Side:ねね


昨日の紫吹と里久の試合は凄まじかったです。
問題はその中のアクションフィールド『未来都市プラネテューヌ』ですが、初めて見たはずなのにどこかで見た事あるような気がします。
それに、紫吹から少し前に身の覚えのないような因縁を付けられていましたが…。
彼によるデュエルが衰退した世界を侵略された話を聞いたところ、何故だか他人事ではないような気がしたのです。
それも…立場的に被害者側ではなく、むしろ侵略者側として。
そんな、まさか…?いや、そんな馬鹿な?

実はわたしには2年前までの記憶がないのです。
ねねという名前も…確か舞網市のどこかで目覚めて名前を聞かれたときに咄嗟に名乗った名前だった覚えがあります。
何故こんな名前が咄嗟に出てきたのかはわかりませんが、本当の名前さえ思い出せない。

ですが、もしもわたしが紫吹が言ったような侵略者の一味だったのなら…そんな記憶なんて思い出したくない。
だって沢渡さんやブランたちとの友情関係を壊したくありませんから。
なのに思い出さなければならないような…そんな気がします。


閑話休題。


先ほど、柊さんから連絡がありまして…昨日の夜からブランの意識が戻っていないそうです。
なのでいてもたってもいられず、お見舞いに向かおうとした矢先に面倒事に巻き込まれてしまったみたいです。


「え〜と…?何のご用でしょう?」

「ククク、そこの光焔ねねという小娘…一昨日は勝鬨が世話になったな。
 お前にはそれ以上の屈辱を味わってもらう…」

「は、はぁ…」


目の前に中華風の恰好をした男が立ちふさがっていますね。
どうみても梁山泊塾の方々で間違いなさそうです。
台詞から察するに一昨日デュエルした勝鬨勇雄の仇討ちでもしにきたのでしょうね。
暴力を辞さない卑劣な盤外戦術でデュエルを冒涜してきた害悪集団への嫌がらせをした事で逆に目を付けられてしまったみたいですね。
少しばかり、わたしとした事がはりきりすぎてしまったみたいです。
何と言いますか、最近悪い意味でも物怖じしないようになってきてると自覚しております。
少し前の人見知りだったわたしなら余計な火種は持ち込まなかったでしょうから。

このような輩は本来であれば得てして関わらない方が身の為ですし、正直関わりたくありません。
ですが、この機会に身の程を思い知らせるのもそれはそれで一興ですね。


「まさかLDSの生徒ともあろう奴が、勝負を挑まれて逃げるわけがないよな?」

「…いいでしょう、受けて立ちます。」

「フフフ…この麻枝駿が参る。」


「「デュエル!!」」


ねね:LP4000
麻枝:LP4000











超次元ゲイム ARC-V 第35話
『人は俺をハンターと呼ぶ』










予定外のデュエルが発生してしまいましたが、早く片付けてブランの下へ向かいたいところです。


――クイッ、クイ…


勝鬨の時と同じく『かかってこい』と左手を前に突き出して指で挑発しているわけですか。
梁山泊塾特有のもののようですが、いいでしょう。


「それに甘えて先攻をいただきましょうか。
 わたしはモンスターを裏側守備表示で召喚し、カードを1枚伏せてターン終了します。」

「おいおい、勝鬨の時の意気はどうしたんだあぁ?
 だったらすぐに敗北の闇に引きずり込んでやるよ、俺のターン!」


最初のターンから飛ばしてもそれはそれで相手の思う壺ですから。
まずはこの裏守備で様子見させていただきましょう。


「それにしても…いかにも噛ませ犬みたいな台詞ですね。」

減らず口を!相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、レベル5の『地金星アギョウ』をリリースなしで召喚できる!」

『テアッ!』
地金星アギョウ:ATK2000



まずはリリースなしで上級モンスターを出してきましたか。


「バトルだ!アギョウで裏守備モンスターを攻撃!」


炎王獣 ガルドニクス:DEF1700


「アギョウは貫通効果を持っている…つーわけで、貫通ダメージを喰らえや!」

「む…」
ねね:LP4000→3700


「ですが、戦闘及び相手の効果で破壊された時にガルドニクスの効果を発動します。
 デッキからレベル4以下の『炎王』1体、ここは『炎王獣 ネコマタ』を特殊召喚します。」
炎王獣 ネコマタ:DEF200


「ちっ…雑魚がまた湧いてきやがったか、俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ。」


雑魚とは失礼ですね…では、参りましょうか。


「わたしのターン、ドロー…わたしは手札から魔法カード『炎王の爆誕』を発動!
 この効果で手札の『ネフティスの鳳凰神』とフィールドの『炎王獣 ネコマタ』を破壊し、融合!
 不死の鳳凰よ!妖しき刃よ!焔渦巻いて一つに交わり爆誕せよ!融合召喚!現れよ、炎王を総べる鳳凰神!レベル9『ネフティスの炎王神』!!」


――ボォォォォォォォ!!


