁ…あいつらが強いのは…はぁ…分かってるよ…」

「はっ…はっ…チームワークが良いのも…な…」

「けどよ…」

「「「「何でノールックノーサインであんな連携が出来るんだよ!?」」」」

 

遊星・ジャック・クロウ・鬼柳のチーム・サティスファクションが相手では仕方が無いとも言えるが…

 

「俺達はチームだからな。」

「ふん。そんなもの、チームワークの無い連中が取るものだ!」

「付き合いも長いしな…なんとなく?」

「こんな点数じゃ満足できねぇ…もっと俺達を満足させてくれよ!!」

『『『『ギブアップしたい…』』』』

 

現在、48ポイントVS2ポイント。

個人的にはこの連中相手に1回でもシュートを決めたことを評価したい。

願わくば、対戦相手の心が折れんことを…

 

 

 

―――放課後・高等部3年―――

 

昼休み、そして午後の授業も滞りなく終わった。

後は帰宅するのみ。

ちなみに言うのであれば、あの後のバスケは200ポイントを突破したとだけ言っておく。

ちなみにちなみに、昼休みにいつものように遊星に「あーん」するのは誰かと言う戦闘もあったが割愛する。

無論、遊星本人は「自分で食えるぞ?」と本気で不思議がっていたのは言うまでも無いだろう。

まあそんなこんなも、いつも通りの風景だ。

だが…

 

ダダダダダダダダッ!!

 

いつも通りではない事がやってきたようだ。

 

ガラッ

 

「ユウ兄!」

「兄貴!」

「スバル? ノーヴェ? どうした?」

「「勉強教えて(くれ)!!」」

「?」

 

遊星は普段は正直勉強嫌いな2人の妹がこんな依頼をする理由を考え、思い至った。

 

「そうか、そう言えばそろそろテストだったか。」

「そういや牛尾もテスト範囲発表してたっけなー。」

 

話を要約するとこうだ。

今日発表されたテスト範囲が分からず、正直絶望的だと。

だから頼れる兄にして、完璧超人不動遊星に家庭教師を頼みに来たと言うわけだ。

遊星は居候なので、家に帰ればいると言うのに、教室までわざわざ走ってきたということは相当テンパっているらしい。

 

「分かった。俺で分かることは教えよう。」

「やった〜!」

「サンキュー兄貴!」

 

本日ナカジマ家にて、勉強会が決定した。

 

 

 

―――ナカジマ家―――

 

「随分大所帯だな…」

 

遊星がそう呟くのも無理はない。

自分とナカジマ家6姉妹、なのは、フェイト、はやて、ティアナ、アキ、龍亞と龍可、エリオとキャロ、そしてジャックとクロウと言う大メンバーである。

ちなみに鬼柳はウェストとニコとデュエルの約束があると言うことで欠席。

 

「とにかく始めようか。分からないところはお互いに教え合って問題を解いていこう。」

「「「「「「「「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」」」」」」」」

 

鍵括弧多い…

 

「頑張れ。」

 

はい…

 

 

 

―――勉強会・約1時間後―――

 

「うーーーん…ユウ兄、ここってどうやって解くの?」

「ここはこの方式を使えば…」

「あ、そっか。」

 

「兄貴、こっちの問題なんだけど…」

「この場合はこの式の応用で…」

「えーーーっと…こうで…こうだから…解けた!」

 

「遊星、これってこれで合っとるかなぁ?」

「見せてくれ。……ああ、正解だ。」

「よっしゃ!」

 

相変わらずの万能完璧超人。

勉強会、その教師役としてもその性能を発揮している。

おまけに教え方は分かりやすい上に、生徒達も素直な子たちなので、勉強がはかどるはかどる。

 

「馬鹿な!? 《聖なるバリア-ミラーフォース-》だと!?」

「成程、セットはミラフォか…ってことは出すべきカードは…」

「「「「「「「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」」」」」」」

 

…約2名を除いて。

 

「………詰めデュエル?」

 

なのはさん正解です。

2人は遊星&ブルーノ(記憶喪失気味の用務員)の合作、詰めデュエル100選(スタンディング50問・ライディング50問)を攻略中。

 

「おい、勉強しろよ。」

 

ごもっとも。

まああの二人は放っておいて、勉強を続けてください。

 