『ショォォォォォォォ!!』
ネフティスの炎王神:ATK2900



これはブランにも見せていなかった切り札の一つですが、あまり時間はかけたくありませんから畳みかけていきましょう。


「破壊されたネコマタ、融合召喚したネフティス、そして『炎王』が破壊された事での手札のバロンの順に効果を発動!
 まずは『炎王獣 バロン』の効果で自らを手札から特殊召喚します!」
炎王獣 バロン:ATK1800


「続いて、ネフティスの炎王神が融合召喚した時の効果でデッキから『炎王炎環』を手札に加えます。
 最後に効果で破壊されたネコマタの効果でアギョウの攻撃力を半分にします!」

「ちっ…!」
地金星アギョウ:ATK2000→1000



もっとも、これだけではまだ届きませんね。
ですが、まだ通常召喚をしておりません。


「そして、手札から『炎王獣 ヤクシャ』を召喚!」
炎王獣 ヤクシャ:ATK1800


「バトルです、まずはネフティスの炎王神でアギョウを攻撃!」

「ちっ、只でやらせるかよ!罠発動『武将の無敵化』
 このターン、俺の場の戦士族モンスターは戦闘及び効果では破壊されなくなるぜ!」
地金星アギョウ:ATK1000(破壊耐性付与)


成程、恐らくイグニクス辺りを警戒して入れてきましたね。
イグニクスの効果が通れば相手は大きな痛手を負いますから。
今は違うモンスターを出させていただきましたが。


「ですが、ダメージは受けていただきます…焼き払え『ゴルド・ブレイザー』!!」


――ゴォォォォォォォォ!!


「ぐおぉっ…!」
麻枝:LP4000→2100


「続いて、ヤクシャとバロンでアギョウに攻撃します!」

「へぶっ、ぐほあっ…!」
麻枝:2100→1300→500


とはいえ、あと一歩のところで届きませんでしたか。
このターンで決めておきたかったのですが、次に回しておきましょう。


「それでは、わたしはカードを1枚伏せてターンを終了します。」

「俺のターン、ドロー!俺は手札から魔法カード『融合』を発動!
 俺が融合するのは、フィールドのアギョウと手札の『天金星ウンギョウ』!
 阿吽の呼吸合わさり、金剛の破壊神がここに君臨!融合召喚!いでよ、レベル10『覇金星コンゴウ』!!」

『デアァァァァァ!!』
覇金星コンゴウ:ATK3000



相手も融合召喚を使ってきましたか。
梁山泊塾の生徒がどうして融合召喚を習得できたのかは謎ですね。
それを聞くのは野暮というものでしょうが。

そして、融合召喚で出てきたのは攻撃力3000の金剛力士のようなモンスターですね。
ネフティスの攻撃力を上回ってきたみたいですが。


「さらに、融合モンスターのコンゴウに装備魔法『聖星の剣』を装備し2回攻撃を可能とする!
 バトル!コンゴウでネフティスの炎王神を攻撃!」

「その攻撃、利用させていただきましょうか。
 攻撃宣言時に罠カード『炎王の炎壁』を発動します!
 デッキから『炎王』モンスター…ここは『炎王獣 キンシ』を破壊し、その攻撃を無効にします!」

「ちっ、だがコンゴウにはもう1回攻撃する権利がある!」


そんな事は百も承知です。
むしろ、本命はデッキの炎王1体を破壊する事にありますから。


「ですが、ここで決めにいきます。
 キンシが効果で破壊された墓地へ送られた場合、あなたに500のダメージを与えます!これでトドメです!」


この効果ダメージで決められるかどうか…!


「フフフ…この瞬間、手札から『天金星ウンギョウ』を捨てて効果を発動!
 このターン、俺が受ける効果ダメージは0になる!残念だったな!」

「…流石にそう易々とはやらせてはくれないようですね。」


成程、効果ダメージの対策は既にできていたという事ですか。
もっとも、こうでなくては歯ごたえがありませんが。


「つーわけで…だ、コンゴウでネフティスに2回目の攻撃!」


――ドガァッ!


「うっ…」
ねね:LP3700→3600


ネフティスがやられてしまいましたか。
もっとも、ネフティスの真価はむしろここからです。


「ですが、こんな細かいダメージで倒せるほどわたしは甘くありません。」

「ククク、そうでなくては甚振り甲斐はない。
 果たして、その余裕もいつまで持つかな?
 俺はカードを1枚伏せてターンエンド…さて、そろそろ頃合いだな。」


ここで相手が手札0枚になったわけですが、頃合いとは…?


――パチッ!


――Battle Royal mode Joining!


相手が指を鳴らしたと同時にデュエルディスクから『バトルロイヤルモード』に入ったという音声が流れた…?
一体、何がどうなって…!?


――ザザァッ!!


「っ…!?」

「ほう?この不意打ちをかわしてきたか…」


嫌な気配を感じたと思ったら誰かが不意打ちをしてきたみたいですね…!
寸での所でよける事はできましたが、一歩遅れたら今頃わたしはボロ雑巾のように転がっていたようです。

ここで乱入してきたのは長い三つ編みのいかにも功夫風の男…彼も間違いなく梁山泊塾ですね。
成程、1対1でデュエルするかと思わせておいて…実は端から待ち伏せで乱入していく心算だったようですね。
迂闊でした…勝つために手段を選ばない事に定評のある梁山泊塾相手の野良デュエルならこうなる事も予想できたはずなのに…!


「待ち伏せして、このタイミングでデュエルに乱入してくるとは感心できませんが…」

「おっと、安心するのはまだ早いぜ?」

「…!?」


――ゴスッ!!


「あぐっ!?」


が……後頭部を誰かに殴られて…!?
しまった……待ち伏せが一人とは限らないのにどうして油断していたのでしょうか?
気絶こそはしませんでしたが…こんなところで眩暈が…!それに何か変な感覚が…!


「よくやった、竹田。」

「おうよ、梅杉。」

あなたたち…勝負と見せかけて女の子1人を相手に男3人がかりで不意撃ちとは……この卑怯者!

「ククク、卑怯もラッキョウもないのだよ。」

「我ら梁山泊塾を敵に回した事を後悔し、闇へ落ちるがいい。」


竹田:LP4000
梅杉:LP4000


典型的な子悪党の台詞ですが、この状況は非常に拙い…!
頭を殴られての鈍い痛みで集中力が削がれている中、3人がかりでかかられるのは厳しいと言わざるを得ません。
身の程を弁えていなかったのはこちらの方という事ですか…!これは堪えますね。


「後はじわじわと嬲り殺しにしてやるぜ、俺のターン!」

「このスタンバイフェイズ…墓地から『ネフティスの炎王神』の効果を発動します。
 このカードは戦闘・効果で破壊された次のスタンバイフェイズに墓地から蘇ります。」

『ショォォォォォォ!!』
ネフティスの炎王神:ATK2900



それでも、まだ負けたと決まったわけではありません。
最後まで足掻きましょうか。


「もっとも、この効果で特殊召喚したネフティスはフィールドから離れた場合に除外されてしまいますが。
 その後、フィールドのカード1枚を選んで破壊します。
 この効果で破壊するのはコンゴウです、輪廻の炎に焼かれよ!」


せめて、この効果でコンゴウだけでも破壊しておかないと…!


――ゴォォォォォォォ!!


「で、それがどうした?」


覇金星コンゴウ:ATK3000(2回攻撃付与)


そんな…破壊されていない?


「ククク…コンゴウがいる限り、フィールドのレベル5以上の戦士族モンスターは一切の効果で破壊されなくなる。
 破壊を軸としているお前のデッキには天敵だろう?」

「っ、厄介な…!」


わたしのデッキは効果破壊主体のデッキ…攻撃力も高く、効果破壊耐性を付与するコンゴウを相手にするのは骨が折れますね。
これは、非常に拙いです。


「ちなみにこの効果は俺達も恩恵を受けるって寸法だ。」

「そういう事でターンを進めさせてもらうぜ?
 手札の戦士族モンスター1体『地金星ツムジ』を捨て、手札から『地風星ツムジ』を特殊召喚!」

『ハァァァ!』
地風星ツムジ:ATK2200



「そして俺の場に風属性モンスターが存在する場合、『天風星アラシ』をリリースなしで召喚できる!」

『オォォ…ワァァ!!』
天風星アラシ:ATK2300



上級モンスター2体を展開してきたようですね。


「バトル!まずはアラシでヤクシャを攻撃!」


――バシュッ!


「っ…!」
ねね:LP3600→3100


「続いて、ツムジでバロンを攻撃!」

「ただではやらせません!速攻魔法『炎王炎環』を発動します!
 この効果でバロンを破壊し、墓地から炎属性モンスター『炎王獣 ガルドニクス』を蘇らせます!」
炎王獣 ガルドニクス:DEF1700


リクルーターを展開しておきましたが…一時凌ぎにしかならないのが厳しいですね。


「なら、攻撃対象をガルドニクスに変更するまで!」


――バシュッ!


「ですが、ガルドニクスが戦闘及び相手の効果で破壊された事で効果を発動します。
 この効果でデッキから…ここは2体目の『炎王獣 ガルドニクス』を呼び出します。」
炎王獣 ガルドニクス:DEF1700


ですが、一時凌ぎでも戦線が維持できなくなるよりはマシです。


「だが、これで終わると思うなよ!
 俺は手札から速攻魔法『覇道融合』を発動!
 この効果で俺の場のモンスターで融合召喚を行う!」

「バトルフェイズ中に融合召喚を…!?」


LDSでもないのに速攻魔法での融合魔法まで持っているなんて…!


「俺はツムジとアラシを融合!
 吹けよ風!荒べよ嵐!逆巻く破壊神、ここに君臨!融合召喚!来い、レベル10『覇嵐星フウジン』!!」

『フゥゥゥゥン!!』
覇嵐星フウジン:ATK3000



融合召喚で出てきたのはコンゴウと同じく攻撃力3000の風神…!
こうも攻撃力3000の大型が連発されるのは厳しいですね。
しかも、コンゴウの効果で効果破壊耐性も付与されていますから。


「そして、フウジンでネフティスの炎王神を攻撃!」


――ズバァアッ!


くあっ…!」
ねね:LP3100→3000


ここでネフティスがやられ、効果の制約により除外されてしまいました。
それだけで済むとは思いませんが…!


「俺はカードを1枚伏せ…エンドフェイズにフウジンの効果を発動!
 エンドフェイズ毎にフィールドの戦士族モンスター1体に500ダメージをお前に与える!
 フィールドの戦士族モンスターは2体…よって1000のダメージだ!」


――ビュオォォォ!!


「あう…っ!」
ねね:LP3000→2000


ターンが終わるたびに馬鹿にできない数値のダメージを与えられるわけですか。
3人がかりで実質リンチされているようなところにこれはあまりにも拙いです…!


「ククク、いいぞ…竹田。」

「俺はこれでターンを終了…頼んだぞ、梅杉。」

「任せろ、麻枝!竹田!俺のターン!」

「このスタンバイフェイズに効果で破壊されたバロンの効果を発動します。
 この効果で2枚目の『炎王の爆誕』を手札に…」

「おっと、カウンター罠『強烈なはたき落とし』を発動!
 この効果で手札に加えたカードを墓地へ捨ててもらう!おらっ!」


――パシッ!