「遊星、ここなんだけど…」

「む…歴史は…はやて、頼む。」

「ほいほい。龍亞君、どこや?」

 

「遊星さん、ここの文法がちょっと…」

「文系か…すまない、ギンガ。」

「はーい。見せてみて、ティアナ。」

 

完璧超人と言えど、苦手分野はあるようで。

そこで知ったかぶりをせず、仲間を頼るのも、彼女たちを信頼してる故だろう。

 

「なにぃ!? ミラーフォースだとぉ!?」

「お前さっきも同じミスしただろーが!!」

 

「「「「「「「「「「「「「「「「……………」」」」」」」」」」」」」」」」

 

「おい、勉強しろよ。」

 

ですよね。

 

「でも面白そう…遊星! 俺にもやらせてよ! 龍可もやろうよ!」

「うん。やってみたい。」

「私も。」

「ああ、テストが終わったらな。」

「「「はーい♪」」」

 

素直な良い子たちやね。

と言うか金髪はこれ目的で勉強会に来たんじゃなかろうな…?

 

「でもあの詰めデュエル、結構難しいのよね…私まだ38問目だし…」

「あたしはまだ15問目だ。」

「ギン姉とノーヴェやってるの!?」

 

これは意外。

シューティング・アーツ好きの長女と五女が参加してました。

 

「チンクやディエチと一緒にね。」

「ウェンディが時々邪魔しながら。」

「みんなやってるの!?」

 

訂正。

四女以外全員参加してました。

 

「シューティング・アーツとはまた違った面白みがあるからな。」

「勉強の息抜きにもなるしね。」

「みんなずるい…あたしもやりたい…」

「やってみたいなら教えるぞ?」

「ホント!? ユウ兄!」

「ああ。」

「やったぁ!!」

 

良かったね。

こうして晴れてナカジマ家6姉妹全員がデュエリストとなったわけで。

改めて、勉強会を再開…

 

「ミラーフォースだとぉぉぉ!?」

「だからテメーはいい加減ちったぁ学習しやがれ元キング!!」

 

「「「「「「「「「「「「「「「「……………」」」」」」」」」」」」」」」」

 

「おい、勉強しろよ。」

 

ご苦労様です。

 

 

 

その後も何回か勉強会は開かれ、メンバー達の学力は確実に上がっていった。

そして幾度となく元キングはミラーフォースに散って行った。

 

 

 

―――数日後―――

 

で、テストが終わったわけですが。

 

「いきなりだな。」

 

気にしないで。

 

「分かった。」

 

ありがとう。

さて、勉強会の成果もあって、みんなの成績は上昇。

いつも以上の点数が取れたようで。

得意科目は現状維持、あるいは上方修正。

苦手科目はレッドゾーン脱出。

中には苦手科目で平均点を上回った子もいたそうで。

…勉強会に参加したメンバーの内、一人を除いて。

 

「なん……だと……?」

 

ジャック・アトラス 赤点・補習授業決定。

 

まあ詰めデュエルにあんだけ没頭してたらそうなるよね。

同じく没頭してたクロウはと言うと。

 

「ふぅ…赤点に+1点。ホントにギリギリだったぜ…」

 

マジでギリギリですね。

 

「遊星がテストのヤマを教えてくれて助かったぜ。」

「なんだと!?」

「いや、こちらこそジャックの相手をしてくれて助かった。おかげでみんな補習は免れたようだ。」

「貴様らぁぁぁぁぁ!!」

 

ああ、クロウがジャックのツッコミ担当してたのは遊星の依頼だったんですね。

 

「これからみんなで祝勝会に行くんだがクロウもどうだ? お礼に奢ろう。」

「マジか!? やったぜ!」

「あまり高いのは止めてくれよ?」

「安心しろって。1杯3000円のコーヒーなんて頼まねえからさ。」

「話を聞け貴様らぁ!!」

「ジャック! 俺達は今大事な話をしているんだ! 少し静かにしてくれないか!!」

「遊星! 貴様ぁぁぁ!!」

 

まあ自業自得だから仕方ない。

 

「おーいたいた、ジャック、さっさと教室に来い。補習始めるぞ。」

「牛尾! ちょっと待て! 俺はこいつらに話が…」

「ああ、スバル達が校門で待っている。行こうか、クロウ。」

「おう! でも俺と龍亞は途中で抜けたほうが良いかもしれねえな。」

「何故だ?」

「お前は知らなくて良い事さ。」

「?」

「MA☆TTE!!」

 

遊星とクロウは教室を退場。

ジャックは牛尾先生から連行。

天と地、光と影。

みんなもルールとマナーを守って楽しく勉強しよう!