「きゃっ…!」


カード効果そのものは兎も角、ここで加えたカードを持つ手を物理的に叩いてくるなんて…!
こんなところにまで無意味にラフプレーですか…!


「3人がかりでこんなところにまでラフプレー…あなたたちにデュエリストとしての誇りはないのですか!

「ククク、思い違いをしているようだがこれは最早デュエルではない。」

「梁山泊塾の名に泥を塗ったお前には制裁を与える必要があるのでな。」

「その上で嬲られ恥かしめを受けたお前を晒し、観衆の下で見せしめとするわけだ。
 我々を敵に回せばこうなる事をな…フフフフフ。」

これが仮にも名門のやる事ですか…!


そう言う3人の表情には下劣な表情が浮かんでいるようですね。
ここまで地に墜ちていたとは…。
愚かで最低としか言いようがありませんね…下衆共が。
そんな事をすれば舞網デュエル協会などから間違いなく制裁が下るというのにも関わらず。


とはいえバーンダメージにサーチ対策のカウンター罠といい、状況は悪化するばかりです。
このままやられてしまえば、わたしが心身ともに彼らに穢され…最悪亡きものにされる事は想像がつきますが。
眩暈がする上でこの状況はあまりに厳しいものがありますね。
かといって、こんな路地裏では助けも期待できそうにありませんね。
それに3人の目をかいくぐって沢渡さんを呼ぼうにも、今すぐ来ることは期待できませんし。


「話は終わりだな、ターンを進めるとしようか。
 俺は手札から魔法カード『融合』を発動!
 手札の『地雷星トドロキ』と『天雷星センコウ』を融合!
 天に閃け!地に響け!雷の破壊神、ここに君臨!融合召喚!いでよ、レベル10『覇雷星ライジン』!!」

『フゥゥゥゥゥン!!』
覇雷星ライジン:ATK3000



融合召喚で出てきたのはまたしても攻撃力3000の大型…!


「そして、ライジンは貫通効果を持っている!
 バトルだ、ライジンでガルドニクスを攻撃!」


――バリバリィ!!


「か…はっ……!」
ねね:LP2000→700


しかも、貫通効果持ち…!
これで残りライフは…700に。


「戦闘破壊されたガルドニクスの効果…!
 デッキから2体目の『炎王獣 キンシ』を…特殊召喚します。」
炎王獣 キンシ:DEF200


「モンスターこそは残ったか、だが…奴には手札も伏せカードもない。」

「もう打つ手もあるまい…これで終わりだな。」

「このまま闇の底へ突き落してやるぜ。」


確かに、リクルートしたところで…フウジンのバーン効果が飛んでくることに変わりはない。
これは、まさに絶体絶命…といった状況に追い詰められてしまいましたか。


「どの道、このエンドフェイズと同時にお前はフウジンの効果で合計1500のダメージを受ける!」

「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ!」

「このエンドフェイズにフウジンの効果発動!闇に墜ちろ、光焔ねねェェェェェ!


――ビュゥゥゥゥゥゥン!!



くっ……もうわたしにはもう打つ手が…!


――Battle Royal mode Joining!


え…このタイミングでまた乱入者ですか…?


「俺はライフを半分払い、手札から『クリギャラクシー』を捨てて効果発動!
 ターン終了時までお互いのプレイヤーに発生する戦闘及び効果ダメージは全て0になる!」
???:LP4000→2000


『クリィィィー!』


――シュオォォォォォォ!!


「なっ…!」

「防がれただと!?」

「助かった…のでしょうか?」

「ちっ、余計な事をしたのは誰だ!!


どうやら、わたしは助かったみたいです。
ですが、誰がこんな…?


「人の心に澱む影を照らす眩き光…人は俺を『ハンター』と呼ぶ。」
ハンター:LP2000


「ハンターだぁ?」

「俺達の邪魔をすればどうなるか…!」


そう言って姿を現したのはマントのような黒ジャケットが特徴的な青年。
彼が自称したハンター、つまり狩人って…!
それに、会った事ないはずなのに…どうしてだか見覚えがあるのはどういうことでしょう?


「光焔ねねと言ったな?お前は下がっていろ。」

「っ、どうしてわたしの名を…!?」

「話は後だ、まずは目の前の奴らを片付ける。
 さあ、狩らせてもらおうか…貴様達の魂を!

「いいぜぇ…やれるものならやってみろってんだ!」


しかも、わたしの名前を知っている…?
これはいったい、どういう事でしょうか?
そう思っている間に…!


――ビシュゥゥゥゥン!!



「っ…!」

「奴の恰好が白く…!」


眩き光と共に黒かった彼の衣装が白に染められた…いったい何が起こっているのでしょう?


「俺のターン、ドロー!俺は手札から魔法カード『融合』を発動!」


ハンターと聞いて思い浮かんだのがエクシーズ使いなのですが…その彼が何故融合を?


「この効果で手札の『銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)』と『フォトン・ラギア』を融合する!
 光の化身よ!閃光に融け込み銀河の眼に新たな力を宿すがいい!融合召喚!現れろ銀河眼の光速竜(ギャラクシーアイズ・ルクソン・ドラゴン)!!」

『ガギャァァァァァ!!』
銀河眼の光速竜:ATK2000


融合召喚で姿を現したのは攻撃力2000のドラゴン。
これだけでは…あの攻撃力3000の大型3体には届きません。
もっとも、まだターンは始まったばかりですが。


「おいおい、融合召喚しておいて攻撃力2000だぁ?」

「その程度じゃ俺達の攻撃力3000のモンスターには到底…」

「融合素材に使用したフォトン・ラギアの効果により、墓地から『ギャラクシー』1体を効果を無効にし守備表示で特殊召喚できる。
 この効果で甦れ!銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)!!」

『グルルルル…』
銀河眼の光子竜:DEF2500(効果無効)



融合召喚を利用してレベル8のモンスターを並べましたか。


「さらに銀河眼の光速竜が融合召喚に成功した時、デッキから『ギャラクシー』カード1枚を手札に加える。
 この効果で魔法カード銀河遠征(ギャラクシー・エクスペディション)を手札に加え、俺のフィールドにレベル5以上の『ギャラクシー』または『フォトン』が存在する事により発動!
 デッキから『ギャラクシー』または『フォトン』のレベル5以上のモンスター1体を守備表示で特殊召喚できる!
 この効果でデッキからレベル8の銀河騎士(ギャラクシー・ナイト)を特殊召喚!!」
銀河騎士:DEF2600


それだけでなく、さらにデッキからレベル8のモンスターを守備表示で展開…という事は!


「ここから、その目に焼き付けるがいい…本物のエクシーズ召喚というものを!

「本物のエクシーズ召喚だぁ?」

「何を言ってるんだ、こいつ?」


本物のエクシーズ召喚…?
そんな事をのたまうということは、彼はやはり…!


「俺はレベル8の銀河眼の光子竜と銀河騎士でオーバーレイ!
 闇に蠢く銀河よ、絶望の闇となりて我が僕に宿れ!エクシーズ召喚!」


――ドォォォォォン!!


「うぉぉっ!?」

「馬鹿な、召喚だけでこの衝撃だと!?」

「なんなんだ、こいつは…!?」


エクシーズ召喚をする際の衝撃で梁山泊塾の者が驚きたじろいでおりますね。
ですが、わたしにとって…むしろ懐かしささえ覚えるのはどうしてでしょう。


「現れろ、暗黒の化身!ランク8銀河眼の暗黒龍(ギャラクシーアイズ・ダークネス・ドラゴン)!!」

『グオォォォォォォ!!』
銀河眼の暗黒龍:ATK2500 ORU2



エクシーズ召喚で現れたのは、赤黒く輝いた禍々しい暗黒の龍。
どうもあまり力を開放していないと思われますが…それでもこの威圧感は凄まじいものがあります。
あれ、解放していない…?何でそんな事をわたしが?
まさか、殴られた時のショックとの相乗とかでわたしは何か思い出しかけているのでしょうか?








――――――








Side:零児


「またしても、召喚反応を検知!」

「これは…非常に強力なエクシーズ召喚の反応です!」

強力なエクシーズ召喚…!


微弱な融合召喚の反応が続いたと思えば、強力なエクシーズ召喚の召喚反応か。
昨日黒龍院里久がエクシーズ次元に強制送還されたが、早くも新たな刺客が来たか。
よりにもよって防犯カメラの範囲の及ばぬ地区に。
今は大会期間中で騒ぎを大きくはないが、野放しにするのは危険か。


「中島…この地区にエクシーズ次元からの刺客が現れた可能性が高い。
 紫吹を現場に急行させろ…無論、変な気を起こさぬように監視付きでな。」

「承知いたしました。」


実のところあの夜、中島が現場に着いた時には既にもぬけの殻だったらしい。
そのためにネプテューヌとシンクロ使いがデュエルしていた事しかわかっていない。
そして、紫吹はあれからネプテューヌと連絡がとれないという…彼女の身に何かあったのは間違いなさそうだ。
その事からも相当なフラストレーションが溜まっているのは明らか。
あまり騒ぎを大きくしたくはないが、協力関係を一方的に断絶されるのはそれはそれで拙い。
その上、エクシーズからの刺客により民間人に被害が出る恐れもある。
そこでこちらの事情を知る中で実力の高い紫吹を動かさざるを得ないというわけだ。
紫吹よ、変な気を起こさないように頼む。








――――――








No Side


梁山泊塾の面々に付け狙われた光焔ねねのピンチに突如として駆けつけたハンターを自称する青年。
その彼が本物のエクシーズ召喚と題して『銀河眼の暗黒龍』なるモンスターを呼び出した。
元々の攻撃力こそは梁山泊側の攻撃力3000の融合モンスター3体には届いてはいない。


「ははは、レベル8モンスターを揃えて何を出すのかと思えば攻撃力2500ぅ?

「み、見た目だけでハッタリだろどうせ…!」


もっとも、彼らは言葉とは裏腹にその暗黒の龍の発する威圧感により声が震えていた。
ハンターを自称するデュエリストとのデュエリストとしての格の違いでも感じたのだろう。
融合召喚を展開のトリガーとし、ランク8エクシーズを呼び出す芸当は彼らには到底できない。


「ハッタリかどうかは、その目で確かめてみる事だ!
 だが、まずは光速竜のもう1つの効果を発動!
 1ターンに1度、相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を次の俺のスタンバイフェイズまで除外する!
 この効果で追放するのは覇嵐星フウジン!消えるがいい『ルクソン・バニッシュメント』!!」


――バシュン…!