 

「初代のパロか?」

 

気にしないで。

 

「分かった。」

 

ありがとう。

 

 

 

―――移動中―――

 

「ユウ兄、ありがとうね。」

「何がだ?」

「あたし達に勉強を教えてくれて。」

「気にするな。仲間が…妹が困っていたら助けるのも兄貴の仕事だ。」

「うん。ありがとう。ユウ兄。」

 

テストと言う重荷が消え、みんなの顔には笑顔が浮かんでいる。

それも勝利と言う栄光を勝ち取ったのだから、喜びもひとしおだろう。

 

「ねえ、ユウ兄…」

「?」

「もし…もしも、だよ? あたし達と兄妹みたいな繋がりが消えても、何かあったら助けてくれる?」

「当然だ。」

 

ノータイム即答。

考える必要もないと言う事だろう。

 

「たとえお前達が妹では無くても、そんなことは関係ない。俺はスバルを…みんなを助けたい。いや、きっと助けるさ。 大切な…仲間だからな。」

「そっか…」

「顔が赤いぞ? どうした?」

「ううん! 何でもない!」

 

スバルは遊星の正面へ回り、向かい合う。

 

「あたしも大好きだよ! お兄ちゃん!」

 

 

 

終わり

 

 

 

 

 

後書き座談会

 

kou「終わった…」

遊星「随分と時間がかかったな。」

kou「時間が無くてね…ちょこちょこ書いてはいたんだけど。」

スバル「まだ本編も2話くらいなのに、番外編書いてて良いの?」

kou「勉強中に模様替えとか、部屋の掃除とかはかどるでしょ?」

なのは「あーー…分かる気がするの…」

フェイト「でもこれ、どんな経緯で書いたの?」

kou「元々は吉良さんがキリ番自爆ったら俺が書くぜ!とかほざいちゃって、どんなリクが来るかなと想像してたらストーリーが出来上がった。せっかくだから書いちゃおうと。」

はやて「なるほどなぁ。シグナム達の出番が無いんは?」

kou「学パロだからね。正直扱いに困った。ヴォルケンズ好きの方ごめんなさい。」

ギンガ「私達姉妹の学年がかぶってるのは?」

kou「あんまりバラけると、ピンだと会話が無いから詰まらないんだ。元ナンバーズ組には年齢設定とかないしね。まあ正直、細かい事は気にせずに雰囲気で楽しんでほしい。」

クロウ「これは聞いておくぜ。お前俺らの事嫌いか?」

kou「とんでもない! 5D’sの味方キャラで嫌いな奴なんていないよ! 【BF】は好きなデッキの一つだしね! あ、でもユーノクロノは『好きではない』かな。」

ジャック「ぶっちゃけたな。」

kou「一応フォローすると、決して『嫌いではない』よ? 正直男性キャラで遊星以上の奴を見たことないからさ。なんていうか…相対的に?」

アキ「使い方合ってるの?」

kou「さあ? だからと言っては変だけど、主人公が気に食わない作品とかに出会うと、その主人公を消して、代わりにオリキャラか遊星をぶっ込んで色々ストーリーを構築してるんだよね。 まあこれは二次創作作家の(さが)みたいなものかもしれないけど。」

龍亞「他の作品って?」

kou「ああ!」

龍可「こらこら…」

kou「ごめん、つい。少なくとも、俺はそんなに器用じゃないから、これの連載が一段落つくまでは新作は無理。吉良さんマジで尊敬します。」

遊星「その尊敬する人のサイトに載せてもらうんだ。下手な仕事は出来ないな。」

kou「精進します。ではでは、そろそろこの辺で。」

スバル「読んでくれてありがとうございます! 作者さんはかなり筆が遅いけど、気長に待っててやってください!」

遊星「何か感じたら言ってやってくれ。作者はまだ未熟だと自分でも理解しているからな。」

kou「また次の話でお会いしましょう〜。」

 

 

 

座談会終了