そもそも彼が融合召喚で呼び出した光速竜にはもう1つ効果があったのだ。
それは、次の自分のスタンバイフェイズまで特殊召喚されたモンスター1体を除外するというもの。
次のハンターのターンが来れば、戻っては来るものの…その前にプレイヤー倒せばいいだけの事である。


「フウジンが消されただと…?」

「ふむ、ここで効果耐性を付与するコンゴウを除外しなかったようですが…」


ねねは効果破壊耐性を付与するコンゴウを除外しなかった事に疑問を抱く。
もっとも、その疑問はすぐに解消されるわけだが。


「そして、俺は『フォトン・クラッシャー』を通常召喚!」
フォトン・クラッシャー:ATK2000


「まずは貴様からだ!」

「何っ!」


そう言って、彼が最初に狙いを定めたのは…コンゴウを操る麻枝であった。


「バトル!俺は銀河眼の暗黒龍(ギャラクシーアイズ・ダークネス・ドラゴン)で覇金星コンゴウを攻撃!」

「攻撃力の低いモンスターで攻撃だと!?」

「オーバーレイ・ユニットを持った暗黒龍が相手モンスターと戦闘を行うこの攻撃宣言時に効果を発動!
 その相手モンスターの効果はターン終了時まで無効になり、その攻守は元々の数値になる!『ダークホール・バイト』!!」
覇金星コンゴウ:ATK3000(効果無効)


まずは暗黒龍の両肩の2つの口が伸びてコンゴウに食らいつく。


「効果を無効にしてきたからなんだ!
 その攻撃宣言時に罠発動!『豪傑の覇気』
 戦士族の上級モンスターに攻撃してきたモンスターの効果を破壊し、その攻撃力分のダメージを与える!これで…」

「悪いが、暗黒龍は1ターンに1度だけ相手の発動した罠の効果を受けない。」

「何だと!?」


暗黒龍の続いての効果は罠に対する耐性効果。
まずはこれで相手の罠の効果から逃れる。


「だが、コンゴウの攻撃力は3000だぞ…」

それはどうかな?暗黒龍がエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターと戦闘を行うダメージ計算時に更なる効果!
 その相手モンスターの攻守をそのモンスターのレベルまたはランク1つにつき100ダウンする!
 コンゴウのレベルは10…よって攻守を1000ダウンさせる!」

「馬鹿な…!」
覇金星コンゴウ:ATK3000→2000(DEF2200→1200、効果無効)


「成程、この効果があったからコンゴウを残しておいたわけですか…」


ここで更なる効果によりコンゴウの攻撃力は2000までダウンした。
その上、麻枝のライフは既に残り500であるということは…!


「この一撃で消え去るがいい!『滅びのダークネス・バースト』!!」


――ドォォォォォォォォン!!


「ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
麻枝:LP500→0


手始めに残りライフの少なかった麻枝のライフが消し飛ばされる。
だが、これでハンターを自称する青年が止まるわけがない。
何より、ここまででエクシーズモンスターの特徴たる素材を消費する効果を一切使用していないのだ。


「光子竜をオーバーレイ・ユニットとしている銀河眼の暗黒龍(ギャラクシーアイズ・ダークネス・ドラゴン)が戦闘で相手モンスターを破壊した瞬間!
 そのオーバーレイ・ユニットを2つ取り除き、エクストラデッキから超銀河眼の暗黒龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・ダークネス・ドラゴン)の効果を発動!」
銀河眼の暗黒龍:ATK2500 ORU2→0


「エクストラデッキから効果を発動するモンスターだと!?」

「このカードを暗黒龍の上に重ね、エクシーズ召喚扱いで特殊召喚する!
 俺は銀河眼の暗黒龍(ギャラクシーアイズ・ダークネス・ドラゴン)でオーバーレイ・ネットワークを再構築!
 逆巻く銀河よ、妖しく輝く暗黒星雲に飲まれその真の姿を現すがいい!インヴェイド・エクシーズ・チェンジ!降臨せよ超銀河眼の暗黒龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・ダークネス・ドラゴン)!!」

『グオォォォォォォォォォォ!!』
超銀河眼の暗黒龍:ATK4000 ORU1



「攻撃力…4000だと!?

「嘘だろ…おい…」

「…暗黒龍が真の姿を見せましたか。」


それは暗黒龍の両肩の首がさらに伸び、より禍々しく赤黒い輝きを発した三頭の禍々しき龍であった。
もっともそれを呼び出した本人は各々の反応に意を介さず、竹田に向かって指をさし…!


次は貴様だ!

「ひぃっ…!」

「フォトン・クラッシャーと銀河眼の光速竜(ギャラクシーアイズ・ルクソン・ドラゴン)の2体で攻撃!『ルクソン・チェイン・アタック』!!」


――ドガァッァァァァァ……バシュゥゥゥゥン!!


「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
竹田:LP4000→2000→0


標的にされた竹田は情けない声をあげながら2体のモンスターの攻撃であえなく撃沈。


「攻撃したフォトン・クラッシャーは守備表示になるが…後は貴様だけだな?」
フォトン・クラッシャー:ATK2000→DEF0


や、やめてくれ…!

超銀河眼の暗黒龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・ダークネス・ドラゴン)でライジンを攻撃!」

なんてな、かかったな!罠発動『豪傑の咆哮』!!
 この効果でライジンの攻撃力を戦闘を行うモンスターの攻撃力分アップする!これでお前は…」

「ですが…実に愚かです。

「何っ…?」


標的にされた梅杉が迎撃の罠で勝ち誇ったところにこの一言だ。
しかも発言したのはハンターを自称する男ではなく、ねねだ。
まるでこの龍の効果を知っているかのように。


「ほう?まるで超銀河眼を知っていたかのような口ぶりだな?
 だが、それは後だ…この瞬間、超銀河眼の暗黒龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・ダークネス・ドラゴン)の効果を発動!
 バトルフェイズ中に魔法・罠カードまたはモンスター効果が発動した時、このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ使い、その効果を無効にし破壊する!」
超銀河眼の暗黒龍:ATK4000 ORU1→0


「これも無効にだと…?」

「驚くのはまだ早い!その後、墓地からこのモンスターを蘇らせる!
 光の化身、ここに降臨!現れろ銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)!!」

『ガアァァァァッァァァ!!』
銀河眼の光子竜:ATK3000



バトルフェイズ中に発動する効果を無効にした上で攻撃力3000のモンスターまで復活。
迎撃のために発動した罠が、逆に自らにトドメをさすトリガーになってしまったのはなんという皮肉であろうか。
もっとも、ハンター自身が手札に速攻魔法などを持っていた可能性も無きに非ずだが。


「よって攻撃は続行される!『アルティメット・ダークネス・バースト』!!」


――ゴォォォォォォォォォ!!


「ぐおぉぉぉぉぉ!」
梅杉:LP4000→3000


銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)で貴様にダイレクトアタック!
 狩らせてもらおうか、貴様らの魂を!『破滅のフォトン・ストリーム』!!」


――シュオォォォォォォ……ドゴォォォォォォォォォォン!!


「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
梅杉:LP3000→0


ここで途中参戦とはいえ3人を相手に1ショット2キル+αを達成。
圧倒的な格の違いを見せ、3人を地に這いつくばらせる。

そして…倒れ伏す彼らの前にハンターがデュエルディスクを操作しながらにじり寄り…!


「ひっ、何を……」


――ピカァァァァ!!


「うわぁぁぁぁ…」


――ぺらっ…


光が放たれ、麻枝がそれに包まれる。
そして、体が消え…彼の姿が描かれた1枚のカードが舞い落ちた。
彼は無残にもカードに封印されたようだ。


「麻枝が…消えた?

「なんなんだ、これは…?」

「貴様らの魂を狩ると言っただろう?
 カードの中に封印され、しばし眠りにつくがいい。」

「ひぃっ…」

「来るな…」


――ピカァァァァァ…


「「ぎゃぁぁぁぁぁ……」」


残る竹田と梅杉も麻枝と同様にカードに封印される。
こうして、この場にはねねとハンターの二人だけが残る。


カードに封印…デュエリストの風上にも置けないあの3人には相応しい末路ですね。
 え、と…一応わたしを助けてくださり、ありがとうございます。」

「ふん、礼には及ばん…だが、少し失望したぞ。
 あの星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)が、あのような雑魚共に追い詰められるとは。」

「ええ、自分でもあのような屑どもに不覚を取るとは情けない限りで…?
 待って、今あなたはわたしの事をシュテルと…?それにわたしが…そんな事を…?」


ここでねねは自分のとった対応に違和感を感じた。
前に紫吹と相対した際に『星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)』呼ばわりされた事があるものの、そう呼ばれてまるでそれが当然のように返した事に。


「やはり記憶を失っているか…だが、思い出しかけているようだな。
 いいか、よく聞け…まずは自己紹介しておく。
 俺はエクシーズ次元『ハートランド』出身の『アヴニール』所属のハンター…天城カイトだ。」

「天城、カイト…ハート、ランド……やはりわたしは……あ、ぁ……!」


ハンターを自称する青年は天城カイトと自らを名乗る。
そしてその名とハートランドの名を聞いたねねは…頭を抱えて錯乱する。


「そして俺は『星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)』の異名を持つお前…『ステラ・スターク』を連れ戻すよう命じられ、ここへとやってきた。」

「ぁ…それがわたしの本当の……名…!」


カイトはプロフェッサーにそう命じられてこのスタンダード次元へとやってきた。
そしてねねに彼女の本当の名を告げると、ねねは…。


「…そうだ、わたしの本当の名は『ステラ・スターク』!
 2年前のあの時に志半ばで敗走し、そのまま記憶を失ってはこの次元に迷い込んだようですが…思い、出した!
 お久しぶりです、カイト…長い間消息を絶ってしまい、申し訳ありません。大変心配をかけましたね。」


もとい、ステラは全てを思い出した。
自らが『星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)』の異名を持つ事も、2年前に敗北した事も。
そして自らが率先して融合次元を侵攻していた事も。


「ようやく思い出したか、要らん世話をかけてくれたものだ。
 ステラ、エクシーズ次元に戻るぞ…プロフェッサーがお前の帰還をお待ちかねだ。

「…はい、我らの悲願のためにも。」


一瞬、何か迷うそぶりを見せるもエクシーズ次元へ戻る事を受け入れたステラ。


――ピカァァッァ!!


そして光と共にステラとカイトはこの次元から去ったようだ。
梁山泊塾の3人が封印された3枚のカードのみがこの場に残される。


「これは…!」

「一足遅かったか、くそっ…!


――ドンッ!


ここで中島に連れられた紫吹が現場に到着。
だが、一足遅く…カードに封じ込められた3人を見てやり場のない怒りを壁にぶつけるしかなかった。
後手に回ったがためにエクシーズの刺客の凶行を止められなかった。

だが、この時彼らは知る由もなかった。
LDS所属だった光焔ねねが記憶を取り戻し、ステラ・スタークとしてエクシーズ次元へと戻った事を。













続く 






登場カード補足






ネフティスの炎王神
融合・効果モンスター
星9/炎属性/鳥獣族/攻2900/守1800
「ネフティスの鳳凰神」+「炎王」モンスター
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
(1):このカードが融合召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「炎王」カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合、次のスタンバイフェイズに発動する。
このカードを墓地から特殊召喚する。
その後、フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。



超銀河眼の暗黒龍(ネオ・ギャラクシーアイズ・ダークネス・ドラゴン)
エクシーズ・効果モンスター
ランク9/闇属性/ドラゴン族/攻4000/守3000
レベル9モンスター×3
(1):自分の「銀河眼の光子竜」をX素材とした「銀河眼の暗黒龍」が戦闘で相手モンスターを破壊した場合、そのモンスターのX素材を2つ取り除いて発動できる。
エクストラデッキからこのカードをそのモンスターの上に重ねてX召喚扱いとして特殊召喚する。
(2):1ターンに1度、バトルフェイズにモンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
その後、自分の墓地から「銀河眼の光子竜」1体を選んで特殊召喚できる。



銀河眼の暗黒龍(ギャラクシーアイズ・ダークネス・ドラゴン)
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守3000
レベル8モンスター×2
(1):X素材を持ったこのカードが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に発動する。
その相手モンスターの効果はターン終了時まで無効化され、その攻撃力・守備力は元々の数値になる。
(2):このカードがエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。
そのモンスターの攻撃力・守備力はそのモンスターのレベルまたはランク×100ダウンする。
(3):このカードは1ターンに1度だけ、相手が発動した罠の効果を受けない。



銀河眼の光速竜(ギャラクシーアイズ・ルクソン・ドラゴン)
融合・効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻2000/守1500
「ギャラクシー」モンスター+「フォトン」モンスター
(1):このカードが融合召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「ギャラクシー」カード1枚を手札に加える。
(2):1ターンに1度、フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを次の自分スタンバイフェイズまで除外する。



フォトン・ラギア
効果モンスター
星8/光属性/恐竜族/攻2000/守1000
「フォトン・ラギア」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「ギャラクシー」モンスターが存在する場合、このカードはリリースなしで召喚できる。
(2):このカードが融合召喚の素材となって墓地へ送られた場合、自分の墓地の「ギャラクシー」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。



クリギャラクシー
効果モンスター
星1/光属性/悪魔族/攻 300/守 200
「クリギャラクシー」の(2)の効果はデュエル中1度しか使用できない。
(1):このカードを手札から捨て、LPを半分払って発動できる。
このターン、お互いに受けるダメージは全て0になる。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードが墓地に存在する場合、自分の墓地のレベル5以上の「ギャラクシー」モンスター1体を除外して発動できる。
墓地のこのカードを手札に加える。



覇金星コンゴウ
融合・効果モンスター
星10/地属性/戦士族/攻3000/守2200
「地」戦士族モンスター+「天」戦士族モンスター
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、フィールドのレベル5以上の戦士族モンスターは効果で破壊されない。



地金星アギョウ
効果モンスター
星5/地属性/戦士族/攻2000/守1000
(1):相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードはリリースなしで召喚できる。
(2):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。



天金星ウンギョウ
効果モンスター
星5/地属性/戦士族/攻1800/守1400
(1):自分フィールドに戦士族・地属性のモンスターが存在する場合、このカードはリリースなしで召喚できる。
(2):このカードを手札から捨てて発動できる。
このターン、自分が受ける戦闘ダメージは0になる。
この効果は相手ターンでも発動できる。



覇嵐星フウジン
融合・効果モンスター
星10/風属性/戦士族/攻3000/守2200
「地」戦士族モンスター+「天」戦士族モンスター
(1):エンドフェイズに発動する。
フィールドの戦士族モンスターの数×500ダメージを相手に与える。



地風星ツムジ
効果モンスター
星7/風属性/戦士族/攻2200/守1600
(1):相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードはリリースなしで召喚できる。
(2):このカードは手札から風属性モンスター1体を捨てて、手札から特殊召喚できる。



天風星アラシ
効果モンスター
星7/風属性/戦士族/攻2300/守1500
(1):自分フィールドに戦士族・風属性のモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。



覇雷星ライジン
融合・効果モンスター
星10/光属性/戦士族/攻3000/守2200
「地」戦士族モンスター+「天」戦士族モンスター
(1):このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。



地雷星トドロキ
効果モンスター
星6/光属性/戦士族/攻2100/守1200
(1):相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードはリリースなしで召喚できる。
(2):このカードが戦闘でモンスターを破壊した場合に発動できる。
デッキから「融合」1枚を手札に加える。



天雷星センコウ
効果モンスター
星7/光属性/戦士族/攻2400/守1400
(1):自分フィールドに戦士族・光属性のモンスターが存在する場合、このカードをリリースなしで召喚できる。



覇道融合
速攻魔法
(1):自分バトルフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。



武将の無敵化
通常罠
(1):このターン自分フィールドの戦士族モンスターは戦闘・効果では破壊されない。



豪傑の覇気
通常罠
(1):自分フィールドの戦士族・レベル5以上のモンスターが攻撃対象に選択された時、攻撃モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊し、その攻撃力分のダメージを相手に与える。



豪傑の咆哮
通常罠
自分フィールドの戦士族・レベル5以上のモンスターが攻撃対象に選択された場合に発動できる。
その攻撃対象モンスターの攻撃力は、ダメージステップ終了時まで攻撃モンスターの攻撃力分アップする。